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スパイ映画と主演俳優、それと本物のスピリッツ


映画「スパイゲーム」において・・・。
ロバート・レッドフォードが演じるネイサンが、
ブラッド・ピットの演じるトムから、
「スパイは、マティーニじゃないのか?」と聞かれて、
「いや、12年以上のスコッチだ」と答えるシーンがある。
「それもルール?」
「いや、俺のルールだ」
酒好きなら、思わずニヤッとしたくもなる。
スピード感のある映像展開は、2人の出会いから、クライマックスまで続き。
完成度の高いサスペンスフルアクションとなっていた。

先日、亡くなったショーン・コネリーの代表作、007シリーズでは、
主人公ジェームズ・ボンドが、スクリーン上で、
よく味わうのがシェイクしたマティーニ。
マティーニは、ジン(Gin)をベースにしたカクテル。
ジンは、オランダ発祥の薬用酒だけど。
現在、カクテルのベースに用いられるドライジンは、
ロンドン・ジンのスタイルであり。
大英帝国のスパイが、ジンをベースにしたカクテルを飲むのは、
サマになっているようにも見える。
しかし、主演俳優のコネリーは、スコットランド出身。
同じ大英帝国の構成国といえども、
Ginやvodkaなどは、スピリッツとして認めず…、
「本物のスピリッツは、ウイスキーだけだ!」という気風も、
(かつては)残っていたところ。
外国人には、ウイスキーもジンも大英帝国を代表する酒に見えるけど。
すべての背景を知り、「いや、俺のルールだ」とだけなのは、
“本物は、俺だけだよ”というセリフにも思える。

初代ジェ-ムズ・ボンド役としても知られるショーン・コネリーは、
ジェームズ・ボンド以外にも魅力的な人物を演じてきたベテラン俳優。
(個人的には、ボンド以外の配役の方が、強い印象なのです。)
年配の紳士と言うイメージを持たれている方も多いけど。
彼が、ボンド役を演じた007シリーズには、女性蔑視的な要素が多く。
コネリーが演じてきた人物には、
いわゆる紳士の印象からは遠いものもある。
5代目のジェ-ムズ・ボンド役として、ダニエル・クレイグが登場したとき、
ジェームズ・ボンドは、時代を置き換えれば、
どのような存在なのかも考えさせられました。



シリーズ化された映画作品の影響が、
その後の原作小説や物語の展開にも及ぶのは、よくある話だけど。
映画007シリーズのスクリーン上において、
ボンドが、スコットランドの民族衣装、キルトでの正装しているシーンは、
2代目であるジョージ・レーゼンビーだけだと思う。
彼は、オーストラリア出身。
2017年に亡くなった、3代目、ロジャー・ムーア(享年89才)は、
プロダクション側などとのトラブルもあった007シリーズにおいて、
主演俳優として良好な関係を築いていっただけでなく。
イアン・フレミングの原作にはないキャラクター付けを行うなど、
意欲的なところもあった。
3代目のジェ-ムズ・ボンドとして配役を受け継いでいることから、
カン違いしていたけど。
初代のジェ-ムズ・ボンド役のショーン・コネリーより、3才年上だった。
彼が、アクションスタントを苦手だと言うのは、
アクションスタント以外の見所をアピールするため、
ムーア自身がパフォーマンス(持ちネタ)としていたのを、最近、知り。
先日、亡くなったコネリーへの予感のようなものが、どこかにあった。

なにか飲みに行くかな。
マティーニは、強いカクテルだけど。
食前に飲まれることが多いと聞く。
1杯目にいただいてから、あとはスコッチがいいかな。
できれば、12年以上のもので…。



(2021年6月1日追記)
ジェームズ・ボンドを含め、
ショーン・コネリーの吹き替えをされてきた若山弦蔵が、
5月18日に亡くなられていたことを、本日、知りました。
勝手ながら、一杯、スコッチを飲ませていただきます。
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