たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

里は春 野に日は満ちて 山の雪しろし

2009-04-15 22:24:45 | 葉っぱの会
朝日山に住むユキウサギさんが、
野には春が来たと、写真を送ってくれました。

>「里の田圃はすっかり雪が融けてしまいました。
>ここ雪国にも、春が訪れています。
>例年より、2週間ほど早いです。
>
>でも、山の雪はまだたっぷり残っています。
>土地では、5月スキーが観光目玉です。
>
>ゴールデンウイークに滑れるのが有名です。
>たらの芽、コゴミが旬になりつつあります。」

>たにし様の湧水田には、
>春がいっぱいですね。」

ユキウサギ様。
写真飾らしていただきます。
いいですね。
>>{

ケヤキの裸枝が冬空を突いている大寒

2009-01-20 21:37:40 | 葉っぱの会

きょうは二十四節気のひとつ大寒。
1年間でもっとも寒い期間でもある。

暦の上ではそうなっているが、真底身に染みて凍みるのは、
節分過ぎの底冷えのする日だ。
大寒の期間中に大地も大気も冷やされ、
たにしの棲む世界が冷凍庫状態になっている。
そこに北風の寒九郎が吹き込む。おお、寒むっ。

欅の裸枝が、毛細血管のように、冬空を突いている。
 古今の名句を見てみよう。

高浜虚子は「大空に伸び傾ける冬木かな」 と木々の強さを感じる。、
また、桂信子さんは「大寒の木々にうごかぬ月日あり 」と木々の時間を見て取った。
そして、飯田龍太氏は「大寒の一戸もかくれなき故郷」と、木の葉の散ってしまった冬木立の中の故郷を想う。  
タニシはただ見上げて震えているだけ。ぶるっぶるっ

朝露に 稲の花揺れて 犬がいた

2008-08-16 10:32:35 | 葉っぱの会

おコメは日本人の主食。日本人は稲作民族です。
日本の祭祀の原点であり、五穀の代表でもある。

万葉人たちも、いね、いな、わさだ……実り、祈りにたくした詩で、
さまざまな想いを残しています。

吾が業れる早稲田の穂立ち造りたる蘰そ見つつ偲はせわが背
 (巻8の1624、坂上大娘が「秋の稲の蘰」を大伴家持に贈る歌)
吾妹児が業と造れる秋の田の早穂の蘰見れど飽かぬかも
 (巻8の1625、坂上大娘歌に、大伴家持が答える歌)
<わたしの仕事としている稲作の早穂で髪飾りを造りました。いつも見て、私を想っていてください。
あなたが早穂で造った蘰はいくら見ても、飽きることがありません>



稲穂が出て2~3日で小さな花が咲く。咲いているのは朝の数時間のだけ。
籾が花びら代わりで、籾が左右に割れておしべとめしべがでて来る。



この時期に低温にあたると不作・凶作になる。
今年は晴天続きで大丈夫のようです。
台風が来なければなおいいです。

確かな収穫の 秋が楽しみです。



暑いながら、田んぼの稲は青々としていて、涼風が渉ってきます。

万葉集からもう少し。万葉人は恋ばかりしていたようですね。
おコメの花や 実を恋詩つづりにしてしまう 感性がうらやましい。

恋ひつつも 稲葉掻きわけ 家居れば 乏しくもあらず 秋のゆう風
 (巻10の2230、読人知らず)
秋の田の穂の上に置ける白露の消ぬべくも吾は念ほゆるかも
 (巻10の2246、読人知らず)
秋の穂をしのに押し靡べ置く露の消かも死なまし恋ひつつあらずは
 (巻10の2256、読人知らず)
秋の田の穂向きの依れる片縁りに吾は物念ふつれなき物を
(巻10/2247、読人知らず)
秋の田の穂の上に霧らふ朝霞何処辺の方に我が恋ひ息まむ
 (巻2の88、磐姫皇后)

現代人がおコメをみる感性は、減反、休耕田、銘柄米……
みなオカネに関わることばかり。
コマーシャリズムに毒された、稲穂の国が いま逆襲されている。

稲の花 あさつゆキララ 里の途
タニシがあぶ句を噴いた。


孔雀の恋模様は、声が決め手とか

2008-05-19 06:14:10 | 葉っぱの会

きれいな見た目より、なき声が興奮させる

連休に、外国からの客人があり、自然公園にピクニックにお供した。

聴きなれない言葉に、興奮したのか孔雀さん、羽を広げて迫ってきました。惜しげもなくバックもご披露です。
見事な羽模様。青い目がいくつも「ウインク」している。

鳥たちのオスはみんな、多彩な求愛のテクニックを備えています。
羽模様、ダンス、なきごえ、巣作りなど……、
オス孔雀の広げる羽もその一つと言われている。ところが最近の研究では、メスに送る「なきごえ」が誘引のフェロモンらしいという。



