山岳ツアー会社の主催する日高 中ノ岳の沢登りに参加した。
8月26日 札幌 → 神威山荘(小屋泊)
8月27日 神威山荘 → 日高 中ノ岳 → 神威山荘 → 帰路(午後10時発)
8月28日 札幌着(午前2時頃)
神威山荘発 4時35分
中ノ岳山頂 11時14分 (往路 6時間39分)
中ノ岳山発 11時40分 (休憩 26分)
神威山荘着 21時42分 (復路10時間02分)
合計所用時間 17時間07分
(GPS記録)
長時間行動のため、GPSが電池の容量不足(電圧降下)で途中で停止したため省略。
予備電池は持っていたが、電池切れを考える余裕が無かった。
(参加人員)
ガイド2名 男性3名 女性5名 合計10名
今回の山行のレベルは、山岳ツアー会社の資料表示では「初級・中級・上級」の区分で「上級」になっており、参加者全員がロープによる懸垂下降ができるベテランばかりであった。
山岳ツアー会社側の予定では、今回の山行は念のために「沢ベルト」を持参する程度のあまり危険のないレベルであり、ガイドの装備もその線にそったものであった。
(装備 ガイド)
50mロープ 1本、30mロープ 1本、ハーケン・ギア類
(装備 参加者)
全員 沢ベルト+安全環付きカラビナ 数名 120cmスリング
私のみ腰に不安があるため「シットハーネス」を着用して、以下の装備をしていた。
安全環付きカラビナ 1個、普通カラビナ 2個、クイックドロー 1個
エイト環 1個、180cmスリング 1本、120cmスリング 1本、4mmロープ 10m
山荘でガイドに「エイト環+カラビナを携帯する必要があるか?」と相談をした時に、1名ぐらい持って行った方が良いとのことであったので携帯した。
結果的に上記の装備が非常に役立った。
(往路)
ニシュオマナイ川南面直登沢コースをつめて稜線にあがり、中ノ岳の山頂に到着した。
神威山荘から430m二股までは、「神威岳・ニシュオマナイ川コース」の登山道を利用する。標高900m程度からは滝が続きロープを数回使用したので、150m程度登るのに小一時間かかった。
滝を通過すると猛烈なヤブ漕ぎが始まり、稜線近くになると背の低いハイマツが混じる。
全く踏み跡の無い急斜面を、両手で笹を掴んで強引に身体を引き上げるが、フェルト底の沢靴のため笹で滑りなかなか進まない。
まだ稜線までは200m以上あるのにこんなに難航していては何時になったら山頂に着けるのだろうと正直心配した。
稜線に到達後は比較的歩きやすいヤブ漕ぎになり、中ノ岳の登りでは一部ハイマツが切られて登山道らしい部分もあった。
山頂には立派な山名の標識があった。昨年個人で設置したものらしい。
山頂で食事休憩をとり、全員で写真をとった。私は非常に疲れて食欲が無かったが、無理矢理少し食べた。浄水器を携帯しているので、水は1.5リットルのみ携帯した。不足分は沢水を利用する計画である。
往路は特にトラブルも無く順調に登頂できたが、それでも滝とヤブ漕ぎのため6時間半程度かかってしまったので、下山開始は11時40分となった。
(復路)
ガイドが「復路は往路の沢よりも一本南側の沢を下る」と云い、稜線から下りのヤブ漕ぎに入り標高1050mまでは順調に下山した。ヤブ漕ぎ終了地点からは、ロープによる懸垂下降を多用して、ちょうど2時間で高度を470mほど下げたことになる。
しかし、1050m地点に懸垂下降した時点で、その下が100m以上の急斜面で途中でビレイポイントがとれそうもないので、手持ちのロープでは下山不能と云うことになった。(GPS記録 13時40分頃)
このため、トラバースして往路の沢に移動することになり直ちに着手したが、非常に急峻な部分のトラバースであり、加えて10名の大人数のため多大の時間がかかり、トラバースの終了までに約4時間強の時間を要した。
全員が手持ちの装備をフル動員して協力したが、絶対数が足りず苦労した。やむを得ず1本のスリングに5名程度がビレイする場面などもあった。
