たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

たにしのブログ開設7周年になりました。

2012-09-26 20:41:09 | 花とつぶやき

 「LyricismとNationalismを視座にしてJournalisticに里山に風の渉る音を聞いている。」として、
2005年9月26日にスタートした「たにしのアブク 風綴り」
「たにしの爺」のつぶやき――風の徒然草も7周年を迎え、 今日9月26日はブログの誕生日です。
トップの写真は第一回の誕生ブログと同じにしました。

 「たにしの爺」は近辺を徘徊するだけで、行動半径が狭く、付き合いも苦手で知人も少ない。
自然風物詩を友に「知と情の世界」である図書館、映画館、美術館めぐりをネタに週一程度、
ひそやかに更新してきました。
 たまに時事ネタをぶつけて「アブク」を吐いたりもしました。
本当はそっちが土俵なんですが、二次ネタが素になるので、
評論家センセイと異なる視点を、と思っているうちに時間が経ってしまっている。



ここで突然ですが、だれも言わないから言う。
 「横綱白鵬の勝ち方が許せない」
「立ち上がり様、左からの張り手と右手ひじで相手のあごを強烈に直撃する」
禁じ手ではないかも知れないが、
 これで妙義龍など、脳震とうで崩れ落ちてしまった。
番付下の力士が、上位の強いやつを倒す手なら許せもしようが、
横綱が険しい目つきで、 あれを連日やって日本人力士を打ち倒していた。
NHKアナも解説者も一瞬、不愉快な気持ちになっている気配なのに、なにも言わない。
新聞もそのことに触れない。



 ジンキスカーン以来、いや、もっと以前から蒙古民族、漢民族がアジア大陸で繰り広げた、
他民族征服、圧殺の血がいまも民族の血として流れている。日本人力士は、その血に圧倒されて勝てない。
賞金をオーバーな仕草で掴んで土俵を降りる白鵬を、
弓取り力士の祥鳳(春日山部屋)が一瞬、 冷ややかな目差しでにらむ姿が印象に残る。
日本人力士の気持ちを語っているようにも思うのは「たにしの爺」だけだろうか。
日馬富士も昇進して、荒っぽい横綱土俵が当分続きますね。
大乃国さんのようなソフトな横綱がスキでした。

 執拗な力の誇示、いま日本海でも見せつけられています。
「力の誇示」では友好関係は築けません。



 ところで、たにしがつぶやく「アブク」
7年前には「Twitter」などと言う、やたらと小うるさくつぶやく「social media」など知られていませんでした。
 「つぶやく」――文字通り独り言で済んでいましたが、
今じゃ「一言つぶやくと」世界中に広がって世論になったり、
アジテータになったり、デマ、風評になったり、国を動かす力にもなっている。

 もう一つのsocial media「facebook」
最近、ある若い行動派の女性に誘われ爺も「facebook」に登録しました。
件の女性、友だちが500人超。一日に複数人増える。とにかく忙しい人間が繋がっている。

 私の友だちはトータル片手でも余る。
facebookの仕組み複雑でよく分らないので、止めようかと思っている。
隠棲している「たにし」には不要なmediaですね。
ただ、友だちになってくれた旧知の3人に済まないので解約はしてない。



 ブログ本来のコンテンツである「風綴り」で季節の詩のつもりが、わき道に行ってしまいました。
政府の「原発ゼロ」も風向きが一向に定まらいようです。
風は「脱原発」への再生自然エネルギーの一つですね。

 風の素は空気。色も形もない。写真に撮ることはできない、
空気に字を書いたり、印刷したすることもできない。
けれど風は、感じたり、見えたり、聞こえたりします。
 そよ風、薫風、睡風、ただよう風、烈風、強風、荒風、そして風のささやき……甘いささやきが欲しい。
(メールにお金が増える勧誘や風俗関係からの甘いささやきは連日来ていますが‥‥、資金も体力もないのでご遠慮しています)
なんか好い事ないかなー、風の便りを待つ爺でした。
そんなものあるかー。たにしなんて、カラスに食われてしまえ。そんな声も聞こえます。

 ところで、当ブログのアクセス状況を紹介します。
最近の最高アクセスは、9月20日(木)の267PV、122IPでgoo登録1765280ブログ中16128位でした。
検察エンジンはhttp://search.yahoo.co.jp/blogが一番多く、次いでhttp://www.google.co.jp/blogsearchですね。
最近多い検索キーワードはフェルメール関連が一番でした。
まあ、まあの線をいっているんじゃないでしょうかね。
ご贔屓の皆さん、これからも来てやってください。

