たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

図書館で映画「ギフテッド」を鑑賞

2020-01-31 12:04:00 | 劇場映画

歩ける、外出できる高齢者の楽しみの一つ、
「たにしの爺」的に言えば「三館めぐり」ですね。
美術館、博物館、図書館です。

この中で無料で利用できる施設は「図書館」ですね。
歩いて行ければ交通費コストもかからない。
「たにしの爺」の徘徊歩きの途中で留まる休憩所は、
公民館と図書館です。

最近は大型活字の本しか読めなくなったので、
図書館に行かないと「大型活字」の本が借りられない。
その図書館で無料で「映画も見られる」。

当市の図書館では、年に10回ほどですが、
「シネマトーク」映画会が開催されます。
1月に上映された「ギフテッド」を鑑賞しました。



この映画の内容については全く知りません。
上映前の図書館学芸員による解説によって、
「ギフテッド」(Gifted)とは”天才児”能力者で、
「天から才能を授かった人」という意味だと知りました。

幼少時から異様な能力を示す天才児がいる。
数理的計算、抽象能力や語学感覚、記憶力など、
常人をはるかに超えたIQ指数の子どもが現れる。

小学生でありながら特定の分野で、
大学院生の能力レベルを超えている。



映画「ギフテッド」のテーマは
そのような子どもにとって「本当の幸せとは……」

天才数学者だった姉の忘れ形見の7歳の姪メアリーと、
叔父であるフランクは、
ボートの修理で生計を立てて幸せに暮らしていた。

メアリーは小学校に通っていても楽しくない。
数学の天才児だと分かる。
フランクの母イブリンが現れ「英才教育」を勧めて、
フランクの元から引き離してしまう。
亡くなった姉との約束で「普通に育てたい」フランク。

一番大切な「才能」とは、「本当の幸せとは」??
全く予備知識もなく知らなかった映画を観て、
新しい「知の扉」を広げることになりました。

40人くらの収容席でスクリーンも大きくなく、
こじんまりした空間ですが良質な映画作品を選んで、
市民に供する「図書館」の事業を評価します。

「ギフテッド」公式サイト

この映画でたにしの爺が気に入ったセリフがあります。
「年上の間違いを正すなって」「嫌われるから」
メアリー役のマッケンナ・グレイスの愛らしさ、名演技が見所ですね。
思いがけなくいい映画を見ました。

奇跡の実話・映画「風をつかまえた少年」を見ました

2019-08-11 10:21:48 | 劇場映画

暑中お見舞い申し上げます。

令和元年8月12日に、
「たにしの爺」gooブログが5000日目になりました。

爺がブログを開設したのはもっと前で、
gooブログに移る前にASAHIネットのブログサービス、
「アサブロ」にお世話になっていましたので、
実際のブログ経験は5000日より遡り、15年超になる。



それはそれとして、
5000日目のメモリー記事は何にするか、
爺ブログの中心は「徘徊日記」ですが、
眼の養生と酷暑のため、徘徊は避けているので、
久しぶりに「映画」ネタをメモリー記事にしました。

キウェテル・イジョフォー初監督作「風をつかまえた少年」
2018年製作/イギリス・マラウイ合作/配給:ロングライド。

何故この映画を知ったのか。
NHKの語学講座「世界へ発信 SNS英語術」
Eテレ金曜日、この番組をときどき見ているのですが、
この日、映画の原作者であり、モデルになっている、
ウィリアム・カムクワンバのインタビューが教材でした。



その中で、以下のようなフレーズがありました。
「人に魚を与えるのではなく、魚を捕る方法を教える」ということです。
今日の解決だけを考えれば、今日一日の魚は手に入ります。
だけど魚を捕る方法を学べば、未来を考えていることになります。

自家製の風力発電で未来を切り開いた14歳の少年の実話。
爺はこの映画を見たくなりました。
上映館を調べてみましたらとても少ないです。
シネコンでは上映館がありませんでした。



千葉では一館だけ「千葉劇場」がありました。
これまで行ったことがありません。
千葉駅からモノレールに乗って葭川公園駅。

街中の昔ながらの単館映画館でした。爺好みですね。
キップから場内案内まで女の子が一人で仕切っていました。
とても伝統のある映画劇場のようでした。


同映画館のホームページから

千葉劇場の前身は戦前からで、空襲で焼失したが、
戦後、再建されました。平成5年に改築し現在に至るという。
シネコンとは無縁で良質な作品を提供している。
この回の観客は30数人、女性が多く高齢者が主流でした。

前口上が長くなりました。
映画は、アフリカの最貧国のひとつマラウイ共和国。



2001年、大干ばつが襲う。枯れ立ちのトウモロコシ畑に、
熱砂の渦巻く強風が吹き渡り、乾ききった大地に水はない。
村中が飢饉に、わずかばかりのトウモロコシの粉を奪い合う。

