たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」に行きました

2022-11-22 12:05:23 | 展覧会・美術展
令和4年11月22日 雲の多い冬空になっています。
雲間から薄い光が窓越しに射し込んできた。
何か書かなければ気分は滅入るばかりだ。

書きかけていた記事を続けることにした。
11月21日・月曜日に上野の東京国立博物館に行った。
開催中の特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」。



この日は月曜日で博物館・美術館は原則休館でしたが、
同展を開催する「東博」と共に主催する毎日新聞社の、
休館日貸し切り特別閲覧会に招待されていました。

「東京国立博物館」は3月、創立150周年でした。
創立150年記念事業として、
特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」は、
同館、毎日新聞社、NHKなどの主催で、
10月18日(火) ~ 2022年12月18日(日)まで、
平成館特別展示室で開催されています。
同展の公式サイト

「東博」が所蔵する所蔵品の中から、
国宝 檜図屛風 狩野永徳筆 安土桃山時代・天正18年(1590)
国宝 鷹見泉石像 渡辺崋山筆 江戸時代・天保8年(1837)
国宝 埴輪 挂甲の武人 群馬県太田市飯塚町出土 古墳時代・6世紀
国宝太刀 銘 三条(名物 三日月宗近) 平安時代・10~12世紀、など、
国宝89件すべてを含む名品など、「東博」の全貌を紹介するものです。



教科書や図鑑で見たことのある本物が目の前にあるのです。
入場者数も制限され、ゆっくり鑑賞することができました。
麗子微笑、 岸田劉生筆、大正10年(1921)本物はすごくきれい。
なかでも、国宝の刀剣全19件は凄かった。
日本刀の美しさと身震いするような迫力に立ちすくみました。



会場出口に展示された「剛力士立像 2軀 平安時代 12世紀」
切手にもなった「見返り美人図」菱川師宣、(江戸時代前期)
は撮影がOKでしたので、たくさん撮りました。



外に出ると朝まで降っていた雨はすっかり上がり、
青空が広がっていた。
久しぶりの上の公園は銀杏の色付きが見ごろでした。



「東博」の庭に立つ銘木「ユリノキ」は葉を落としていました。





西郷さんのところまで歩きました。



上野の森はヨハネス・フェルメールで賑やかでした

2019-02-02 11:28:01 | 展覧会・美術展

東京・上野の森美術館で開かれていた、
フェルメール展が3日で閉幕します。
昨秋の10月5日に始まって2月3日まで。
期日指定の入場券は2,500円でした。



たにしの爺、
これまで来日したフェルメール作品で17作品を鑑賞してきました。
30数点しかない至高の作品の内、半数を鑑賞してきたわけです。



今回のフェルメー展には一挙、9作品が来日でした。
この内、牛乳を注ぐ女、マルタとマリアの家のキリスト、
手紙を書く婦人と召使い、手紙を書く女、リュートを調弦する女、
真珠の首飾りの女ーーの6点は既に鑑賞済みでした。
「日本初公開」はワイングラス、赤い帽子の娘、取り持ち女の3作品はでした。



この3点をフェルメール鑑賞歴に加えれば20点になる。
海外まで見に行くことを考えれば、
出かけるべきだと思いながらも閉幕日になった。



「ワイングラス」は既に鑑賞した「ワイングラスを持つ娘」と同じ構図だし、
「取り持ち女」はフェルメールが風俗画への転換作品。
「赤い帽子の娘」は未だ真筆性についT意見が分かれている。
そんな理由をこじつけて、足を運ぶのを見送っていました。



ところで、先日25日にサークルの企画の下見で、
上野公園に行きましたら上野森の美術館の周辺は、
フェルメール作品の大きなポスターで彩られていました。

3時からの入場を待つ前売券購入者の行列と、
当日券2,700円を求める人たちで一杯でした。
前売券を担当している係員に「ショップに入れないか」と、
交渉しましたが断られました。


これまでに東京で観賞したフェルメール絵画―――、
2007年の秋国立新美術館で「牛乳を注ぐ女」
2008年秋、東京都美術館で「マリアとマルタの家のキリスト」「ディアナとニンフたち」「小路」「ワイングラスを持つ娘」「リュートを調弦する女」「手紙を書く婦人と召使」「ヴァージナルの前に座る若い女」。
2009年夏、国立西洋美術館で「レースを編む女」
2011年春、渋谷のBunkamuraで「地理学者」
2012年春、渋谷のBunkamuraで「手紙を読む青衣の女」「手紙を書く女」「手紙を書く女と召使い」
2012年夏、東京美術館で「真珠の耳飾りの少女」「ディアナとニンフたち」
2012年夏、国立西洋美術館で「真珠の首飾りの少女」
2015年春、国立新美術館で「天文学者」
2016年春、森アーツセンターギャラリーで「水差しを持つ女」

上野での展覧会は閉幕しますが「牛乳を注ぐ女」だけは、
もう一度、まじかで心ゆくまで観てみたいと思う。
キラキラと光り輝く豊かな質感に満ちた絵画、
たにしの爺が魅了されたフェルメールの初めての絵でした。

