少林寺(国富)での「愛生ヲ読ム会」に参加をしました。
少林寺の緑あふれるお庭を眺めながら、心地よい風を感じつつの90分間。心洗われる貴重な時間になりました。
長島愛生園の園誌「愛生」。かつて入所者の編集部がまとめてこられた冊子です。
「愛生」の輪読をするのかと思ったら、たくさん置かれた「愛生」のなかから1冊選んで、一人で黙読をするというもの。
私がたまたま手にしたのは、ガリ版刷りの「点字愛生・墨字版」(昭和41年9月発行)でした。私が5歳の時のものです。
そう。ハンセン病の後遺症で視覚障がいになられた方々が多いのですよね。置かれた状況はより厳しかったと聞いています。
他の「愛生」がどのようなものかは全く知りませんが、この冊子には、詩・盲人の主張・評論・短歌・俳句・川柳・生活記録が掲載され、それぞれ選者がいて、講評もありました。
私には正直いって難しいものもありましたが、秀作揃いなのだと思います。例えば、詩の選者は永瀬清子さん、盲人の主張の選者は鶴見俊輔さん。
何を選び、どんな講評をしているのか。グイグイと引き込まれていきました。
差別の重さをずっしり感じたり、視覚障がいを持つ入所者が、人権を回復するために、何を求めて、どんな活動をしていくのか。息がつまるような格闘も伝わってきます。
一方で、視覚障がいの方々にとって必需品と思われる、ラジオやテープレコーダーが出始めた頃で、それを手にいれる苦労やその喜び。
目が見えない、手指の感覚がないなかで、「音がある」と綴られた文章には、私が想像もしなかった暮らしぶりや生き様を知りました。
時空を超えて、皆さんの思いや置かれているご様子etcが丸ごと目に浮かぶ、何回でも読んでみたい号でした。
今朝、ラジオ体操のとき、Chieさんから誘われ、よく分からずに伺いましたが、こんな時間の過ごし方もあるのだなぁと感謝しました。
後からネットで調べて、長島にある「さざなみハウス」の企画だと知りました。行きたいなぁと思いながら、実はまだ伺ったことはないのです。誰か私を連れていって。