14歳のウィリアム・カムクワンバは学費を払えず。
学校からは通学を拒絶され通学を断念するが、
図書館管理の先生の計らいで一冊の本と出会う。



「風のエネルギー」ENERGY
風力発電のできる風車で畑に水を引くことを思いつく。

祈りで雨を降らせようとする村で、誰も信じない夢の実現へ
ウィリアムの思いが周りを動かし始める。
後は映画館でどうぞ。



大昔の話ではありません。2001年のことです。
アフリカの現実、教育の大切さ、感動です。
ウィリアムは2013年タイム誌「世界を変える30人」にも選ばれました。

監督のキウェテル・イジョフォーは、
アカデミー賞作品の「それでも夜は明ける」の主演俳優で、
(このブログでもレビューしています)
初の映画監督デビューを果たした作品だという。

「風をつかまえた少年」公式サイト。

葉室麟「散り椿」小説と映画と「時代劇」を堪能

2018-11-02 09:58:31 | 劇場映画

「春になれば椿の花が楽しみでございます」
「散り椿か」男はため息をついた。
ふたりが居る京の一条通り西大路東入ル、
地蔵院の本堂脇にある椿は花が落ちず、
花弁が一片ずつ散っていく、このため、
――散り椿、と呼ばれていた。



ふたりが地蔵院の庫裡に住むようになって三年になる。
「もう一度、故郷の散り椿が見て見たい」妻がつぶやいた。
「そうか」男はうなずいた。
妻の生家にも散り椿があった。



妻がまた咳き込んだ。「苦しいのか」男は妻の背をなでた。
妻は懸命に呼吸を整えて、「あなたに、お願いがあります。していただきたいことがあるのです」
ふたりがともに過ごして十八年になる。
「故郷にお戻りくださいますようお頼みいたしたいのでございます」
妻は、永年、胸に秘めてきた想いを話した。

――小説の始まりを要約すれば、こんな具合です。
映画もこのシーンから始まります。



葉室麟さんの小説「散り椿」を読んで、映画を見ました。

武士の瓜生新兵衛は、妻である篠と京都の寺に身を寄せていた。
18年前、新兵衛は藩の不祥事を追及し、逆に故郷を追放されていた。
妻を野辺に送ってから半年後、新兵衛は妻の願いどおり、
故郷の扇野藩に戻った。

かつて扇野藩の一刀流平山道場には、
「四天王」と呼ばれていた4人の男が居た。
・瓜生新兵衛(映画では)岡田准一
「鬼の新兵衛」といわれた剣豪で、扇野藩の勘定方を勤めていた。
上役の不正を訴えたが、かえって咎めを受けて藩から追放された。



・榊原采女(映画では)西島秀俊
新兵衛の親友だった。篠と心を寄せ合っていたが‥‥。
妻を持たぬまま「四天王」で一番の出世。側用人となり、
いずれは家老にまで昇りつめるだろうと見込まれている。

・篠原三右衞門(映画では)緒形直人
「四天王」の一人で馬廻役。新兵衛の追われた事情や、
采女の養父・榊原平蔵が切られて死んだ真相やなど、
不正事件の真実を知っている。

・坂下源之進(映画では)駿河太郎
扇野藩の勘定方で坂下家の当主だったが、横領の罪を着せられ切腹に追い込まれる。



・瓜生篠
新兵衛の妻(映画では)麻生久美子
新兵衛と采女とは生まれ育った屋敷が坂下家とも垣根越しに並んでいた。

・坂下里美(映画では)黒木華
篠の妹で切腹した源之進の妻だった。
坂下家を継いでいる藤吾の母で、新兵衛は義兄になる。

・坂下藤吾(映画では)池松壮亮
自決した父・坂下源之進の嫡男、母の華と暮らす。
父の後を継いで坂下家の当主となった。
家禄を取り戻そうと出世に意欲を燃やしている
浪人者の新兵衛が寄食することが出世の妨げになると嫌っていたが‥‥。

映画では篠と里美と藤吾は兄弟で、藤吾は、
新兵衛の義弟という設定になっている。



・榊原平蔵(映画では監督の)木村大作
采女の養父。扇野藩の勘定組頭を勤め。
新兵衛が不正を訴えた相手。何者かに斬殺される。
切ったのは誰かが小説の主要なテーマになっている。
切り口は「四天王」の蜻蛉切りだとされている。

・榊原滋(映画では)富司純子
采女の養母。采女と篠の結婚を反対し破談させた。

・篠原美鈴(映画では)芳根京子
三右衞門の娘で藤吾の許嫁。

・石田玄蕃(映画のキャストでは)奥田瑛二
藩の城代家老。采女の政敵。病弱の藩主を蔑ろにして、
紙問屋商人の田中屋惣兵衛(映画は石橋蓮司)と組んで、
藩を私物化しようとしている。

18年ぶりに亡き妻の篠との約束を果たすため、
扇野藩に戻ってきた新兵衛は、篠の妹の里美のいる坂下家に身を寄せる。

坂下家は藤吾が家督を継いでいた。
新兵衛の帰郷により藩内では再び不穏な空気に包まれ、
江戸表から新藩主のお国入り絡む抗争が巻き起こるのだった。



第42回モントリオール世界映画祭で、
「絵画のような映画」と評判になり最高賞に次ぐ、
審査員特別グランプリを受賞した「散り椿」。

木村大作監督にとっては初の時代劇作品で自ら撮影にも関わっている。
「美しい時代劇」へのこだわりが半端なく生かされており、
オールロケで撮られた美しいシーンが印象的でした。

