たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

オニグルミの花が咲いていました――紅い雌花に青い雄花、今日で4月は終わり

2017-04-30 17:41:03 | 散策の詩

いつもの大町自然公園は新緑のみどりに溢れていました。
園路の途中に一本だけオニグルミの木があります。
冬の間は全く枯れ木状態でしたが今は交配期になっている。
クリやカキ同様にクルミは雌雄同株の果実です。



雌花は新枝の先に紅い穂状になって上向き咲きます。
雄花は前年の枝に房となって多数で垂れ下がっている。
風媒花で雌花は受粉して根元が膨らんできてクルミの実となります。



たにしの爺、小さい頃、家屋敷の周りには、
カシグルミの木が何本もあって木登で遊んでいました。



緑色のぶ厚い外皮が割れて、実が落ちる頃になると、
剥いて実を出して石で叩いて割り、
薄皮を剥いで生のまま食べたりもしていました。
松の実のようなしっこりした歯応えでした。



乾燥クルミの実とゴマメを飴と醤油で炒った食べ物が好きでした。
祖母や母が大なべに自家製でよく作っていました。
クルミとごまめの渋みがマッチして、
いいお茶請けの味だったことが思い出されます。



今ではクルミのお菓子は高級になってしまいました。
上田のウサギやさんの銘菓「くるみゆべし」は故郷の土産品です。

緑陰の白拍子、ヒトリシズカ・一人静に吹く風

2017-04-26 10:45:24 | 花とつぶやき

何時も徘徊で通る自然公園の、
丘の一角にこの花の群生地があります。



義経の恋人・静御前の亡霊の舞姿にたとえらる「二人静」同様に、
高木の下草の中にパラパラと、儚げに咲いています。
夜来の風の残りが撫ぜるように渡っていきました。

 

以前に比べ、分布範囲は広がったようですが、
群生の株が小さくなったようです。
ほかの植物に埋もれて目立ちません。



たにしが初めて知った「二人静」は、
名古屋時代に食べた両口屋是清の銘菓だった。



ハナイカダも同公園へのアプローチにあり、
知る人ぞ知る一角です。

春の舞姫・オドリコソウ(踊子草)に出会う

2017-04-24 10:26:22 | 散策の詩

道野辺の徘徊路で最初に通る神社があります。
境内に入る道際に「踊子草」の草群地があります。



シャガ、ハルニラの白い花に交じって、
葉陰から白い笠を被った、
踊り子に似た花姿が見えます。



白い長いひげが伸びています。
葉は全体に縮れて、シソの葉に似ています。



この「踊子草」の群落を初めて見たのは、
上野不忍の池の近くにある「旧岩崎庭園」への坂道でした。
斜面に植えられた白とピンクの「踊子草」が群れ舞っていた。
さらには、北信濃「飯山線の旅」で訪れた「阿弥陀堂」の前でした。



雪の残る妙高山、火打山を遠望する足元に、
見渡す限りの「踊子草」の原が広がっていました。



毎年この花を見ると、二つの光景がよみがえります。
「踊子草」は春野の祭りダンサーに似るかの姿です。
別名、コムソウバナ(虚無僧花)ともいう。



 

神社の境内にはこの白い花も、
ぽつぽつ、ぱらぱら咲いています。
花の名は知りません。

鎌ケ谷の梨園と「アーバンパークライン」の電車

2017-04-23 08:24:46 | Journalism

2017年4月23日・日、今日は朝から晴れています。
長持ちしたサクラも新芽青葉になっています。
代わって、当地の名産・ナシの花の季節になっています。



当市の真ん中を東武鉄道の東武野田線が走っています。
2014年4月1日から「アーバンパークライン」と言います。
「東武スカイツリーライン」と並ぶカタカナラインですね。



