ビジネスマンの靴が、エスカレーターのステップを踏みしめていく。
その硬い音が攻撃的なリズムを刻んでいく。
いつも思う。
「朝がさわやかだって!」
「それは、冗談だろう!」
混雑するラッシュ時、誰にも余裕などないが、
朝の街には、やさしさがない。
夕方のラッシュ時も、同じように混雑するが”解放感”がある。
もっとも、同時に”疲労感”も感じさせるのだけど、ね。
そう思っていた。
そう思っているが、改札をぬけて、晴れた空を見上げると、
少しだけ気分が落ち着いてきた。
人の流れをさけて、カメラを取り出す。
シャッターを切る。
”ぱちり”・・・と、少し古い擬音?
まあ、1日の始まりなど、こんなもの?