新兵衛を演じる岡田准一が自ら工夫したという「殺陣」。
雨中で雪の中で切り結ぶ静と動の場面が、
緊迫感を持って切り替わる「殺陣シーン」が美的でした。



原作では采女の「葛藤」にウェイトがあるように読みましたが、
映画では浪人姿の岡田准一の新兵衛がかっこよく、
采女や藤吾、三右衛門らの月代をそった裃をつけた侍姿が、
なんとなく弱く見えていました。

それと、四季を彩る美しい山河の映像とチェロの低音奏でる旋律が、
静謐なシーンの背景を一層、感銘深くしていました。

小説も映画も終幕を迎えて、
家老の石田玄蕃を自ら誅する覚悟を決めた采女と新兵衛が、
「散り椿」の咲き誇る前で、ついに対決するときが来た。
「ただ、愛のために――」



「故郷にお戻りくださいますようお頼みいたしたいのでございます」
死を悟った篠が新兵衛に託した願いの真実は、果たして‥‥

采女の死に方が原作と映画ではかなり違っていて、
新兵衛の凄まじい「殺陣」に比べて、
采女のそれは、あまりにもあっけない。



時代劇の「凄さ」と「美しさを」魅せてくれた、
木村監督を始め、スタッフの皆さんに敬意を表します。
映画「散り椿」公式サイト

「蚤とり侍」ネコの蚤とりま~す。

2018-06-11 17:27:51 | 劇場映画

久しぶりに映画ネタのアップになりました。
やたらと大きく、新聞に露出記事が載っていたので、
梅雨にも入って、映画でも見ようと出かけました。

物語というかストーリーは「お下劣でした」
侍・武士は「藩」に仕えて「藩主」に逆らえません。

ときは田沼時代、商業が隆盛を極め、賄賂、汚職が幅を利かせ、
登城する意次(桂文枝)に、貢ぐ品々が城門の前にずらりと並ぶ。



映画の主人公は越後長岡藩の勘定方書き役のエリート。
小林広之進(阿部寛)です。歌会の席で、
藩主(松重豊)牧野備前守忠精の「戯れ歌」にケチをつけ、
怒りをかって左遷、人事異動になります。
異動先は貧乏長屋の「猫の蚤とり」業務です。

長屋を仕切るのは風間杜夫と大竹しのぶの夫婦。
夫婦の指導で「猫の蚤とりま~す」と街中へ。

早速、二階の窓から、お姐さん(寺島しのぶ)が手招きします。
なんとそのお姐さん、死なれた女房と瓜二つなのです。
蚤を取り始めましたが「下手くそ」と罵倒され、
すっかり意気消沈状態。

道で知り合った小間物屋の婿養子(豊川悦司)と居酒屋へ。
その伊達男殿、動くたびに、股間から白い粉が散ります。
訳を聞くと大店の嫁ご(前田敦子)猛烈なヤキモチ焼きで、
「浮気封じに」股間にうどん粉を塗られているのだという。



伊達男から「蚤とり」のトレーニングを受けます。
ここから先は「R15」指定の映画らしくなります。
大型スクリーン一杯に極色彩の寝間シーンが続きます。

伊達男の繰り広げるテクニックをすぐ脇で覗き見、見習い。
左遷侍もおみね相手に開脚、おっぱいポロリのトレーニング。
研究熱心の甲斐あって、一人前の「蚤とり侍」になっていく‥‥

「猫ののみ取り」とは実は、
「女性に愛をご奉仕する添い寝」業なのでした。
江戸時代にこんな職業が本当にあったのかな~
まあ、貧乏長屋に住む人間模様の喜怒哀楽を、
愛とユーモアに包んだ「江戸時代の風俗風景」

現代風に言えば、東京本社勤めのエリート君、出来すぎて、
上司のひんしゅくを買って地方営業所に飛ばされ、
その土地のおおらかで、本社にない人情味に触れて、
田舎暮らしもいいかな、なんて思い始める。

意次が失脚すると、状況は一変。
「蚤とり」業は犯罪になってお白砂へ。
河原で雁首そろえて「のこぎり引き」の刑に、
小林広之進の運命は、さて‥‥



キャストも監督も達者に揃っています。
映画の製作意図は何だったのでしょう。

リアル「監視社会」の現実の予見映画「エネミー・オブ・アメリカ」

2017-05-05 15:31:02 | 劇場映画
昨日5月4日(木)のNHK「BSプレミアムシネマ」(後1:00~3:13)、
「エネミー・オブ・アメリカ」は、今日的日本現象をみる格好の映画でした。
いわゆる「共謀罪」法案の危惧とされる盗聴・監視社会のリアルを見ました。




20年前の1998年アメリカで製作された映画です。
弁護士・ディーンは、政治家暗殺の証拠映像を偶然、手に持たされてしまいます。
過去の恋まで、彼のプライバシーが監視され始めます。