以下は森の美術館近くで撮ったおまけの写真。
清水観音堂のテラスと安藤広重の絵にもある「月の松」です








川村記念美術館のスイレンの池はモネの絵のようでした

2018-05-03 19:06:44 | 展覧会・美術展

久しぶりにDIC川村記念美術館に行ってきました。
この美術館は自然環境の美しさで知られています。
四季いつ行っても季(とき)の花と風景が癒してくれます。
これまでも当ブログでは3回ほど紹介しています。





併設のレストランは超人気で、テーブルに案内されるまで、
休日などは2~3時間待ちになります。



この出窓のある席でオマールエビのランチをしたのは、
いつのことったか記録を探したが分からなかった。





この時期、5月の初めになると毎年、
研究所の敷地内が期間限定で一般開放されます。





普段は入れないクルメツツジ山のエリアに入り、
カラフルなツツジを見ながら、新緑のなか、
スワンの泳ぐ池越しに美術館の外観を見られます。



何か「自分は上等な場所に居る」という感覚に浸れます。
今年は残念ながら、訪ねた日、4月30日には、
ツツジは緑に変わっていました。



さすが最先端のインキの研究所でも、花の色まで、
カラーフィルムで彩ることは不可能のようです。



散策路をひと巡りしました。
以前は無料で入れましたが、
有料200円になっていました。



入り口のゲートにはスイフヨウが盛りでした。
池の小さな噴水が湖面に小波を広げ、
コブハクチョウが波紋を曳いていました。



芝生にはガチョウが遊んでいました。
ツツジ山から出た所に藤棚がありますが盛りは過ぎていました。
散策路の中心は蓮池と大賀蓮の周辺です。





アヤメの紫の花が池に映り、
白、赤、薄桃色のスイレンが咲いていました。





広場にはヘンリー・ムーアのブロンズの形態があります。
シャクヤクのつぼみが膨らんでいました。



しばしエノキの下でランチタイムのひと時を過ごしました。
窯焼きピザやお弁当の店などワゴンの出店が出ていました。





気持ちのいい静かなひと時を過ごせるこの美術館の庭は、
いつ行ってもいいです。



次回はアジサイの頃、行くのがいい時期になりそうです。
所在地は千葉県佐倉市坂戸631番地
無料送迎バスが京成佐倉駅、JR佐倉駅から出ています。
東京駅からは有料の高速直通バスが出ています。




雨の上野公園・美術館は人の波、二つの美術展を鑑賞

2017-08-17 14:02:33 | 展覧会・美術展

16日・水曜日、今日も一日雨でした。暑くても太陽の顔を見たいですね。
第三水曜日は東京都美術館はシルバーデーです。毎月この日を楽しみにしています。

雨も降っているし、人も少ないと思い「ボストン美術館の至宝展」と、
かねてから観たいと思っている国立西洋美術館で開催中の、
「アルチンボルト展」をハシゴしたいと出かけました。

10時30分。上野駅公園口に出ました。「えっ、なに、この人の波」。
改札口から東京文化会館まで人と傘で埋まっていました。
西洋美術館の方へも行列です。



始めに「アルチンさん」の列に並び、40分でチケット売り場ま、
(こちらはシルバー待遇なく1,600円)入場できました。
出てきたのが、12時過ぎ、美術館の脇の道が人の波です。
理由がわかりました。「深海」です。
国立科学博物館で「深海」の企画展が開かれていたのです。
人の波のお目当てはそっちが主流のようでした。



私は東京都美術館を目指して歩き出しましたが、
こちらは年配の人たちが主流です。シルバーデー目当てに一見、
かなり高齢と思われるお婆さんの仲間もいます。
生きているうちに「名画観賞」に雨でも出かけてくる。素敵ですね。
場内はこちらも人の列で「50分待ち」といわれました。
ランチにしようと美術館のランチにしました。
お一人様席の空くのを待って、コーヒーと合わせて1,110円。
列に戻ってみると40分待ちになっていました。観終わって出たのが3時30分。
さすが疲れました。

★国立西洋美術館のアルチンボルド展―9月24日(日)まで。
奇想の宮廷画家ジュゼッペ・アルチンボルド(1526-1593年)。

日本で初めての本格的な展覧会に計30点が集結。
果物や野菜、魚や書物などで構成されたユニークな肖像画を中心に、
その画業を本格的に紹介するという展覧会です。



代表作の「四季」《春》《夏》《秋》《冬》が初めて集結。
その構成要素の対比になる「四大元素」としての、
《大気》《火》《大地》《水》が連作として描出された。
これら8点が一堂に会して見られるのはすばらしい。




★東京都美術館の「ボストン美術館の至宝展
― 東西の名品、珠玉のコレクション― 10月9日(月・祝)まで。
ボストン美術館の主要なコレクションから珠玉の80点。
古今東西も世界の名品を堪能できる――という展覧会です。

1章・古代エジプト美術「ツタンカーメン王頭部」など。
2章・中国美術では、清朝の皇帝が好きだったという、
陳容の「九龍図巻」南宋、1244年(淳祐4年)は凄いです。
約10mに及ぶ長大な画面に筆墨で描かれた九匹の龍は圧巻でした。

