ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「記述されざる地平」 20201219

2020-12-19 | Weblog

 

世界は記述を確定すること
〝解〟を急ぐものにあふれている

この街のどこにも表示されない
自明性が強権を振るうほど遠ざかる
そうじゃなく生きられている広大な地平がある

「わからないことだらけ」
「うん」

あらゆる記述は記述されざる〝海〟に浮かんでいる
全貌を白日の下にさらすことはできない

わからなことのわからなさをそのままに
そこから遠ざからないでいるために
ぼくたちは意志と知恵を必要とする

世界は自明性、曖昧さを許さない記述にアディクトしている
世界を記述してその姿を確定することに酔いしれている

決めつけ、断定、不動の信念、ぶれなさ、確定記述
〝世界像を確定するしぐさ〟に魅せられる倒錯の構造がある

なぜか──
おそらく不安、不信が先行する世界経験の形式がある

見いだすべき原理は別のことろにある
ゆらぎの地平、生成の位相といいかえてもいい

希望の原理、原郷としての〝ゆらぎ〟

ひとりでキープするのはむずかしいかもしれない
けれど、その意志をもつ〝友〟はかならずいる

非知を非知のままに、記述されざる海に抱かれ
生きるチカラに変換することを知る存在たちはいる

わかることとわからないこと
記述と記述されざることの境界があること

そのことを知りつくしたうえで
わからないことはわからなさのままに
わかりうることはわかり尽くすまでに

つねに未踏の記述をめがけるには
ひとつの意志と知恵がいる

「新たな記述のスペースを開いておく」

つねに〝ゆらぎの地平〟を駆けている友はいる
まなざしを柔らかくして「幽玄に心をとめる」
その血脈は途切れずに生きられている

その友たちの存在と意志に出会わなければならない

 

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