映画は湖畔の岸辺に二人の人物が登場するところから始まる。
「あなたが賛成に回ってくれると、うまくいくのだが」とささやく人物。
「それはできない」と答えて車に乗ろうとする人物。
背後から近づいた男が首筋にナイフを突き立て、
車に押し込んで、そのまま湖に沈めてしまう。

テロ対策のための「通信の保安とプライバシー法」案をめぐって、
アメリカ連邦議会では議論が交わされていた。
この法案は、犯罪やテロを防止するものと説明されていたが、
一般市民のプライバシーを大幅に侵害する恐れがあった。

NSA・国家安全保障局の高官トーマス・ブライアン・レイノルズは、
反対派の議員フィリップ・ハマースリーを湖畔で暗殺を企て実行する。
ところが、殺害の一部始終が野鳥観察の無人カメラに録画されていた。
弁護士・ディーンが偶然、手に渡されたものは、この録画記録であった。

映画はこれから、当局による盗聴、パラポラアンテナや偵察衛星、GPS追跡通信車、
建物丸ごとスキャンレーダーやヘリコプターを駆使しディーンを追い詰めていく。

訳の分からないディーンは、過去の恋人まで洗い出されて、
妻とは険悪になり、プライバシーが丸裸にされていく。
盗聴、監視社会の恐ろしさがリアルに映し出されます。



いま日本でも国会で審議されている「組織犯罪処罰法改正案」。
公称「テロ等準備罪」。いわゆる「共謀罪」をめぐって賛否が渦巻いている。

野党、マスコミ(全てではないが)、日弁連が反対キャンぺーンを張っている。
「人権、思想の自由が脅かされる」「戦前回帰法案だ」と。
「考えたり、思っただけでは逮捕される」ことはあり得ないと、与党や当局者たち。

私たちはいま、日常的に、
街角のあらゆるところに設置されている監視カメラにさらされ、
クルマを運転すれば、Nシステムで46時中、撮影されている。
前や後ろ、隣りを走る車にはドライブレコーダーカメラが付く。

SNSで発信したり、つぶやいたり、いいね、をしたり、アクセスをする。
ATMでバンキングしたり、カードでお買い物をしたり、
スイカやパスモで外出したりする。それらは記録として蓄積される。

いま日本社会は、あらゆるところで、あらゆる行動が記録されている。
いわゆる「ビッグデータの蓄積」が進んでいる、とされています。
そして、何か事を起こせば、マイナンバーと連動して、
たちまちプライバシーは丸裸にされてしまう。
脳内妄想までスキャンされる時代が、近未来訪れるでしょう。

快調なスピードで展開するサスペンス・アクションの面白さと、
監視社会の恐ろしさを実感できる映画でした。
この時期、この作品をチョイスしたNHKに「いいね」。

映画「64-ロクヨン-後編」を観ました。サスペンスが一杯。

2016-07-16 15:49:49 | 劇場映画

2ヵ月前の5月17日に「前編」を観て、
「後編」を観にいかなければと思いながら、
広島など視察研修旅行が重なって、延び延びになっていた。
もう上映が終わっていないか気になっていましたが、
やっているシネマがありましたので大丈夫でした。
昼過ぎからの上映回でしたが、私を含め観客は4人でした。



ベストセラー作家・横山秀夫の小説「64(ロクヨン)」を、
前編、後編の2部作で映画化した「怒涛の巨編」ということです。



群馬県と想定される県警の広報官の佐藤浩市は、
以前は捜査刑事であったが今は広報官として、
捜査情報の出し方を巡って、県警記者クラブから、
突き上げられる日々を戦っていた。



昭和64年1月5日に発生し、迷宮入りした少女誘拐殺人事件。
通称「ロクヨン」--事件から14年が過ぎた平成14年、
新たな少女誘拐事件が発生した。

「後編」ここから始まる。被害者氏名さえ、
何も情報を知らされない広報官・佐藤浩市(三上義信)は、
署内をブン屋の如く嗅ぎまわる。

記者クラブに屯すブン屋たちは怒り狂って詰め寄る。
「前編」同様にこの辺が、どうも理解できない。
サツとブン屋は持ちつ持たれつで、
ブン屋さんは自分たちの足で真相に迫るものが、
警察発表を頼って、クラブに屯しているだけでは、
報道の自由が泣くというものだ。



まあそれはそれとして、
事件の推移が14年前の誘拐事件と似ていることを知った、
三上広報官(佐藤浩市)は独自に動き出す。



たにしの爺も前編を観終ったあとで、
ポスターのキャッチコピー「犯人は、まだ昭和にいる」
この意味が「後編」の筋になることは想定していました。
その通りでした。詳しくは映画館で観て下さい。





「前編」でも書きましたが、
広報官を演じる佐藤浩市と警察機構の上層部との確執。
記者クラブの面々と対立する苦悩ぶりが中心テーマです。
広報室の紅一点、美雲志織を演じる榮倉奈々が存在感を示しています。





