たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

映画「ミラノ、愛に生きる」を 東急Bunkamuraで見て来た

2012-01-21 11:22:55 | 劇場映画

昨年の暮れにリニューアルオープンされた東京・渋谷の東急Bnkamuraに行って、ル・シネマで「ミラノ、愛に生きる」とザ・ミュージアムでは「フェルメールからのラブレター展」をはしごしてきました。
(1月20日、関東地方は雪が降っていて、施設内は比較的すいていました。)

ル・シネマは好きな映画館で年に数回は通います。
いつも質の高い佳品を上映しています。
興行ランクに登場するようなCGや3Dなど、家族ご一行が押しかける映画館とは違い、
落ち着いたロビーホール、トイレもきれいで清潔。行き届いた案内ガイドが気持いいです。
そして何よりもいいのは、場内の飲食は一切禁止なことです。



「ミラノ、愛に生きる」公式サイト

私の中に眠る「激情」がいま目覚める
わたしの「扉」がいまひらく
彼との情事が、閉ざした心と身体を解放する
許されない恋が招いた美しき悲劇

上の4行は予告編のコピーです。
映画はモノトーンのイタリア・ミラノの風景から始まる。
富豪の事業家・レッキ家、実力者の義父母、会社を継ぐことになった夫と長男。
冷静で美しい女主人エンマ(ティルダ・スウィントン)はロシア生まれ。
上流階級に馴染もうと努力していたが、何か距離感を感じていた。
そんなエンマをハウス・キーパーのイダ(マリア・バイアート)は気遣い見守っている。



息子のボートレース仲間でシェフのアントニオ(エドアルド・ガブリエリーニ)が作る料理を食べてエンマは恋に落ちる。
激しい情事を通して、押し殺していた自分を解放していくエンマ。
花の咲き乱れる自然の中で繰り広げるエロスの饗宴。
透明感に充ちたエンマのふるえる肌の香気感は、
パーティの饗宴で広げられるテーブルクロスと白磁の陶器の輝きにも重なる。

富豪一家の行く末は……
上映館の少ない映画です。

2012年 年の初め 龍は天を突くか

2012-01-01 10:31:42 | Journalism

さまざまな思いを繋げて2012年を迎えました。
今年の干支は「龍・辰」ですね。
12支のなかで唯一 見たことがない生き物です。
それだけに、古来から多くの物語が生まれています。

記憶に新しいところでは、昨年の11月、国賓として訪日されたブータン国王夫妻、
ジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王王妃が震災地慰問で、
福島県の相馬市桜丘小学校に寄られた。生徒らに、

ワンチュク国王から「龍がいると思う? いないと思う? 龍を見たことがある?」と問いかけ、
国王王妃とも、見たことがあると述べられた。
児童が驚くと、国王は「一人ひとりの中に龍はいる。その龍は何を食べているのか? 
皆の経験や体験を糧にして育っている。年を重ねるごとにその龍は強くなる。
皆も、自分の中にいる龍を大切に育んで下さい」と述べられた。

というニュース報道があります。



さて、それではこの日本に、「竜が雲を得て天に昇るように」
英雄豪傑などが機に臨んで盛んに活躍する」たとえに合致する人材が現れるでしょうか。
どじょうを自認する野田佳彦総理大臣。
どじょうから、うなぎ、脱皮して龍に変じられるか……
与野党共に束になって総理の足を引っ張り、手足を縛り、封じ込めることに狂奔するばかりで、
総理の政策遂行能力が失われている政治土壌を突き破る龍が現れ、
青天に飛翔することを願いたい「たそがれていく爺」です。

1万円台を割り込んだままの日本株式市場。
兜町にはこんな言い伝えがあるそうです。
「辰巳天井、午しり下がり、未辛抱、申酉騒ぐ。戌は笑い、亥固まる、
子は繁栄、丑はつまずき、寅千里を走り、卯は跳ねる」という有名な文句の一部。
「戌亥の借金、辰己で返せ」という格言もあり、
戌亥の年は底値になりやすく、辰巳の年は天井になりやすいという経験則からでた格言。



暮れには、こんな産経新聞の記事が目に付きました。

辰年、上昇率トップ29%高 竜は天に昇るか? 
大納会の30日の東京株式市場は、日経平均株価が3年ぶりに9000円台を割り込んで今年の取引を終えたが、
兜町の格言では、来年のえとの辰は「辰巳天井」と言われ、12支の中でも戦後トップの上昇率を誇る。
もっとも、今年の卯も「卯跳ねる」と言われ、3位の上昇率だったが、格言通りにはならなかった。
市場関係者の願いは天に通じるのか。
戦後の辰年は5回あり、年末と前年末の終値を比較した騰落率の平均は29,0%の上昇だった。
ただ、上昇が3回だったのに対し、下落も2回あった。
上昇した年を振り返ると、歴史の節目が浮かぶ。昭和27年は、朝鮮戦争に伴う特需に沸いた年。
株価は1年間で118,4%上昇し、倍以上に跳ね上がった。昭和63年はバブル経済の真っ盛りで、
上昇率は39,9%に達し、高級車が飛ぶように売れ「シーマ現象」が流行語になった
一方で、平成12年は、ITバブルが崩壊し27,2%の大幅な下落となっており、
騰落率がいずれも大きいのが辰年の特徴だ。

たにしの爺、昨年の秋、ネット証券に口座を開設し3万円の投資を準備している。
東証と大証との合併も予定されている。希望を託して、今年の日本株式の買い銘柄はなんだろう。
終わってみれば今年も「竜頭蛇尾」だったなんてね。