インプラントは歯が生える方向に沿って、真っ直ぐに入れることが理想です。
インプラントが真っ直ぐ入っているのと曲がって入っているのでは、真っ直ぐ入って
いる方がかむ力を自然に受け止めます。
ところが、インプラントを入れたいところに骨がないことがよくあります。
骨がないというのは骨格の問題で、生まれつきの体型のようなものです。
インプラントは海外で生まれたものですが、外人より日本人の方が「骨がない」こと
が多いです。論文に出てくる外人のレントゲンを見ると、「これなら目をつぶっても
入るじゃん!」と思うことがよくあります。
歯周病、インプラントについては日本人は少し不利な民族といえるでしょう。
ここで日本人の器用さの出番です。
骨のあるところを探し、斜めにインプラントを入れます。斜めにインプラントを入れ
ると、真っ直ぐに入れた場合よりも5ミリ前後長いインプラントを入れられることが
多くあります。
(傾斜埋入の欄をご覧下さい。図でみれば一目瞭然です。)
これが傾斜埋入です。
真っ直ぐ入った短いインプラントよりも、曲がって入った長いインプラントの方が
寿命が長くなります。
ただ、この傾斜埋入は時として「針の穴を通すように」難しいことがあります。
この場合、術前にCTを撮っていただくことがありますし、術中にもレントゲンで確認
しながら手術をします。その分、手術時間は長くなります。
入ってしまえば、インプランとが真っ直入っていても曲がって入っていても、噛む
感触は同じです。