3章・日本美術では、喜多川歌麿「三味線を弾く美人図」、
酒井抱一「花魁図」などありましたが、
奇跡の里帰りと評判の英一蝶「涅槃図」は息をのむ凄さでした。
釈迦の入滅の様子を描いた《涅槃図》は、
涅槃に入る釈迦と悲しみにくれる菩薩、羅漢、動物たちを、
鮮やかな色彩で大画面に描いている。
1886年(明治19年)以前にフェノロサが購入、
今回の公開に際して、約170年ぶりに本格的な解体修理が行われたもの。
一蝶による幻の巨大涅槃図が最大の見ものでした。

4章・フランス絵画では、ゴッホのルーラン夫妻が目玉でしたが、
たにしの爺としては、クロード・モネの「睡蓮」がよかったです。
5章・アメリカ絵画、6章・版画・写真、7章・現代美術――など。

それにしても、わが国の名品もそうですが、
古代エジプトの発掘品などが、他国に流失しているいきさつは、
なにがしかの、問題がありそうですね。

ポストカードやカタログなど購入していますが、
スキャナーの故障で画像化できません。
後日それらは追加したいと思います。



それにしても、雨の中、かなりの高齢者が、
に術館に足を運ぶ、1時間以上も列に並んでいる。
元気なお年寄りが増えることは、いいことですね。
たにしの爺もその一人として、頑張ろうと思います。

六本木のエルミタージュから乃木坂のミシャ展まで

2017-06-10 12:38:34 | 展覧会・美術展

久しぶりに上京してきました。先月の2017年5月31日・水曜日のことです。
雨模様という天気予報で人出も少ない穴場の日と思って、
名画巡りの一日とするつもりでした。

まず、六本木ヒルズの森アーツギャラリーで開催中の、
――オールドマスター西洋絵画の巨匠たち
「大エルミタージュ美術館展」――へ向かいました。



ウィギリウス・エリクセン《戴冠式のロープを着たエカテリーナ2世の肖像》、
ルカス・クラーナハ《林檎の木の下の聖母子》

 

ジャン=オノレフラゴナールとマルグリット・jyェラール《盗まれた接吻》、
バルトロメ・エステバン・ムリーリョ《受胎告知》

 

メトロ日比谷線の1Cの改札を出て、地下コンコースを辿って、
六本木ヒルズの一階玄関にたどり着きました。このヒルズには、
駅から地上道路を来ても、地下通路のエントランスから来ても、
帰りの際にも、いつも「迷い道」感覚に襲われます。



ロシア・サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館、
ずーっと思い続けていながらいまだ実現出来ない、
「サンクトペテルブルク訪問」の代替えになりました。



女帝・エカテリーナ2世が34年の治世の間に収集した絵画作品のなかから、
オールドマスターというのは、16世紀ルネサンス時代のティツィアーノ、
クラーナハなどから、17世紀のレンブラント、ルーベンス、ヴァン・ダイクを経て、
18世紀ロココのヴァトー、ブーシェなどに至る巨匠たちのことだと知りました。



ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《羽飾りのある帽子をかぶった若い女性の肖像》や、
アントワーヌ・ヴァトー《困った申し出》など、
オールドマスターの絵画を堪能しました。残り会期は6月18日まで。





52階の窓からリッツカールトンホテルなど赤坂方面を俯瞰して、
乃木坂の国立新美術館の曲面ガラス壁と屋上をパチリと撮りました。
5階のレストラン街でウロウロしながら、まあ、それなりのランチをしました。



正面玄関に下りて六本木交差点から、竜土町美術館通りへ辿りました。
超久しぶりにこの通りを通りましたが、あまりの変貌ぶりにびっくりしながら、
国立新美術館に着きました。「なんだ、この行列は」思わず立ち止まりました。



「国立新美術館開館10周年・チェコ文化年事業、ミュシャ展」を見に訪れた人の波でした。
「入場まで80分」のプラカード。係員に聞きました「今日中に入れるのですか」。
5時までには入れるでしょう、という。



チェコの画家のフアンがこれほど日本には居たのかと、改めめて感銘しました。
係の人に聞きましたら、ここ何日もこういう状態です。
この先会期一杯はもっと混むと思いますよ、ということでした。



狙い目は早朝一番か、入場締め切りの最後に入ることだという。
前売り券を持って行ったのでしたが、一時間以上立ちんぼして入場しても、
人垣越しの鑑賞は疲れるので、アルフォンス・ミュシャの大作、
チェコ国外での世界初公開「スラブの叙事詩」は諦めて帰りました。
同展は5日をもって終了しています。



久しぶりの六本木界隈は刺激的でした。
道野辺のナシ園の周りを徘徊しているたにしの爺にとっては異世界でした。
東京ミッドタウン、リッツカールトンホテル、サントリー美術館、この界隈は、
爺の20歳後半は、「防衛庁」「生産技術研究所」「健保会館」「竜土軒」など、
竜土町辺りが仕事での出没エリアでした。まったく当時の面影はありません。
新美の庭から見た「六本木ヒルズ」



50年近くも前の記憶の街に美術館巡りに出かけた爺は「語りかける人もなく」、
歩き疲れてメトロ千代田線で大手町、東西線で西船橋と、
当時、利用していた通勤ラインで帰宅しました。「良かったな~」
お土産に買った「チェブラーシカ」のハンカチです。



