田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

砂漠でサーモン・フィッシング(salmon fishing in the yemen)

2012年12月11日 23時30分40秒 | 日記
 
 
 英国で一大ブームを巻き起こしたポール・トーディの小説「イエメンで鮭釣りを」を、「スラムドッグ$ミリオネア」のサイモン・ビューフォイ脚本、「ギルバート・グレイプ」のラッセ・ハルストレム監督で映画化。無謀な国家プロジェクトに巻き込まれた主人公の学者が奔走する姿や、プロジェクトにかかわる人間たちの恋や友情をユーモラスに描く。英国の水産学者ジョーンズ博士のもとに、砂漠の国イエメンの大富豪から、鮭釣りがしたいのでイエメンに鮭を泳がせてほしいという依頼をもちこまれる。そんなことは不可能と一蹴したジョーンズだったが、中東との緊張緩和のためにと外務省が支援を決め、首相まで巻き込んだ荒唐無稽な国家プロジェクトに展開してしまう。ジョーンズ博士役にユアン・マクレガー。共演にエミリー・ブラント、クリスティン・スコット・トーマスら。(映画.comより)


 これはよくできた娯楽作ですね。適度にイケメンを配して、適度に政治風刺があって、イギリスっぽいブラックユーモアも適度にあって。楽しめました。

それにしても、冴えない男をやらせたらユアン・マクレガーは本当にうまいですね。なんだったか、随分前に見たアシュレイ・ジャッドとの共演作を思い出しました。魔性の女アシュレイに密かに目を付けたユアンは、彼女のいない間に訪ねていって大家さんにあれこれ聞くのです。帰宅してからそれを教えられたアシュレイは、「どんな男だった?」と問うのですが、大家の女性は「さぁ~、普通の男としか言いようがないわ」と答えるのです。言い得て妙、とすごく納得したものでした(笑)。

ともかく、「普通の男」ユアンはしかし、優秀な水産学者です。独自のルアーを考案した実績もあり、白羽の矢が立ったのです。

彼を説得するエミリー・ブラントがまたすごい。とても理論的で、どんな難題にもひるみません。またイエメンの富豪の経済力もすごい!単位がポンドだったので、「まずは5000万ポンドの資金を」と言われてポンと出すシーンのすごさがわからなかったのですが、換算すると約65億円ですよ!あとからびっくりしました。それが手付金なのですから。

中東に派兵しているイギリス政府は、その情勢悪化のニュースをごまかすため、ほのぼのニュースを所望。そのため、こんな荒唐無稽なプロジェクトが強力に推し進められることになるのです。

しかし、エミリーの彼氏が兵士だったために、中東で消息がわからなくなったとか、そんなサイドストーリーも盛り込まれ、あれだけ理論家でユアンを言い負かしていたエミリーが、その辺の女よりも取り乱します。これには驚きました。人にあれだけ言っておいて自分のその態度はどうよ、とも思ったけれど、
そこはそれ、若い美人ですからユアンも優しく慰めます。

ともかく、そんなこんなで一大プロジェクトが進んでいくわけです。しかし現地でも、西欧化をいやがる勢力もあったりして、一筋縄ではいきません。

政治家のいやらしい魂胆も微妙に絡みながらも、物語は収束してゆきます。要は、みんな、あるべき位置に戻るのです、というか立つのです。誰も(ってこともないけど)悲しまないし、傷つかない。傷ついたであろう人も、立ち直りオーラ出てるし、大丈夫。そんな物語です。
 
そうそう、この原題、「Yemen」って国名だと思うのに、なんで「the」が付いてるんだろ。

監督 ラッセ・ハルストレム。(でも、私はやっぱり「ギルバート・グレイプ」が一番好きかなぁ・・・)
コメント
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