東京11R ヴィクトリアマイル
◎11.ナミュール
○7.イズジョーノキセキ
▲2.スターズオンアース
△16.ソダシ
×3.サウンドビバーチェ
×6.ソングライン
×8.ララクリスティーヌ
土曜の東京芝は良発表のままだったが、日曜も少し降る予報だし、パンパンの高速馬場までは望めないのでは。今年のヴィクトリマイルはメイケイエールが回避していよいよ逃げ馬が不在。何しろ近5走でハナを切ったことがあるのがサウンドビバーチェ(紫苑S)しかいない。48.0-45.9のスローの前残りの阪神牝馬Sを、番手抜け出しで勝ったサウンドが押し出されてハナとみるのがふつうだろう。あまりペースを緩めすぎるようだと、外枠のソダシやルージュがカベをつくれず引っかかる心配すらある。
過去10年のヴィクトリアマイルで前半が後半より1秒以上遅い後傾ラップになったのは、21年(46.0-45.0)、18年(46.8-45.5)、17年(47.9-46.0)。この3Rの結果を見ると、ランブリングアレー、マジックキャッスル、リスグラシュー、アドマイヤリード、デンコウアンジュと、中距離馬の好走や食い込みが目立つのはイメージどおり。また後傾ラップ=前残りかというとそうでもなくて、ランブリングアレーは4角10番手、リスグラシューは4角13番手、デンコウアンジュは4角11番手から追い込んでおり、ようするにマイラーとしての追走力が問われないので中距離馬の差しがよく届いているのだ。
ナミュールは東京新聞杯でマイルの高速戦にメドをたてたといえるが、45.8-46.0の平均ペースを好位で追いかけすぎたぶん、思ったほど弾けなかったという印象も。「重厚で緩い父×フィジカルなマイラーの母」の配合が絶妙にハマりエンジンはA級だが、ピュアマイラーではなく1800~2000の馬だろうとも書いてきた。コーナリングがよくないので東京ワンターンは大歓迎。中距離馬が馬ナリで追走して斬れるレースになるならば、爆発力はナンバーワンだから後ろからでも差し切るとみた。
スターズオンアースはルメールが2400ベストというほどの堂々の中距離馬だが、46.8-46.1の後傾桜花賞を差し切っている。ルメールのことだから悠然と中距離馬の追走で、中距離馬の底力で差すレースをさせるだろう。
すっかりパワーマイラーに完成したソダシは、緩みないペースで流れたほうがゴリ押ししやすいと思う。東京だと仕掛けやポジションがどうもハマらないレーンがいかに御すか。イズジョーノキセキは2キロもらっていたとはいえ、東京1800でソダシをきれいに差し切っている。中距離質の差しでまた差せるかもしれない。
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例によってNETKEIBAの全頭血統解説から1~3着を
ソングライン
ジューヌエコールやルミナスウイングの姪で、母ルミナスパレードはJRA4勝(芝ダ1200~1400m)。母母ルミナスポイントはノーザンリバーの全姉でJRA5勝のオープン馬。ディアドラやロジユニヴァースなど近親にも活躍馬多数。キズナ×シンボリクリスエスはアカイイトと同じだが、こちらはHaloとBold Rulerの継続クロスで、ソニンク牝系らしい脚捌きで走る俊敏マイラー。斬れ味というよりも高速巡行力が高い。高速決着は望むところか。(距離◎スピード◎底力◎コース○)
ソダシ
ユキチャンの姪で、ハヤヤッコのイトコで、メイケイエールも近親。母ブチコはJRA4勝(全てダ1800)。白毛とダート上級が出ることで有名な一族だ。父クロフネはカレンチャンやアエロリットなどフィリーサイアーとして鳴らした。血統背景や脚元のつくりからダート適性も十分うかがえ、今は芝ダ兼用のマイル女王に完成。昨年のヴィクトリアは後続を寄せつけない完勝で、前走マイルCSも牡馬一線級相手に堂々の横綱相撲だった。マイルなら常にあれぐらいは。(距離◎スピード◎底力◎コース○)
スターズオンアース