最後まで読んでくださり感謝です。

秋日残暑 ぶどうを生けて 故郷は近くに

2012-09-20 12:12:57 | 24節気

故郷から「秋の味覚」が送られてきました。お裾分けです。
たにしの爺の故郷の香りは、
屋敷の周りで実っていた、りんご、カキ、ぶどう、丸ナス、野沢菜です。

今では屋敷の大半は人手に渡ってしまった。
秋のお彼岸ですね。
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今年は22日が秋分の日になります。
1896年以来の119年ぶりになるそうです。

暦は太陽と地球との位置関係で決まるので、
春分の日も夏至も冬至も、毎年同じ日とは限らない。
「秋分の日」法律の定義では「太陽が秋分点を通過する瞬間を含む日」と定められている。
去年はこの瞬間が9月23日午後6時5分、今年は9月22日午後11時49分。

なぜそうなるかについては、地球の公転周期は365・2422日で、
「秋分」は地球の自転軸に対して、太陽光がちょうど垂直当たる状態、
この瞬間までに365日と6時間かかる。
つまり、1年後には地球は秋分点までに到達できない。

そのズレを修正するために暦では4年に1度のうるう年を設定して遅れを取り戻す。
逆に進みすぎる修正として「うるう年を400年間で3回減らす」と、
「グレゴリオ暦」では決めている。
したがって4年に1度、必ずうるう年になるわけではない。
そんな関係で、しばらくはうるう年の「秋分の日」は22日になり、そうでない年は23日になるということです。
以上、今朝の(2012年9月20日)毎日新聞朝刊の「質問 なるほドリ」に紹介されていました。

この「なるほドリ」は実にタイミングよく飛び歩き、
1面の硬派記事から、社会面の軟派記事まで、
ニュースやトレンドについて分かりやすく紹介している。
「難しいことは分かりやすく」「優しいことは深く書く」
新聞記事の正鵠を得たコラムになっていますね。

幸せ国家への指標 GNH大国・ブータン王国

2012-09-15 23:11:12 | Journalism
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「幸福立国ブータン」
小さな国際国家の大きな挑戦
大橋照枝著 白水社 1900円 2010年7月刊

GDP(国内総生産)からGNH(国民総幸福)へ
人口76万人のヒマラヤの小国ブータンがどのように、GNH大国になりえたか。
世界に発信しつづけるその姿を総合的に紹介する。
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この秋、たにしの爺は必要があって、ブータン王国について知る作業を続けています。
unicefの視察報告写真展、視察同行記者の報告会に参加したり、
近隣の大学の留学生事情、ブータン友好協会を尋ねてきました。

現在、故あって上記「幸福立国ブータン」のページを繰りながら、ブータン王国の国づくりの哲学として、
経済成長を至上命題とする指標GDP(Gross Domestic Product、国内総生産)とは異なる指標、
GNH(Gross National Happiness、国民総幸福量)を国の目標に据えて、
世界の注目を集めるに至った経緯と現状について読み進めています。



まず、王国の基本事情について、
国名:ドゥク ユル(「雷竜の国」の意)/人口:672,425人(2005年国勢調査)/面積:38,3940平方キロ(九州の0.9倍)/元首:ジグメ・ケサル・ナムギェル・ワンチュック国王/言語:ゾンカ(公用語)、英語(教育用語)、ネパール語、シャチョップカ、その他多くの少数言語/首都:ティンプー/通貨:Nu(ニュルタム)/政体:君主制

●国王への絶大な信頼と全国民に共通の哲学
これまでGDP(国内総生産)の成長を追い求めてきた先進国は、
いまや債務超過国と支援国ともに行きづまっています。
経済とエネルギーの危機的状況、貧困、イスラムの挑戦が止むことなく、重大な岐路に立っているといえます。
人々の幸福よりも経済効率のみを追求する指標GDP(かつてはGNP:Gross National Product、国民総生産)では、
環境や持続可能性を計画する指標にはならないことが分かって来ました。



先進国が社会進歩のあり方に行き詰まっているなか、30年以上も前から、
GNH(Cross National Happines、グロス・ナショナル・ハピネス=国民総幸福量)
を目指すことを国王自らが決意し、国是として憲法にうたい、
政治・行政のなかで実践している国・ブータン王国。
ヒマラヤ山脈の東側に位置する内陸国で、人口約67万人の小国です。
国土の72%が山林で、憲法ではその山林面積は60%以下にしてはならないと定めている。
資源は乏しく、主な産業は水力発電による電力をインドに売る収入が国の歳入の40%を占める。
このほかはトレッキングなどの観光収入だけだという。
●GNHの四大目標
経済的自立 環境保護 文化の推進 良き統治

