たにしのアブク 風綴り

85歳・たにしの爺。独り徘徊と喪失の日々は永い。

建長寺から鶴岡八幡宮を経て鎌倉駅

2009-12-29 21:48:01 | 国内旅行

晩秋の北鎌倉を歩く③最終回
11月の3連休に武士の古都・鎌倉の古刹を訪ねた。
建長寺の鎮守・半増坊まで行って、
総門前に戻ってきたのは2時過ぎの時刻になっていた。



これまで口にしたのはミカン二つ。さすがに空腹を覚える。
建長寺までの道筋の食事処は、どこも行列だったことは前回に記した。



門の脇には、かの有名な「鉢の木」の本店があった。
ここは空いているようだ。しかし気楽に入れる雰囲気ではない。
メニューも会席料理で昼食代としては値が張りすぎる。



携えた本「鎌倉百人一首を歩く」の冒頭、筆者の尾崎左永子氏は、
次のように書いている。

<「鎌倉時間」といのがある。東京などの高速度の時間とも違い、田園や山国の、少しのんびりした時間とも異なった、ゆったりとした「時の流れ」を、ここに住む人はいつか身につけてします。急がない、あわてない。しかし間の抜けるほど遅くはない。程よい速度の「息づかい」がこの街の人々には共通している。
 町全体を「時」がゆったり流れている。それは、鎌倉の歴史の流れを踏まえているせいもあるだろうし、四季それぞれに「花の季(とき)」を持つ温暖な気候と、相模灘という明るい海を南に控えている地の利もあるのであろう。>



たにしの爺、円覚寺を出てここまで、幾つかの寺社を回ってきたが、道沿い、ちょっとした横道の脇には、喫茶処とかコーヒーの看板の出ている店を、幾つも目にしてきた。どれもおしゃれで、店の周囲を香気に似た空気がただよっている。





「鉢の木」はスルーして鎌倉方面への道をあるく。
やはりこの時間になっても、手ごろな店の前には人が並んでいる。
円応寺を過ぎて、巨福呂坂の切通しを右にカーブする手前あたりで、
左の小路の奥に「**」と記された店が見えた。
「ビーフカレーとコーヒーで1000円」の案内があった。
小路の垣根には、晩秋の午後の弱い日差しが当たっている。



洋館風の引き戸を開けると、先客が二組いるだけだった。
カウンターには中年の女性がひとり。
西陽が差し込む窓ぎわの席に着く。
少し濃い味のビーフカレーを食べ終わるころ、
コーヒーが運ばれてきた。一日中、甘味を口にしなかったせいか、
カレー味の口になんとも言えない甘さが広がった。

客は私一人だけになっていた。コーヒーをゆっくり飲む。
ここまで女性がなのも言わないのが気になった。
注文したときも顔で頷いただけだった。

「紅葉は、少し早いようですね」と言うと、
「今年は、例年より遅いようです」と言う。
「鎌倉のいい季節で、空いているのは何時ころですか」と言うと、
「いいときは、いつでも混んでいます。夏は空いている」と言う。

こういうのを「鎌倉時間」というのだろうか。

このあと、着飾った七五三詣での親子連れでにぎわう、鶴岡八幡宮に参詣。
大石階段下の舞殿では、白無垢姿のお嫁さん、お婿さんの神前結婚式。
巫女による神楽舞、雅楽演奏の笙や笛の音が境内に響き渡っている。
外国人観光客がカメラを向けている。
式を終えた白無垢の新婦さんと並んで、カメラに収まる外国人も居る。

タニシの爺、カメラはバッテリー切れで役に立たず。
若宮大路から、ごった返す小町通を抜けて鎌倉駅にたどりつく。
ああ、疲れた。
いつの日にか、人の居ない鎌倉に行ってみたい、と思いながら帰ってきました。