と謳うメディアでの大宣伝に敬意を表して、
サスペンス感に溢れた映画でした。

アリオ柏で映画「64-ロクヨン」前編を見ました

2016-05-18 11:55:12 | 劇場映画

最近、16号線の脇に出来た巨大商業施設・セブンパークアリオ柏。
施設内にTOHOシネマズがあるのを知りましたので、
昨日、雨の中、マーキングに行って、話題の映画「64-ロクヨン」を見て来ました。
チケットを購入した後、ランチをするためにフードコートをウロウロしました。
雨なのに混んでいて、10人以上、何処も並んでいます。
手っ取り早く済ませてあちこち回って時間が来たので、
映画館が何処にもない。戻ることが出来ない。案内所があったので聞いて戻りました。



上映が終わって1階に降りて、駐車場に行こうと思ったが、
停めた駐車所に行けない。案内所に行って停めた場所を聞いたが、
自分の停めた場所が特定できない、施設の中を歩き回っても方向がわからない。
建物の外に出て、雨の中を一回りしてようやくたどり着いた。
痴呆症が始まったらしい。



ところで映画「64-ロクヨン」については、後編を見てからまとめたいと考えています。
昭和64年に発生した少女誘拐殺人事件、通称「ロクヨン事件」。
未解決のまま14年が経ち、時効まであと1年に迫っていた。

県警の元刑事で、今は広報官を演じる佐藤浩市がいい。
警察機構の上層部の保身体質で、記者クラブの面々と対立している。
主人公・三上義信(佐藤浩市)を支える広報室のメンバーの紅一点、
美雲志織を演じる榮倉奈々が切なくも力強く存在感を示しています。



突っ込みを入れたくなるのが「県警記者クラブ」の記者たち、
徒党を組んで、三上に情報開示を迫るばかりで、取材に行かないで部屋に屯しているだけ。

権力が情報を隠蔽するなら、記者が独自取材で報道するのが事件記者でしょう。
30人も40人もクラブに屯している事件記者なんてありあえない。
誘拐事件が発生して、県警はあわただしくなった。
後編ではどんな展開になるのか。

山岳映画「エヴェレスト 神々の山嶺」

2016-04-07 20:31:20 | 劇場映画

今日は満開のサクラが雨に打たれていました。
久しぶりに劇場映画ネタでブログ更新になりました。
3月に観た山岳映画「エヴェレスト 神々の山嶺」です。
原作は第11回柴田錬三郎賞を受賞した夢枕獏氏の山岳小説「神々の山嶺」



★コミック版の原作
この映画を観るきっかけになったのは、
谷口ジロー氏の漫画「神々の山嶺 全5巻」(集英社文庫―コミック版)を
「オヤジはこういうの、好きだろうと言って」
長男が正月に持って来て置いていったものがあったので、
読み始めていたが字が小さくて集中できないでいました。



それと登場人物が、
いまでは伝説になっている登山家のイメージに被ってきてイラついていた。
植村直己、小西政継、長谷川恒夫、森田勝‥‥。
氷壁の中に消えた、あるいは亡くなった孤高の岳人たち。
前の二者の登攀記録の登頂記の出版にも関わったこともあり、
コミックの登場人物のモデルは誰か、など、気が散っていました。



それに井上靖の小説「氷壁」のザイルが切れたのか、
切ったのか、のモチーフも重要な複線にもなって、
著名な山岳人のダイジェストを繋いでいる感じで読みました。
事実、原作にはモデルが想定されています。
孤高のアルピニスト森田勝、クライマーの長谷川恒男。
終章になるとさすが、作家の筆が冴えてモデルを超えた物語が展開されます。



★映画の「エヴェレスト 神々の山嶺」
山岳写真家の深町誠(岡田准一)は古い年代ものカメラを、
ネパールのカトマンズの登山具店で見つける。それは、
英国の登山家ジョージ・マロリーが残したものではないかと。



1942年にエベレスト初登頂した後の遭難なのか、否か。フィルムはどこに。
深町はカメラの謎を追っているうちに、
日本の登山界では異端児とされ、カトマンズで行方不明になっていた、
孤高の単独登攀者・羽生丈二(阿部寛)に似た男に出会う。



そしてその男は、これまで誰も成し遂げたことのない、
エレベスト冬季南西壁単独無酸素登頂に賭けていること知る。
映画は熱気に満ちたカトマンズの街中の喧騒と、
屹立する岩と氷壁が圧倒的に迫るヒマヤラの山塊。



極限の生存条件の中でひたすら頂上を目指す男たち。
大規模ロケを敢行したヒマラヤの荘厳な風景が圧巻で迫る。

羽生は、前人未到のエレベスト冬季南西壁単独無酸素登頂を成し遂げたのか。
マルローのカメラの謎が深町の足元に、そして羽生もいた。

映画「天空の蜂」を観て来ました。ど迫力の超絶スケール!

