私の3.11は、岡山でのパレードやイベントに参加をする予定でしたが、東京で、「震災がれきの広域処理を考えるシンポジウム」が開かれることを知り、参加をしてきました。行ってよかったです。移動中は、一番下の妹からのプレゼントのカバンで、私としての意思表示を。
震災がれきの広域処理について、政治もマスコミも大きなキャンペーンを急に行い始めました。「現地では処理できない」、「みんなで助け合おう」という2点で進められています。今回のシンポジウムでは、アスベスト、環境の面からの妥当性、財政・地方自治の論点、法的問題について話されました。とりわけ、岩手県を中心に、被災地がれきやその処理が進まない実情について知ることができてよかったです。
岩手県ではガレキ435万トンのうち広域処理として考えられているのは約12%だけです。残りの現地処理のうち、39%は現地で埋め戻される計画です。処理の遅れという場合、この残り8~9割を見ていかないといけません。そして、岩手県の説明によると、現地で災害廃棄物の処理が進まないのは、復興計画がたたないからとのことです。
津波でまちは壊滅状態なので、線引きをして、土地利用計画案をつくっている段階で(阪神淡路大震災とここが違う)、計画案ができてから住民合意の作業となります。地震で地盤が下がっているので、かさ上げが必要でここにガレキを入れていくわけですが、この計画に住民合意がとれないとガレキの処理ができないということです。
岩手県岩泉町長は朝日新聞の取材に、「もともと使ってない土地がたくさんあるのに、どうして急いで瓦礫を全国に拡散するのか?10年、20年と時間をかけて処理した方が雇用確保し、地元に金も落ちる」と答えています。
また、トン当り処理単価も、今回は、阪神淡路大震災の2~3倍となっており、輸送代が大きな比重を占めています。
そして、朝日新聞の記事にあるアンケートによると、優先すべき課題として、複数回答ですが、雇用が78.8%、原発事故収束や被害補償、放射性物質の除染が64%、住宅が60.9%、さらに「心の傷のケア」について、女性の回答が69.2%。
災害ガレキ問題は、まず広域処理ありきではなく、経済面や安全面などを細かくチェックしていけば、現地での埋立を増やすなどの別の選択肢も見えてくるのではないかとうことでした。
これを調査されたのは、東京都大田区議会議員の奈須りえさん。ステキな議員さんでした。更に学びを深めていきたいです。