即席の足跡《CURIO DAYS》

毎日の不思議に思ったことを感じるままに。キーワードは、知的?好奇心、生活者発想。観る将棋ファン。線路内人立ち入り研究。

電王戦の行方・その3

2014年10月05日 15時50分19秒 | 将棋
《電王戦の行方》《その2》と書いてきてその続きです。(ほんとにしつこいやっちゃ。)

まず、前回も取り上げさせていただいたギズモさんが、また今回のテーマについて深く掘り下げてくれているのでご紹介します。

電王戦タッグマッチを考える その1 プロ棋士のコンピュータに対する認識の現状をまとめてみる
電王戦タッグマッチを考える その2 プロ棋士がコンピュータの強さを認めない理由とは?

僕なんかの大雑把な感覚的意見でなく、客観的に緻密に広角度から分析検証されてますね。
その3も近日公開のようですので楽しみにしています。

さて、ギズモさんの指摘、主張されていることとかなりかぶりますが、整理してみます。

1.議論することの大切さ
その2の最後でこんなことを書きました。

【どんどん進化するコンピュータとの今後の付き合い方を含め、連盟は、そして我々将棋ファンは、将棋の未来予想図をどのように描いていくのだろうか。
目一杯の想像力を働かせて、360度の議論をすることはとても楽しいと思うし有意義だと思います。
はい、いろんな意見があるようだし、それはそれで面白いし、気軽に一杯やりながら皆でオープンにどんどん語り合いましょうよ。】

ギズモさんも
『「プロ棋士のみなさん、この棋戦について、とにかくまず話し合ってください」と書きました 今のところは、プロ棋士たちが「話し合いの場を持とう、作ろう」という動きは何も見られません。』
と書いています。

橋本八段や小暮さんがあれだけ問題提起しているというのに、一般の棋士を巻き込んでのオフィシャルな話し合いや意見交換会などはまだ行われてないようです。
理事会の姿勢と棋士の意識の問題と両方あるのかと思います。
一人一人が自分事として真剣に考え、異なった意見もリスペクトする形で侃々諤々議論する。
オープンに、ざっくばらんに、ぶつかり合うことも含め、議論を深め、より高度な領域に達して、一人一人の意識や考えも進化していく。
好きな将棋界を発展させていくには、一部の執行部の力だけでなく、多くの関係者の汗や知恵が必要だと思います。
米長前会長の頃のように強いリーダーシップのあるトップが、戦略を決めて、グイグイ皆を引っ張って前進している時には(良い面悪い面あったけど)ある意味仕方ないのでしょうけど、今の理事会の顔ぶれを見ると、もっと皆を巻き込んで力を結集する形で進めて行った方が、と思えて仕方ありません。
理事会も一生懸命精一杯やっているのかと思いますが、どこか一般棋士たちは置いてけぼりになっていている感じがして仕方ありません。

単に体を動かして普及に力を入れるということだけでなく、もっと棋士の意見を集約して、大勢の力を借り、ドロドロになって前進することで、将棋という文化がより広く強く深く社会に根づいていくのだと思います。

いっそのこと、棋士も関係者もファンも含め、賛成派、反対派に別れて、“ニコ生”で“朝生”でもやればいいのではと思ってしまいます。
(すでに出演者の顔ぶれ、番組の構成案、など、密かに妄想しています。

2.電王戦タッグマッチの価値
次に今回のタッグマッチについて。
人類とコンピュータの戦いは決着を見た感があるので、次には人間とコンピュータの融合とテーマに移行ということでこういう案になったのだと思いますしそれはわかります。

5対5の対抗戦の形での電王戦というのは、僕もビックリするくらい、将棋ファンでもない友人が見ていたり進んで話題にしたりするものだから、人類対コンピュータというその話題性の大きさ、その効果たるやかなり大きなものがあったのだと思います。
僕も船江vs.ツツカナ戦などはかなり興奮して見ていました。

しかし、今回のタッグマッチというものはどうなのでしょうか。
一見して筋が悪いと感じるわけだけど、客観的に考えて、誰が喜んで観るのか。
タッグマッチは初心者とかまだ将棋に興味を持ち始めの層にとっては多分魅力は通じないです。
やはりかなりのマニア、上級者で、それぞれのソフトの特徴なども理解した上で観戦すれば楽しみ方はあるのだと思うけど、どうなのでしょう?