長々とグダグダと書きましたが、最後まで読んでくださってありがとう。

世界の至宝・ブリューゲルの「バベルの塔」が上野の森に出現

2017-04-20 12:16:20 | 展覧会・美術展

ボイマンス美術館所蔵、ブリューゲルの「バベルの塔」
--16世紀ネーデルランドの至宝-ボスを超えて--展が、
上野公園の東京都美術館で18日から始まりました(7月2日まで開催)。
公式サイト



19日(水)は月に一度の「シルバーデー」でしたので観てきました。
10時に同美術館について30分ほど並びましたが、20人程度づつの仕切り入場で、
会場内は人垣がなく、ストレスなしに観賞できました。

 

見どころの一番は、
ブリューゲルの最高傑作「バベルの塔」が24年ぶりの再来日ということです。
壮大な風景と驚異的な細部が凝縮された描写がすごいです。



もう一つの見どころは「奇想の画家」ヒエロニムス・ボスの油彩作品2点です。
日本初公開の「聖クリストフォロス」「放浪者」(いずれも1500年ころ)。
分割して細部を拡大した参考図も展示され興味深いです。



さらにすごいのは、16世紀になって「ボス」を真似する作家が続出し、
「真似ボス絵」(今風に言えばイラスト・白黒)のリバイバルです。
ボスのように描いた凶々しい、奇怪な絵の数々にびっくりです。



1500年代・16世紀のネーデルランド(オランダ、ベルギー)の絵画・彫刻、
宗教・キリスト教を題材にした小品群がたくさん見られます。
500年以上も前に板に描かれた色彩の豊かさに驚かされました。



2時間ほどで出て、同行者が東京芸大を見たことがないというので、
美術学部のキャンパスなど歩いて、学食など覗ききました。
若い美学生たちの笑顔が眩しかったです。



同大学COI拠点(上島珈琲カフェと国際こども図書館の間)で、
昼と夜の「立体バベルの塔」を体感出来ました。
オランダ芸術科学保存協会との連携して、
「バベルの塔」の精緻なクローン文化財を制作したものです。



塔のリアル感はもちろん、作業者の動きまで体感できる(実際に動いている)、
最先端技術の立体的展示での凄さを知りました。



ブリューゲルの実絵画もさることながら、
こちらの、現代版「バベルの塔」を観に、ぜひ足を伸ばすべきです。





旧約聖書「バベルの塔」の物語についてはwebでどうぞ。





上野の森は緑と好奇心に満ちていました。

国立新美術館・ルノアール展に行きました

2016-08-21 15:32:47 | 展覧会・美術展

8月22日が最終日になる国立新美術館のルノアール展。
21日から始まった「読売書法展」に合わせて行ってきました。



混雑する中でのルノアール観賞は避けたくて、
最終日間近になる前に行きたかったのですが、
同居人の出品している書法展が20日からあり、
同門社中仲間の作品の撮影を兼ねて行くので、
この日まで待機させられていました。



乃木坂の国立新美術館には10時半に着きました。
大雨予報の日にも関わらず、それなりに混んでいます。
ゆっくり移動しながら十分観賞できる程合いでした。

 

4月末から開催されている「ルノアール展」については、
テレビ、新聞、雑誌で特集されています。
たにしの爺もNHKの特集で見ていました。

 

しかし、やはり現物を見て初めて知る凄さがありました。
印象派の最高傑作が集まった同展ならではの、
精緻な筆致による色彩の盛り上がりと陰影はさすがです。



今回の目玉はポスターの表紙にもなっている、
木陰での舞踏会を描いた名作で日本初公開の、
「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」です。
大きな絵です。特別コーナーが設定されていました。



たにしの爺としては、この絵より「風景画のコーナー」にあった、
「草原の坂道」が一番に惹かれました。
最も印象派の画家らしい作品で、草原の花の中を、
ピクニックに行く女性たちの輝きが素晴らしく感じました。





次に印象深く好かったのが「ピアノを弾く少女たち」でした。
「幸福の画家」と言われるルノワールの雰囲気を感じる、
見る者を優しくするの色彩に満ちた絵でした。



また今回、45年ぶりに揃って見られることで話題の2点、
「都会のダンス」「田舎のダンス」も同時に観賞できて幸いでした。
ルノワール展公式サイト



今週は上野で「ポンピドゥー・センター傑作展」、
乃木坂でオルセー美術館とオランジュリー美術館、
フランスの主要美術館の作品に触れることが出来ました。



台風が近付いています。
8月も下旬。そろそろ秋の気配も‥‥



上野の森は猛暑でも賑わっていました。「ポンピドゥー・センター傑作展」

2016-08-19 13:59:36 | 展覧会・美術展

本日(8月18日・水曜日)はシルバーデーでした。
台風一過、猛烈な暑さの中、入場料が無料になるので、
上野東京都美術館で9月22日まで開催中の、
フランス「ポンピドゥー・センター傑作展」
―ピカソ、マティス、デュシャンからクリストまで―観賞してきました。



パリのポンピドゥー・センターが所蔵する、
珠玉の近現代美術コレクションのうち、
1906年から1977年まで一年ごとにのタイムラインを、
一作家一作品を厳選し構成した展覧会だということです。
モダンアートの70年をたどることが出来るわけです。