沢の中から急な横壁を登り、急斜面をトラバースして、また谷の横壁を降りて沢に降り立つのであるから、総てロープ確保と懸垂下降が必要で、緊張する作業であった。
作業中は暗くなるまでに沢に降り立つことができるかを心配したが、辛うじて18時頃には全員無事に往路の沢に降り立った。
その後は、ヘッドランプを点灯して真っ暗な沢を下ったのであるが、かなり緊張する場面もあった。私は非常に疲れていたので、危険個所ではガイドのサポートを受けて何とか無事に通過した。
標高470m付近から往路では使用しなかった旧林道を目指して右側にトラバースを開始した。小さいが急な斜面を2つ越えるためすごく緊張した。地図上では殆ど平坦に見えるトラバースであるが、等高線の間隔が10mであるから、等高線一本のトラバースでも実際はかなり厳しい場面もある。
林道到着後は快調に歩いて、21時40分頃に神威山荘に到着した。急いで着替えをして22時頃に札幌に向け山荘を出発した。札幌に到着したのは、午前2時頃であった。
(その他)
今回の難航の原因は、ガイド側の調査不足と思われるが、困難に直面した時点でのガイドの技術は賞賛すべきものであった。アイスクライミングなどで技術力の高さは感じていたが、改めてその実力を見た思いである。
今回は全員がロープの懸垂下降を問題なくこなしたのでトラブルは発生しなかったが、1名でもブレーキになるともっと時間を要したことであろう。
(個人の装備)
今後の個人装備については、今回のことを参考に考えてみたい。
過剰装備は即重量に跳ね返るので避けなければならないが、今回の様なことを考えるとある程度は持っていきたい。
ヘッドランプは「常用+予備」で2個を必ず携帯する事にしよう。普段は2個携帯しているが、今回は重量軽減のため1個のみ携帯していた。しかし、夜間の沢歩きや危険な場所でのランプの故障などを考えると、予備は必携であると感じた。
GPS軌跡
カシミール3D使用
山旅クラブの地図使用
GPS軌跡(欠落部分を補填)
日高 中ノ岳山頂
日高 中ノ岳山頂から
日高 中ノ岳山頂から
8月26日 札幌 → 神威山荘(小屋泊)
8月27日 神威山荘 → 日高 中ノ岳 → 神威山荘 → 帰路(午後10時発)
8月28日 札幌着(午前2時頃)
神威山荘発 4時35分
中ノ岳山頂 11時14分 (往路 6時間39分)
中ノ岳山発 11時40分 (休憩 26分)
神威山荘着 21時42分 (復路10時間02分)
合計所用時間 17時間07分
(GPS記録)
長時間行動のため、GPSが電池の容量不足(電圧降下)で途中で停止したため省略。
予備電池は持っていたが、電池切れを考える余裕が無かった。
(参加人員)
ガイド2名 男性3名 女性5名 合計10名
今回の山行のレベルは、山岳ツアー会社の資料表示では「初級・中級・上級」の区分で「上級」になっており、参加者全員がロープによる懸垂下降ができるベテランばかりであった。
山岳ツアー会社側の予定では、今回の山行は念のために「沢ベルト」を持参する程度のあまり危険のないレベルであり、ガイドの装備もその線にそったものであった。
(装備 ガイド)
50mロープ 1本、30mロープ 1本、ハーケン・ギア類
(装備 参加者)
全員 沢ベルト+安全環付きカラビナ 数名 120cmスリング
私のみ腰に不安があるため「シットハーネス」を着用して、以下の装備をしていた。
安全環付きカラビナ 1個、普通カラビナ 2個、クイックドロー 1個
エイト環 1個、180cmスリング 1本、120cmスリング 1本、4mmロープ 10m
山荘でガイドに「エイト環+カラビナを携帯する必要があるか?」と相談をした時に、1名ぐらい持って行った方が良いとのことであったので携帯した。
結果的に上記の装備が非常に役立った。
(往路)
ニシュオマナイ川南面直登沢コースをつめて稜線にあがり、中ノ岳の山頂に到着した。
神威山荘から430m二股までは、「神威岳・ニシュオマナイ川コース」の登山道を利用する。標高900m程度からは滝が続きロープを数回使用したので、150m程度登るのに小一時間かかった。
