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雲南の漢方薬・三七②

2009-08-16 14:28:02 | Weblog
写真は「三七」の花。
【外用薬では血止め、内服薬では血の巡り】
「三七」はウコギ科ニンジン属の多年生植物で、高さ三〇から六〇センチ。花は緑から黄緑色となり、その果実は鮮やかな赤色になります。その根、茎、花、果実、いずれも薬効効果があるという不思議な植物です。

 雲南のスーパーやお茶屋では、「三七(花)茶」が売られています。これは緑色の三七の花を乾燥させたもの。緑茶と三七花を3:2で混ぜ、沸騰した湯を注いで、ゆっくりと飲めば、慢性肝炎、めまい、蚊文症(目の病気)、耳鳴りなどの改善に効果があるそうです。それほど高いものではないので、おみやげにいいかもしれません。

 あらゆる部位の中で一番、高価で薬効もあるのが、根。粉末にして飲んだり、お酒やスープに混ぜたりしていただきます。かなり独特の苦みがあります。

 主な成分は有機ゲルマニウムやサポニンなど。朝鮮人参と同じ成分も多く含みます。薬効についてはまだ研究途上だそうですが、直接傷口に塗るというシンプルな方法の血止め薬としては古くから知られていました。
 雲南に本拠を置く中国有名漢方ブランドの「雲南白薬」では、止血湿布の主な薬剤として使っています。近年では手術の際の血止め薬として使う病院もあるそうです。

 また内服の場合は、血の巡りを整える効果があります。そのため、最近では高血圧の薬として注目を集めていますが、古来、女性の「血の道」の薬として有名でした。
 明代の四代奇書の一つにして赤裸々な性描写で有名な『金瓶梅』には広南(清代までの文山地域一帯の政治・経済の中心地域)鎮守がもってきた三七薬で、婦女の病がぴたりと治った、という一文が出てくるほど。

 白内障が治ったという人にも遭いました。雲南でずいぶんと世話になったご老人です。白内障になりかけたとき、医師に処方されたそうです。しょうがにそっくりな形の根茎を粉にして、毎日、飲み続けたところ、すっかり治った、と絶賛していました。
 なんらかの効果を期待して「三七」を服用している日本人にも出会ったことがあります。「日本だと目が飛び出るほど高いけど、雲南なら安いから」という安易な理由でした。

 私も目の痛みを和らげようと、2日ほど服用しましたが、胃の動きがわるくなったので、やめました。私が風邪の時に愛用する葛根湯と同様、胃の弱い人にはきついお薬だと感じました。                (つづく)

*一週、お休みし、岩手に行ってきました。寒かった。冷麺、ジャージャー麺、おいしかったです。でも、いずれも朝鮮、中国など外からきたもの。わんこそばは花巻が発祥の地だそうですが。ささっと、つくれて、ぱぱっと食べられて、そして働く。「雨にも負けず、風にも負けず・・」とガマンして勤勉にしていると、行き着くところが「麺」だったのかも、と感じました。外食の場所が少ない、という印象で、とくに三陸海岸では「食パン」を探すのに苦労しました。

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