啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「キョウガノコ」と「ヤマユリ」

2011-08-06 06:13:41 | 山野草

那須の高原は深い森に囲まれている。軽井沢に比べ開発が進んでいないように見え、何となく好感を持っていた。皇室が所有する広大な土地があり、軽々しく開発できないのだろうか。所有が宮内庁から環境省かどこかに移った広大な土地を自然公園として解放した場所などもあった。まあ、天皇家といえどもあんなに広い土地は重荷だろう。森林の保護だけでも膨大な費用がかかりそう。訪れた時期が季節の変わり目なのだろうか。花の種類は多くなかった。

「キョウガノコ」はバラ科シモツケソウ属の多年草。調べて初めて知ったが、古い園芸植物で「シモツケソウ」と「越後のコシジシモツケソウ」の雑種なのだそうだ。当時、もっとも豪華な絞り染めだった“京鹿子染め”の名を借りて付けた名だという。開発されたばかりの自然公園の遊歩道に一株だけ咲いていた。

「ヤマユリ」はユリ科の球根植物。今年、色々な場所で写真を撮ったが何だか理由が判らないがブログに載ったことが無かった。那須の町を出る道沿いにいっぱい咲いており、車を止めて撮影した。草丈は1メートル以上、花径も20センチ以上。ユリの仲間でも最大級という。花の香りも強烈で独特。球根から開花するまで5年以上かかる。

球根を食べるためなのか持ち帰って植えるのか判らないが、自宅近くの自然歩道などではよく掘り返されてしまう。花が切花にされていることもある。花を開くまで長時間を要するだけに、そっとしておいてやりたいもの。

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「ホザキシモツケ」と「オニシモツケ」

2011-08-05 06:54:48 | 山野草

那須への小旅行で、日光の戦場ヶ原に立ち寄った。赤沼から小田代原を周回する遊歩道を早足で歩いたが、歩行時間が約2時間。アカゲラやウグイスなど小鳥が多く、花の種類も多彩でかなり満足。林間学校の小学生の団体がいっぱいで、彼らの動きを元気!!ととるか、うるさいと見るかだけが問題だった。

「ホザキシモツケ」はバラ科の落葉低木。“シモツケ”は栃木(下野)で発見され、この地方に多いということで名がついたそうだ。ネットの書き込みを見ると、本州では奥日光と霧が峰(長野県東部)ぐらいでしか見ないと言う。小田代原ではあちこちに咲いていた。シモツケを先月の初めに掲載(高崎自然歩道で)したが、花のつき方が平面状だったのに対し、円錐状の花序(花房)をつけるのが特徴。木の高さはせいぜい1メートルほど。ピンクの花房が草原に際立っていた。

「オニシモツケ」はバラ科の多年草。白い花が特徴で、私は白い髪の毛を振り乱す鬼面を意識し、この花の名を覚えていた。調べてみて、こちらは“草”であることを知った。草丈が1・5-2メートルほどと高く、他のシモツケより大きいことからその名がついているという。花の季節は終わりかけていたようで、ようやく写真に撮れる状態のものを見つけた。


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「チングルマ」

2011-08-04 06:14:48 | 山野草

夏の高山植物を代表するものの一つがチングルマ。雪渓周辺の草原や礫地に群れて咲く。今年はアヤメ平で撮った咲き始めたばかりのものを当ブログで掲載した。この花、北アルプスや大雪山などの群落が有名(見たことは無い)だが、結構あちこちで見る。聖岳の東に尾根でつながる奥聖岳に向かう稜線上に小さなお花畑があり、その主役を占めるように小群落を構成していた。やや窪地になっているとは言え、標高で3千メートル近い風の強い厳しい場所に群れていたが、何だかユッタリとフンワリと咲いているように見えた。

「チングルマ」はバラ科の落葉小低木。高山植物。実の形が子供の遊ぶ風車に見立て“稚児車”から転じて名がついたという。白い綿毛のついた実は、先が細く風車に見えるかもしれないが、私には“爺さんのヒゲ”のほうが近いように見える。奇妙な形をしている。草丈でせいぜい10センチほど、花径も1センチ余りと小さいが妙に存在感を意識させられる。


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上高地「明神池」

2011-08-03 08:52:13 | 旅行

登山ではなく、バス旅行で上高地を訪ねた。標高は1500メートルほどだが、高山植物など豊富で楽しめた。夏の山小屋の混雑を考えるとためらうが、一度は穂高岳に登りたいものだ。明神から徳沢を経て横尾へ。そして涸沢を経て穂高や槍へ。ガイド本や小説の中でしか経験したことが無い。

上高地では大正池でバスを降りた。穂高橋で梓川の右岸に渡り、ウエストン碑などを経て河童橋。更に梓川右岸道を明神池まで。明神橋で左岸に渡り再び河童橋・バスターミナルまで戻る。時間にして約3時間。同行者のカミさんの携帯万歩計で約2万5千歩のコース。

大きなザックを背負い早足で追い抜いていく人。山から下りてほっとした感じの人。圧倒的に多いのが私たち観光客。ウォーキングスタイル、旅行仕様など様々だが平日にも関わらず賑わっている。大雨の後だが梓川は清く流れ、所々で岩魚やヤマメの姿があった。植物も多彩。遊歩道の脇に今年まだ出会っていない花が次々と飛び込んできた。

明神池がやや幻滅?穂高神社奥宮の参拝料として300円取るのには驚いた。40年ほど前だが、学生の頃に訪ねた時はこんなことは無かったような気がする。神社の神域を見せてもらうための拝観料だという。ふざけるな!!環境保護への協力金などであれば理解できるが・・。

家を出る時、雨が降っていたが、碓氷峠を越すと天気が良くなり、上高地でも穂高の中腹まで見えるまずまずの天気。明神池辺りで小雨の降られたが天候もまずまず。植物の豊かさ、清々しい空気などまずまずの小旅行でした。
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「イワツメクサ」と「キバナシャクナゲ」

2011-08-02 08:49:50 | 山野草

山を歩いていると、礫地とかガレ場と呼ばれる石と岩と砂で構成される荒々しい場所がある。稜線付近で風が強く植物が育たないところ、火山性のガスが強いところ、崖崩れが多い場所など。こんなところにもしぶとく生きている植物がある。実際の姿以上に可愛い。

「イワツメクサ」はナデシコ科ハコベ属の多年草。高山植物で高山の礫地が生活の場。高い山の岩場の多い場所に咲くツメクサということで名がついているようだ。のぼりのきつい岩場に点々と小さく白い花が咲いていると癒される。花びらが10枚あるように見えるが、1枚に深い切れ込みがあるためで、実際の花弁は5枚なのだそうだ。聖岳の頂上直下の登山道脇。

「キバナシャクナゲ」はツツジ科の低木。高山植物で、ハクサンやアズマとシャクナゲを代表する両タイプより更に高い場所に自生。奥聖岳への稜線上でミニお花畑を構成している辺り。葉の高さは周辺のツガザクラとほぼ同じで地を這うような位置。花の部分だけ飛び出していた。背丈が10センチ弱。小さい上に“シャクナゲに似ているが、草にも見える”ので名前が判らなかった。実は、お花畑の中の離れた場所にあり入り込めず、倍率の高いカメラを持つO氏に写真を依頼した。まだ見たことの無い“チョウノスケソウ”だったらもったいないと思った。関東の山で見たキバナシャクナゲはもう少し背が高かった。調べて見ると木の背丈は3センチの超小型から40センチほどまで幅があるようだ。

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