即席の足跡《CURIO DAYS》

毎日の不思議に思ったことを感じるままに。キーワードは、知的?好奇心、生活者発想。観る将棋ファン。線路内人立ち入り研究。

円熟の味

2014年11月26日 00時41分31秒 | 将棋
今日はまずサッカーの話から。

かなり共感するこの記事。
今野泰幸投入で引き締まった、日本代表の現実を憂う

アギーレ監督のこと。
まだ6試合なのにすぐにつべこべ言う日本のマスコミもいい加減なもんだけど、それに振り回されてどうもブレてるような気がしてならない。
当初はザックジャパンでお馴染みのベテランをはずし、今まで呼ばれてなかった新鮮な若手を招集し、4年後をにらんでのテストをやるのだと思いきや、この2戦、遠藤、長谷部、今野などを招集して、ブラジルワールドカップとほとんど変わらないメンバーで戦っていた。(それも4-3-3でなく、4-2-3-1で)
4年後のロシアに向けて長期戦略で新戦力を育てていくのではなく、目先のアジアカップで優勝するにはどうしたらいいのか、という目的にすっかり変わってきてしまっているようです。
アジアカップで負けたら即解任か、なんて言われ方もしているようで、せっかくブラジルで痛い目にあったことが全く生かされてないような気がしてなりません。

で、何が言いたいのかと言うと、結局遠藤、長谷部、今野などが活躍してしまったこともあり、アジアカップでも若手の出番が減ってしまうということ。

いつまでもベテランは衰えない。若手が伸びて来ない。
若手がどんどんベテランを乗り越えたり押しのけたりしていかないこの歯がゆさ。

J1の得点ランキングを見ても
1位 大久保32歳、豊田29歳 3位 マルキーニョス38歳
(J2だって大黒34歳がダントツのトップです。)

ロシアに向けてのチーム作りということを主体に考えると、武藤、柴崎などが主力のチームに変身していかないといけないのは自明の理です。

そして、なでしこも全く同じ構図。
来年はカナダのワールドカップだというのに、そこに向かうメンバーは4年前の優勝メンバーと澤がいないくらいであとはほとんど変わっていないという有様。

世代交代はどうなってるのか。
ベテランが強すぎるのか、若手が情けないのか。
協会や監督などがあまりにも近視眼になりすぎてやしないのか。

そこで将棋界の話になる。

この前、NHKのNEWS WEBにも登場したけれど、我らの羽生さんが史上最速で1300勝という偉大な記録を打ち立てました。


渡辺明ファンで有名なssayさんでさえも、
羽生善治名人が通算1300勝を達成その2と羽生四冠のあまりの偉大さにあきれるとともに、勢いがあるはずの若手棋士に対する羽生さんの激辛な面も指摘している。

そして、いつまで経っても羽生四冠を中心として棋界は回っているのだけど、その周りにいるのはいつまで経っても羽生世代、そしてそれに続くアラフォー棋士の方々が中心になってしまっています。

もうすぐ挑戦者が決まる二つの棋戦を見てみると、

王将戦挑戦者決定リーグ
羽生四冠(44)、佐藤康光九段(45)、郷田真隆九段(43)、深浦康市九段(42)、屋敷伸之九段(42)、三浦弘行九段(40)、ただひとり若手の豊島将之七段(24)(しかし1勝4敗!)

棋王戦挑戦者決定トーナメント
羽生四冠(44)、佐藤九段(45)が勝者組決勝へ。深浦九段(42)、郷田九段(43)が敗者復活戦へ。

さらにおまけでA級順位戦を見ても、挑戦権に向けて走っているのは
4勝1敗の行方八段(40)、深浦九段(42)、広瀬八段(27)
3勝2敗の佐藤九段(45)、久保九段(39)。

ここでも広瀬八段だけが唯一の若手だけど、あとはどこを見てもオジサンばかりです。

元タイトルホルダーだった広瀬八段、そして二度の挑戦者経験を持つ豊島七段、中村六段など、有望な若手は多いものの、強者のオジサンたちと対等以上に勝負できているのは結局渡辺二冠しかいないというのが現状です。