絵画、彫刻、オブジェ、写真、デザイン、映像、音‥‥など、
作品は多岐わたっていました。



作品の脇にはそれぞれ作者の美とか芸術に関する、
若干の言葉が表示されていました。
どの作品が、どのように傑作なのか、
たにしの爺には判断できません。



ポスターに選ばれている3作品は念入りに観てきました。
*アンリ・マティスの「大きな赤い室内」(1948年)
*マルク・シャガールの「ワイングラスを掲げる2人の肖像」(1917~8年)
*パブロ・ピカソ「ミューズ」(1935年)
*1945年の展示は「なにもありません」でした。
代わりにエディット・ピアフの歌う「ばら色の人生」が、
静かに流れているだけでした。
「ポンピドゥー・センター傑作展」公式サイト


序でに併設して開催中の開館90周年記念展「木々との対話」
──再生をめぐる5つの風景──を観て着ました。
こっちの方が楽しめました。~10月2日(日)まで。







精緻に木を彫り上げ、彩色されたバラです。
公園のイチョウもインスタレーション作品になっていました。





それにしても、猛暑の中、夏休みの最中のせいか、
上野公園は人が多かったです。



世界遺産に認定された国立西洋美術館も撮ってきました。





国立西洋美術館「カラヴァッジョ展」を見てきました。

2016-04-20 18:08:46 | 展覧会・美術展

いま上野の国立西洋美術館で開催中の(6月12日まで)、
「カラヴァッジョ展」を見てきました。
――ローマを熱狂させたドラマチック。ルネサンスを超えた男。
カラヴァッジョの傑作11点が集結――という展覧会です。
公式サイト



カラヴァッジョ。と言えば――
強烈なコントラストで明暗を描出する。血の滴る斬首絵画。
人間の姿を光と陰でリアルに表現する。光を発する静物画。
バロック絵画の手法の先駆者とされています。

 

また、殺人事件まで引き起こしたり、投獄されたり、
暴力と波乱に満ちた画家として知られています。
逃亡生活でイタリア国内を転々とし、
その間にも絵画を制作し、名声を博していたという。

 

本名はミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ。
死亡する38歳までの作品で真筆とされる作品は60点あまり。
その中には移動不可能な作品が多数あるとされています。
今回の展覧会に世界初公開の「法悦のマグダラのマリア」が入っています。
このほか日本初公開の「メドゥーサ」(右の写真)「トカゲの噛まれる少年」などが含まれています。

 

また、ニュース、テレビや新聞・雑誌などにも特集されています
①フランス南部のトゥールーズで2年前に見つかった油絵が、
カラバッジョの作品かもしれないと分かり、話題になっています。
本物とされれば、推定価格は1億3500万ドル(約150億円)とも。
フランス政府は作品の鑑定が続く間、2年半の国外持ち出しにした。



↑3枚の写真は雨上がりの「国立西洋美術館」の庭です。
「考える人」が新緑の中に座っています。

②上野に行く前日にNHK「日曜美術館」で放送された、
「幻の光 救いの闇 カラヴァッジョ 世界初公開の傑作」
《法悦のマグダラのマリア》が24日に再放送されます。



番宣によりますと――
イタリアの巨匠の幻の傑作が世界に先駆け日本で初公開された。
画家の名はカラヴァッジョ。
西洋絵画の歴史を一変させた天才にして殺人者。
初公開の聖女の絵は何を語るのか?
それは闇に溶けそうな聖女マグダラのマリアの姿。
NHKEテレ、午後8時00分~ 午後8時45分



3月末から名画鑑賞が続いています。
ダ・ヴィンチ「糸巻きの聖母」、フェルメール「水差しを持つ女」、モランディ「静物画」、
そしてカラバッジョ。モランディ以外日本初公開の作品ばかりです。
美術館めぐりは疲れるけれど、「好奇高齢者」の記憶遺産として楽しめます。

机上の静物の変奏に美の本質を見つめたモランディ

2016-04-06 10:14:07 | 展覧会・美術展

東京駅ステーションギャラリーで開催中の、
ジョルジョ・モランディ~終わりなき変奏~で生絵を観てきました。
モランディが終生を過ごしたボローニャにある「モランディ美術館」から、
収蔵作品100点を一堂に展覧した展覧会です。


初期から晩年まで11のセクションに分類し解説が付いていました。 
モチーフのほとんどは、卓上静物か、数少ない造花描写、風景画です。
それも総べて色彩を控えた「物」として描かれています。
同じモチーフの水差しやカップ、瓶の配置を変えて生み出す、
光や影の微妙な組み合わせだけで「物」の変奏を描出する。


「変奏・ヴァリエーション」の簡素な油彩画が並びます。
観ていると不思議な落ち着きに引き込まれます。



ボローニャに生まれで、画壇との付き合いを避けて、
存在するもの(静物)だけに拘った画家・ジョルジョ・モランディ(1890~1964)
作品を知ったのは、イタリア在住40年、帰国後、
珠玉のエッセイを書き続けた須賀敦子さんの作品を読んでからでした。
須賀さんはモランディの静物画が大好きでした。全集(文庫版)の表紙になっています。


