「コルシア書店の仲間たち」
(文藝春秋:単行本・1992年4月、文春文庫:1995年10月第1刷)
今年は「国民読書年」ということで、
2010年のたにしのブログのスタートは、「読書」について3本書きました。
その中に「本と出合う」についての項があります。
その本を選び、手にして、購入する動機は何だろうと書きました。
その一つのルートが「新聞の書評」でした。そんな中でたにしの爺の目に止まった本がありました。
河出書房新社刊、ジェレミー・マーサー著 市川恵里訳312頁。2,730円。
「シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々」でした。
そして書名の「書店」繋がりで出会ったのが「コルシア書店の仲間たち」です。
須賀敦子さん。この方の名前も著書も、今回はじめて知りました。
たにしの爺、図書館司書を目指したこともあるくらい、本、出版事情には関心を持っていたつもりでした。
でもこの方の存在は、まるでエアポケットのように空白でした。
これままでの歳月より、この先の歳月が短くなった歳になって、
須賀敦子とその本に出会った幸運に、爺は感動しハマっています。
この本をはじめ、60歳過ぎのデビュー作で女流文学賞、講談社エッセイ賞の「ミラノ 霧の風景」、著者の生い立ちや留学についての「ヴェネツィアの宿」を読み終えました。
さて表題の「コルシア書店の仲間たち」――。
1958年、イタリアの大学に留学。ふとしたきっかけで、ミラノのサン・カルロ教会の一隅にあったコルシア書店の企画に参加。書店の仲間だったペッピーノ・リッカ氏と結婚。1967年夫が41歳で死去。1971年に帰国。
10年以上にわたって、この書店を中心に暮らしたミラノでの出会いと仲間たち、別れていった人への回想を綴った、いぶし銀のような一作です。
知性と感性が混じりあう文章で、ミラノの日々を回想した須賀敦子62歳のときの著作。
たにしの爺は結構、速読派のつもりでしたが、この本は慣れない文体に時間がかかりました。
今年の残りは氏の本に沿って、ブログを更新していきたいと思っています。
(この項未完)