アーバン(都市)とパーク(公園)を組み合わせた言い方なんだそうですが、
沿線の印象は梨畑とスプロール(虫食い)化した造成住宅地が続く風景です。



船橋から柏までの沿線には梨畑が広がっています。
古くから梨の産地として知られ、
千葉県の梨は産出額、栽培面積で日本一となっています。



昨日は曇り日でしたが、徘徊しながら、
アーバンパークラインの電車と梨畑と撮ってきました。



陽射しがなかったので、花に光がないのが残念です。
もっと性能のいいカメラと望遠レンズが欲しい。


春の里が織りなす若葉紅葉のグラデーション

2017-04-22 11:44:56 | 散策の詩

日本列島、サクラ前線は北上中ですね。
今年のサクラは長持ちしていましたが、
当地はすっかり葉桜になりました。





毎年のことですが、今頃には徘徊の小径で見られる光景です
新緑の若芽モミジと紅いモミジが同時に見られます。
だいたい1週間程度の期間で紅い色が薄れていきます。





春の最中、鮮紅色の葉と萌え出るモミジが重なり合って、
新緑の奏でるシンフォニックな光景が見事です。



春先に紅く萌え出て、そして緑の葉になり。、
秋には再び紅葉して魅せてくれます。
春先の赤芽のモミジをショウジョウ(猩々)モミジと言うのだそうです。



このことは以前調べて知っていましたが、(猩々)とは??
酒を呑むと顔が赤くなり猩々に似てくるので、
ショウジョウモミジというらしいです。





そう言えば、酒飲みには顔が赤くなり、やがて青くなる。
そんな人が、同僚にもよくいますね。
爺の酒は、顔には出なくて、気持ちに出ました。
「どんな気持ち」にかは、言えませんな。





季節限定の赤い葉っぱ、もう色変わりする頃でしょう。
この丘にはフタリシズカがパラパラ咲いている地帯があります。



今日あたり、行ってみることにしましょうか。



世界の至宝・ブリューゲルの「バベルの塔」が上野の森に出現

2017-04-20 12:16:20 | 展覧会・美術展

ボイマンス美術館所蔵、ブリューゲルの「バベルの塔」
--16世紀ネーデルランドの至宝-ボスを超えて--展が、
上野公園の東京都美術館で18日から始まりました(7月2日まで開催)。
公式サイト



19日(水)は月に一度の「シルバーデー」でしたので観てきました。
10時に同美術館について30分ほど並びましたが、20人程度づつの仕切り入場で、
会場内は人垣がなく、ストレスなしに観賞できました。

 

見どころの一番は、
ブリューゲルの最高傑作「バベルの塔」が24年ぶりの再来日ということです。
壮大な風景と驚異的な細部が凝縮された描写がすごいです。



もう一つの見どころは「奇想の画家」ヒエロニムス・ボスの油彩作品2点です。
日本初公開の「聖クリストフォロス」「放浪者」(いずれも1500年ころ)。
分割して細部を拡大した参考図も展示され興味深いです。



さらにすごいのは、16世紀になって「ボス」を真似する作家が続出し、
「真似ボス絵」(今風に言えばイラスト・白黒)のリバイバルです。
ボスのように描いた凶々しい、奇怪な絵の数々にびっくりです。



1500年代・16世紀のネーデルランド(オランダ、ベルギー)の絵画・彫刻、
宗教・キリスト教を題材にした小品群がたくさん見られます。
500年以上も前に板に描かれた色彩の豊かさに驚かされました。



2時間ほどで出て、同行者が東京芸大を見たことがないというので、
美術学部のキャンパスなど歩いて、学食など覗ききました。
若い美学生たちの笑顔が眩しかったです。



同大学COI拠点(上島珈琲カフェと国際こども図書館の間)で、
昼と夜の「立体バベルの塔」を体感出来ました。
オランダ芸術科学保存協会との連携して、
「バベルの塔」の精緻なクローン文化財を制作したものです。



塔のリアル感はもちろん、作業者の動きまで体感できる(実際に動いている)、
最先端技術の立体的展示での凄さを知りました。



ブリューゲルの実絵画もさることながら、
こちらの、現代版「バベルの塔」を観に、ぜひ足を伸ばすべきです。





旧約聖書「バベルの塔」の物語についてはwebでどうぞ。





上野の森は緑と好奇心に満ちていました。

プロ野球、日ハム・鎌スタにサクラ舞う

2017-04-17 11:25:40 | 鎌スタ

プロ野球・北海道日本ハムファイターズが絶不調。
打線ではレアードが復調してきたが、
投手陣が踏ん張り切れずに逆転、サヨナラ負けが続いている。

打の中心中田翔選手、大谷翔平選手が負傷で戦列を離脱。
得点力が上がらない。



その中田と大谷がファームの本拠地・鎌スタで調整しています。
この日、16日の鎌スタはフューチャーズの試合でした。

 

左大腿二頭筋肉離れでリハビリ中の大谷選手の姿が見られました。
左足にサポーターを巻いて、寮まで車に乗って行きました。



試合前の全体練習には、
右脚付け根付近を痛めて戦列を離れている中田選手が、
打撃練習やノックをこなし練習を再開しました。



フリーバッティングではフェンスを越え駐車場にまで届く大飛球を打ち上げていました。
火曜日から始まるヤクルト3連戦には出場する見込みのようです。



連覇を目指す日ハム、苦戦続きのシーズン前半、
投手陣も打撃陣も一軍、二軍の壁がない状態です。
合同練習の後、サインに応ずる斎藤投手、白村投手、上沢投手ら。
一軍クラスの選手が、鎌スタに居てはいけません。

