たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

蓮見の池に吹く極楽浄土の風

2006-07-29 10:51:48 | Lyricism

仏教と縁が深い花として知られている。
また泥の中から伸びる美しさから純粋性の譬えとされている。
蒲の穂はなびきそめつつ蓮の花(芥川龍之介)

蓮池といえばクモの糸

蓮池の底から地獄が見える(芥川龍之介「蜘の糸」)。
紙芝居の部屋「くもの糸(いと)」
地獄の血の海から抜け出す「かんだた」の命綱はクモの糸だったが……。
クモは尻から糸を出しながら風に乗って飛ぶ。空中を飛んでくるのです。
突然一晩で窓辺にクモの巣があるのを見た人は多いはずです。
その場所は、飛んでくる虫が引っかかる風の通り道になっている。
クモが集団で糸をなびかせ飛ぶ、お年寄りの白い髪の毛にみたて、伊豆地方では「しろばんば」と呼ぶ(井上靖著「しろばんば」)。
クモは生まれてすぐ独立するという。風の利用法を体得して生まれてくるのだろう。
山行きやクモ糸払うトップ役
タニシがアブ句を噴いた。

梅雨明け 猛暑をしのぐ風力利用

2006-07-26 12:44:38 | Journalism
台風、ハリケーン、突風など、風のエネルギーは大きな地球規模の自然災害を引き起こす
しかしまた、風力利用は生活にとって欠かすことの出来ない、恵みのエネルギーにもなる。

近くの大学電気工学部が風力発電のテストに建てている発電風車。風がなければ風車は回らない。風力発電への熱い期待を風神は知っているのだろうか。
これからの熱帯夜続きの夏をしのぐには、風はなくてはならない。古来からの知恵は風そのものを取り入れてきた。
隙間風、うちは、扇子……風を感じるものとして、風鈴、よしず、打ち水など、
そして現代は、電気エネルギーで風を起こす扇風機、空気を冷やすエアコンが主役になってしまった。化石燃料大量消費時代の爛熟期となった。その結果が地球温暖化。
一層の快適な涼を求め一層、地球を熱くしてしまった。このパラドシカルな事実に直面しても、止められないエネルギーの大量消費社会。自らの尾を飲み込んでいく大蛇に似てる。
出穂前、湧水田は炎暑なり
タニシが狂気のアブ句を噴いた。
「風車地図記号」に吹く風力風

M:i:Ⅲ トム・クルーズに吹く不死身の風

2006-07-22 12:37:53 | 劇場映画

頭に時限爆弾埋め込まれても生き返る男
“トム様”御用達の活劇アクション第3作!

最新電子機器を縦横に使いこなし、あらゆる火器兵器を都合よく取り出して打ちまくるM:i:Ⅲ。
とにかく、アクションとサスペンスとスリルと派手な銃撃戦がスピーディに展開される。
アメリカ、ドイツ、イタリア、中国へ瞬時に行ってしまう。
バチカンのパーティに潜り込みターゲット誘拐作戦の手際などは見事に尽きる。
新婚ほやほやの美人細君を人質に取られ、48時間の時限付き救出劇と正体不明のミッションの目的物略取がストーリーの中心。
主人公イーサン・ハント(トム様)を取り巻く5人のチームの役割分担と信頼感は見事なものだ。

6月20日に来日した際、トム・クルーズは記者会見で「次回は東京でやりたい。交通渋滞を起こすだろうが1週間、東京の中心街を貸して欲しい。そうしたら素晴らしい映画を撮ってみせます」と語ったという。
いろいろ納得いかない展開はあっても、娯楽に徹して観れば、鬱陶しい梅雨空を吹っ飛ばすにはいいエンタメ映画だ。

山の辺のヤマユリに吹く威風

2006-07-13 08:40:52 | Lyricism

道の辺の 草深百合の 花咲に咲まひしからに 妻といふべしや
(万葉集・巻7・1257、読み人知らず)

わたしがユリのように笑ったからといって、わたしを妻と呼ぶなんて、許しませんことよ
日本の夏の山野を彩るものに、ユリほどふさわしい花はない。花言葉の「荘厳、威厳」が似合う。
街路、庭先でも見ることはできるが、やはり山肌の樹々の下に「ひょっと伸びて、3、4輪」咲いている姿がいい。
この時期になると、ヤマユリ・花めぐりのコースを開放してくれる山主さんに感謝。

