ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「普通の人びと」 20201217

2020-12-17 | Weblog

 

ご近所では、あるいは職場でも評判のいい人である(かもしれない)
面白い人、個性的な人、憎めない人、できる人、冗談がわかる人
お互いに愉快に付き合える、生涯の友、そんなこともありうる

赤の他人がいきなり踏み込んであれこれ言っても仕方がない
ローカルな生活世界の領域

「やっぱ義理と人情」(寅次郎)

ホットな共同体、わが家、仲間、向こう三軒両隣、ローカルな暮らし
イケてる-イケてない、できる-できない、かっこいい-かっこわるい
「そんなのカンケイねえ」のまるごと包摂してくれるホットな関係世界

けれど、人間がつくる関係世界(関係のゲーム)はこの位相だけで完結できない
ローカルの多数性多様性はそのまま関係論理、関係倫理の多数性多様性を意味する

ローカルな価値に照らして査定される「よい人-わるい人-ふつうの人」
そんなこととは無関連に、切り離されてつづられるべき記述レベルがある

ローカル論理に照らして「よい人」は
汎ローカル論理に照らせば「極悪人」でもありうる

そうした逆説の展開としての人間の歴史、繰り返されてきた惨劇
最後にはカタストロフィ、黙示録的状況へ通じる道が口を開いている

異質なローカルとローカルが出会い、交わり、共存を主題とする場面では
ローカルな生活論理、倫理では処理できない知恵と実践的スキルがいる

あらゆるローカルを貫く関係意識、関係態度、関係理念
そしてルール設定がそこでは求められる(一般意志という統制理念)

この記述レベルにおいて思考し、語りあうためには
いったんみずからのローカリティから離脱しなければならない

この離脱には脱ローカルな経験、エクササイズ、学習を必要とする

 

 

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