たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

「それでも夜は明ける」「ミシシッピー・バーニング」

2014-05-23 13:08:50 | 劇場映画

アメリカの人種差別、黒人奴隷、売買、虐待の「歴史認識」にまつわる映画を2本続けて見ました。
①NHKBSプレミアムシネマ「ミシシッピー・バーニング」(5月21日・後1:00~3:08) 
②翌22日には、近くのシネコンで「それでも夜は明ける」。2014年のアカデミー賞作品賞です。
同作品で助演女優賞にルピタ・ニョンゴ、脚色賞(ジョン・リドリー)を獲得しています。
「それでも夜は明ける」公式サイトスティーブ・マックイーン 監督(米英合作、134分)
黒人監督の作品がアカデミー作品賞に選ばれたのは初めてだという。


「それでも夜は明ける」は主人公・アフリカ系アメリカ人ソロモン・ノーサップが実際に遭遇した事実で、
南北戦争が勃発する8年前の1853年に出版された自伝が原作となっているという。
‥‥‥自由を奪われ、凄まじい暴虐、繰り返されるリンチ、抵抗は死に直結する
奴隷生活とは、虐待とは、恐怖と従属とは、生き延びるとは‥‥‥
想像を絶する社会がかつてのアメリカにはあった。





1841年、ニューヨーク州サラトガ。バイオリニストのソロモン・ノーサップ(キウェテル・イジョフォー)は、
自由証明書で認められた自由黒人で、妻子と幸せな暮らしを送っていた。
ある時、ワシントンで開催されるショーでの演奏を頼まれる。
興行主と祝杯をあげたソロモンは酔いつぶれてしまう。
翌朝、目が覚めると、ソロモンは小屋の中で、手と足を重い鎖につながれていた。
興行主に騙されて売られたと気付いた時には、既に船の上だった。
反乱を目論むが、女を助けようとした一人が虫でも潰すように刺し殺されるのを見て、抵抗が無駄だと悟る。

ニューオーリンズの奴隷市場に着くと、奴隷商人(ポール・ジアマッティ)から、
無理やり“ソロモン”という名前すら奪われ、男も女も全員裸で並べられ、
子どもは「将来は立派な家畜になりますよ」と紹介され、母子別々に買われていく。
ソロモンは、大農園主のフォード(ベネディクト・カンバーバッチ)に買われる。



大工のティビッツ(ポール・ダノ)からは何かと難癖をつけられる。ソロモンの首に縄をかけて木に吊るす。
ソロモンはかろうじて爪先が地面に着く状態で何時間も放置される。

フォードは面倒を起こすソロモンを、借金返済を兼ねてエップス(マイケル・ファスベンダー)に売る。
エップスは、とても正視できない暴力で奴隷たちを支配し、
まだ年若いパッツィー(ルピタ・ニョンゴ)をサディスティックに弄ぶ。
焼け付く太陽の下でひたすら綿を摘み、少ないと鞭打たれ、逃亡奴隷の処刑が続く。
家族も、財産も、名前さえもを奪われたソロモンが、唯一失わなかったものとは──?



パッツィーを演じアカデミー賞女優助演賞のルピタ・ニョンゴ。
牧場主の愛玩物でもあり、夫人の嫉妬で丸裸にされ、凄まじいムチ打ち、皮膚は破れ血が飛び散る。
小柄な彼女、打たれ、傷だらけで弄られる女奴隷を見事に演じたルピタ・ニョンゴ。
――メキシコ生まれケニア育ち。イェール大学で演劇を学び、
「冬物語」「ワーニャ伯父さん」「じゃじゃ馬ならし」など数々の舞台でキャリアを積み、
数々の映画賞も獲得した長編ドキュメンタリー「In My Genes」(09)で企画、監督、編集、製作も手掛けている。
本作が長編映画デビュー作であり、今後の待機作として、リーアム・ニーソン主演『Non-Stop』(14)がある。
――(公式サイトより)すごい女優であることを知りました。

全てを奪われ信じるものはなにも無い、地をはうように広がる、奴隷たちの歌うブルース。
「それでも」奴隷たちの生命力が「夜を明ける」。


☆☆ピープル誌が世界で最も美しい女性トップにルピタ・ニョンゴ



米誌ピープルは2014年の「最も美しい人」に、メキシコ出身のケニア人女優ルピタ・ニョンゴを選んだと発表した。
ニョンゴは映画「それでも夜は明ける」でアカデミー賞助演女優賞を受賞。
黒人として初めて化粧品大手ランコムのアンバサダーに起用されている。
ニョンゴは今年のアカデミー賞授賞式などでファッションを絶賛され、
2月のスピーチでは「私は自分のことを美しくないと強く思っていた時があった」
「テレビに映るのは青白い肌ばかり。私は夜の影のような自分の肌についてからかわれ、あざけられた」
と語って話題になった。(CNN/4/24)


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もう1本はNHKテレビプレミアムシネマ
アラン・パーカー監督「ミシシッピー・バーニング」1988年・アメリカ


全米に公民権運動の嵐が吹き荒れた1964年夏。
ミシシッピ州ジュサップの町で3人の公民権運動家が何者かに殺害されて行方不明になる。
連邦政府は2人(ジーン・ハックマン、ウィレム・デフォー)のFBI捜査官を派遣する。
しかし、人種差別が根強い閉鎖的な町の人々の反感が立ちふさがり、黒人に対するリンチや焼き討ちが続発。
やがて町の保安官らを含む白人グループ・K・K・Kのテロ行為を確信したアンダーソンたちは、
失踪者の遺体発見に全力をあげる……。

