たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

須賀敦子の著作に出会う

2010-11-23 10:48:37 | 須賀敦子の著作

「コルシア書店の仲間たち」
(文藝春秋:単行本・1992年4月、文春文庫:1995年10月第1刷)

今年は「国民読書年」ということで、
2010年のたにしのブログのスタートは、「読書」について3本書きました。
その中に「本と出合う」についての項があります。
その本を選び、手にして、購入する動機は何だろうと書きました。
その一つのルートが「新聞の書評」でした。そんな中でたにしの爺の目に止まった本がありました。
河出書房新社刊、ジェレミー・マーサー著 市川恵里訳312頁。2,730円。
「シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々」でした。



そして書名の「書店」繋がりで出会ったのが「コルシア書店の仲間たち」です。
須賀敦子さん。この方の名前も著書も、今回はじめて知りました。
たにしの爺、図書館司書を目指したこともあるくらい、本、出版事情には関心を持っていたつもりでした。
でもこの方の存在は、まるでエアポケットのように空白でした。

これままでの歳月より、この先の歳月が短くなった歳になって、
須賀敦子とその本に出会った幸運に、爺は感動しハマっています。
この本をはじめ、60歳過ぎのデビュー作で女流文学賞、講談社エッセイ賞の「ミラノ 霧の風景」、著者の生い立ちや留学についての「ヴェネツィアの宿」を読み終えました。



さて表題の「コルシア書店の仲間たち」――。
1958年、イタリアの大学に留学。ふとしたきっかけで、ミラノのサン・カルロ教会の一隅にあったコルシア書店の企画に参加。書店の仲間だったペッピーノ・リッカ氏と結婚。1967年夫が41歳で死去。1971年に帰国。

10年以上にわたって、この書店を中心に暮らしたミラノでの出会いと仲間たち、別れていった人への回想を綴った、いぶし銀のような一作です。
知性と感性が混じりあう文章で、ミラノの日々を回想した須賀敦子62歳のときの著作。
たにしの爺は結構、速読派のつもりでしたが、この本は慣れない文体に時間がかかりました。

今年の残りは氏の本に沿って、ブログを更新していきたいと思っています。
(この項未完)

千葉県松戸市の国の重要文化財・戸定邸

2010-11-13 07:29:33 | 社会見学

以前から噂には聞いていた千葉県松戸市にある、
戸定邸(とじょうてい)に行ってきました。

水戸藩最後の藩主・徳川昭武さん(第15代将軍 徳川慶喜の弟)の別邸だったものです。
旧大名の住まいにふさわしい重厚さと気品を備えた純木造建築です。
写真は庭に向かって大きく開いた屋敷のメーンルーム・客間です。
華美ではないが、なんともいえない気品と、風格のある趣のある建築物でした。



明治30年代には昭武の実の兄である、元将軍徳川慶喜が何度か訪れたという、
記録が残っているそうです。

昭武の死後は息子の武定の居住となっていたが1951年(昭和26年)に、
建物と敷地が松戸市に寄贈され、
2006年(平成18年)7月5日に国の重要文化財に指定されている。

今年は、この屋敷の主だった、徳川昭武さんが亡くなって、ちょうど100年になるそうです。
いろいろな記念行事が行われているようです。



爺が訪れたのは、10月の後半の土曜日でした。
坂道を上り詰めたところに石段とかやぶき屋根の山門があって、
周辺の住宅街とは画然とした風致の違いのなかにありました。

中に入ると、左手に歴史館があって、右手にはさほど広くはないが、
品格のある築山がが広がっています。
下の写真は中庭の眺めです。


玄関から、奥の客間まで廊下伝いに見通せます。

開放的な広い客間です。
手入れの行き届いた庭と、遠く江戸川まで見通せる空間が広がります。
晴れた日には富士山もくっきり見えるという。
昭武さんも、きっと眺めていたのでしょう。
客間の隣にある書斎が富士山と向かい合っているようでした。


この客間と庭にウィーンフィルの調べが響いたと聞きました。
私が訪れた前日の金曜日には、
「響き合う庭・ウィーンピアノ四重奏団を招いて国際交流の集い」が開かれ、
楽団員の3人と日本人ピアニストによるウィーンピアノ四重奏が響いたと、
ボランティアガイドさんが説明してくれました。
知っていれば駆けつけたのにと残念です。


迷い児になりそうな廊下を通ったり、夫人の居室や着替えの間など、
いくつもの趣のある部屋を見ていくと、こんな丸窓の座敷もあります。
それぞれの欄間にも、簡素ながら贅を尽くした作りになっています。

ボランティアガイドさんが、一部屋一部屋案内してくれます。
毎月10日には、庭に下りて戸定邸を眺めることができるとも。
また、こんな特典もあると聞きました。
「着物での来館者は、入館料無料」

外庭にはホトトギスの花が群生していました。
歴史観の隣には、このような碑もあります。


松戸市って、凄いんだな。


今日は立冬。凋落する民主党政権の外患内憂

2010-11-07 09:36:17 | Nationalism

今日は二十四節気の一つで立冬です。
暦歳時記では「冬の気立ち始めて、いよいよ冷ゆれば也」とされています。
太陽の光が弱まり、冬枯れの景色が目立つようになります。
破れ蓮、敗蓮の風景などが、この日に似合いそうです。

蓮の茎傾き合いて枯れにけり 泊雲

夏の繁茂のころは池を覆い、大きなピンクやホワイトの花が競った蓮池も、
今の時期ともなればすっかり緑を失い、大きな葉も破れたり、茎も折れて、
寂寥の雰囲気になります。一年草の宿命とはいえ晩秋の風情のひとつです。



凋落する風景といえば、この時期「民主党」に勝るものはありません。
外患内憂。このままでは日本が「破れ蓮」状態です。

周辺国から、日本国家の主権が蹂躙され放題です。
周辺国の「善意に頼る平和」(平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。=憲法前文)が幻想であることを知った。

今日本を脅かす二大膨張大国の専横に為す術もなく、
襲撃された事実さえ、なかった事にするがごとくに、
穏便に刺激しないように、善意をお願いするばかり、
このままの民主党政権では日本を失ってしまいそう。

内憂外患。もう一つは「一兵卒・小沢一郎」の「うそ笑い」抵抗。
豪腕とか、強面とか言われ、永田町を威嚇してきたこのセンセイ。
国民国家のために果たして「良い政治家であったのか」疑問です。

この人の足跡を検証したとき、国を良くし、国民を幸せにする実績があったのだろうか。
国会での説明責任を拒否して開き直り。国会も民主党も何も出来ない。
統治能力もない、危機管理能力もない、自浄能力もない民主党政権。

オバマ民主党が幻想であったように。
マニュフェスト民主党も幻想であった。

たにしの爺は、マキコとイチローのいる政党は支持したことがない。
権力を嵩に身を太らすヤツは許せないのだ。

過去ログを見ていたら、昨年も「敗蓮」について更新していました。
秋花の旬は 杜鵑 石蕗 敗蓮