この事は、以前のたにしのブログにも書きました。
須賀敦子の著作に出会う「モランディの静物」

東京ステーションギャラリーは他の美術館とは全く雰囲気が違います。
展示室内部は東京駅の歴史を体現する当時の煉瓦壁の美術館です。
つまり重要文化財の赤レンガの壁も美術館の作品のようなんです。
写真は丸の内北口の改札広場です。美術館への入り口があります。



その赤レンガの壁にモランディの静物画が掛かっています。
移動のための2階と3階を繋ぐ赤レンガの階段がいい雰囲気です。
ここが喧騒に満ちた東京駅の内部空間だと思うと不思議な静けさです。
北口広場の天井装飾です。いまでも見上げて写真を撮る人が居ます。



鑑賞者は皆、静にゆっくり移動する静物のようでした。
会期は10日までです。



毎日新聞から切り抜き



フェルメール「水差しを持つ女」とダ・ヴィンチ「糸巻きの聖母」

2016-03-27 17:58:28 | 展覧会・美術展

日本初展覧の絵画2作品を観賞したことを書いています。
両国・江戸東京博物館で開催中の、「レオナルド・ダ・ヴィンチ天才の挑戦」。
「糸巻きの聖母」について前回に書きました。
今日はフェルメール「水差しを持つ女」です。





24日、小雨の寒い日でしたが六本木ヒルズ森タワー52階ギャラリーで、
「フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展」。
フェルメールの日本初公開「水差しを持つ女」を観賞してきました。
(1662年頃、油彩・カンヴァス、45.7×40.6 cm、メトロポリタン美術館、ニューヨーク)
フェルメールの作品はあまり大きくありません。
窓から注ぐ光が柔らかく支配する空間が感動です。



30数点しかないフェルメールの絵画のうち、これで17作品を見たことになります。
これまでの鑑賞作品では、一番のお気に入りは「牛乳を注ぐ女」かな。
東京で観賞したフェルメール絵画―――、
2007年の秋国立新美術館で「牛乳を注ぐ女」
2008年秋、東京都美術館で「マリアとマルタの家のキリスト」
「ディアナとニンフたち」「小路」「ワイングラスを持つ娘」
「リュートを調弦する女」「手紙を書く婦人と召使」
「ヴァージナルの前に座る若い女」の7点。
2009年夏、国立西洋美術館で「レースを編む女」
2011年春、渋谷のBunkamuraで「地理学者」
2012年春、渋谷のBunkamuraで「手紙を読む青衣の女」「手紙を書く女」「手紙を書く女と召使い」
2012年夏、東京美術館で「真珠の耳飾りの少女」「ディアナとニンフたち」
2012年夏、国立西洋美術館で「真珠の首飾りの少女」を観賞してきました。
2015年春、国立新美術館で「天文学者」
そして今回の2016年春、「森アーツセンターギャラリー」で「水差しを持つ女」

オランダの「風俗画」は静謐でキラキラしていて好いですね。
風俗画はオランダ絵画の人気分野の一つで、
代表的な画家を多く輩出しています。ヨハネス・フェルメール、
ヤン・ステーン、ピーテル・デ・ホーホなど、
画家の目を通して、当時の日常生活を垣間見ることができます。



上の作品は「恋文」。2000、2005年に日本で公開されたが見損なってしまいました。





六本木ヒルズ森タワー52階からの眺めとタワーの外観です。
巨大すぎてカメラに収まりません。





ダ・ヴィンチ「糸巻きの聖母」とフェルメール「水差しを持つ女」

2016-03-26 21:27:16 | 展覧会・美術展

3月の終わりになって、日本初展覧の2作品をを観賞しました。
始めは、両国・江戸東京博物館で開催中の、
「レオナルド・ダ・ヴィンチ天才の挑戦」。



日本初公開の絵画 「糸巻きの聖母」が超目玉作品です。
盗難と数奇な運命を経て持ち主に戻ってきた世界の至宝。
マスコミで紹介されていました。



このほか、レオナルドの直筆ノート「鳥の飛翔に関する手稿」も日本初公開です。
小ぶりのノートに小さな文字できっちり書かれた作品。
500年以上も前に書かれたレオナルドの思索の軌跡です。
自分の目の前にあることの奇跡に感動しました。



珠玉のレオナルドの素描や版画など約70点が展示されています。
そして最奥の部屋に「糸巻きの聖母」が淡いスポットライトの中に浮かんでいます。



ここまでは比較的、スムースに移動してきましたが、
ここからは、順番待ちの列がずーと奥の部屋まで続いていて、
係員の案内で並んだところに「60分待ち」のプラカード。
それでも並ぶこと30分くらいで、絵の前に立つ事が出来ました。
3分ほどじーっと見つめて押し出されました。
正直言って「この絵がどれだけの」物かはよく分かりませんでした。



「受胎告知」「岩窟の聖母」「最後の晩餐」「モナ・リザ」などの世界遺産の超有名な絵画。
また、科学、発明、解剖学、植物学などあらゆる分野の研究業績を残した、
500年前の万能の天才-レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)の、
生の作品に接することが出来て好かったです。

このあと、両国駅から三つ先の御茶ノ水駅で降りて、
ギリシャ正教のニコライ堂、孔子の「湯島聖堂」、
隣りの「神田明神」を周って帰りました。後日、アップする予定です。