2015-09-17 18:36:03 | 劇場映画
「ダイハード」を凌ぐサスペンスと痛切に胸打つ人間劇

完成披露前の巨大ヘリが奪われた。



標的は原発。上空にホバリング。



8時間後には爆発物ともに墜落。



原作・東野圭吾、監督・堤幸彦。
江口洋介×本木雅弘「天空の蜂」。
とにかく面白いです。
巨大スクリーンの劇場で必見です。



『天空の蜂』公式サイト

映画「HERO」で暑気払い

2015-08-02 13:46:10 | 劇場映画

あまりの暑さに、爺の避暑地シネマックスに逃げ込みました。
上映時間のタイミングに合ったのが「HERO」でした。
人気テレビドラマ「HERO」のスクリーン登場第二弾です。



スーツを着ない型破りな検事・久利生公平を中心に、
東京地検城西支部の個性的な面々が事件の数々に立ち向かう。
フジテレビで同じみの「捜査検事」のドラマです。
某国大使館の裏通りで起きた交通事故の真相の裏にあるものは?



ネウストリア公国大使館の裏通りで、
パーティーコンパニオンの女性が車にはねられ死んだ。
東京地検城西支部の久利生公平検事(木村拓哉)は、
事務官の麻木千佳(北川景子)と共に、
事故を起こした運転手を取り調べる。
すると、ふたりの前に、
かつて久利生の事務官を務めていた雨宮舞子(松たか子)が現れた。

大使館は決して踏み込んではならない「絶対領域」だった。
久利生検事と城西支部の面々は法務、外務省の圧力に抗して、
乗り越えられない治外法権の「壁」を崩していく。
スリルとサスペンスの痛快劇です。



この映画を選んだ第二の理由は、
「たにしの爺」好みの2大女優さんが見られるから。
第一はクールビューティ・吉田羊。



第二はミステリアスビューティ・北川景子。



映画では松たか子と北川景子の出番が多かったのに比べ、



吉田羊さんの出番が少なかったのが残念でした。
7月12日の毎日新聞日曜版のインタビューで羊さんは、
「私のパブリックイメージは馬場礼子とイコールでHEROの人だ」
と思われるので、常に一緒に歩んでいくでしょう。
思い通りの仕事ができて楽しいと話しています。



まあ、フジテレビのドラマの映画ですから、
いろいろ文句のある人も居るでしょうし、
突っ込みを入れたくなることもあるでしょう。
そこはまあ、難しいことは抜きにして、
快調なテンポで展開するサスペンスに魅せられながら、
2時間の消夏法だったと思えば結構楽しめました。

その他の出演者は、
佐藤浩市、杉本哲太、濱田岳、正名僕蔵、田中要次、田中勝矢、
松重豊、八嶋智人、小日向文世、角野卓造、大倉孝二、
JAMES C.BURNS、森カンナ、児嶋一哉、新井浩文、イッセー尾形。
「HERO」公式サイト

海街diary・4姉妹が奏でる鎌倉ストーリー

2015-07-12 16:23:05 | 劇場映画

雨が続き徘徊が出来なかったので先週末、久しぶりに映画を見ることにしました。
いつものシネマックスに行きましたが、
第68回カンヌ国際映画祭に出品された是枝裕和監督作品、
「海街diary」を観ることになった。
「観ることになった」とは変な書き出しになりました。

というのは、若年性アルツハイマーと診断された女性言語学者の苦悩や葛藤、家族との絆を描いた、
話題のアメリカ映画「アリスのままで」を観るつもりでした。



ところが着いてみたら、掛かっていたのは「アリのままでいたい」という昆虫映画でした。
「アリスのまま」と「アリのまま」で勘違いしていたようです。
後で知ったことですがこの「アリのままでいたい」は、
昆虫たちの生態をアリの目線で描くネイチャー映画で評判が高いようです。



そんな訳で上映時間のタイミングで「海街diary」を観ることになりました。
この映画もカンヌ映画祭で入賞の期待されていた作品で、予告編も観ていたので、
機会があれば観るつもりでしたのでちょうどよかったです。
係員に取材すると「アリスのままで」は当館では上映予定にない、
というので他のシネマックスに行かないと観れない。
アルツハイマーの適齢期にいる「徘徊たにしの爺」としては、
ぜひ、観ておきたい映画ですな。

前置きが大分長くなってしまった。
「海街diary」はとても美しい4姉妹の鎌倉物語です。
江ノ電「極楽寺駅」近くに祖父母の残した古い屋敷に住む4姉妹。、
界隈の家並み、坂道やお寺、墓、それに砂浜の海岸、
花に囲まれた家屋敷、庭と梅の古木が、
物語のバックグラウンドとして伏線になっています。



信金に勤める次女の佳乃(長澤まさみ)が、
ベットで男に抱かれながら目覚めるシーンから映画は始まります。

市民病院で働く看護師で、しっかり者で母親役のような長女幸(綾瀬はるか)、
スポーツ・ショップに勤める三女の千佳(夏帆)、
そして山形の山間の村から来る腹違いの四女・中学生すず(広瀬すず)。

この4姉妹が祖母が漬けておいた古梅酒、毎年漬ける新梅酒を飲み分けたり、
それほど深刻とは思えないような悩みを分け合い、
鎌倉ならではの旬のシラスや山菜など食事シーン、
女を作って出奔した父の通った海猫食堂の味を懐かしむ。