滝を通過すると猛烈なヤブ漕ぎが始まり、稜線近くになると背の低いハイマツが混じる。
全く踏み跡の無い急斜面を、両手で笹を掴んで強引に身体を引き上げるが、フェルト底の沢靴のため笹で滑りなかなか進まない。
まだ稜線までは200m以上あるのにこんなに難航していては何時になったら山頂に着けるのだろうと正直心配した。
稜線に到達後は比較的歩きやすいヤブ漕ぎになり、中ノ岳の登りでは一部ハイマツが切られて登山道らしい部分もあった。
山頂には立派な山名の標識があった。昨年個人で設置したものらしい。
山頂で食事休憩をとり、全員で写真をとった。私は非常に疲れて食欲が無かったが、無理矢理少し食べた。浄水器を携帯しているので、水は1.5リットルのみ携帯した。不足分は沢水を利用する計画である。
往路は特にトラブルも無く順調に登頂できたが、それでも滝とヤブ漕ぎのため6時間半程度かかってしまったので、下山開始は11時40分となった。
(復路)
ガイドが「復路は往路の沢よりも一本南側の沢を下る」と云い、稜線から下りのヤブ漕ぎに入り標高1050mまでは順調に下山した。ヤブ漕ぎ終了地点からは、ロープによる懸垂下降を多用して、ちょうど2時間で高度を470mほど下げたことになる。
しかし、1050m地点に懸垂下降した時点で、その下が100m以上の急斜面で途中でビレイポイントがとれそうもないので、手持ちのロープでは下山不能と云うことになった。(GPS記録 13時40分頃)
このため、トラバースして往路の沢に移動することになり直ちに着手したが、非常に急峻な部分のトラバースであり、加えて10名の大人数のため多大の時間がかかり、トラバースの終了までに約4時間強の時間を要した。
全員が手持ちの装備をフル動員して協力したが、絶対数が足りず苦労した。やむを得ず1本のスリングに5名程度がビレイする場面などもあった。
沢の中から急な横壁を登り、急斜面をトラバースして、また谷の横壁を降りて沢に降り立つのであるから、総てロープ確保と懸垂下降が必要で、緊張する作業であった。
作業中は暗くなるまでに沢に降り立つことができるかを心配したが、辛うじて18時頃には全員無事に往路の沢に降り立った。
その後は、ヘッドランプを点灯して真っ暗な沢を下ったのであるが、かなり緊張する場面もあった。私は非常に疲れていたので、危険個所ではガイドのサポートを受けて何とか無事に通過した。
標高470m付近から往路では使用しなかった旧林道を目指して右側にトラバースを開始した。小さいが急な斜面を2つ越えるためすごく緊張した。地図上では殆ど平坦に見えるトラバースであるが、等高線の間隔が10mであるから、等高線一本のトラバースでも実際はかなり厳しい場面もある。
林道到着後は快調に歩いて、21時40分頃に神威山荘に到着した。急いで着替えをして22時頃に札幌に向け山荘を出発した。札幌に到着したのは、午前2時頃であった。
(その他)
今回の難航の原因は、ガイド側の調査不足と思われるが、困難に直面した時点でのガイドの技術は賞賛すべきものであった。アイスクライミングなどで技術力の高さは感じていたが、改めてその実力を見た思いである。
今回は全員がロープの懸垂下降を問題なくこなしたのでトラブルは発生しなかったが、1名でもブレーキになるともっと時間を要したことであろう。
(個人の装備)
今後の個人装備については、今回のことを参考に考えてみたい。
過剰装備は即重量に跳ね返るので避けなければならないが、今回の様なことを考えるとある程度は持っていきたい。
ヘッドランプは「常用+予備」で2個を必ず携帯する事にしよう。普段は2個携帯しているが、今回は重量軽減のため1個のみ携帯していた。しかし、夜間の沢歩きや危険な場所でのランプの故障などを考えると、予備は必携であると感じた。
GPS軌跡
カシミール3D使用
山旅クラブの地図使用
GPS軌跡(欠落部分を補填)
日高 中ノ岳山頂
日高 中ノ岳山頂から
日高 中ノ岳山頂から