上野公園で連携開催されている「ボッティチェリ展」は昨年にも行われそちらを見ました。

「フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展」
ヨハネス・フェルメール「水差しを持つ女」は次回になります。

雪の都心へ「サントリーホール」で名曲に酔う

2016-01-20 10:43:01 | 展覧会・美術展

ずっーと晴天だったのに、1月18日は大荒れの日になっていた。
たにしの爺、この日は上京する予定になっている。
プラハ交響楽団のニューイヤーコンサートのチケットを買ってあった。
それなのに最悪の天候になっていました。





当地は雪でなく、夜来からの雨が続いていました。
通勤ラッシュは過ぎていたので、混乱なく総武線に乗り、
江戸川を越えて小岩駅あたりになると雪景色になりました。
飯田橋で地下鉄に乗り換えて六本木一丁目で下車、サントリーホール前、
アーク・カラヤン広場に出たら、氷雨が吹き付けて来ました。
広場には雪が掃き寄せられてありました。





虎ノ門の事務所に通っていた頃、
この辺はランチしたり、お茶したりよく来ていたところです。
旧テレビ朝日の隣りがサントリーホールになっています。



「アーク・カラヤン広場」は帝王カラヤンの名にちなんで付いたものです。
広場には響きを象徴する金色の渦巻状のモニュメント「響」があります。



正面玄関の上壁にパイプオルゴールが仕込まれていて、
正午、開場の時になると、老人と少年の人形が、
オルゴールを回す仕掛けになっています。
爺が着いたとき丁度、開場の知らせのオルゴールが、
ブオー、ヴアオーと鳴り響いていました。
何度も広場に来ていますが聞いたのは初めてでした。



ホール内の写真撮影は禁止とされています。
開演前に素早く2,3枚撮りましたが早速、係りの女性に注意されました。
「ハイ、ごめんね。田舎者でして」と謝りました。





「プラハ交響楽団ニューイヤー・コンサート2016」
チェコの首都であり、古都プラハの名門オーケストラを聴く。案内によりますと、
首席指揮者ピエタリ・インキネンは日本フィルの首席指揮者に就任予定でもあり、
これまでにも、世界の幾多の交響楽団で共演している若手識者だということです。



プログラムは、
スメタナ:交響詩「わが祖国」よりモルタヴ、ブラームス:ハンガリー舞曲第5番、
ドヴォルザーク序曲「謝肉祭」、「新世界から」ほか。
感動的な盛り上がりで、消えていく「新世界」は圧巻でした。
アンコール曲で最後の応えてくれた曲が「ラデツキー行進曲」でした。
元日のウィーンフィルのニューイヤーコンサートでお決まりの、あの曲です。
指揮者と観客が一緒に拍手を高めたり、控えたり、
盛り上げたりする、あれでフィナーレを飾りました。
久しぶりにヨーロッパ交響楽団の生オケを堪能しました。





ホールから出るとすっかり雨は上がっていました。
周辺の屋上庭園や高層ビルの谷間には雪が残っています。
新橋まで歩きました。振り返れば虎ノ門ヒルズがそびえていました。



雨と雪の都心を徘徊した一日でした。

上野・大英博物館展から、乃木坂・マグリット、日本の書展へ

2015-06-20 09:38:14 | 展覧会・美術展

降ったり雨が止んだり不安定な空模様の中、
美術館、絵画展、書展、博物館展をはしごしました。
JR・新日本橋・メトロ銀座線の三越前から銀座駅で日比谷線に乗り換え、
六本木で降りてミッドタウン・カールトンの通りを経て、
乃木坂の国立新美術館へ。



シュルレアリスムの巨匠の大回顧展・マグリット展を観て、
2つの書展、「日本の書展」と「書象展」を回り膨大な作品宮の中から、
頼まれていた書家の写真を撮り終えたら外は大雨でした。
美術館からエレベーターでメトロ千代田線の乃木坂駅へ直行し一駅で表参道駅。



表参道から銀座線に乗換え銀座経由で上野駅へ。
雨はぱらつく程度になって空も明るくなっていました。
上野公園を歩いて東京都美術館へ急いで直行。
かねてから足を運ぶ予定にしていた「大英博物館展」へ。

今日17日は水曜日で月に一度の「シルバーデー」で、
爺に世代(65歳以上)は木戸フリーです。荒れ模様の一日と予報が出ているに関わらず。
2時を過ぎていましたが、爺世代が大勢歩いています。




「日本の書展」の方は爺の同居人が出品している招待作家展で、
同人の数人分と合わせてアルバム作成のための撮影を依頼されていました。





「書象展」の方は長野市に住んでいる小中学校のクラスメイトの同人展で、
足が不自由なもので上京できないので毎回、作品と書展の模様を撮ってあげています。





「マグリット展」(ルネ・マグリット1898~1967、ベルギーの国民的画家)には、
新美に交通費を使って来た以上、観ないで帰るのはもったいないと思い入場しました。
ありふれた日常の世界をシュールに不思議な世界を魅せる、
マグリットの世界に幻惑されました。


目玉はパンフにもなっている「空の鳥」だそうです。
爺がよく行く西洋の古典絵画とはかけ離れた世界でしたが、
何か分かるような気分にもなりました。(6月29日まで)

