京都11R 秋華賞
◎4.ヌーヴォレコルト
○8.レッドリヴェール
△6.ショウナンパンドラ
×3.バウンスシャッセ
×5.マーブルカテドラル
注16.オメガハートロック
注17.リラヴァティ
ここ10年の秋華賞は1人気が2勝、2人気が6勝、3人気が1勝、11人気が1勝で、勝ち馬を顔ぶれを見ても、意外に勝つべき馬がちゃんと勝っているという印象。京都内2000mというのは阪神外1600mや東京2400mとは異なる適性が要求されるコースではあるのだが、小回りコース特有の緩みのない流れになることが多く、そこで勝ちきるためには機動力だけでなく持続力も必要で、案外格でねじ伏せてしまえるレースでもある。マイネグレヴィル陣営が「緩めず逃げて持続力勝負に持ち込みたい」と言っているし、スローはないとすれば最後は地力や格がモノを言う可能性も高く、それはヌーヴォレコルトにとってもレッドリヴェールにとっても歓迎といえるだろう。ヌーヴォレコルトのローズSは開幕週の馬場を意識しての先制、直線抜け出してからも後続を寄せつけず、ゴールインするときの脚色はこの馬が一番良かったほど。ひと夏越してますますハイペリオン的な脚質に完成してきたなあ~という印象を受けた。ハーツクライ産駒が成長し完成するということは、体質や脚質がますますハイペリオン的になっていくということでもあり、だから前哨戦を先行押し切りで勝った意味は大きい。ダイワスカーレットのような横綱相撲でドンと受けて立つだろう。他では平坦京都で斬れや瞬発力を増しそうなショウナンパンドラとマーブルカテドラル、内回り向きの機動力あるバウンスシャッセとオメガハートロックとリラヴァティ、このあたりを拾ってみる。
東京11R 府中牝馬S
◎3.スマートレイアー
○12.ホエールキャプチャ
▲13.オツウ
△2.キャトルフィーユ
△4.ウリウリ
×9.スイートサルサ
ホエールキャプチャは最近は母系の重厚さが発現してきてしぶとい中距離馬になってきたし、札幌記念の好走で陣営もエリ女に色気を持った仕上げでくるのではないか。キャトルフィーユは東京にも実績があるが、母父テジャノランの力馬っぽさも受け継いでいて、姉レディアルバローザもそうだがタフな馬場のほうが狙いやすいタイプだ。スマートレイアーは阪神牝馬Sが凄い追い込みで1400mが一番斬れそうだが、ここはオツウが前走のように暴走しなければスローになりそうで、1800mならばスローのほうが◎を打ちやすいという読みで。
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昨夜は酔っぱらって帰宅してから回顧を書き始めたんですが、パトロールを観ているうちに寝落ちしてました(^ ^;)
「ジリ脚なので10馬身離して逃げる」と陣営が宣言していたマイネグレヴィルが全く行けなかったようにペイシャフェリスとリラヴァティのダッシュはなかなか速く、34.5-58.0という前半のペースは、レッドディザイア(通過順位8-8-5-5)とブエナビスタ(10-10-9-10)とブロードストリート(14-13-13-14)で決まった2009年(34.0-58.0)に並ぶここ10年では最速タイ
まあ馬場が速いというのもありますが、でも終わってみれば先行集団にいた中で食い下がったのはブランネージュとバウンスシャッセぐらいで、この2頭は鋭い脚こそないですが持続力粘着力に長けていることは過去のレースでも証明しているし、オークスの健闘がダテではないというところは見せました
ショウナンパンドラは離れた第二集団の先頭でラチ沿いを最高の形で運べたし、オメガさんが「ブランネージュが最内を開けるから…」とボヤいておられましたが(^ ^;)、ブランネージュは血クリでも書いたようにナスキロベースの配合のボリクリ産駒ですからストライドで走るタイプで内回りの3~4角で小器用に立ち回れるタイプではなく、実際3~4角では馬群から取り残され気味になって直線半ばから追い上げてきたという内容で、だからあそこでインベタで回れそうな感じは秋山になかったんじゃないかと思うし、その隙を突いて最内に潜り込めたのは幸運でもあったでしょう
でもあそこで最内に潜り込めたのはショウナンパンドラの3~4角の加速が実にスムーズだったからで、この馬は未だにトモが非力で前駆の駆動の良さに頼ったフォームで(佐藤哲三も日刊スポーツのコラムで「前捌きが良い馬」とほめていた)、急坂コースでは勝ち鞍がないし、東京のダラダラ坂でもちょっと重心が浮き気味になるほど
そんな馬だから“下る能力”は非常に高く、平坦新潟でもうなりをあげて抜け出してきますが、京都でベストパフォーマンスを出す馬なのは間違いないでしょう
ディープインパクトもステイゴールドもしなやかさや柔らかさを伝える一方でややもすると非力なタイプを出しがちな種牡馬でもあり、だからDanzig系やStorm Cat系のマイラー牝馬との配合やノーザンテーストのクロスによって筋力を補うような配合で大物を出しているのです
