たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

旧岩崎邸 踊り子草に吹く、不忍池を渉る風

2006-04-29 10:05:20 | Journalism

都立公園・旧岩崎邸に行った。
「プラド美術館展」を見て、上野の森を歩いたことは19日のブログに書いた。
その日、不忍池を挟んで池之端側にある「都立公園・旧岩崎邸庭園」に足をのばした。

都立公園・旧岩崎邸庭園

旧岩崎邸は1896年(明治29年)に三菱創設者・岩崎家本邸として建てられ、近代日本住宅を代表する西洋木造建築として現存している、本格的なヨーロッパ式邸宅。
入り口から料金所までの石道の左側の土手に、この「踊り子草」が群生している。いまが見頃のようだ。
<踊り子草>シソ科の多年草。春4~5月。日陰に多く、集団で咲く。茎は四角。高さ30~45㌢㍍。葉の付け根に大きな淡紅または白色の唇形花を輪状に付ける。花の形を傘をかぶった踊り子に見立てた名という。(広辞苑、その他)
庭園の脇にあるのが、あの「無縁坂」。森鴎外の名作「雁」の主人公・「囲われ女性」お玉が想いを寄せた東大生・岡田の散歩道として知られている坂。
さだまさしが幼年時代の思い出として作った同名の歌もある。


窓いっぱいに日本海~「五能線」に吹く旅風

2006-04-26 17:07:32 | Lyricism
<
♪五能線

どこへ行ったら あなたから

旅立つことが出来るでしょうか
………
………
   女 みちのく 五能線

   窓いっぱいに 日本海

幕張新都心に棲息している「げんごろう」が昨年以来、
水森かおり(みもりん)の追っかけをやっている。
失恋旅歌「五能線」に魅せられて、旅して来たといって、写真を送ってきた。
早春の日本海は鉛色に光っている。

「五能線」は秋田・東能代ー青森・川辺の間を結ぶ147・2キロのJR線。
海岸線をぎりぎりに走り、山側は白神山地が迫る。
荒れた日には日本海の飛沫が汽車の窓に打ち付ける。

「北に突き出た大戸瀬崎を回るとますます海は荒っぽくなり、<千畳敷>の上を波が嘗めている。(中略)名勝に乏しい五能線の沿線では観光地となっている。しかし五能線の味わいは、このような<点>ではなく、風を避けて肩をすぼめるようにたたずむ民家と岩礁に体当たりする日本海の荒波とにある。
風合瀬という駅がある。風がぶつかり合うところにある川、の意である。次に驫木という駅がある。」
(宮崎俊三著<最長片道切符の旅・第7日>から)
たにしは下りは汽車に乗って、上りはクルマで走った。
「げんごろう」は次は「取鳥砂丘」に行くという。

奥峡谷の青波湖面に吹くダム風

2006-04-23 14:21:43 | 国内旅行

北関東の山肌は未だに冬のなごり。木々の芽は硬いまま。
城壁を思わせるダム壁を吹き上げる風、
湖面を吹き抜ける峡谷風は強烈だった。
三国山脈の雪解け水を集める湖水はピュアな青波立てる。

風綴り⑪ <風の付く山河偏>
風地名ーー山や川など自然に風の名が付いた地名は全国に沢山ある。
清風山、風戸山(せとやま)、瀬戸風峠、八風山、寒風山、風早、風波
東風石,南風の波瀬(はえのはせ)大風渡沢、風吹山、風屋谷(ふうやだに)
風穴、風切鼻、風岩、風の子島、風指川、風師山、風頭(かざがしら)、風峠(かぜんとう)
風ヶ峠、風越(かざこし)、風越峠、風越山、風吹峠(かざふきとうげ)、寒風峠(さむかぜごえ)
寒風山、風谷峠、風返峠、風呂塔(ふろのとう)、石風呂川、鷹志風呂山、風連湖、風連川、風連別川
風無(かざなし=能登半島、宇和島)、風無鼻、風止(かざし、かざなし、かぜなし=山口県周東町)
参考文献*「風の世界」吉野正敏著、東京大学出版会:1989年。

身近に風の付く山、川、岩、峠があったら教えて。

上野の森に吹く「スペインの誇り」至宝の風

2006-04-19 22:35:32 | 展覧会・美術展
ティツィアーノ、エル・グレコ、ルーベンス、ベラスケス、ムリーリョ、ゴヤ
プラド美術館展 巨匠たちの殿堂を見た

久方ぶりに上京、上野の森を歩いた。目的は東京都美術館で開催されている上記の美術展を見たかったからだ。

世界屈指の美術館として知られるスペイン・マドリードのプラド美術館。その珠玉のコレクションから、ベラスケス、エル・グレコ、ムリーリョ、ティツィアーノ、ゴヤなど52人の画家の絵画81点が運び込まれた一大美術展という触れ込み。

