たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

降圧剤 飲み忘れてや 梅雨晴間

2010-06-28 22:49:13 | 花とつぶやき

6月が終れば、1年の半分が過ぎる。
梅雨も半ばを過ぎたのだろうか。
梅雨の晴れ間が30度の夏日の地方や、
送り梅雨のような豪雨の地方があったり、
なかなか忙しい。

梅雨の晴れ間は3日に1度と言われます。
当地の晴れ間に、いつもの自然公園を一回りして来ました。
目に入る花は、やはり紫陽花ですね。

紫陽花やきのふの誠けふの嘘 (正岡子規)



カワセミの池には、今日もカメラの方列。
蛇が泳いで池を横切るおまけまで付いて、
連写シャッター音が池面を騒がしていました。



翡翠の影こんこんと遡り   (川端茅舎)

もう萩の花が咲いている、少し早すぎるではないか。
「シモフリハギ」と名札が付いていました。



今夜も九州地方は大雨のようです。
梅雨空は恋模様に似ています。
降るか・振るか、降られるか・振られるか。
あはは……、

今日は24節気の夏至です。夏の意味

2010-06-21 06:00:14 | 24節気

今日は夏至。24節気の一日です。
1年で一番昼間の時間が長い日。
この日を過ぎると本格的な夏が始まる。
里山の緑が濃くなって行きます。

ところで、「夏」をどうして「げ」と読むのでしょうか。
秘湯好きの、たにしの爺、未だ浴していませんが、
同じ読みで知っている温泉があります。
「夏油温泉」「夏油川」岩手県にあります。



案内書によりますと、
北上市の西のはずれ、山の中に夏油(げとう)温泉がある。
850年前に発見された非常に古い温泉で、
夏油川に沿って曲がりくねった山道の最奧部。
渓谷沿いの山に囲まれた小さな温泉街。
駒ヶ岳の西郷にあるところから、古くは獄(岳)の場」とも言われているという。

「ゲトウ」という名前については、アイヌ語の「グット・オ」(崖のあるところ)からきており、
冬は豪雪のため利用できなくなるところから、「夏湯(げとう)」と言われ、
お湯が夏の日差しでユラユラと油のように見えたので、
後に「湯」が「油」になったと伝えられているとも。



「夏(げ)」の読みをWebで探って見ると、勉強になりました。

仏教の行事から始まっている言葉、〔梵 vrika 雨期の意〕。
インドの夏は雨期で、僧がその間外出すると、
草木虫などを踏み殺すおそれがあるとして、
寺などにこもって修行した雨安居(うあんご)に始まる。



僧侶の安居(あんご)する期間。夏安居。
僧が夏に一定期間、一か所にこもって修行すること。
元来は陰暦4月16日から7月15日までの3か月間行われ、この間を一夏(いちげ)という。
現在は主として禅宗の修行道場で行われる。夏安居(げあんご)。夏行(げぎよう)。夏籠(げごもり)。
法隆寺の四季に出ていました。



「安居(あんご)」
安居は梵語(古代インドの文語であるサンスクリット語)の訳語で、元々は雨や 雨期を意味している。  

インドもこの時期は雨期でこの期間、僧侶の外出を禁じ一定の場所に集合させ、
室内での修行や教律の研究に専念させる制を定めた。これが安居の 始まり。  
これを一夏(いちげ)、夏安居(げあんご)などといい、
夏安居(げあんご)が終ると解夏(げげ)となる。
安居に入ることを結夏、結制(修行が始まるとき)といい。
終わることを解夏(げげ)という。



【季節】夏(三夏)
【異名】夏籠(げごもり)・夏行・夏勤・雨(う)安居・結夏(けっか)・結制・一夏・夏百日

さらに「解夏」という映画もありました。



さだまさしの同名の著書を映画化したもので、。
ベーチェット病を発症した若者が次第に視力を失っていく過程の苦悩と、
そこから立ち直っていくまでを描いた作品。
君の笑顔を瞳に焼きつけて、その日、夏が終わる。
2004年1月17日よりみゆき座ほか全国東宝洋画系にてロードショー。

