全国シェルターシンポジウムの2日目は、分科会。いつもは、「多文化共生とDV」参加の私ですが、今回は、「医療とDV」に初参加。前の晩の交流会のとき、多文化共生メンバーとお話をし、当日資料をいただきました。
今回の基調講演「DV・性暴力被害女性への支援」の講師は、SACHICO(性暴力救援センター・大阪)代表の加藤治子さんでした。写真は加藤さんと岡山から参加した女性議員たち。前の晩の交流会での場面です。加藤さんは私の横の方です(SACHICOについては、私の8月28日ブログに)。
今日の分科会では、阪南中央病院で出会ったDV被害妊婦さんのお話でした。
DVと認識できる事例数は、この病院に限らず、だいたい妊婦総数の2%くらいだそうです。阪南病院の事例でいくと、傾向としては低体重児出世率が高い。これは、日常的なDVのなかで精神状態が落ち着かない、怯えているなかで、食事をバランスよくとることができない。また、経済的な困窮が食事に与える影響があるのではいかと。そして、分娩時非婚率が高い(多くは入籍したいという希望がある)。
この病院では、一つひとつのケースにていねいに対応をしておられました。またそのために、院内外でのネットワークを組んでいらっしゃいます。
医療にできることとして、①スクリーニング(すべての女性にDVがありうるという視点での問診)、②記録の保護(カルテの記述内容は法的に重要な証拠となる)、③治療・ケア・カウンセリングによる本人のエンパワーメント、④入院による安全な場所の提供(相手からの問い合せに応じない、相手を病院に入れないことも可能)、⑤他機関への紹介。
加藤先生にお会いするのは視察に続いて2回目。信念をもった温かなお人柄にひかれます。