本好きを自認してきた「たにしに爺」。
ここ1,2年、文庫本の活字が読み辛くなった。
くすんだ紙質に狭い行間の中に、小さい字が埋没して、
集中して読む気力が萎える。ストレスになってしまった。
以来、爺の読書を支える主流は大型活字本になった。
絵本をめくるように、まったくストレスなく、
活字の塊りが脳内に染みて、中身が流れていく。
この辺のことは既に、池波正太郎さんの鬼平シリーズや、
剣客商売を読んだ記録を述べた際、触れてきました。
大型活字本は図書館に行かないと、手にすることができません。
利用させていただいている図書館は市川にあって、
市外利用者の爺は借り出し制限が5冊になっています。
ところが、この5冊という制限が、
たにしの爺には、思わぬ本との出会いになってきました。
池波さんのシリーズもの文庫本一冊分が、
大型活字本では3分冊になっています。
他に2冊を選ばなくてななりません。
そこで2分冊になっている作品を物色します。
大型活字本が何千冊、何万冊もあるわけではありません。
もちろん新刊本もありません。
そんな中に、かつて評判になった本とか、
定評のあった、知らなかった本があります。
手に取ることが無かった本と出会いました。
既に何冊か、このブログで記録しています。
この夏休み心に染みる3冊の本と出会いました。
藤沢周平「本所しぐれ町物語」
北原亞以子「その夜の雪」
安西篤子「不義にあらず」
いずれも江戸が舞台の短編連作小説です。
前2冊は商人など市井人の物語で、
もう一冊は家督・家に縛られた武家家族の悲劇です。
(この項続く)
大型活字本で読んだ「夏休み読書感想文」。