 

今こそ鎌スタの若手が、絶不調の一軍ベンチに入り、、
勝利へのアピールの絶好機です。
「勇翔寮」から羽搏くのは今でしょう。

 

「フューチャーズ」というのはー―
イースタン・リーグは日ハム、楽天、ロッテ、西武、
巨人、ヤクルト、DeNAの7球団のため、
公式戦で1球団は必ず試合かできません。



そのため、試合が組まれていない球団がホームチームとなって、
イースタン・リーグ各球団の混成チームと対戦する若手育成試合、
「イースタン・リーグ チャレンジ・マッチ」が行われています。
その各球団の混成チームの名称が「フューチャーズ」です。



ひばり啼き、憧れは遠く、いま美しく季節が輝く

2017-04-15 11:55:08 | 散策の詩

春の水は、万物の命を潤す。
岸辺の樹々が萌え出します。





水面も春の光に変わります。
さざ波に水音も高鳴ります。





黄昏の徘徊人、春の心が落ち着かない。
妖しく湧き立つ波紋が湖岸をめぐる。





渡りくる風が樹々の梢を揺らす。
向こう岸は薄緑のグラデーション。

 

 

 

県立北総花の丘公園にて。

雨にも、風にも、耐えています。2017年のサクラ

2017-04-12 19:59:54 | 花とつぶやき

県立北総花の丘公園にて。
今年のサクラを初めて撮ったのも、この公園でした。



雨上がりの今日、4月12日にも立ち寄ってみました。
対象の木は違いますが、満開のサクラに再会しました。
雨風にめげず、頑張っています。



フィギュアスケートの浅田真央選手・26歳が引退しました。
銀盤の華・名花は自ら散ることを選びました。
アスリートとしても26歳の引退は若いです。

純白のコスチュームに身を包んで会見に臨んだ真央選手。
「長い選手生活でたくさんの山がありました。
乗り越えられたのも、たくさんの応援があったからだと思います」と、
話したように20年間、長い戦いの日々であったのでしょう。



「南国土佐を後にして」「学生時代」などで知られる、
歌手のペギー葉山さんが亡くなった。83歳。
芸能人・俳優の現役寿命は、アスリートに比べて長い。
亡くなった時が現役終了というケースも多い。

現役年数の長短に関わらずスター選手。
その輝ける記録・業績は永遠に記憶されます。



アメリカの原子力空母カールビンソンはじめ、
ミサイル駆逐艦などが朝鮮半島近海へ集結か。
北の核の標的範囲に入る日本サクラ列島はさて??

頑張るサクラ――盛りの花に重い無情の雨サンデー

2017-04-09 18:23:28 | Lyricism

当地を始め、関東地方のサクラは満開から散り始めています。
晴れていたら、サクラ舞い散るお花見サンデーでしたが、
あいにく、夜来の雨が終日やみませんでした。





先日、公民館サークルの同人たちと、
サクラ街路樹で有名な商店街を歩いてきました。



このサクラの道は「日本の道100選」にもなっていて、
最盛期にはサクラのトンネルにもなって有名でした。



街路ができて50年超、サクラは大樹・古木になって、
大きくなった枝は商店街や住人、道路事情で切り落とされてしまった。
サクラ並木すっかり寂しくなって、街の活気も失われいるようでした。



幹から直接、サクラの花が着いている状態がたくさんありました。
太い幹に張り付いたように、あるいは小枝に並んで着いています。
同じような花の姿は自宅周辺の古木にも見られます。



なんとなく健気に頑張っているみたいです。
盛り花の本流に対して意地を張っているようにも思えます。
「私たちの姿を見てよ」という主張を感じます。



そうした花を「胴吹き桜」「幹桜」と呼ぶのだという。



老古木や枝を切られて樹勢が衰えてくると根が弱って、
吸い上げた水を木の上まで運ぶのが難しくなるので、
根元や幹から花芽を出して、なんとか生き延びようとするのだという。



しっかりと幹から芽ぶき、花を咲かせている様は、
どこか健気で、生命力の逞しさが感じられますね。



雨にも負けず、花の盛り残っています。
もうしばらく散り際のサクラを楽しめそうです。ご同輩。



澤田ふじ子著・長編時代小説「もどり橋」を大活字本で読みました

2017-04-07 13:37:09 | 本・読書

最近、こんな本を読みました。
大活字本シリーズの<上><下>2冊の長編時代小説、澤田ふじ子著「もどり橋」
底本は中央公論新社 (中公文庫)です。

なぜ、この本を手にしたのかというと、例によって、
池波さんの「鬼平犯科帳22巻・3分冊」を借りて、後の2冊分として目に付いたからです。
澤田ふじ子という作家の本を初めて読むことになりました。



