4月17日にミトマツリを済ませた誓多林のN家。
4末から5月2日までにかけて「良い日」にするというサビラキは、できれば大安の日にしたかったが、今年は気候が不順。
ぎりぎりいっぱい待ってこの日となった。
ミトマツリから数えて丁度の2週間後だ。
「今日はサビラキやいうてお供えを寄せている」と話す。
豊作を願う家の風習は、子どものときから母親がしているのをずっと見ていたご婦人。
「母親がしてらんねん」と話しながらサビラキに祀る一本の笹の葉を採ってきた。
付近の山からフキの葉も一枚採ってきた。
笹にお手製の御幣を括り付ける。
フキの葉には洗い米とゴマメのタツクリ(田作り)を入れて俵形にする。
いわゆるフキダワラである。
ワラで十字に巻いて、これも笹の葉に括りつけた。
できあがった笹の葉を手にして田んぼに向かう。
供える場所はミナクチ(水口)だ。
ご主人は自宅の育苗器で育てた苗を田植え機に積んでサビラキを待っている。
今春の気候は異様に寒かった。
草も伸びないから「畦のいちばん上を刈っただけで、大掛かりな草刈りはせんかった」と話す。
この日の風も冷たい。
田んぼの水温も低いであろう。
ミナクチに着けば直ちに笹を挿す。
豊作の祈りを捧げて手を合わせるご婦人。
毎年されている農家の営みである。
その作法を見とどけたご主人は田植え機を動かし始めた。
機械は4条植えだ。
かつては手押しの2条植えだった。
田植えを手伝う人もいた。
村の手伝いさんは我がとこが早めに済めば手伝いをする。
村全部の田植えを終えたら荷車に着替えを数着載せて町へ下りていった。
そこでも手伝いをしていたという日数は3、4日だったそうだ。
田植え機を操作して苗を植えていく。
苗箱がなかなか滑らず、機械が噛んでくれない。
家の苗床で育てた苗は4月5日にタネマキをした。
一週間後にはハウスに移した。
例年よりも2、3日早いサビラキは田植え初めの儀式。
天候の加減もあって苗はそれほど育っていない。
それゆえ根に土が付いていないという。
JAの苗なら根が張って田植え機は掴みやすいが、「最初の田植えはこんなもんだ」と話す。
当家が育てるお米はキヌヒカリとヒトメボレ。
早稲の品種だそうだ。
平坦の盆地部ではヒノヒカリが多いという。
ご主人が勧めるキヌヒカリは、コシヒカリのようなブランドものでないから一般受けせず売れない品種。
市場には出回らないという。
ヒノヒカリや極早稲のアキタコマチよりも格段に美味いのがキヌヒカリ。
家で食べるのはこれに限るという。
田植え機の調子を見ながら植え付けする。
歯抜けができたらサシナエはするが端っこだけだという。
田植えが進むにつれて苗が植わる。
そうすれば機械の苗箱は減っていく。
当然な流れ。
その様子を見ながら苗箱をネコ車(一輪車)で運ぶ婦人。
夫婦二人の共同作業だ。
奥さんが祀られたサビラキを見ながら田植えをする。
婦人の話によれば上誓多林の人は笹ではなくクリの木を使っているという。
木の種類は異なるが、サビラキは代々の先祖さんから受け継いできた農家の在り方であろう。
(H24. 5. 1 EOS40D撮影)
4末から5月2日までにかけて「良い日」にするというサビラキは、できれば大安の日にしたかったが、今年は気候が不順。
ぎりぎりいっぱい待ってこの日となった。
ミトマツリから数えて丁度の2週間後だ。
「今日はサビラキやいうてお供えを寄せている」と話す。
豊作を願う家の風習は、子どものときから母親がしているのをずっと見ていたご婦人。
「母親がしてらんねん」と話しながらサビラキに祀る一本の笹の葉を採ってきた。
付近の山からフキの葉も一枚採ってきた。
笹にお手製の御幣を括り付ける。
フキの葉には洗い米とゴマメのタツクリ(田作り)を入れて俵形にする。
いわゆるフキダワラである。
ワラで十字に巻いて、これも笹の葉に括りつけた。
できあがった笹の葉を手にして田んぼに向かう。
供える場所はミナクチ(水口)だ。
ご主人は自宅の育苗器で育てた苗を田植え機に積んでサビラキを待っている。
今春の気候は異様に寒かった。
草も伸びないから「畦のいちばん上を刈っただけで、大掛かりな草刈りはせんかった」と話す。
この日の風も冷たい。
田んぼの水温も低いであろう。
ミナクチに着けば直ちに笹を挿す。
豊作の祈りを捧げて手を合わせるご婦人。
毎年されている農家の営みである。
その作法を見とどけたご主人は田植え機を動かし始めた。
機械は4条植えだ。
かつては手押しの2条植えだった。
田植えを手伝う人もいた。
村の手伝いさんは我がとこが早めに済めば手伝いをする。
村全部の田植えを終えたら荷車に着替えを数着載せて町へ下りていった。
そこでも手伝いをしていたという日数は3、4日だったそうだ。
田植え機を操作して苗を植えていく。
苗箱がなかなか滑らず、機械が噛んでくれない。
家の苗床で育てた苗は4月5日にタネマキをした。
一週間後にはハウスに移した。
例年よりも2、3日早いサビラキは田植え初めの儀式。
天候の加減もあって苗はそれほど育っていない。
それゆえ根に土が付いていないという。
JAの苗なら根が張って田植え機は掴みやすいが、「最初の田植えはこんなもんだ」と話す。
当家が育てるお米はキヌヒカリとヒトメボレ。
早稲の品種だそうだ。
平坦の盆地部ではヒノヒカリが多いという。
ご主人が勧めるキヌヒカリは、コシヒカリのようなブランドものでないから一般受けせず売れない品種。
市場には出回らないという。
ヒノヒカリや極早稲のアキタコマチよりも格段に美味いのがキヌヒカリ。
家で食べるのはこれに限るという。
田植え機の調子を見ながら植え付けする。
歯抜けができたらサシナエはするが端っこだけだという。
田植えが進むにつれて苗が植わる。
そうすれば機械の苗箱は減っていく。
当然な流れ。
その様子を見ながら苗箱をネコ車(一輪車)で運ぶ婦人。
夫婦二人の共同作業だ。
奥さんが祀られたサビラキを見ながら田植えをする。
婦人の話によれば上誓多林の人は笹ではなくクリの木を使っているという。
木の種類は異なるが、サビラキは代々の先祖さんから受け継いできた農家の在り方であろう。
(H24. 5. 1 EOS40D撮影)