ソウルスターリングやシェーングランツの姪で、母母スタセリタは欧米の芝中距離G1を勝ちまくった。ドゥラメンテ産駒で母系にMixed Marriageの血が入るのはタイトルホルダーやリバティアイランドと同じで黄金配合だ。大阪杯も秋華賞も馬群をこじ開けるように追い込んで、牡馬顔負けの地力を見せつけたが、東京マイルとなるとコース替りのプラスと距離短縮のマイナスとが功罪相半ば。最後は必ずくるだろうが、リスグラシューのような強い2着感も…。(距離○スピード○底力◎コース◎)
今年のヴィクトリアマイルはいつからどれぐらい降るのか微妙な雨予報と、メイケイエールが回避して逃げ馬不在となり何がハナを切るのか、この二つが予想のポイントといえました
雨はけっきょく直前まで降らず良発表のままで、私はサウンドビバーチェが押し出されて阪神牝馬S(レースラップ48.0-45.9)のようなスローになるだろうとみたのですが、ロータスランドは1400の重賞でもうなりながら先行していた馬だし、たしかにその気になればこれが一番速い
松山もノリが内から行ってくれるならば阪神牝馬と同じく外番手でOKで、しかしテン乗りで前後半46.2-46.6(ロータスランドのラップ)という逃げはさすがで、ただ緩みない平均ペースというよりは中盤を12秒台に緩めて、上がりを11.3-11.0-11.4でまとめるという、結果的にはA級マイラーのダッシュ力とA級マイラーの瞬発力が問われるレースになりました
それを持ち合わせていたのはソングラインとソダシだけだったわけで、スターズオンアースは好位インを取ったのはルメールさすがでしたが、やはり中距離ほどは脚がタマらなかったか、そして上がりも速すぎたか、大阪杯や秋華賞のような怒涛のゴール前最速という末脚ではなかった
ソダシは大外枠でレーンとなるとスローで引っかかる心配があったのですが、この入りならば我慢がきいたし、マイルの高速巡行力は誰もが認めるところ
ただ中盤緩んだぶん末脚の鋭敏さを問われる勝負になって、クロフネ的パワー加速のソダシとHalo的滑らか加速のソングライン、その違いがゴール前で出たかなあという印象で、ソングラインのほうがきれいな脚捌きでサクサクッと走りますからね
明暗を分けたのはスタート~2角の入りで、大外から先行したソダシが内に寄るのが早かったためにルージュスティリア、ナムラクレア、ナミュール、クリノプレミアムが玉突き状態で内に押しやられ、クリノプレミアムがそれを押し返したので真ん中のナミュールは外から内から抑圧される形で後退、その後クリノプレミアムが2角でインに寄ったので今度はイズジョーノキセキのスペースがなく後退
そしてソングラインはどちらのポイントでも不利を被ることなく、イズジョーが下がったときにルメールの直後のラチ沿いという絶好ポジションにおさまります
武史はあの不利に不満タラタラだったようですが、このペースでこの上がりは中距離馬が外から差せる質のレースではなく、実際ナミュールは直線も差を詰めてないですから、やっぱりこの馬はマイルだともっと前半緩んでほしいです
ソングラインはスターズオンアースの直後を追走し、直線はスターズが外に行ったところを真っすぐ追い出すと、目の前にソダシという最高の目標が
理想的なレースができたのはたしかですが、昨年も上がり11.2-11.0-11.4の安田記念を差し切っているように、マイラーとしての瞬発力は現役屈指です
泣く子も黙るソニンクの名牝系は、Machiavellianの血を引くだけに本馬やディアドラなど牝馬もよく走ってますが、父キズナもアカイイト、ファインルージュ、ステラリアなど牝駒がよく走るので有名で、キズナとクロフネ、名うてのフィリーサイアーの代表牝駒が叩き合った今年のヴィクトリアマイルでした
キズナ×シンボリクリスエスはアカイイトと同じで代表牝駒2頭が出ていて、上のようにやはり牝馬が走りまくっていて、「ライバル(エピファネイア)の血を入れる配合は成功する」のまさに典型例ですな
秋はBCマイルという話も出ているようで、サンデーサイレンス3×4とHalo4×5・6で、ザ・Haloというべき脚捌きで走る馬ですから、サンタアニタの芝マイルでも俊敏に差せるんじゃないですかね
今年はドラフトが1週早く。。
またお返事しますm(_ _)m