そしてディープを父にステゴを叔父に持つパンドラの場合は、母がフレンチデピュティとノーザンテーストというパワー型でマイラー寄りのNorthern Dancerを通じるVice Regent≒ノーザンテースト3×3(Northern DancerとVictoriana)を持つことにより、ディープとステゴの非力な面をある程度カバーしていると書いてきました
それでも完全にカバーしきれないところはあって、今日のパドックは春とは比べものにならないほど馬体が充実していて感心しましたが、依然としてトモの踏み込みや地面を掴む力には弱々しさが残ります
この馬を唯一無印にしたフラワーCの予想のときに「急坂+エアレーションの中山では消せる馬だ」と書きましたが、その後は東京や新潟で適鞍を選んできた陣営の判断も的確だったといえるでしょう
というわけで、ベストパフォが出せる京都で最高に仕上がって最高に運べたことが勝因で、勝つときは全て条件が揃うもんですが、浜中にとっても今年のG1ではミッキーアイルしか見せ場がなかっただけにここは会心だったのでは
ちなみにステイゴールドは全重賞勝ちがノン急坂コースですが、タマモ○○○プレイきょうだいもベストパフォーマンスは概ね京都だし、ドリームパスポートもきさらぎ勝ちに菊2着、ロイヤルサッシュ牝系が京都に強いのは、後駆が非力で前駆の駆動に頼って走るというPrincely Giftの特徴が伝わっているからでもあるでしょう
ヌーヴォレコルトはちょっと出負けしてリカバリする間もなく前に入られてしまい、ポジションが一つ二つ後ろになってしまったことだけが誤算で、岩田はパンドラの平坦での脚力も十分承知しているだけにあのまま浜中の後ろをついて回ればもっと際どかったかもしれませんが、でも詰まったらそこで終わり、大本命馬としてはあそこで外に出すのは正しい判断だったと思います
「ライバルの前で受けて、Hyperionを絞り出す」という勝ちパターンに持ち込めなかったのが敗因と言っていいでしょうが、それでもゴール前は一歩づつ詰めているのですからやっぱり大した馬です
各馬の血統については「血統クリニック」再掲を読んでいただきたいですが、3~5着には私が外回り>内回りとジャッジした馬が顔を揃えており、スタートからゴールまで緩みないペースで流れ、小手先の機動力や瞬発力が通用するレースではなかったことを物語っているのではないかと
特にタガノエトワールの見せ場十分の3着にはかなり驚きで、配合に素直なキンカメ産駒としても実に単純明快なHyperionに特化した配合をしていて、持続力なら世代最強になりえる素材やと思いますが、シーホークを引くだけに大一番は2着3着というタイプかな…“女ローゼンカバリー”と名づけたい(また喩えが古い…)
またもや煮え切らない内容に終わっってしまったレッドリヴェールについては、ステイゴールド×Dixieland Bandですからこのまま終わる血統ではないだろうということをまず前置きしておいて、これまで血統のわりにマイルで斬れすぎていた印象もあって、今はナカヤマフェスタやアクシオンのような中距離馬に脱皮する過程の過度期なんじゃないか…というような表現で逃げてみたいと思います
長くなったので府中牝馬はごく簡単に、オツウが暴走しなかったので読みどおりのスローで上がり11.3-11.3-11.6
1800mでこの上がりだとホエールキャプチャはヴィクトリアマイルと同じでもう反応しきれないところがあって、今は若いころのしなやかさはだんだん失われてHyperion的に同じフォームで粘り強く走りつづける中距離オバチャンになっていて、札幌記念のようなレースに適性が高くなってるし、だからスローだとこうなるのは概ね想定どおりでした
スマートレイアーは1400mベスト説ですが1800mでもスローならばこれぐらい弾けるのも、姉同様Tejano Runのパワーで走るキャトルフィーユが東京のスローではちょっとジリなのも想定どおり
となると、東京で上がり3Fのダッシュ勝負ならばディアデラマドレの小回り向き加速で差せるのではないか…という想定ができなかったのは大失敗という結末でした(^ ^;)
しぶとさを活かすには、良のちょっと時計のかかる馬場がベストですかね~
良馬場のGⅢくらいなら、まだまだ頑張ってくれそうです。
挙句に今年の、キューティゴールドにも出資しているので、来年のデビューまで楽しめそう。
ネオに代わってどう出ますかね~
あの紫苑Sは、レースを見直した時にも「おっ」も思ったんですが、さすがに人気し過ぎじゃないかと見てしまって、皆さん馬券が上手です(^_^;)
2歳の出資馬がたまたま勝ち馬の半弟なので、来年もこの時期に淀に応援に行けることを妄想しときます(・∀・)
あの直線の伸びあぐみは、やはりウリウリは1F長いんでしょうか?
あれも最速ラップのところでは一番凄い脚で抜け出してるんですよ、レーヴデトワールが道悪が巧すぎただけで
ヌーヴォレコルトがスタート直後に行き脚が付かなかったこともありますが、勝つときは全て上手くいくもんだなぁと。
不良馬場とはいえ、芙蓉Sで2着に負けた馬を信用できなかった自分の負けでした(T_T)