自然が多く残る鎌倉の美しい景色のなかに、
4姉妹の心の揺れと情感が描き出されていて、
静かな音楽も優しく、映像美を引き立たせています。



幸、佳乃、千佳の3人が喪服を付けるシーンが3回あります。
最初の山形で緑の濃い山野辺で旅立つ父の葬送のシーン。
二回目は鎌倉の家の法事に家を棄てた母が現れるシーン。
そしてラストの砂浜の海岸を寄せる波に4人が歩くシーン。
それぞれのシーンが物語の起伏になっています。



姉妹間の葛藤とかの深刻な出来事は何もないが、
心に響くいい映画でした。お勧めです。
原作は吉田秋生「海街diary」の少女コミック小学館です。

それにしてもレットカーペットに立つ、
いまが旬の日本の美女4人は魅せています。

映画を観ていて、鎌倉の昔ながらの住宅地が記憶に蘇りました。
爺が勤め始めたころ、東京芸大の彫金科を出た同僚がいました。
鎌倉の材木座海岸の近くに住んでいて、
夏に1,2度、日帰りで海水浴に誘われて、
2,3の同僚とお邪魔したことを思い出しました。
ビーチぞうりを突っかけて垣根をめぐらす路地を、
2つ3つ曲がると砂浜に出ます。
40年くらい前の夏の日ことです。



映画に何回も映った「極楽寺駅」は昨秋の記憶です。
駅に続く坂道と木造の駅舎、「極楽寺駅」の駅札。
改札手前の赤いポスト、江ノ電を跨ぐ赤い欄干の橋。
橋から眺める片方は石垣の下にホーム。
もう片方は短いトンネルの入り口です。
「極楽寺駅」は鎌倉を描く日本映画では外せないですな。

「あの日の声を探して」を観て――無関心は共犯者に

2015-06-06 13:31:05 | 劇場映画

ドイツで主要7カ国首脳会議(G7サミット)が始まりました。
ロシアによるウクライナ東部侵攻情勢などが主要なテーマです。
対ロシア経済制裁の継続で足並みが揃うかが注目されています。
世界の大国・ロシアは出席していません。



もう一つの大国・中国が南シナ海に軍事施設を作っています。
公海上の岩礁を埋め立て「防衛上のニーズ」だと開き直っています。
大国のやることに無関心で居ると何がおきるか――
フランス映画「あの日の声を探して」を観て来ました。



公式サイト

1995年の春、ロシアの侵攻を受けて廃虚となったチェチェン共和国。
4年後1999年に再びロシアがテロ対策を名目にチェチェンに攻め込んだ。



映画は、そのとき、チェチェンで起きた罪もない家族の生と死と、
戦争に狩り出され無垢だったロシア青年が殺人マシンになるまで、
殺す方も、殺される方も戦争被害者に変わりなことを知らせる。



両親が目の前で殺された少年ハジ(アブドゥル・カリム・マムツィエフ、2004年、チェチェン生まれ)は声を失ってしまう。
その姉ライッサ(ズクラ・ドゥイシュビリ、1995年、チェチェン生まれ)は弟と自分の息子が行方不明になってしまう。





EUから調査派遣されたキャロル(ベレニス・べジョ、1976年、アルゼンチン生まれ)はハジと出会う。





そして、自分でも、何の罪なのかよく分からないまま、
強制入隊させられロシア青年コーリャ(マキシム・エメリャノフ、1990年ロシア生まれ)が、
狂気の殺人マシンに変貌させらていく。

脚本・監督は「アーティスト」で絶賛され数多くの賞に輝いたミシェル・アザナヴィシウス(1967年、フランス生まれ)。
映画はハジとキャロル、ライッサ、コーリャの3通のストーリーが重層して展開する。



来日したアザナビシウス氏は、
ある対談で「戦争の最も強大な共犯者は無関心ではないか」と語ったという。

チェチェン共和国

戦争の最大抑止力は「戦争を許さない世界世論」です。
大国による国際法蹂躙を許さない「世界」こそ抑止力です。
安倍さん、「世論」が味方になっていますか――・

映画「6才のボクが、大人になるまで。」

2015-02-25 15:14:17 | 劇場映画

アカデミー賞の発表も終わり、久しぶりの映画ネタです。
「6才のボクが、大人になるまで。」公式サイトを見てきました。

同じキャストで12年にわたり撮り続けた家族のストーリー。
ドキュメンタリーではないリアルな時空を重ねた映画です。




6歳の少年ぼく、メイソン(エラー・コルトレーン)を中心に、
母親オリヴィア・エヴァンス(パトリシア・アークエット)、
離婚し別居中の父親メイソン・シニア(イーサン・ホーク)、
姉サマンサ(ローレライ・リンクレーター)の4人の俳優が、
家族の軌跡を12年間、演じた映画として評判になっています。




映画はこの母親が強烈な上昇志向でキャリアアップのために、
子連れ離婚、再婚、離婚を繰り返し、その度に引越しをする。
アラスカに住む自然派の父親も再婚して新しい家族が出来る。



