ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「物語の書き換え」(参) 20201201

2020-12-01 | Weblog

 

──信田さよ子編著『実践アディクションアプローチ』(2019、金剛出版)

 「外在化」のナラティブは、それまでとは明らかに異なる物語を創造する。
 自分のなかの病理や欠陥が「問題」を生み出してきたという物語から、
 ある「問題」が自分を支配し振り回してきたという物語に変わる。
 主語が「ひと」から「問題」へと変わるのである。
 そして、こうした転換を経た後に、
 「問題に対抗する私」という新しい主語をもつ物語が始まる。
 「私が私のなかの病理と戦う物語」から、
 「私が私を支配する問題と戦う物語」へと変わるのである。
 ナラティブセラピーはこのように物語の書き換えを促す方法であるといえる。

 それは、それまで繰り広げてきた「自分との戦い」をやめるという点である。
 「自分との戦い」とはすなわち、自分を自分でコントロールするということである。

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「靴ひもをつかんで自分を持ち上げることはできない」(G・ベイトソン)

 

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