これを高額賞金付きのレギュラーの棋戦にして、果たしていいのでしょうか?
今回の狙いとか、ターゲットとか、影響力とかきちんと考えた末の一手なのでしょうか?

3.電王戦タッグマッチのリスク
次にタッグマッチをこのようにアピールして大きなコンテンツにしていくことのリスクやデメリットについてです。
これはもう昨年から何度も言っていることなのですが、要はカンニング的な問題がひとつ。
連盟がこのような棋戦を立ち上げ、子供や初心者も含めタブレットを見ながら将棋を指すという映像を広めていくことで起こりそうなこと。

ギズモさんの記事から再び引用させていただきます。
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渡辺プロがつい最近出した本、「渡辺明の思考」にはこう書かれています
ファンからの質問(要約)「プロの公式戦において、荷物検査はあるのでしょうか? もしないなら、途中で席を立って現在の局面を調べられてしまう可能性があるのではないですか?」
渡辺「まず現在のところ荷物検査はないです。でも僕は、あったほうがいいと思っています。以前、携帯の持ち込みを禁止しようという話になったのですが、結局はまとまらなかったんです。 (中略)こういうことは言いたくないけど、この一局だけはどうしても勝ちたい、しかも大金が得られる、という将棋で不正をしないと言い切れるんですかね。状況によってはその人のモラルに任せるというのが、かえって酷ということもあるのではないでしょうか。 (中略)ただ、『ルールは必要ない』と考えている棋士が一定数いるので、それに関しては強く言えない部分があります。」
電子機器の持ち込み問題について、今はまだ何も明文化された規制がないんですね・・・
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プロ棋士も含め、人間は弱いものです。特にお金が絡んだりするとほんとに脆弱です。

受験勉強をしていても、わからないと自分で考えずにすぐに答えを見てしまうというのは自分の経験も含め、十分にありがちなことです。

棋士はそんなことは絶対にしない、という見方もあるのでしょうけど、渡辺二冠も危惧しているようにいろんな危険をはらんでいます。
電子機器を持ち込まないだけでなく、昼休みや夕食休憩に食事に外に出たりするわけなので、誰とも話してはいけない、と決めないといけなくなる。
つまりは競馬や競輪の選手のように試合中は一切外部との連絡禁止、外出禁止で閉じ込められる、ということにしないと不正に対しての措置は完璧とは言えないでしょう。
大和証券杯のような自宅でも対戦できる棋戦はもう成立しないと言えます。

そんなリスクのことを衆知を集めて十分に検討したのでしょうか、ということです。

小暮さんたちがあれだけ覚悟を持って警鐘を鳴らしているし、一般将棋ファンもギズモさんのように真剣に、深刻に受け止めている意見もあるのだから、それに対しての連盟なり理事会の意見や反論があるべきだと思うし、百歩譲って、棋士の方々とざっくばらんに議論するというのは必然手だと思うのですが、いかがでしょうか???
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2 コメント

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Unknown (臨時総会で)
2014-11-10 17:46:47
執行部より、非公式戦のダッグマッチ開催は全面撤回になるという発表があったようですね。
本当にようござんした。
ほんとですか?! (nanapon)
2014-11-11 11:09:03
どなたなのかわかりませんが、コメント、ありがとうございました。
あれからどうなったのか気になっていましたが、そうなったのであればとりあえずはひと安心です。
棋士や関係者が皆問題意識を持ち真剣に議論してからであれば、リスクもデメリットも認識したうえで決行、という判断もあったのかもしれませんが、話し合いも何もないままにどんどん進めていっちゃうと言うのは絶対に悪手だと思います。

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