イタリア・ルネサンスを代表する巨匠ティツイアーノの《アモールと音楽にくつろぐヴィーナス》を含む4点、光と色彩の魔術師ベラスケスの5点、バロックの巨星ルーベンスの3点、美の革命家ゴヤの7点は、今回のハイライトです。=パンフから

開催PRのうたい文句「スペインの誇り」とはいえ、超一級品が少なかった。ゴヤの主要作品がない。ピカソは一点もない。
エル・グレコの「十字架を背負うキリスト」があったのが良かった。この作品、こんなに小さな絵だったのかな。
10年前、マドリード・プラド美術館で「スペインの至宝」に対面したときの興奮とは、ほど遠いものだった。まあ、無理もないよね。

写真上から①ティツィアーノ・ヴェチェッリオ<アモールと音楽にくつろぐヴィーナス>②エル・グレコ<十字架を抱くキリスト>③ゴヤフランシスコ・デ<ビリャフランカ公爵夫人マリア・トマサ・デ・パラフォクス>④アントリーネス・ホセ<マグラダマのマリアの被昇天>
プラド美術館展
本物は本場で見たり聞いたりするに限る。
たにしの教訓。

上野公園は春の修学旅行の季節、幾つもの違ったセーラー服、学生服の生徒たちが、引率先生について公園内に集まっていた。ウン十年前のたにしたちの姿も同じだったのかな。
上野公園と修学旅行のつながりは、何なのだろう。

椿落として、過ぎるふたりに吹く爽風

2006-04-14 17:16:13 | Lyricism

椿道奇麗に昼もくらきかな(川端茅舎) ゆらぎ見ゆ百の椿が三百に(高浜虚子)
赤い椿白い椿と落ちにけれ(河東碧梧桐) 椿落ちて一僧笑い過ぎ行きぬ(麦水)

オペラ椿姫は、ジュゼッペ・ヴェルディが1853年に発表した。原題は『道を誤った女』を意味するLa traviata(トラヴィアータ)だという。
つばきの花言葉<優美さ・女らしさ・誇り>

風綴り⑩ <風の付く氏名>
文人墨客のペンネームに多い。
なんと言っても筆頭は「つゆのあとさき」「濹東綺譚」の永井荷風。次いで「くの一」「魔界もの」の山田風太郎さん。
いけばなの勅使河原蒼風さん。都都逸作家の中道風迅洞さん。落語界では春風亭柳昇、柳桜さん。
挿絵画の風間完さん、推理作家・SF翻訳家の風見潤さん。川柳作家の大野風柳さん。
ペン字書法の山田銀風、作家の風間一輝、鳴海風など。
そして高浜虚子を継承した俳人・富安風生がいる。

もっと教えて、たにしの知らない「風」氏名人。
いま、たにしが気にしている関心事は、高速艇に当てられた「くじら」……どこかで苦しんでいるのか。かわいそうに。動物愛護団体はなぜ黙っているのだろう。
それとも、東シナ海のドックで修理中なのかな。

民主党新代表に吹く、サクラ吹雪

2006-04-12 13:04:44 | Journalism

さくら花ちりぬる風のなごりには 水なきそらに波ぞ立ちける紀貫之

花の季節がめぐる間に、永田町は「オールド自民」対「ニュー自民」の構図が出来あがった。自ら「変わらければ……」と宣言した、民主党新代表の小沢一郎さん。本当の素顔は何色ですか。
側近政治、豪腕、辣腕、強引、権謀家、壊し屋、怖い、独断、こわもて、硬くて怖い顔……などがマスコミで言われているキャラクター。
一方、本当はシャイな人、気さく、マイホームパパ、小鳥が好き、やさしい……と、直接会うとファンになる人もいるという。
たにしの観測では、記者会見で記者の質問に大変横柄であること。
記者をビビらせる、何かがあるのだろうか。
質問の趣旨に対し、回答が何かずれているなと思う。

さて、国民には、どのような顔を見せてくれるのか。
出直し民主党は日本にとって、凶となるか、福となるか。

雨風に耐え、いまだ満開に吹くサクラ散らしの風

2006-04-08 11:58:27 | Lyricism

ただいま、4月8日午前11時俳句の都・松山市でNHKbs「俳句王国」が金子兜太さんの主宰 で放送されている。
兼題は「蝌蚪(かと)」。おたまじゃくしのことです。
選句に入る前に、主宰が自らの句を紹介していました。
蝌蚪つまむ指頭の力愛に似て(金子兜太)
この句意は何なのだろう。
おたまじゃくしをつまむ感覚を皆さんは、どのように伝えられますか。