今年の更新は、これにて最後になります。
ご来場いただいたブロガーのみなさん、
 よいお年を。

浄智寺から建長寺へ 晩秋の北鎌倉を歩く②

2009-12-26 09:51:07 | 国内旅行

11月の3連休の一日、たにしの爺は北鎌倉を歩いた。
想像以上の人出と、紅葉の盛りには少し早かった。
このことは、前回に書きました。

 浄智寺からは、横須賀線の踏切を渡れば明月院への道だ。

 時計は1時を過ぎている、お昼にしようと、
 道沿いをウロウロするが、どこも順番待ちの列を成している。
 「けんちん蕎麦」で有名な店「鎌倉五山」の周囲は長蛇の人の列。

 並ぶ勇気も失せて、道端の石垣に掛けてみかんをひとつ食べる。
 明月院には戻らず、
 食を求めて歩くうちに建長寺の門前に来てしまった。
 大きなお寺だ。駐車場には大型観光バスが停まっている。
 建長寺は鎌倉五山の第一位の臨済宗建長寺派の大本山で、
 正式には巨福山建長興国禅寺という。禅宗の修業場でもある。
↓仏殿の前庭には柏槙の巨木



山門前の案内板には境内の散策には2時間かかると記されている。
円覚寺など前に見た寺院に比べ、境内は明るい。
樹木も少ない、山門、本堂など建造物が威容を誇る。
ここも人の群れが絶えない。
↓仏殿の内と外です。





巨大な木造建築の山門。太い柱に支えらた二層の造りだ。最上の正面には「建長興国禅寺」の額が架かっている。
柏槙の巨木が広く白い庭に左右に2本ずつ覆っている。その奥には重要文化財の仏殿がある。
唐門から方丈では履物を脱ぎ、回り廊下をめぐり庭園にでる。



日本最古の禅庭園だということです。
板張りの廊下に置かれた椅子などに座れば、
ひと時の休息の時間が流れている。
隣りにはアメリカ人らしい二人がじっとしている。









方丈の脇から境内のもっとも奥、
山の中腹にある建長寺の鎮守・半僧坊に行く道が続く。
長い石段をくの字型に幾つも登る。
周りのもみじ葉は青々としている。



上り詰めると、岩肌に数十体の天狗像が置かれている。
半僧坊からのながめは相模湾が光って見えていた。
あいにく富士山は霞んで見えなかった。





時計は1時を過ぎていた。
残っていたみかんを一つ食べる。

降りてきたら法堂では数十人の僧による読経の最中でした。
梵鐘殿には一人、黄色の衣をつけた僧が合唱しては、
決まった時間に鐘を搗いていました。
ちょうど午後の務めの時間のようです。
法堂の読経に会わせているのでしょうか。



「鎌倉百人一首」を歩く、から
建長寺の杉並木みち秋日洩れ法師蝉なきてあくまで長か(筏井嘉一)
貧しさに耐ふべき吾はもだしつつ蝌蚪ある水のほとりを歩む(佐藤佐太郎)

晩秋の北鎌倉を歩く①

2009-12-20 10:10:36 | 国内旅行

今日は師走の20日。「鰤の日」だそうです。
「魚」偏に、作りに「師」を付けて「鰤・ぶり」

山間の寒村に育ったたにしの爺。
脳裏に残る幼少の頃、暮れの風物は「吊るし鰤」
祖父が富山から取り寄せた「寒鰤」だと思うが、
荒縄で尻尾を縛って軒に吊るす。
開いた口から、血がポタ~ポタと落ちる。
下の敷石が赤黒く濡れてくる。
あ~、魚にも血があるんだなどと思ったものです。

大晦日の歳取りの膳に、酒粕汁を掛けて頂くのが慣わしでした。
「歳取り魚」ということで覚えています。



ところで、たにしの爺、
11月の3連休に北鎌倉を歩いてきました。
紅葉の北鎌倉の古刹を一人散策を、なんて思い立って、
「鎌倉百人一首」を歩く(尾崎左永子・集英社)



大人の鎌倉歩き指南~ という本をもって電車に乗りました。
北鎌倉の小さな駅に着いたのは、昼の少し前。
15両連結の最後尾に乗ってきました。

降りてビックリ。細いホームが人で埋まっていました。
改札は最前部になっています。
たどりつくまで十数分。「後続の電車が入りますと」
アナウンスも聞こえるしまつ。



ようやく改札を抜けて、「北鎌倉」の駅舎を撮ろうとしたが、
人ごみに押されてシャッターチャンスを逸してしまいました。
同じことを考える人がいかに多いかということでしょうか。