5月8日のNHK総合テレビの午後7:30~8:45「熱血!天才アカデミー 世界をひっくり返した男ダーウィンの進化論」という番組で、
講師として出席していた長谷川眞理子教授が言っていました。
「最近の研究によれば、オス孔雀の求愛行動は、
羽根の飾りより鳴き声」がキメ手だそうです。

人間の男が、変な声を発したら、キミが悪いだけ。



長谷川眞理子教授。日本の人類学者。総合研究大学院大学教授。専門は行動生態学。進化生物学の観点から人間の行動性向を理解しようとする進化心理学に関する著書が多い。『雄と雌の数をめぐる不思議』(中公文庫)など、性にまつわる問題(性選択)への関心が高い。

八十八夜 五月の風は鯉のぼりのサプリメント

2008-05-01 08:40:38 | 葉っぱの会

こいのぼり

  やねより たかい こいのぼり
  おおきい まごいは おとうさん
  ちいさい ひごいは こどもたち
  おもしろそうに およいでる
 八十八夜は立春から数えて88日目の日。毎年5月2日頃。今年はうるう年なので、今日がその日。
 夏への準備の日でもあり、3日後の4日が24節気の立夏
 「八十八夜の別れ霜」「八十八夜の泣き霜」などと言われるように、晩霜が発生する時期で農作業、農家に対して特に注意を喚起するためにある季節の節目でもある。
タニシの子ども時代には、天気予報の後に農家の皆さんは「遅霜に注意」という放送を聞いた記憶がある。最近は聞かなくなった。
地球温暖化による気候変動で、降霜現象そのものがなくなった?

 化石燃料大量消費の中国・アメリカが世界を壊している「地球環境汚染の元凶」

 地球の頂点・エベレストを私物化して、汚れた「五輪聖火」を頂上に運ぶため、登山者を締め出すという、とんでもない、許せない、恥知らずな開催国が「神の住む山を穢している」……


タニシは怒っている。


木瓜の花 紅くもあり、薄紅か、白か……花の妖変

2008-04-12 18:03:08 | 葉っぱの会


今年の春に出会った木瓜の花、デジカメデータから並べてみました。



花言葉も花の色に似ていろいろ。平凡、早熟、単調、単純、指導者、先駆者



薄雲の 影あまた過ぎ 木瓜ひらく(水原秋桜子)



木瓜の木の くれないうすく 茂れれば 雨は日毎に ふりつづきけり(長塚節)



赤らめる ぼけの蕾を 見て足らふわれの心を いとしみにけり(高田浪吉)



花はばら科。
同じ木から、白やピンクや赤が咲く。
同じ枝に紅白の花が咲くのも珍しい。



枝にはトゲがあって、香りもちょっと
なぜ 木瓜かと言うと実がなるのです
瓜の形をしていたから木瓜。



「日本ボケ協会」がある。ボケ愛好家の会でボケの花が好きで育てている人の会。



財団法人 ぼけ予防協会」というのもあります。
「ぼけ問題への対応の道を探り、豊かで明るい希望に満ちた長寿社会の実現をめざして活動する」団体です。事務局は毎日新聞社内にあります。

春耕 深耕 3月去る 別れと出会いの一日

2008-03-31 06:12:23 | 葉っぱの会

「一月往ぬる。二月逃げる。三月去る」という云い方があるという。

寒中の1、2月に身を縮めているうちに、花が咲き始めたと思ったら、3月も終わっていたという、月日の速さを表現したものでしょう。

光陰矢の如し 学成り難し

「サクラ咲く」「サクラ散る」この知らせで、喜びと、失意を味わう季節でもあり、人事異動発令で、人生の苦渋を味わった人も。
昨今は昇進し部課長になったからといって、喜ぶのは早い。
ノルマと長時間勤務でへろへろ。
その上、会社と部下から管理能力を問われ、過労死寸前の中間管理者が増えている。

この季節、タニシ的には「春耕」ならぬ「深耕」
深耕細作……深く耕し土中に酸素と太陽の日差し与え、深掘り畝盛りをしないといい収穫が出来ない。
ところが最近、ビジネス現場で「深耕」という言い方がトレンドになっている。
経営セミナーとか経営方針などの記事に良く出てくる。

