〝みんな〟という生き物は存在しない。
ただ、ひとりひとりの生き物がいるだけだ。
象、ライオン、カバ、キリン、シマウマ、イボイノシシ
その横に〝動物〟という生き物がいるわけではない
〝人間〟という生き物もいない、ほんとはね。
太郎くん、花子さんだけがいて、その横に〝人間〟はいない。
でもね、なぜか人間の頭のなかには〝動物〟が棲んでいる。
〝動物〟〝みんな〟〝人間〟、すべてはクラスの名前──
マンガの吹き出しのように囲んでラベルを付けただけのものなのに。
単なるラベルが勝手に動き回って、意味や価値の中心に居坐るように、
なんか特別偉そうなポジションに君臨して、
太郎君や花子さんやライオンやキリンを大きな顔して見下ろしたりする。
とくにヘンなのが、〝みんな〟というラベル
だよね?
世間、空気、とかいろいろあるかな。どれも、適切な用法を知らないと怪物化する。