駅舎脇から始まる境内というか、北鎌倉駅は境内の中にある。
鎌倉五山の第2位「円覚寺」臨済宗・瑞鹿山大円覚興聖禅寺
寺柱から総門への石段も人の波、とても写真どころではない。



紅葉もまだ、10日ほど早かったようだ。
赤黄色葉より緑色葉の方が多い。
それでも色付いた枝に日が当たると、金黄色に輝く。
山門、国宝の舎利殿などの名場面は、
人が写らないように撮るのは不可能でした。
主たる撮影ポイントがありませんが、
それでも幾枚か撮ることができました。



円覚寺から、臨済宗円覚寺派・東慶寺へ。
縁切寺法で女性を救済したことから「駆け込み寺」や「縁切り寺」の俗称で名高い。
いくつかの文人・作家の碑があります。
そのあと、鎌倉五山の4位・浄智寺を経て、建長寺へ向いました。





以下、
「鎌倉百人一首」を歩く(尾崎左永子)から何首か記します。
円覚寺僧堂の鐘なりいでて若葉の奥はいまだともさず(松村英一)
山といへば五山のひとつ臨済のこの大き寺の夏に籠る我は(北原白秋)



自民党総裁 谷垣禎一さん 逆転のチャンスですよ

2009-12-11 23:23:37 | Journalism

谷垣さん、国会周辺の銀杏が輝いていますね。
いまこそ、
国民の目線を自民党に向けさせるチャンスです。

民主党のトップ・鳩山首相と小沢幹事長秘書が、
「政治と金」の疑惑を引きずって、進退が問われています。
近く二人の秘書が起訴されるでしょう。

何をやっているか分からない谷垣さん、
決断のときです。勝負の分かれ目です。
決め手は、
①西松建設による違法献金事件で、
政策秘書が略式起訴された二階俊博選対局長を更迭し、
議員辞職を勧告することです。
選対局長を留任させるなんてとんでもないです。

②ママからお小遣い(政治献金)を戴きながら、
知らん振りしていた鳩山邦夫議員にも、
議員辞職を勧告するといいです。

③その他、古賀某とか、二人の元総理とか、
国民が嫌悪する、自民党の旧弊を象徴するような、
マイナスイメージのお歴〃には引っ込んでもらうことです。

敵失に付け込むのも、男の力量です。
いまや民主党の、経済政策、景気対策、予算編成迷走で、
日本は底なしのデフレスパイラルの淵に、飲み込まれようとしています。
また基地移転をめぐって、右往左往する日米関係など、
民主党政権では日本が壊れてしまう。

この時期、国費を使って、小沢幹事長以下の600人も、
中国に行って何をしたいのかも分からない。

日米同盟の方が、日中同盟より国益に合います。
自民党再生を願う、たにしの爺から、
心ばかりの助言です。

谷垣様、タイトルのお名前にミスがありました。
訂正して、お詫びします。(13日朝)

今日から師走 一年の終わりの月です

2009-12-01 00:09:03 | Lyricism

転げるように 月日が過ぎてきました。
とにかく、一日があっという間に経って、
一週間が、またたく間に過ぎてしまう。
一ヵ月もまた、トントンと終ってしまう。



春夏秋冬、梅、桜、鯉のぼり、あゆ解禁。
梅雨、田植え、雷、夕立、夏休み、台風。



花火、運動会、遠足、稲刈り、嵐、秋祭。
コスモス、すすき、萩、吾亦紅、菊の花。



渡り鳥、モミジ、落ち葉、枯葉、木枯らし。
かくて一年もまた、風渉るごとに過ぎ去る。

北関東に在住の女流歌人から、
冬桜の山の絵葉書が届きました。

11月から12月にかけ、
桜山公園には7000本の冬桜がいっせいに花をつけます。
冬に咲いた桜が春にも楽しめる冬桜の山は、
国の天然記念物に指定されていると言う。
12月1日に開かれる桜山祭りの季節、
美しい四季の中でも、一番の見どころです。
と記されています。
たにしの爺も一度は訪れてみたい。