夏至、昼が一番長いといわれても、この季節は梅雨です。
曇りや雨が多く昼の長さが実感できない。

六本木の国立新美術館に行ってきました

2010-06-13 17:36:34 | 展覧会・美術展

美術館の殿堂・国立新美術館に行ってきました。
2007年11月24日にフェルメールの「牛乳を注ぐ女」に、
会いに行って以来ですから3年半ぶりです。

 足を運んだ主目的は6月7日まで開かれていた公募展。
 第一美術協会に参加しているボランテイア仲間のS氏が出品している、
 第81回第一美術展の招待券を頂いていたからです。

 絵画、彫刻合わせて800点近い出品作の展示の中から、
 S氏の作品を見つけ出すのに十数分かかって、
 作品を数分間眺めて失礼させていただきました。




実は、鑑賞したかったのはこちら「オルセー美術館展」



この夏、当美術館は豪華なことになっています。
①オルセー美術館展2010「ポスト印象派」
②陶芸家の至宝 ルーシー・リー展
③マン・レイ展 知られざる創作の秘密
詳しくは、ここで。

フランスの人気美術館「オルセー美術館」所蔵の、
近代絵画の粋と言われる「ポスト印象派」。
モネ、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、ルソーの傑作絵画115点。
これだけの名作絵画がいま、日本に大移動してきている。

印象派最後のドガの「踊子」、モネの「ロンドン国会議事堂」。
印象派の系譜を継いだスーラ。
そしてセザンヌの到達点である多視点描画「テーブルの果物」。
ロートレック、ゴッホ、ゴーギャン、ルソーなど、
1880年代半ばから90年頃にかけ、フランスで活躍した、「ポスト印象派」と言われる画業が第一章から、
第十章まで、全115点が展示されていました。

 画集や教科書でも見てきた作品が何点も目の前にある。
 これが本物なんだ。本物でしか分からない光と絵の具の盛り上がり。
 近寄って見ると絵筆の跡が生々しいまでに迫る。

 数歩下がって観たときのなんとも言えない絵の表情。
 印象派の時代を超えて、さまざまな表現の多様な試み、
 世紀末のパリで産まれた時代の画業の数々。

 なかなか進まない鑑賞者の列。とにかく疲れました。
 休憩をかねて3階の講堂で開かれていた「巨匠たちの肖像」を覗いて見る。
 ちょうど「セザンヌ」を上映していたので勉強させていただく。

セザンヌは現役時代はヒネクレもので意固地で、
人の評価などどうでもいい。一匹狼だったようです。
同じシーンを何回も書き続けるのが特徴のようです。
セザンヌと言えば「静物画」知られています。
台所と果物の構図を見たことがあるでしょう。
多視点描画の代表作です。テーブルの上のりんごとなし。



視点が幾つもある。一つの視点からでは見えないところが、
ちゃんと書かれている。視点が移動している。
この画法はピカソに受け継がれていく。
 なるほど、言われてみればそうなんだ。
勉強が趣味の、たにしの爺、また勉強になりました。


映画「孤高のメス」患者を救う 信念のメスが走る

2010-06-10 07:57:41 | 劇場映画

海辺の地方都市にある市民病院――
医療のあるべき姿とは?病院とは?医師とは?
映画「孤高のメス」を観てきました。

その病院は大学からの派遣医師に頼り切る、無責任さが蔓延していた。
難しい患者の受け入れはお断り、
手術の途中でも手に負えなくなれば、
患部にガーゼを詰めて大学病院へたらい回し。



看護師の浪子(夏川結衣)は、
男の子を育てながら、母子家庭を支えている、
そんな病院のやり方に不満でありながら、
日常の現場に馴らされていた。

映画は、疲れて帰ってから書き続けた浪子の日記が、
ストーリーのベースになって展開する。

この病院に外科医の当麻鉄彦(堤真一)が赴任してくる。

アメリカの大学で臓器移植など高度医療を身につけた彼は、
この病院を支配する怠惰で無責任な医師たちに失望する。
彼の信条は“患者を救う”がすべて。
目の前の患者を助けるのに、最善の全精力を傾ける。
出来ないといって、しり込みするチームメンバーを指導しながら、
細心の注意で、緻密で、丁寧で、正確に、困難な手術を成し遂げる。
看護師の浪子が尊敬の眼差しに変っていく。