大学に入った母親は、ついに大学教授にまでたどり着く。
その間、6歳のぼくが悪友や初恋や別れを経験して18歳。
テキサス大学に入り、写真アートとして将来の道を歩み始める。
手にしていたカメラはキャノンの最高級機種EOS70Dでした。



今年度の第87回アカデミー賞では、母役アークエットが助演女優賞を受賞しました。
また、2月9日に一足先に発表された英国アカデミー賞では最優秀作品賞と、
リチャード・リンクレイターが監督賞を受賞しました。
さらに同監督は、第64回ベルリン国際映画祭(2014年)では『恋人までの距離(ディスタンス)』に続いて、二度目の監督賞(銀熊賞)にも輝いています。



 シネマックスのスクリーンでは、もう一本の話題作クリント・イーストウッドの
「アメリカン・スナイパー」も懸かっていましたが、こっちにすればという気もしています。
それにしても、「ぼく6歳‥‥」で代表するアメリカの家庭風景も、
「‥‥スナイパー」で描かれるアメリカの戦争の闇もテーマは深い。

 今年度のアメリカ・アカデミー賞の作品賞に選ばれた、
「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」も予告編で見ました。


 <第87回アカデミー賞の受賞結果を記録しておきます>
▽作品賞:「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
▽監督賞:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
▽主演男優賞:エディ・レッドメイン「博士と彼女のセオリー」
▽主演女優賞:ジュリアン・ムーア「アリスのままで」
▽助演男優賞:J・K・シモンズ「セッション」
▽助演女優賞:パトリシア・アークエット「6才のボクが、大人になるまで。」
▽脚本賞:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、ニコラス・ヒアコボーネ、アレクサンダー・ディネラリス・Jr.、アルマンド・ボー「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
▽脚色賞:グレアム・ムーア「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」
▽視覚効果賞:「インターステラー」
▽美術賞:「グランド・ブダペスト・ホテル」
▽撮影賞:「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
▽衣装デザイン賞:「グランド・ブダペスト・ホテル」
▽長編ドキュメンタリー賞:「Citizen Four」
▽短編ドキュメンタリー賞:「Crisis Hotline: Veterans Press 1」
▽編集賞:「セッション」
▽外国語映画賞:「イーダ」(ポーランド)
▽音響編集賞:「アメリカン・スナイパー」
▽録音賞:「セッション」
▽メイクアップ&ヘアスタイリング賞:「グランド・ブダペスト・ホテル」
▽作曲賞:アレクサンドル・デプラ「グランド・ブダペスト・ホテル」
▽主題歌賞:“Glory”「セルマ」
▽長編アニメーション賞:「ベイマックス」
▽短編アニメーション賞:「愛犬とごちそう」
▽短編実写映画賞:「The Phone Call」

宮沢りえ主演・映画「紙の月」

2014-11-16 12:25:28 | 劇場映画

第27回東京国際映画祭で宮沢りえが最優秀女優賞に選ばれた「紙の月」を見ました。
15日から全国ロードショーで初日に見てきました。



銀行のアルバイトから契約社員に昇格した彼女、顧客廻りが仕事です。
ふとしたことから、預かった顧客の金に手をつけた‥‥
若い男の出現から、平凡な日常が狂い始めていく。
やりたいことを自由にやって破滅に向かっていく聖女。



公開前から話題を集めています。
原作は角田光代でNHKテレビドラマにもなったので、
大方のあらすじはよく知られている作品ですが、
映画ではならの工夫もされていました。
りえちゃんのエクスタシーは見応えあります。



最後まで席を立たないでください。
公式サイト

映画「ウィークエンドはパリで」リアルな滑稽

2014-10-22 12:48:37 | 劇場映画

人生の秋を迎えた英国人の大学講師ニックと妻メグ。
結婚30周年を祝うため新婚旅行先だったパリを再訪。



新聞の映評を見て気になっていた映画「ウィークエンドはパリで」を見てきました。
見終わって一言「うむーん???」
人生の黄昏期を迎え、深刻な滑稽さが身に染む。



思い出のホテルを予約したがどうもしっくりしない。
部屋の感じも壁のカラーも違うとメグは納得しない。
ニックは妥協しようとするがメグは飛び出していく。



アチコチのホテルを廻ったに二人が落ち着いたのは、
あの超高級ホテルプラザホテルのロイヤルスイート。
窓を開ければエッフェル塔が輝くパリの夜が広がる。



二人は凱旋門や長い階段を登るサクレ・クール寺院、
サルトルやボードレールらが眠るモンパルナス墓地、
書店を訪れたりお料理やワインを満喫していたが‥。



ニックが「大学からクビを宣告された」と告白する。
映画はこの辺から一転「えっ、そんなことあり??」
新婚旅行の思い出パリが老境夫婦のリアルな修羅場に。
果たしてすれ違った思いの絆の行方は‥‥‥‥‥‥‥



製作:イギリス(2013)
監督:ロジャー・ミッチェル
夫:ニック・バロ(ジム・ブロードベント)
妻:メグ・バロウズ(リンゼイ・ダンカン)
公式サイトはこちら