京都――上嵯峨野村の百姓の娘・お菊は15歳になる前年、
働きものの父、病状の母と二人の妹弟をおいて、
三条東洞院の料理茶屋・末広屋に5年の季奉公に出ることになった。

お菊は、奉公先を紹介してくれた仲買人の与兵衛に伴われて旅だった。
やがて堀川に架かる「一条もどり橋」にさしかかる。
ああ、「あれがもどり橋どすか――」
この世とあの世の境界とも言われ、何かと死にまつわる因縁が付きまとう。
刑場の様を見てしまったお菊は、身のひるむ思いに駆られるのだった。



末広屋に着いたお菊を待っていたのは、しきたりの厳しい京料理の調理場だった。
何よりも仕事の仕分けと序列による厳しい修業を知ることだった。
板場頭の留五郎のもと、脇板、煮方、脇鍋、焼方、八寸方(盛方)、
立回り、見習い、下洗いなど、あらゆる雑用をさせられる追回しからなっていた。
煮方以上が一人前として扱われ、それまでは職人ととして扱われなかった。



お菊は寂しさと不安のなか日々、身を粉にして立ち働くのでした。
修業人の中には有名料理屋の息子で何かと横柄な才次郎、その腰巾着の市松。
武家の御賄人の嫡男の小仲太、生真面目な又七らの同輩と、
女中頭のお千代、雑用のお小夜の下、
しきたりや仕事の手順にも慣れていく日々となった。

お菊はやがて、一方的なものと知りながら又七と心を通わせるようになる。
又七もまた、お菊の存在が日々の励みになっていた。
その又七が主の目に留まり、跡取りの一人娘・奈みの婿養子に入ることになる。



又七とは約束した訳でもないお菊には、どうすることもできない。
落胆ぶりを見せないように立ち振る舞うお菊ではあったが、‥‥‥‥
憔悴ぶりは誰の目にも明らかだった。

そんなお菊にある日、思いがけない訪問者が末広屋に訪れていた。
お菊の運命を拓く大きな虹がかかっていた。
彼女の胸裏で、堀川のもどり橋と冬の虹が一つに重なった。



有名料理屋の調理場で困難や失敗にめげず、
未来を切り開いていく若者群像の姿が清々しい長編時代小説。
物語の舞台は京の料理茶屋ということで、
京の食べ物や当時の料理界の様子がきめ細かく描かれています。



料理に関しては日ごろ、まったく何もしないたにしの爺、
一生懸命働く人の運命には十分興味深く読めました。
会話がすべて「京ことば」で書かれているのも慣れるのには苦労しました。



作家・澤田ふじ子、初めての作家でした。
巻末で清原康正氏が解説で作家・澤田さんについて述べています。
作者のデビューから最近まで、また、作品系列について詳細に紹介しています。
時代小説で捕り物から江戸市井物まで描く凄い作家だということを知りました。



池波さんの「鬼平」もそうですが、
藤沢周平、山本周五郎はじめ、時代小説には清々しさがありますね。
澤田さんの小説、これから気にかけて読んで行きたいと思います。

何もできなくても、知ることはできる。新聞をヨム日

2017-04-06 10:35:46 | Journalism
きょう、4月6日は「よ(4)む(6)」の語呂合わせから「新聞をヨム日」です。
日本新聞協会販売委員会が2003年(平成3年)に制定したものです。

また、今日から12日までの一週間を「春の新聞週間」としています。
日本新聞協会と全国の会員新聞・通信・放送社はキャンペーンを展開しています。



新聞をめくっていると、いろいろ知ることができます。
世界には、知っても、何もすることのできない、ことばかりです。
でも、知らないでいることより、知ることで感慨が深化します
「無関心こそ共犯者なのだ」

怒りや悲しみに接するニュースが多いです。
今朝の新聞の記事で、
どうしようもなく痛ましさを知る記事はシリアのサリン空爆です。
政府軍と反政府軍の背後でソ連とアメリカが支援して、
無人機による空爆が続いています。
ISがからんで、シリアは悲惨な国土破壊と人命が失われる日々です。

シリア 空爆、サリン使用か 目を見開き呼吸困難 救急隊員証言

日本のテレビはお天気とお花見の話題が目に付きます。
 たにしの爺も、4、5日にお花見をしてきました。
そして、今朝の毎日新聞一面の「余禄」を切り抜きました。