田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

レ・ミゼラブル(les miserables)

2012年12月24日 18時36分16秒 | 日記

 

 格差と貧困にあえぐ民衆が自由を求めて立ちあがろうとしていた19世紀のフランス。ジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)は、パンを盗んだ罪で19年間投獄され、仮釈放されたものの生活に行き詰まり、再び盗みを働く。しかし、その罪を見逃し赦してくれた司教の慈悲に触れ、身も心も生まれ変わろうと決意。マドレーヌと名前を変え、工場主として成功を収め、市長の地位に上り詰めたバルジャンだったが、警官のジャベール(ラッセル・クロウ)は彼を執拗に追いかけてくるのだった。そんな中、以前バルジャンの工場で働いていて、娘を養うため極貧生活を送るファンテーヌ(アン・ハサウェイ)と知り合い、バルジャンは彼女の幼い娘コゼットの未来を託される。ところがある日、バルジャン逮捕の知らせを耳にした彼は、法廷で自分の正体を明かし再び追われることになり、ジャベールの追跡をかわしてパリへ逃亡。コゼットに限りない愛を注ぎ、父親として美しい娘に育てあげる。だが、パリの下町で革命を志す学生たちが蜂起する事件が勃発、バルジャンやコゼットも次第に激動の波に呑まれていく……。(movie.comより)



<ネタバレあり>



 幼い頃、家の本棚や学級文庫、図書室には「ああ無情」と題した本が必ずあり、なにか読まなければならないような雰囲気を放ってました。実際、みんな読んでましたし、親も「読んでて当然」みたいな口ぶりでした。

それで、子供心にも「ヒドいなぁ・・・パンひときれでなんで19年?」などと思いながら、ジャンが懐中時計だと思って口に含んでいたものが、ただの石ころだったとか、そんなしょーもない場面だけをクリアに覚えてたりして、ともかく「ミゼブル」という単語が「みじめな」を意味するんだと覚えたのも、この作品のおかげでした。(それを悟ったのはずっと後でしたが。)

映画は何年も前のジャン=ポール・ベルモンド版を見て、長かったけれど秀作だったのを覚えています。ジャン=ポールがハンサムじゃないんですね、そこがまたよかった(笑)。

で、今回の映画です。私、今まで知らなかったのですが、この作品でジャン・バルジャンはシャベール警部に「窃盗の罪は5年。後は脱獄の刑期だ」と言われてましたね。そうだったのですね!無知をさらしてすみません。
しかし、ということは、パンひときれで19年も服役したのではなく、ある程度は自業自得だった、ということになりますよね。

もちろん、いろいろ理由はあったでしょうが、5年我慢してれば逃げ回らずに済んだ、ということです。まぁ脱獄するときはだれしも、もう逃げ切るつもりでしますからね、5年よりましだと思ってするんでしょうけど。

そして司祭様による魂の救済。なかなかこんなことは言えません。この司祭様は本当に偉かったのですね。

あと、話が戻って申し訳ないのですが、冒頭「フランス革命から26年。世は再び王政に戻っていた」と出て、民衆が苦しんでいる様子が映しだされます。

あれだけの革命を起こしたのに!王族はギロチン系に処されたのに!たった26年でこんなに混乱してしまっていたなんて、マリー・アントワネットも浮かばれませんね。(違うのかな。物語の中だけのことかな。実際はそうでもなかったのかな。)

なんだか、歳取ってから同じ作品を見て、驚くこと多数でした。今まで自分がいかに基本を把握せずに見ていたか、ということなんですが・・・。

そしてそして、さらに驚くことに、心を入れ替えたジャン・バルジャンは、たった8年(9年だったかな)で財をなし、工場を経営し、市長にまでなっているのです。(すごいですねぇ。物語なんだから、そんなことを言っていたら始まらないけれど、すごすぎる)

そして、あまりの貧困に衰弱死してしまったファンテーヌに代わって、娘コゼットを引きとり、育てます。コゼットの面倒をそれまで見ていた悪徳宿屋の夫婦はしかし、最後の最後まで一緒に出て来ます。夫婦仲はいいんだなぁ、と感心しました。

美しく成長したコゼットはやがて革命を志す青年と恋に落ちます。でも、成功しないとわかっていても、若者たちは理想に燃え、殉死することが美しいと錯覚し、突撃してゆきます。

シャベール警部も一度は若者たちに捕まるもジャン・バルジャンに救い出され、その後も任務は任務と遂行するも、やはり最後にはジャンを捕えることはできません。そんな自分に絶望した警部は、あろうことか川に身を投げ・・・(えぇっ!そ、そんな)

瀕死の重傷だったコゼットの恋人は、ジャンの必死の救出により一命を取り留めます。そして幸せになる二人。役目が終わったジャン・バルジャンには、フォンテーヌの迎えが来ます。

こんな素敵なお迎えがあって旅立てれば理想ですね。私も是非、そうあって欲しいです。

歌は皆さん、とっても上手です。さすが、一流と呼ばれる俳優さんたちは、なんでもできるのですね。どの人も本当に上手です。

映像もさすがの迫力です。これは、一つの時代を象徴する映画でしょうね。

コメント (1)
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