2階、3階の天空レストランは値が張りますので、
いつものように地下のショップレストランに行って、
600円の弁当で昼食を済ませて、
上がってみると外は大雨になっていました。





千代田線、銀座線を乗り継いで上野に着いたのは1時過ぎでした。
こんな天気だし東京都美術館は空いているかと思っていましたが、
上野公園はいつものように修学旅行生も多く、人で溢れていました。


高齢者は「大英博物館展」シルバーデー目当てで来たのでしょう。爺もその一人ですね。
「大英博物館」所蔵の人類の遺産の傑作100の物を見ることが出来ました。
世界中から英国人が集めた(持ち帰った)モノが語る人類の歴史絵巻でした。(6月28日まで)
場内は程よく混んでいましたが、
ゆっくり2時間ほど人類の起源以来「200万年の遺物100点」を見て回りました。
とても疲れました。足が突っ張ってボーのようです。
 記述が前後したり、写真と合っていなくてすいません。
最後までありがとう。

「ボッティチェリとルネサンス」――フィレンツェの富と美」展を観賞しました

2015-04-18 13:50:48 | 展覧会・美術展


東京・渋谷の東急Bunkamuraへ15日に行ってきました。
フィレンツェ・ルネサンスを代表する画家、サンドロ・ボッティチェリの、
日本初公開作品を含む10数点に及ぶ珠玉の作品を観てきました。



<会期>6月28日(日)まで。
<会場>東京・渋谷 東急Bunkamuraザ・ミュージアム
<主催>毎日新聞社、Bunkamura、NHK、NHKプロモーション
公式サイト



都心のサクラ見学を兼ねて、4月はじめに予定していましたが、
雨続きで日延べになっていました。
低温、雨、霰と天候は急変すると予報が出ていた日で、
人出も少ないと思い出かけました。予報に反していい天気になりましたが、
幸い会場ではゆったり観賞することができました。



目玉はやはりイタリアの門外不出のリストに載っている、
ボッティチェリの「聖母子と洗礼者聖ヨハネ」でしょうか。(1477-1480年頃、テンペラ・板、直径96.5cm)
ピアチェンツァ市立博物館が所蔵する至宝ですね。



イタリアに行かなければ観られない作品です。
5月6日までの期間限定公開となっています。
特別にガラス枠の中に展示されていました。
黄金の丸額に縁取られた直径約96センチの円形絵画です。
聖母子の姿が宝石のように浮かび上がって見えます
とても600年も前に書かれた絵画とは思えない輝きです。



隣りは、ウフィツィ美術館所蔵の至宝、ボッティチェリの代表傑作とされる「受胎告知」です。
(1481年、フレスコ、243×555cm フィレンツェ、ウフィツィ美術館所蔵)
横幅5メートルにも及ぶ圧巻の大作を、ゆったり十分に鑑賞できました。



そして「ヴィーナス」です。
代表作の「春」と並ぶ「ビーナスの誕生」の貝の中に立つヴィーナスを独立して描いたものです。
柔らかい薄衣や肌にまつわる髪の毛のはためき、神聖さとエロスが輝いていいました。



さらに「聖母子と二人の天使」
(1468-1469 年頃、テンペラ、油彩・板、107×75cm、ストラスブール美術館)
聖母マリアがわが子を見つめる慈しみ表情は厳かで清らかな麗しさに満ちています。

ミュージアムの前のレストラン





・展覧会の構成と主な作品
*第1章 ボッティチェリの時代のフィレンツェ
:マリヌス・ファン・レイメルスヴァーレに基づく模写 《高利貸し》1540年頃、油彩・板、100×76cm
フィレンツェ、スティッベルト博物館
:サンドロ・ボッティチェリ《ケルビムを伴う聖母子》1470年頃、テンペラ・板、120×66cm
フィレンツェ、ウフィツィ美術館

bunkamuraのシヨウインド



*第2章 旅と交易:拡大する世界
:フランチェスコ・ボッティチーニ
《大天使ラファエルとトビアス》1485年頃、テンペラ・板、156×89cm
フィレンツェ文化財特別監督局 

渋谷の街角



*第3章 富めるフィレンツェ
:フラ・アンジェリコ《聖母マリアの結婚》1432-1435年、テンペラ・板、19×51.5cm
フィレンツェ、サン・マルコ博物館
:フラ・アンジェリコの代表作《聖母戴冠》
(ウフィツィ美術館)のプレデッラ(祭壇画下部の小壁板絵)のひとつ。

駅前の交差点



*第4章 フィレンツェにおける愛と結婚
:スケッジャ《スザンナの物語》1450年頃、テンペラ・板、41×127.5cm
フィレンツェ、ダヴァンツァーティ宮殿博物館

*第5章 銀行家と芸術家
:ロレンツォ・ディ・クレディ 《ジャスミンの貴婦人》1485-1490年、油彩・板、77.2×55.2cm
フォルリ市立美術館

*第6章 メディチ家の凋落とボッティチェリの変容
:修道女プラウティッラ・ネッリ(帰属) 《聖人としてのジロラモ・サヴォナローラ》
1550年頃、油彩・キャンヴァス、61×45.7cm、個人蔵

以下の絵画展にも会期中に行きたいと思っています。