2023(令和5)年1月27日、岸田内閣は、現在も蔓延している新型コロナウイルス(COVID⁻19)の感染症法上の分類を、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に5月8日に引き下げると決めた。
感染症法は、感染症を1~5類と「新型インフルエンザ等」に分類している。新型コロナは「新型インフルエンザ等」に位置づけられ、結核などの「2類」以上の対応がとれる扱いだった。
「5類」に引き下げることによって、新型コロナを特別な感染症として扱う対応は縮小・廃止されることになる。つまり、普通のインフルエンザ、風邪扱いとなる。
新型コロナウイルスが日本国内で発生してから約3年。
日本国内はおろか世界中を巻き込んだパンデミック(世界的大流行)の「コロナ禍」は、さらなる強力な呼び戻しが来ない限り、一応の終わりを告げようとしている。
あの新型コロナウイルスが持っていた不穏な力と灰色の空気はどのようなものだったのかを、私的に刻印しておこうと思っている。
(写真は、「コロナを生きた3年間」特集の2023年1月15日朝日新聞の記事)
<1>新型コロナウイルスの生まれた頃
ことの起こりは、小さな出来事と思えた。
2019(令和元)年12月のこと、中国湖北省武漢市で原因不明の肺炎が発生したというニュースが、世界で日々生まれるニュース・話題の一つとして流れた。
そういうことはよくとは言わないが、たまにあることだと多くの人が感じとった。
翌2020(令和2)年の1月になると、その武漢発生とおぼしき新型肺炎に関する報道は少しずつ数が増え、中国武漢では感染者が広まっていることが感じられた。
そして、その新型肺炎が新型コロナウイルス(COVID⁻19)と判明(命名)され、1月15日に日本人にも感染者が出た頃、欧米でも感染が急増していた。
その後は、新型コロナウイルスは燎原の火のように、またたく間に世界中に蔓延した。
世界の感染者数が 114 の国・地域で計 11 万8千人以上、死者数が 4,291 人まで拡大した3月11日、WHO(世界保健機構)がパンデミック(感染症の世界的大流行)を表明した。
わが国日本でも、2月には初めての死者が出るが、3月の上旬まではさほど感染者は増えなかった。実際、3月中旬頃まで感染者数は全国で50人以下だった。
日本に感染者が増えたのは、3月10日頃以降、欧米からの旅行者や帰国者が増えたあたりからである。その頃、欧米では感染者が急拡大し死者が続出していた。
3月、ヨーロッパを旅行していた知人が、不穏な空気と情報をキャッチし、旅行途中で急遽予定を繰り上げて帰国し、間一髪で出国留めにあわずにすんだと語った。
WHO発表による新型コロナの最初の発生から半年後の6月末には、感染者は全世界で1千万人を超えパンデミックは勢いを増していった。
<2>2020(令和2)年、新型コロナの感染者、死者の数の推移をデータで見てみよう
まず、日本国内で初めて死者が出た2020年の2月から、日本国内とあわせて世界の状況を見ていこう。
・2020年2月13日、
(日本・感染者数)33人、前日比+5、(死者数)1人、前日比+1
(世界全体・感染者数)6万384人、(死者数)1373人
・3月1日
(日本・感染者数)259人+14、(死者数)6人+0
(世界全体・感染者数)8万8402人、(死者数)3000人
・4月1日
(日本・感染者数)2535人+280、(死者数)72人+5
(世界全体・感染者数)95万5728人、(死者数)5万3862人
新型コロナの世界的大流行となるパンデミック前夜と黎明期は、感染者も少なく、当日の感染者の発表・報道に釘付けになった。朝日新聞では毎日、各都道府県の感染者および死者の数と、都内版(多摩版)では、東京都内の23区・市町村別に前日の感染者数、死者数とその累計を表として掲載した。
コロナ初期、黎明期には、急拡大し続ける世界の状況に比し、日本は感染者や死者が少なかった。それで、日本人に特有のコロナウイルスの免疫性があるのではないか、それは何か、根拠となるものは何かなどが、専門家も含めて真面目に論じられた。
しかし、新型コロナウイルス発生後約1年になる2020年の終わりになると、やはり以下の数字のように日本も感染者は増大していた。
・2020年12月31日
(日本・感染者数)23万5749人+4532、(死者数)3492人+49
(世界全体・感染者数)2億8872万8174人、(死者数)398万5219
そして、現在は……
・2023(令和5)年2月5日
(日本・感染者数)3276万6847人+32459、(死者数)6万9485人+188
(世界全体・感染者数)6億7170万6664人、(死者数)684万4614人
※統計資料は「日本経済新聞・新型コロナウイルス感染 世界マップ」(感染者数や死者数は米ジョンズ・ホプキンス大学の集計による)
そして、2020年の12月から翌2021年にかけて、欧米先進国をはじめとする、日本も含めた世界各国による、新型コロナワクチンの争奪戦が始まるのであった。
