たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

騒擾の夏から、祷りの夏へ

2011-07-31 22:14:09 | Journalism

7月が終わって  8月が始まりました。
 当地は集中豪雨もなく、7月の最終日は涼しい一日になりました。

 ツクツク蜩の声が烈しくなる、夕闇ともなれば、
カラスウリの妖艶な白い糸状の花が開く。
つぼみの中に織り込まれていた花弁が動き始める。
妖しい誘いの触手を伸ばすように。

 夜になるとその白い花に誘われ蛾が寄って来る。
一夜の情交の果てに、
朝になると、萎れてつぼんでしまう。

 そうして、晩秋の風情を演出する
繭玉のような橙色の実が生って、楽しませる。

 俳句にも、カラスウリの花の妖しさを歌ったものが多い。
もつれ咲く妖しき花よ烏瓜 高橋照子
烏瓜咲く一穢なき妖しさに 水原春郎
もじやもじやの糸のごと咲く烏瓜 黒澤登美枝
夕闇より融け出て咲くや烏瓜 後藤眞由美
誰がために咲く烏瓜魔女めきて 鈴木浩子
ふはふはと泡かと咲けり烏瓜  松本たかし
         
怪しく面妖といえば、いまの永田町も毒々し触手で充ちている。
小澤一郎が言い放った「菅が辞めれば、後は誰でもいい」と。
これほど国民を愚弄した言い分はあるだろうか。
「首相」が誰でも言い訳がないだろう。

偉そうにしているジャーナリストたちよ、
「菅以外なら、総理は誰でもいい」などと、
嘯く政治屋を追及しないのは、なぜなんだ。

政治・永田町の退廃は極まっている。
今世界で一番不幸な国民は日本人です。そう思いませんか。
「最大不幸国家です」
 税金の催促状が来ている。
国家権力末端の有無を言わせない、律儀さは恐ろしい。
この時期、怒りが通り越して悔しくさえなる。

水車 涼しき再生可能エネルギー

2011-07-24 21:35:02 | Journalism

放射能ゼロ、CO排出ゼロ、温暖化ガス放出なし、
究極のクリーンエネルギー水車
マイナスイオンたっぷり、涼風が心地よい。


菅総理が日本の将来エネルギー依存を、
「脱原発・再生エネ」社会を目指すと表明した。
野党、経済界、身内の民主党からもバッシングに合い、
「政策ではなく、個人的な見解」だとトーンダウンした。

たにしの爺は「脱原発・再生エネ」を支持し、日本の政策的課題として、
産業界はもとより、学会、研究者たちの喫緊の政策選択テーマだと思う。
日本人の生き方にまで視点を据えた「哲学的」命題とすべきときだと考える。
再生可能エネルギーでは、日本の立国は不可能なのだろうか。

太陽光を主力とした、自然界の現象から、
一度利用しても再生可能な枯渇しないエネルギー資源、再生可能エネルギー。
太陽光、風、流水・潮汐、地熱、バイオマスなど、
持続的に利用が可能なエネルギー源の水力は、
揚水、止まる事のない回転エネルギー、水圧利用など
古代から人間の生活を豊かにしてきた。



再生エネルギーの対義は、化石燃料を代表する枯渇エネルギー、
要するに使えば使うほど、無くなっていく(再生できない)エネルギー。
化石燃料である石油、天然ガス、石炭や、ウランを利用する原子力発電など。
さらに厄介なことに、これらは有害付随物を再生することだ。
炭素を主成分とする化石燃料は、一酸化炭素を主とする地球温暖化ガス。
原子力は燃えカスのウランなど放射性、有害物質。

これが如何にに厄介なものであるかはご存知の通りです。
福島原発事故でどれほどの国費コストを浪費しているか、
実に途方もない額になっている。
これからもそのコストは計り知れない。



エネルギーの収支という方程式がある。
たとえば、今回の東京電力の原発事故。製造施設に投入したエネルギーとすべての費用。
その「元を取る」ためのオール電化推進策。

ところが今回の事故の結果、「元を取る」どころか、
企業存続を不可能とするほどのマイナスコストになってしまった。
さらに、国家的にも財政危機をもたらす事態にもなっている。

