其の3(痩せた北きつね)
野上峠の頂上付近の駐車場で一休みしようと思い車を寄せたところ、道路横の熊笹から北きつねが突然姿を見せた。全然人間を恐れる風も無くむしろ親しげに近付いて来る。何のことは無い餌をねだりに来たのである。これほど人に馴れた野生動物も珍しい。それにしても何でこんなに薄汚れ毛並み悪くその上ガリガリ痩せているのだろうか。殆ど哀れにさえ思えた。後から来た人の話では、人間から餌を貰う事を覚えすっかり野性味を失い、又人間から貰うのは甘い菓子類が多いために栄養のバランスを無くした結果だと云う。
まさにその一語に尽きる可哀想な姿であった。
野上峠の頂上付近の駐車場で一休みしようと思い車を寄せたところ、道路横の熊笹から北きつねが突然姿を見せた。全然人間を恐れる風も無くむしろ親しげに近付いて来る。何のことは無い餌をねだりに来たのである。これほど人に馴れた野生動物も珍しい。それにしても何でこんなに薄汚れ毛並み悪くその上ガリガリ痩せているのだろうか。殆ど哀れにさえ思えた。後から来た人の話では、人間から餌を貰う事を覚えすっかり野性味を失い、又人間から貰うのは甘い菓子類が多いために栄養のバランスを無くした結果だと云う。
まさにその一語に尽きる可哀想な姿であった。