ブータン人の生活と行動様式は、仏教を共通の価値観として、
家庭、職場、学校で意識的に心がけていく伝統が息づいている国です。
GDP的指標で見れば最貧国に分類されるブータンであるが、
国民の幸福感や満足度は高く、2005年の国勢調査では「あなたは幸福ですか」の問いに、97%が「はい」と答えています。
GDP上位国の日本で「私は幸福です」と97%の人が言えるだろうか



以下は同書の中で記憶に残った数箇所を引用しておきます。
●ジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク第五代国王は
(昨年の秋、来日し日本国民に深い感銘を残されたことは記憶に新しい)
戴冠式において次のように語られたという。
「変化の厳しい世界ですが、平和と安全、そして幸福がなければ、何もないことと同じです。
この平和・安全・幸福こそがGNHの真髄です。私はすべてのものを国民に与えますが、私はなにもとりません。小さなヒマラヤの国の王でありますが、世界中の人々のより大きな福祉と幸福を可能にしたいと考えます」。(79ページ)

●環境破壊的、人間にマイナスになる経済活動であっても金が動くと、すべて経済効果として加算されるGDP。このような「負の経済指標」の限界を超える指標としてのGNHについて、筆者は次のように言う。
「人々の幸福感や満足度の高い社会を理想的な社会とするなら、それには条件がある。
現在世代にとって幸福感や満足度の高い社会であれば、それだけでよいのであろうか。否である。
現在世代のみが幸福感や満足度を達成するために資源や環境を使いつくして、将来世代にワリを食わせたり、将来世代にツケを回すということがあってはならない。
つまり、世代間で搾取をすることがあってはならないとうことである」(123~124ページ)

●ブータンの現状と将来について筆者は言う。
ヒマラヤの小国ブータンが30年以上かけて築いてきた国是GNHの実践は、いまや多くの国際機関にも認証され、具現化が着々と進んでいる。
ブータンの人々は仏教の教えをベースにした伝統文化をそこなうことなく、
現代の最先端の情報通信技術も取り入れ、自然環境を守りつつ、質素にしかし心豊かに生きている。
こうしたブータンの人々から、飽食三昧に生きる日本人は、
人間のあるべき原点に帰ることを教えられる。(182ページ)
なお、筆者の大橋教授は今年の8月に急逝されました。

驚嘆の書芸「青山杉雨の眼と書」

2012-09-05 18:10:57 | 展覧会・美術展

東京国立博物館平成館で開催中( 2012年7月18日・水 ~9月9日・日)
日中国交正常化40周年、東京国立博物館140周年、青山杉雨・生誕100年記念特別展「青山杉雨の眼と書」に、某女流書家の薦めもあって行って来ました。

来てみて驚嘆。「これが書芸」と言うものか――。
美しい文字とはまったく異なった「文字の絵画性」とも言うのでしょうか。
特に少数字作品の篆書(てんしょ)による造形性には魅せられました。



「黒白相変」青山杉雨筆 昭和63年(1988) 東京国立博物館蔵



「書鬼」青山杉雨筆平成4年(1992) 千葉・成田山書道博物館蔵


以下はガイドパンフによる紹介の概要です。
書家・青山杉雨(あおやまさんう、1912-1993)は、
昭和から平成にかけて書壇に一時代を画し、「一作一面貌(いっさくいちめんぼう)」と評される多様な表情を持った作品群を数多く発表。国際的にも高い評価を受けています。



杉雨はまた、中国の書の歴史に造詣が深く、歴代の名品や書論に触発されながら思索を深め、
著述や講演などを通して中国書法の普及・啓蒙に尽力し、現代の書の世界に大きな影響を与え続けています。
平成4年(1992)には文化勲章を受章しました。
本展覧会は、杉雨が生前熱心に収集した中国の書画や文房四宝のコレクションと、杉雨自身の主要作品を一堂に公開し、
わが国を代表する書家の業績を回顧しようとするものです。


◎再現された書斎、仕事場に意外な発見
展示会場の最後に、杉雨の書斎と仕事場が当時のままに再現されていました。
万巻の書蹟、中国の篆刻書などの蔵書、仕事机を見ていて、びっくり、
「えっ、爺と同じ本があるではないか」
それは、かつてわが書棚にあった、青山杉雨の師事した西川寧(にしかわやすし)による監修本でした。
(今でもどこかにあるかな?探してみよう)



上野の森美術館では「ツタンカーメン展 ~黄金の秘宝と少年王の真実~」をやっていましたが、
入場料を見て、見送ることにしました。2、700~3、000は高いよ~
「ツタンカーメン展 ~黄金の秘宝と少年王の真実~」