戸惑い八景

見たり聞いたりしたモノを独自に味つけしました。
飛騨の高山から発信しています。

コイントスで敗れたり~

2015年07月06日 | 想うこと

女子ワールドカップ決勝戦、残念でした。

結果は惨敗だったですが、あのアメリカから2点も取れたんですから、頑張りました。

最初の15分でしたね、何があったのか、陽が当たっていたせいもあるのでしょうか。

巌流島の小次郎のようでした。

結果、引き立て役になってしまったのが悔しいです。

なでしこジャパンのみなさん、お疲れ様でした。

さて、先週の土曜日、演劇の公演を観に行きました。

KEWA JAP公演、『走れ! オセーロ』、です。

会場は、高山別院庫裏ホールです。

夜、7時からの公演を観劇しました。

客席には、120名ほどのお客様が入ったそうで、たいへん賑わっていました。

舞台には黒のパンチがひいてあり、後は大黒を使い、タッパが低いこともあり引き締まった感がありました。

舞台装置はカラーの箱が積み上げてあるだけのシンプルなものですが、時間空間を自由に超える話だけに、効果的だったと思います。

6人の役者は個性的で、かつ役にはまっていたため、魅力的にみえました。

時に歌あり踊りあり、照明も音響も的確に効果をあげていました。

作品の印象なのですが・・・

これはあくまでも私個人の感想なのでとお断りしてから、記します。

劇の途中、主人公とトレーナーの二人芝居の場面があります。

即興劇のようなコントで、公演中、観客に一番うけていました。

大いに笑いを取れた場面でした。

ですが、私は、少しですが焦れてしまいました。

はやく話を進めてほしいと。

あの場面が典型的なのですが、ある意味、お客様を選ぶ芝居になっていたかもしれません。

劇の構造は、一人語りが中心で、それにいくつかのエピソードが重なって進行していくスタイルです。

話は簡単にいって、ある若い男がマラソン大会に出場する話です。

各エピソードとは・・・(一度観ただけなので、間違っていたらごめんなさい)

女性を好きになりランナーになったエピソード。その女性がDVの妹の家に居候になっているエピソード。駅伝で色男にトリックをしかけられ負けたため、その男がライバルになるエピソード。その色男と情婦のエピソード。カルトの信者がテロを起こすエピソード。走りを強化するための、コーチとのエピソード、等・・・。

それらが同時に進行していき、劇終盤のマラソン大会で大団円を迎えるわけです。

最初の30分はとても面白く、どんなものをこれから見せてもらえるのかと、期待しつつ観ていました。

しかし後半、いくつかのエピソードが思わせぶりで終わってしまい、物語が、言葉は悪いですが、中途半端で完結してしまった、感じがありました。

この物語はどこに着地点があるのか。

それは、走ることがメインテーマになっていますが、ゴールが見えないままで、作品が終わってしまった印象があります。

ただ考えるに、作者は、最初からそれを求めていない、というか、描こうとしていなかったのかもしれないということです。l

物語としての完成度よりも、作品全体のイメージを優先させたとでもいうのでしょうか。

一つ一つのエピソードを深めるのではなく、あくまでもさわりのままで混成し転がしていくのを見せたかったのかと。

特徴的なのはセリフで、リアルな会話を排除し、物語の進行よりも言葉遊びを優先させているところにも、お客様の感性を刺激し、翻弄することを主な目的として作られた作品であったといえるのではないでしょうか。

作品全体の雰囲気を堪能してもらう作品だったのでしょう。

そういう点では、若い人たちには、刺激的で魅力的な作品として大いにアピールしたと思います。

最初にも書きましたが、作品が始まり、しばらくはワクワクしながら観ていました。

それは、他では観ることのできない芝居が始まった気がしたからです。

しかも、照明、音響、役者の演技が一体となって、一場面ごと的確に表現されていました。

そういう点では、よく演出されていると感心しました。

それだけに、後半、話を纏める段になってくると、厳しくいえば、あくまでも私はそう感じたということですが、とってつけた感じが出てしまったように思いました。

特に、重要人物である、作品の裏テーマのカギを握る人物の描写が弱い、のが気になりました。

それは、しっかりと背景を描いていないことによるもので、それだと、演じる役者も困っていたのではないかと、勘繰ってしまうのです。

形を決めてくれれば良いのだ、ということもあると思います。

特に、映像を重視する演出ではそうなるでしょう。

ですから、しつこいようですが、あくまでも私という、物語の構成に拘る種類の観客から観た場合の感想なのです。

もういちど書きますが、若い観客にはうけていました。

皮肉でも何でもありません。

そういう点からでも、作り続けてほしいです。

頼まれてもいないのに、書きたいことを書いてしまいました。

作者がこれを読むかどうかもわかりません。

ただ、作り手でもある私がいつも思っているのは、この地では、作品は作りっぱなしで終わってしまうのが残念なのです。

反応がないのです。

ねぎらいの言葉はありますが、次ぎに繋がってくれるような感想はあまりありません。

ですので、書かせてもらいました。

関係者の皆さん、お疲れ様でした。

そして、これを読んで気に障ったら許してください。