町長から裁判官、保安官まで黒人差別を黙認し、KKKの覆面集団が黒人たちの家や家畜小屋を焼き討ちする。
抵抗するものは家族の前で吊るす。黒人殺害は犯罪とならない。凄まじい「黒人浄化」の町。
「フリーダム・サマー」と呼ばれる1964年6月に、
実際に起きた公民権運動家殺人事件をモデルにして描いた作品だという。

現在はオバマ大統領のアメリカには、
黒人が白人の前で棒を振ることが出来るのは野球だけだと、狂気のような黒人圧殺の歴史があった。


日本ハムのファーム球場・鎌スタで「婚活」

2014-05-19 11:52:02 | 鎌スタ

北海道日本ハム・ファイターズのファームの根拠地、
「ファイターズタウン鎌ケ谷」の鎌ケ谷スタジアムは、17、18日は西武ライオンズとの対戦でした。
18日は現在、ファームで調整中の多田野投手が先発12対6で勝利。
この他、投手陣では吉川、武田、斎藤、木佐貫。野手では稲葉らも鎌スタ入りしています。
今週からセパ交流戦がスタートします。上昇のきっかけになることを願っています。
写真は入場を待つファンの列(入場料1000円)。



ところで、最近の「鎌スタ」は野球以外にも、楽しみなイベントで賑わっています。
4月の連休の試合日には松尾ジンギスカンの提供で「ジンギスカン観覧席」が設置され大人気になっていました。



昨日18日の日曜日には「婚活スタンド」が出現しました。
マリッジイノベーションが運営する「婚活生活」が提供する、スタジアム婚「活スタ婚」が行われていました。
主催関係者に聞いたところ、男性30人(7000円)、女性30人(3500円)の募集に、
男性は70人を超す応募者があり、女性も定員オーバーで抽選になったという。
遠くは奈良県から参加した方も居ると聞きました。



屋外の日中パーティーとあって参加者はみな軽装です。
日ハムの選手のユニホームを引っ掛けただけの男女も居ます。
普段の練習日にスタンド周りに居る追っかけファンも居るようです。
グランドではハム対ライオンズの試合が前の練習の最中です。
「婚活スタンド」では男女30人づつ向き合い、



1分間アピールから「婚活」がプレーボールになりました。皆さん陽気に明るいですね。
でも、心中はいい「巡り愛」を求めて、涙ぐましく、真剣なのでしょう。
このあと、バーベキューや焼きそばなど共同作業を楽しみ、
B級グルメの飲食でお相手探しが試合終了まで続いていくようです。
参加者の皆さん正直、野球観戦どころではないですよね。



レポーターは途中で帰ったので、このあと予定されていたイベント、
①もてもてポイント人気投票制(記念品贈呈)②カビーと“じゃんけん大会”(豪華景品あり)
③ファイターズ勝利でさらにサプライズあり④カップル成立で後日お見合いセッティング(有料)
については分かりません。
参加された皆さん、鎌スタで生涯のパートナーと出会いたら素敵ですね。
主催者の広報によると6月22日にも2回目の「スタ婚」が決まったようです。



鎌ケ谷スタジアム「野球観戦」はもちろん「鎌スタ☆健康フェスタ」や「鎌スタ☆フリーマーケット」など、
は楽しいイベントが一杯です。

DIC川村記念美術館のツツジ山

2014-05-15 12:57:35 | 散策の詩

今日はサークルで谷津のバラ園に行くことになっていましたが、
雨模様なので延期になったので、
溜まっているブログネタの処理をしています。







大型連休前半の29日に何年かぶりに川村記念美術館に足を運びました。
あまり好い日が続かなかった今年の連休でしたが、
この日だけはなぜか、好天に恵まれました。
お目当ては、DIC総合研究所(千葉県佐倉市坂戸)の敷地内のツツ山です。
約300メートルにわたって、赤やピンクの色鮮やかな「くるめつつじ」が咲き誇ります。





毎年4、5月の開花時期に合わせて休日限定で、
普段は入れない敷地内を一般公開します。
この日も大勢の見物者が訪れていました。





管理の方に聞くと、今年は例年より一週間ほど早く咲き始めたということでした。
他にも散策路を歩き、ミニ美術ガーデンや蓮池、大賀ハスなど、
行き届いた庭園を鑑賞してきました。
評判のレストランは超人気で2時過ぎになっても、90分待ちの状態でした。







ブログアップが今ごろになってしまいましたが、
忘備録として残すことにしました。

たけのこと大型連休と鬱と

2014-05-07 10:16:21 | 頂き物
旬の贈り物が上州の縁者から送られてきました。
裏山の竹林から掘り出したものです。
先の方は刺身で、根元は蕗とワカメの煮物で頂戴しています。
どうもご馳走さまでした。ありがとう。



徘徊自遊人になって2年目の大型連休でした。
休日も平日も関係ない生活になってからは、緊張することが何もない。
締め切り降版時間のタイムテーブルを追っていた時分は、
連休は大変なストレスでした。
それでも行程通りこなしてきた。
今になって、過ぎて思えば、
あの追い詰められる緊張感が、
体調維持の原動力だったのかな、なんて思っている。

最近の「五月病」に似た鬱的な身体変調は、
緊張感と締め切りのない徘徊日常が原因になっているんだろうな。
黄昏の果ての、締め切りまでのタイムテーブルは白紙のままです。