※「パンデミック・コロナの時代② 世界を走らせたワクチン喧騒曲」参照
感染症法は、感染症を1~5類と「新型インフルエンザ等」に分類している。新型コロナは「新型インフルエンザ等」に位置づけられ、結核などの「2類」以上の対応がとれる扱いだった。
「5類」に引き下げることによって、新型コロナを特別な感染症として扱う対応は縮小・廃止されることになる。つまり、普通のインフルエンザ、風邪扱いとなる。
新型コロナウイルスが日本国内で発生してから約3年。
日本国内はおろか世界中を巻き込んだパンデミック(世界的大流行)の「コロナ禍」は、さらなる強力な呼び戻しが来ない限り、一応の終わりを告げようとしている。
あの新型コロナウイルスが持っていた不穏な力と灰色の空気はどのようなものだったのかを、私的に刻印しておこうと思っている。
(写真は、「コロナを生きた3年間」特集の2023年1月15日朝日新聞の記事)
<1>新型コロナウイルスの生まれた頃
ことの起こりは、小さな出来事と思えた。
2019(令和元)年12月のこと、中国湖北省武漢市で原因不明の肺炎が発生したというニュースが、世界で日々生まれるニュース・話題の一つとして流れた。
そういうことはよくとは言わないが、たまにあることだと多くの人が感じとった。
翌2020(令和2)年の1月になると、その武漢発生とおぼしき新型肺炎に関する報道は少しずつ数が増え、中国武漢では感染者が広まっていることが感じられた。
そして、その新型肺炎が新型コロナウイルス(COVID⁻19)と判明(命名)され、1月15日に日本人にも感染者が出た頃、欧米でも感染が急増していた。
その後は、新型コロナウイルスは燎原の火のように、またたく間に世界中に蔓延した。
世界の感染者数が 114 の国・地域で計 11 万8千人以上、死者数が 4,291 人まで拡大した3月11日、WHO(世界保健機構)がパンデミック(感染症の世界的大流行)を表明した。
わが国日本でも、2月には初めての死者が出るが、3月の上旬まではさほど感染者は増えなかった。実際、3月中旬頃まで感染者数は全国で50人以下だった。
日本に感染者が増えたのは、3月10日頃以降、欧米からの旅行者や帰国者が増えたあたりからである。その頃、欧米では感染者が急拡大し死者が続出していた。
3月、ヨーロッパを旅行していた知人が、不穏な空気と情報をキャッチし、旅行途中で急遽予定を繰り上げて帰国し、間一髪で出国留めにあわずにすんだと語った。
WHO発表による新型コロナの最初の発生から半年後の6月末には、感染者は全世界で1千万人を超えパンデミックは勢いを増していった。
<2>2020(令和2)年、新型コロナの感染者、死者の数の推移をデータで見てみよう
まず、日本国内で初めて死者が出た2020年の2月から、日本国内とあわせて世界の状況を見ていこう。
・2020年2月13日、
(日本・感染者数)33人、前日比+5、(死者数)1人、前日比+1
(世界全体・感染者数)6万384人、(死者数)1373人
・3月1日
(日本・感染者数)259人+14、(死者数)6人+0
(世界全体・感染者数)8万8402人、(死者数)3000人
・4月1日
(日本・感染者数)2535人+280、(死者数)72人+5
(世界全体・感染者数)95万5728人、(死者数)5万3862人
新型コロナの世界的大流行となるパンデミック前夜と黎明期は、感染者も少なく、当日の感染者の発表・報道に釘付けになった。朝日新聞では毎日、各都道府県の感染者および死者の数と、都内版(多摩版)では、東京都内の23区・市町村別に前日の感染者数、死者数とその累計を表として掲載した。
コロナ初期、黎明期には、急拡大し続ける世界の状況に比し、日本は感染者や死者が少なかった。それで、日本人に特有のコロナウイルスの免疫性があるのではないか、それは何か、根拠となるものは何かなどが、専門家も含めて真面目に論じられた。
しかし、新型コロナウイルス発生後約1年になる2020年の終わりになると、やはり以下の数字のように日本も感染者は増大していた。
・2020年12月31日
(日本・感染者数)23万5749人+4532、(死者数)3492人+49
(世界全体・感染者数)2億8872万8174人、(死者数)398万5219
そして、現在は……
・2023(令和5)年2月5日
(日本・感染者数)3276万6847人+32459、(死者数)6万9485人+188
(世界全体・感染者数)6億7170万6664人、(死者数)684万4614人
※統計資料は「日本経済新聞・新型コロナウイルス感染 世界マップ」(感染者数や死者数は米ジョンズ・ホプキンス大学の集計による)
そして、2020年の12月から翌2021年にかけて、欧米先進国をはじめとする、日本も含めた世界各国による、新型コロナワクチンの争奪戦が始まるのであった。
※「パンデミック・コロナの時代② 世界を走らせたワクチン喧騒曲」参照