さて、現在竜王戦でタイトル初挑戦中、しかもリーチをかけている糸谷七段が一気に壁をぶち破って駆け上がっていくのだろうか。

羽生さんの力、羽生世代の力という記事で取り上げた羽生世代タイトル戦連続登場記録について再掲します。

3年前の名人戦から始まった羽生世代の驚くべき記録です。

下記、羽生世代は赤字です。

2011年度
名人戦 羽生名人  森内挑戦者
棋聖戦 羽生棋聖  深浦挑戦者
王位戦 広瀬王位  羽生挑戦者
王座戦 羽生王座  渡辺挑戦者
竜王戦 渡辺竜王  丸山挑戦者
王将戦 久保王将  佐藤挑戦者
棋王戦 久保棋王  郷田挑戦者

2012年度
名人戦 森内名人  羽生挑戦者
棋聖戦 羽生棋聖  中村挑戦者
王位戦 羽生王位  藤井挑戦者
王座戦 渡辺王座  羽生挑戦者
竜王戦 渡辺竜王  丸山挑戦者
王将戦 佐藤王将  渡辺挑戦者
棋王戦 郷田棋王  渡辺挑戦者

2013年度
名人戦 森内名人  羽生挑戦者
棋聖戦 羽生棋聖  渡辺挑戦者
王位戦 羽生王位  行方挑戦者
王座戦 羽生王座  中村挑戦者
竜王戦 渡辺竜王  森内挑戦者
王将戦 渡辺王将  羽生挑戦者
棋王戦 渡辺棋王  三浦挑戦者

2014年度
名人戦 森内名人  羽生挑戦者
棋聖戦 羽生棋聖  森内挑戦者
王位戦 羽生王位  木村挑戦者
王座戦 羽生王座  豊島挑戦者
竜王戦 森内竜王  糸谷挑戦者
王将戦 渡辺王将  ?挑戦者
棋王戦 渡辺棋王  ?挑戦者

ということで、羽生世代連続登場記録が途絶えた昨年度の棋王戦に関しても、アラフォー棋士という括りにすれば三浦九段も入るわけだし、これも続いているとすればまだまだ連続記録は十分に続きそうな勢いです。
(久保九段まで入れるとしたら2010年に遡ってさらにこの連続記録は膨大なものになります。)

この記録を早く破って、若手同士のタイトル戦を見てみたいです。
渡辺二冠ばかりでなく、若い世代の奮起を大いに期待します。

ベテランの持つ経験値や総合力に対して、若さの持つ勢いや新たな発想が打ち勝って行く日はいつ来るのだろうか。
世代論では捉えられないような新たな個性溢れる戦国時代が到来するのだろうか。
羽生さんのますますの強さに敬服しつつ、若手の躍動に強く期待しつつ、来年に向けてどのような勢力図が描かれていくのだろうか。
ますます楽しみが膨らんでくる棋界展望です。

以下、関連記事。
2007年、2008年くらいに、羽生世代になかなか勝てない渡辺竜王を筆頭にした20代棋士たちに対する応援歌3部作を書きました。
20代の反乱
20代の反乱・その2
30代に負けるな!

羽生世代が再び一丸となって台頭してきたことを書いた記事、羽生世代3部作とおまけです。
羽生世代の逆襲
羽生世代の復権
羽生世代の時代
まわるまわるよ時代はまわる
アラフォーの時代
羽生さんの力、羽生世代の力
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2 コメント

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Unknown (けとき)
2014-11-26 22:37:14
 やはり 同世代の強力リアルなライバルの存在が大きいのでは?
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そうですね。 (nanapon)
2014-11-29 19:55:10
けときさん、こんばんは。

>やはり 同世代の強力リアルなライバルの存在が大きいのでは?

はい、そう思います。
羽生さんだけが傑出してるのでなく、続々とタイトル獲って活躍するのですから、それは大きな刺激も受けるでしょうし、自分も負けてられないとファイトを燃やすでしょう。相乗効果。
そこが若手に足りないところなんでしょうね。
返信する

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