医師を志す人間の、当然のあるべき姿だ(と、たにしの爺は思う)。
このような医師が「孤高」とされるような病院現場が、
現代日本の医療状況となっているのか……

案の定、映画では、前から居付いている「怠惰な、無責任医師たち」は、
この赴任医師が許せない。
「売名行為だ」だとマスコミに垂れ込んだりする。

 たにしの爺は、「孤高の医師」に診てもらいたい。
ところが、この4月、当市の市民総合病院で許せない若い医師に出会った。
訴えたいほどの、怒りを覚えた一言がある。

患者(消費者)は、最良の商品(医療)を求めて、病院(マーケット)に行く。
適切な求めたい商品(診立て、治療)が欲しいのだ。
ところが、提供された商品(医療技術)がいいものであるか、
悪いものであるか、購入者には分からない。

支払った代金は1万6千円。
クーリングオフの対象にならないだろうか。


民主党の怖い深層 樽床伸二 129票の意味するもの

2010-06-05 08:09:58 | Journalism

鳩山由紀夫首相・民主党代表の辞任に伴う、
新しい代表を選ぶ選挙が4日午前、
民主党の国会議員のみによって行われ、
新代表に菅直人衆院議員が291票を得て選出されました。

選挙の結果は次の通りです。
有権者(衆参の党籍を持った国会議員)数423。
投票数422、有効投票420、無効票2。
菅直人291票、樽床伸二129票。

ここで、たにしの爺が問題にしたいのは、
「民主党の怖い深層」というか、多数与党は首相・内閣総理大臣を思惑によって作り出すことが出来たということです。

樽床伸二。これなる議員を、どれだけの国民が知っていたでしょうか。
もちろん、たにしの爺はまったく知らない。大方の国民も「寝耳に水」の感じだったでしょう。
菅直人の対抗馬として、突如名乗り出た樽床伸二衆院議員。
もしこの人物がある陣営(金権前幹事長)の思惑で押し立てられ、
鳩山首相に道連れにされた豪腕幹事長による多数派工作で、
菅直人を上回る票を集めていたら、
国民の大多数が名前さえ知らなかった人物が、
日本の総理大臣になっていた。
テレビで見る限りキョロキョロ顔を振って、横柄な物言いで気味が悪いものでした。

そこで問いたいのは、
この樽床伸二衆院議員の推薦人に名乗り出た次の議員たちの思惑です。

衆院=打越明司、内山晃、勝又恒一郎、木内孝胤、木村剛司、熊田篤嗣、坂口岳洋、空本誠喜、高橋英行、玉城デニー、長尾敬、中島正純、伴野豊、樋口俊一、樋高剛、松本剛明、三井辨雄、向山好一、村上史好、本村賢太郎、森山浩行、山本剛正、笠浩史
参院=佐藤公治、水戸将史

残念ながら、これらの中に顔と名前が浮かぶ人は一人もいません。
推薦者たちは、本当に樽床議員が総理大臣にふさわしい、
現在の危機的な日本の状況に適う人物とした理由はなんなのか、
ということです。

昨年の夏、自民党がイヤだといって、
わけの分からない民主党候補に一票を投じた結果が、現在の日本状況です。

多数決に勝る民主的制度はない。
また、多数決の恐ろしさも身に染む。

何より、国権の最高機関とされる国会の審議を見ればよく分かる。
ほとんどの政府提出法案は、ろくな審議もされず、修正もされず、
将来の日本を破滅に導くような法律が多数決で素通りしている。
日本が壊れていく。


ユスラウメが実る頃は 麦秋の季節

2010-06-01 21:31:45 | 24節気

今日から6月でした。
衣替え、時の記念日、夏至、暦は夏に入りました。
小さな一角でしたが、最近では珍しい大麦畑。

小麦畑の黄金色とは、少し違いますが麦秋です。
たにしの爺、小中学生時代に、家中でやった麦刈り。
鎌で刈り取る麦刈りは、辛い仕事でした。

小麦の麦わらは、遊び道具になりました。
籠を作ったり、麦藁帽子とか、結構楽しめるものでした。

籠の中には、ユスラウメ、さくらんぼ、など入れて食べたものです。
小麦のナマをよく噛むと、とりもちにもなりました。
スズメの雛が孵る頃でもあって、小さな雛が巣から落ちて、
親鳥がけたたましく飛び回っているのも、この季節です。

里山、水温上る青田に風渉る、たにしの爺はあぶ句を噴く