栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

オウケンブルースリにみるジャンポケ産駒の配合のセオリー

2010-10-06 16:12:22 | 配合論

オウケンブルースリは母シルバージョイがNorthern Dancer4×3、Gold Digger4×3で、Hyperionで固めたジャンポケに米血をもってくるというセオリー通りの配合ですが、ただやみくもに米血をもってきたわけではなくて、Gold Diggerの父NashuaはNureyevの母母父Nantallahとニアリーなので、母のGold DiggerクロスをNantallah≒Nashua6×5・6で受けてもいます
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005102548/

Nasrullah
Nantallah
│  ┌Sir Gallahad
│ ┌Gallant Fox
│┌Flares
││└Flambino
││ └Flambette
└Shimmer

Nasrullah
Nashua
│┌Johnstown
│││┌Sir Gallahad
││└La France
││ └Flambette
└Segula

このようにジャンポケに米血をもってくる場合、NantallahのFlaresと脈絡させるのは有効なようで、FlaresはVictoria Park(ノーザンテーストの母父)の父父で、Flaresの全兄OmahaはNijinskyの母母母父でもあり、NashuaはミスプロやRobertoのBMSですから、つまりジャンポケにノーザンテーストやNijinskyやミスプロやRobertoをもってくるとFlares=Omaha≒La Franceのクロスが薄いながらもできるわけです

オウケンブルースリ(Gold Diggerクロス)
ジャガーメイル(ノーザンテースト)
タスカターソルテ(ノーザンテースト)
トールポピー
バトルバニヤン(Mr.Prospector)
クイーンスプマンテ(ノーザンテースト)
フサイチホウオー
トーセンキャプテン(Nijinsky)
コロナグラフ(自身がNureyev≒Number)
アプリコットフィズ(Law Societyの母系にOmaha)

試しにNETKEIBAのデータによる産駒の賞金獲得上位10頭を調べてみると、フサイチホウオー=トールポピー兄妹以外は、全てFlares(=Omaha)のクロスを持っていることがわかります

ランク外でもシェーンヴァルト(Nureyev≒Fairy King3×3)、ルルパンブルー(Roberto→Nashua)、トーセンジョーダン(ノーザンテースト,Mr.Prospector)などはこのクロスを持っています

まあ実際のところ、ジャンポケ産駒で母系にノーザンテーストやNijinskyやミスプロやRobertoを持つ馬なんてよくいるわけですが、ジャンポケには米血の強い牝馬をもってくるのが一つのセオリーで、その場合Flaresをいじくったクロスができるならモアベター、ぐらいに考えておけばいいんじゃないですかね~

しかしジャングルポケットがHyperionをがっつりクロスして、シルバージョイがGold Diggerをクロスしているのに、体型や走りをみるとわりとDeputy Ministerが出ちゃってるというあたりは、たとえばStorm Catとかノーザンテーストなんかもそうなんですが、他の部分で何をクロスしようが負けずに自己主張しちゃう頑固な遺伝力があって、まあそれがリーディングサイアーたるゆえんなのでしょう

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シンボリクリスエス×ミスプロ

2010-10-06 10:56:15 | 血統予想

パワーストラグルが白山大賞典を勝ちましたが、この馬は母がTom Foolのクロスで、しかも母父がミスプロ系アフリートですから、シンボリクリスエス産駒ながら小回り向きの先行力があるタイプです
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006105514/

パワーストラグル6馬身差の圧勝劇で重賞初V/交流GIII・白山大賞典
http://www.netkeiba.com/news/?pid=news_view&no=49927&category=B

シンボリクリスエスは自身がRoyal Charger≒NasrullahとPrincequilloのクロスで、母がStriking=Busher≒Blue Eyed Momo6・6×4ですからSeattle Slewを増幅した配合で、配合通りにSeattle Slewらしい長手の体型とストライドで走りました

産駒もNasrullahとPrincequilloとLa Troienne=ナスキロラトロをいじくるとアリゼオやアプレザンレーヴやモンテクリスエスのように柔らかストライドで走る馬が出やすいのですが、ミスプロをもってくるとBramalea≒Gold Diggerのニアリークロスになるので、シンボリクリスエスの代ではあまりONになっていなかったRoberto的な要素、小回りをパワー小脚で捲るような資質も伝わることが多いのです

Nashua
Bramalea
│ ┌Bull Dog
│┌Bull Lea
└Rarelea
 │┌Blue Larkspur
 └Bleeok

Nashua
Gold Digger
└Sequence
 │┌Bull Dog
 └Miss Dogwood
  │┌Blue Larkspur
  └Myrtlewood

母系にミスプロを持つシンボリクリスエス産駒、サンカルロ、ミッキーペトラ、ブルーミングアレー、ラドラーダ、ストロングリターン、ランフォルセ、ストロングバサラ、ロードアリエスなどは、もちろん東京も走りますが、小回りコースでもパフォーマンスは落ちないことが多いです

またミスプロ系のスピードがONになるケースも多いからか、マイラーやダート巧者が出やすいという傾向もみられます

サンカルロやラドラーダなんて半分以上ミスプロですよね~

ラジオNIKKEIに絡めて「シンボリクリスエス×ミスプロ」の話でも
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/f23512bd3b6eb6d5b2f05cade7f95297

コメント (3)
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