久しぶりに「風綴り」です。名古屋場所の最中、力士のしこ名に注目しました。
風綴り⑯<しこ名に風の付く現役力士>
彩乃風(あやのかぜ) 三段目東72 尾車
風斧山(かざふざん) 幕下東21 錦戸
青風 (せいふう) 三段目東86 追手風
豪風 (たけかぜ) 西前頭13 尾車
大旋風(だいせんぷう) 序の口東8
輝風 (てるかぜ) 幕下東51 尾車
出羽疾風(でわはやて) 序二段西67 出羽海
錦風 (にしきかぜ) 幕下東23 尾車
速風 (はやかぜ) 序二段東59 尾車
追風城(はやてじょう) 序二段西17 追手風
追風藤(はやてふじ) 序二段西93 追手風
富士ノ風(ふじのかぜ) 三段目東14 尾車
星風 (ほしかぜ) 幕下西31 尾車
舞風 (まいかぜ) 幕下西18 尾車
嘉風 (よしかぜ) 東前頭9 尾車
元大関・琴風師匠の尾車部屋にやはり風の付く力士が多い。歴代力士を調べれば、もっと沢山の有名「風力士」が居るだろう。
タニシの願いは、伝説の無敵力士・谷風が再来して、モンゴル勢をやっつけてもらいたい。

映画「着信アリ final」死の着メロに吹く怨念の風

2006-07-08 11:59:32 | 劇場映画

ケータイで繋がっている仲間感覚の安定感が崩れたとき、
ケータイで繋がれた仲間感覚の不信感と無責任さを描く。
「転送すれば死なない」最後は自分に転送するしかない。

ケータイ着メロ・ホラー映画の3作目。
携帯電話は使ったことがなし、前の2作も見ていないので、へーっと思わす道具立てに感心した。

若手人気女優の、堀北真希と黒木メイサの競演ということで高校生カップルが多かった。

韓国へ修学旅行に行った高校生クラス。一人の生徒のケータイに聞き覚えのある着メロが鳴った。それはイジメで自殺を図った友だちからのものだった。
そして、仲良しのクラスメートに醜い仲間割れがおき、着メロが自分に転送されないかと、疑心暗鬼・地獄の修羅場に。
メールの集中砲火を浴びれば、発信もとのパソコンは破壊するのだろうか。
タニシのブログには、メール爆弾は来ないだろな。

えんぴつで綴る「奥の細道」に吹く蕉風

2006-07-04 17:58:02 | 本・読書

芭蕉の「奥の細道」紀行を日々の伴に
写真のこの本が超人気になっている。

風雅を探求しながら、発句と文が織り成す名文を一字一字なぞっていく。
この本の発案企画者に脱帽。

 タニシは4月に旅立って、駆け足でこの日に追いついた。
 キーボードに慣れた手には、エンピツを握る手首が痛む。

五月雨をあつめて早し最上川
旧暦5月29日(今の暦で6月24日)大石田の船宿の句会で詠んだもの。
ちょうど今頃、羽黒三山に詣でていたことになる。
有難や雪をかほらす南谷
7月3日(旧暦6月8日)は月山に登っている。
湯殿山、羽黒山を経て鶴岡に入ったのは5日(旧暦6月10日)だった。
この後、酒田に向かう。
雲の峰幾つ崩れて月の山
暑き日を海にいれたり最上川

今日から7月、ハンゲショウ生じて白い妖風

2006-07-01 22:21:29 | Lyricism

一年の真ん中、2日は半夏生の節気

花を前にして耳で聞くと「ハンゲショウ」は「半化粧」の文字が浮かぶ。
梅雨の薄日に白く浮き出る花葉の様は「半化粧」の方が似合う。

今年の半夏生は7月2日。農家ではこの日を目安に田植えを終わらせるのが日本農業の伝統だという。
半夏:半夏生の略、植物のカラスビシャクの漢名。
暦の72候(節気)の一つ。夏至から11日目にあたる日。梅雨があけ田植えの終期とされる。
ドクダミ科の多年草。水辺に生ずる。葉は長楕円形で基部は心臓形。夏、茎の頂に白色の葉を生じその葉腋に白色の穂状花を綴る。片白草。
(広辞苑から抜粋)
7月1日の誕生日の花はハンゲショウだと、NHK今朝の「深夜便」で知った。
花言葉は「内に秘めた情熱」だという。
あだな白塗り 迷い途に 三白草
タニシが訳のわからぬアブ句を吹いた。