おたまじゃくしなら、たにしの周りにいっぱいます。漢字で「蝌蚪(かと)」と書くとは知らなかった。

今日8日は高浜虚子忌。松山市生まれ、1874年2月22日(明治7年)~1959年4月8日(昭和34年)、享年85歳。ホトトギス派の理念となる「花鳥諷詠」を提唱したことで知られる。
犬ふぐり星のまた丶く如くなり
初蝶来何色と問ふ黄と答ふ
そのままに君紅梅の下に立て
白牡丹といふといへども紅ほのか

あす9日はたにしのボランティアグループの花見バーベキュー。
サクラ散る茶碗酒に人の輪。


お掃除小僧に吹く花吹雪の一念風

2006-04-07 09:55:00 | Lyricism
4月8日は「お釈迦様の花祭りの日」です。

普段は滅多に立ち寄らない近くの、古刹の門前の石段に「お掃除小僧」があることを発見した。
昨年の暮れ、恩人の回忌法要の席でお坊さんが話した法話として、チューラパンタカ(周利槃特・しゅりはんどく)の修業について、伺った記憶を思い出した。
もっと詳しくはここ。
チューラパンタカ(周利槃特・しゅりはんどく)
何事にも専念できず老化進行中のたにしには、
もう取り返しの付かない教え知った。

清峰・初陣旋風、頂点目前で苦杯、センバツに新記録残す

2006-04-04 19:18:09 | Journalism
毎日新聞社・第78回センバツ優勝戦、紫紺のV旗は横浜が握った。清峰(長崎)は前日のPL戦で力を使い果たしたのか、初出場ながら優勝戦まで駆け上がってきたハツラツ野球が見られず、0ー21で屈した。優勝戦としては記録的な大差のスコアになった。
センバツは何故か、初出場でいきなりV頂点の歓喜を味わうチームが多い。清峰もその歴史の1ページを飾るか期待していた。
ミラクルというかサプライズというか戦後、初出場で優勝した高校は以下の通り。
たにしの記憶では、古くなるが長野から出た飯田長姫を覚えている。
韮山(静岡)、洲本(兵庫)、飯田長姫(長野)、法政二高(東京)、徳島海南(徳島)、津久見(大分)、大宮工(埼玉)、日大桜ヶ丘(東京)、横浜(神奈川)、宗徳(廣島)、岩倉(東京)、伊野商(高知)、宇和島東(愛媛)、観音寺中央(香川)、済美(愛媛)
違っていたらゴメン。
高校野球は敗者へのエールが詩になる。

春の嵐に散りゆく花か……花吹雪の風

2006-04-02 16:33:09 | Lyricism
なぜか、サクラの季節には雨、風、冷気になる日が多い。
絶好のお花サンデーになるはずだった2日、強風が吹き荒れた。

人間は都合によって、天気を変えることは出来ない。
自然、地形、地貌、環境……その土地固有の自然条件……風土によって生存が規制されている。気質も風土に左右される。

風もまた、風土を形成する一大要因である。
その土地固有の風がその地域に生きる人々の気質形成に関わっている。
そしてその風が醸す時空を生活の中でも享受している。

風綴り⑨ <風に寄せる言葉>
春一番、花散らし、風鈴、風呂、風船、台風、空っ風
風景、風致、風情、風流、風韻、風雅、諷詠、風化
風教、風紀、風来、風月、風声、風味、風光明媚
屏風岩、屏風山、風紋、暴雨林、風聞、風習
風俗…生活の慣わし、しきたり。これが本来の意味。
風俗営業、風俗店、アキバ風俗…なぜかエロイ風が吹く。

4月「リセット・スタート」に吹く冷風

2006-04-01 10:34:59 | Journalism
桜花爛漫のなか、新年度がはじまった。
一足早く水辺の妖精・ミズバショウお届けします
群生地ではないが、数株のミズバショウが咲いている。
純白の仏炎苞がすがすがしい。


木々の芽吹きが眩しい。植生・自然は季節を裏切らない。
花の季節に背いて、人のこころの闇が暗いのは何故だろう。
「新年度スタート」にふさわしい明るいニュースは一つもない。

*偽電子メールを掴まされた民主党「お家芸の党代表リセット」
*1億円の小切手を貰ったが、どうしたか覚えていない元首相。
*そんな元首相に対し現首相の言動を「注意する」他国の首脳。
*自らのマインドコントロール・リセットしない振りをするヒゲ教祖。
*延命用の人工呼吸器をリセットしてしまう思い込み医師。
*15階マンションから子どもを投げ落としたかもしれない男。
*など、など、等、等……………人間の心の闇の不気味なこと。
たにしにとって、唯一良かったことは野村・楽天の初勝利と新プレーイング新監督の、
古田・ヤクルト初戦勝利でスタートしたことだ。