風土も心も汚染されていく。稲藁に限らず、
農産物の放射能物質による汚染はいまも進行している。
東北地方のおコメは誰も買わなくなる。
りんごも売れなくなる。

東電にも国にも「原発は高くついた」
その付けは、すべて国民に転嫁されている。



万緑の利根路に生ふる山百合の白華やぎて香りたつ見ゆ   高野小亭

暑中お見舞い申し上げます。

2011-07-17 13:53:41 | Journalism

猛暑が続いています。
たにしの爺は、
絶不調の夏にヘロヘロです。
怒りの行き先は、先行きの見えない
ダラダラしている政治状況。
現代の日本は政治自体が、
壮大な税金の浪費ではないだろうか。
今の政治は無駄遣いの張本人たちだ。
民主政治のコストというには、べらぼうすぎはしないか。

特に民主党政権になってから、その感が強くなっている。
小沢ガールとか、取り巻き連中とか、
輿石なんとかという、参議院議員は、
国民の生活になにか、寄与しているのか。

「がんばれ」とか「がんばる」とかの、
フレーズが目に付くが、それは国民同士の励ましあいであって、
政と菅には、その気配がまったく、感じられない。

税金滞納の督促状が来ている。
もう怒りで、頭はクラクラだ。

イラクの現実 映画 「バビロンの陽光」を観てきました 

2011-07-10 07:57:19 | 劇場映画

暑い日が続いています。
気分は最低、身体はヘロヘロ。頭はデロデロ。
こんなときは気分転換に集中する時間が頓服剤になる。上京のついでに銀座に回った。
お気に入りの映画館が山野楽器店の裏側にある「シネスイッチ銀座」
フセイン後のイラクの映画として話題になっている、
イラク人監督・アルダラジーによる「バビロンの陽光」を上映している。

スクリーンは、
黄土色の荒涼とした岩のかけらが続く砂漠地帯。
尽かれたように、人が歩いてくる。
だんだん大きくなる。黒衣に身を包んでいるから女性だ。しかも老いている。
そして、元気な少年が現れる。長い縦笛を持っている。愛くるしい大きな目が印象的だ。

2003年にフセイン政権が崩壊して、3週間後のイラク北部クルド人地区、
ナシリヤ刑務所に父がいるという手がかりに、
12年前に徴用された息子を探す、年老いた母親と12歳の孫のふたり。

クルド語しか話せない祖母が息子を探す思いの深さ。
片言のアラビア語で祖母を助ける孫とのロードムービー。
祖母にはほとんど長いセリフはないし通じない。
叫ぶように言う孫の名前、アーメッドと、
クルド人虐殺を強要されたと告白した元兵士を
「人殺し」とののしる叫びだけ。



ヒッチハイクで破壊とガレキのバグダットへ。
いつ出るか来るか分からないバスを乗り継ぎ、
刑務所、収容所、病院、モスクを訪ねて巡る。
行く先ごとに息子の、そして父の形跡は薄れていく。

絶望的な状況を乗り越えて、過酷な旅の果てはバビロン。
砂漠の中に巨大な共同墓地。ブルドーザーで掘り起こす。
その度に、何十人もの黒衣で身を包んだ女性たちが棺に取りすがる。
祖母は遺体の前に座り込み「息子よ」と何度も愛撫を繰り返す。
孫は「おばあちゃん、おばあちゃん」と何度も呼びかけるが……。



「兵士」になりたいと言って祖母にしかられ、
やがて父のように音楽家になりたいと、
古都バビロンの空中庭園に憧れた少年の見たものは。

イラク出身のモハメド・アルダラジー監督。
故郷の現状を世界に発信したいと、全編をイラクでの現場撮影。
アムネスティ国際映画賞・平和映画賞を受賞。
慟哭ののラスト・シーンで訴えたものは……

アルダラジー監督、国土の荒廃を映したのではない。
ヒッチハイクで乗せたトラックの運転手。
タバコ売りの少年。虐殺に従事した元兵士。
それを最後に許した祖母。
国土はガレキでも、人の心まではガレキにっていなかった。

草の波 寄せて 1年の真ん中

2011-07-02 18:24:29 | 24節気

今日は7月2日、1年の真ん中。半夏とも。
たにしの爺は、猛暑と湿気とで体調はよれよれ。

肩こり、耳痛、目疲れ、腰痛でへろへろ。
経験的に森林浴が効くので歩いてきた。




風が渡り、草の波が寄せ返していた。
今年は波といえば、津波を思ってしまう。
やはり肩こり、腰痛は治らないようだ。




しょうむない事を、書き散らして、
7月のあいさつにしてみた。
いま爺は、絶不調なのだ。