タニシのデスク現場でも目にする。
「……組織改編で指導力強化・市場深耕を図る」や「……上記のケースは既存顧客深耕営業の典型として、」など。

知的深耕……タニシは三館めぐりです。
映画館、博物館、図書館。


蓬道渡る 匂い淡し 花菜風

2008-03-29 18:09:49 | 葉っぱの会

花菜、菜の花、油菜……菜種油の種になる。
一面青み黄色の花の匂いは、悩ましげだ。

菜の花畑は菜種油の原料の生産場であり。
菜の花畑にはまた、季節観が同居している。
季語の響きは美しい。……花菜雨、花菜風
 
この歌は誰もが歌ったことがある。

朧月夜:高野辰之作詞・岡野貞一作曲

菜の花畑に 入日薄れ
見わたす山の端 霞ふかし
春風そよ吹く 空を見れば
夕月かかりて 匂い淡し

里わの火影も 森の色も
田中の小径を たどる人も
蛙の鳴くねも 鐘の音も
さながら霞める 朧月夜

誰もが知っている句。
蕪村の「菜の花や月は東に日は西に」
こんな美しい句もある。
かあさんを泣かせた頃の花菜風(島谷全紀)

菜の花畑。
タニシの追想は祖母の搗く蓬餅。


早春の杜に吹くシンフォニーの爽風

2007-04-30 11:27:09 | 葉っぱの会

昨秋から冬眠したままのたにしの爺。
いまも半眼半睡です。
鳥啼き樹芽吹き花咲き風吹き渉る季節は五月。

今日はみどりの日

休眠のたにしのブログにも緑の息吹をアップしました。ゆっくり御覧下さい。



冬眠中にもかかわらず、訪れてくださった大勢のみなさま、有難うざいました。
これからも何かコメントを残していただければ、
たにしの爺はうれしい。


湧水田のたにしに吹く冬眠への風

2006-09-30 09:10:30 | 葉っぱの会

我に棲む風も音たて芒原稲岡長

昨年の秋、デジカメを手にしてから始めたこのブログ。1年めぐって再び秋に至った。
拙い写真に先人の名句、秀歌をお借りし、さまざまな感慨を「風に吹かして」きた。そんな風に吹かれて田園を徘徊してきた。
そろそろマンネリズムの感もあり、タニシは休眠することにしました。

想を新たに再出発も考えております。その節はまた、おいでいただくようお願いします。コメントをお寄せいただいた虫さんたちに「ありがとう」

願わくば、「戦後生まれの宰相の日本」--誤りなきナショナリズムの高揚を。
たにしは、アブクをひとつ吹いて土中に潜った。

勝手に風を吹かして ブログ開設一周年

2006-09-26 16:40:03 | 葉っぱの会
昨年9月なんとなく始めたブログ「たにしの風綴り」。感じた季節の写真を中心に綴って来ました。ビジュアルな画面を心がけてきたつもりです。アレコレ、コメントくだされば、嬉しいです。

秋から春へ<05・09・26~06・03・25>
春から秋へ<06・03・25~06・09・26>

06・03・25*ブログ開設6か月 季節の風
06・03・27*新芽萌え 春陽の弁天堂に芽吹く風
風綴り⑧<風の成句・四字熟語>
06・03・29*桜爛漫、サクラは散り際こそ、心うつ風情
06・03・30*なごり雪舞う球春、甲子園に吹く魔物風
06・04・01*4月「リセット・スタート」に吹く冷風
06・04・02*春の嵐に散りゆく花か……花吹雪の風
風綴り⑨<風に寄せる言葉>
06・04・06*清峰・初陣旋風、頂点目前で苦杯、センバツに新記録残す
06・04・07*お掃除小僧に吹く花吹雪の一念風
06・04・09*雨風に耐え、いまだ満開に吹くサクラ散らしの風
06・04・12*民主党新代表に吹く、サクラ吹雪
06・04・14*椿落として、過ぎるふたりに吹く爽風
風綴り⑩<風の付く氏名>
06・04・19*上野の森に吹く「スペインの誇り」至宝の風
06・04・23*奥峡谷の青波湖面に吹くダム風
風綴り⑪<風の付く山河偏>
06・04・26*窓いっぱいに日本海~「五能線」に吹く旅風
06・04・29*旧岩崎邸 踊り子草に吹く、不忍池を渉る風
06・05・03*新緑眩しく、若葉ゆらぎに吹く薫風
風綴り⑫<色の付く風、色を感じる風編>
06・05・05*手嶋龍一著「ウルトラ・ダラー」読後に吹く闇の風
06・05・08*落葉松林、天空の露天に吹く、浅間展望の風
06・05・13*「ダ・ヴィンチ・コード」の映画に吹く旋風
06・05・16*一人静、二人静に吹く舞い風
風綴り⑬<万葉集の風・その一>
06・05・19*早苗が根付く湧水田を渉る青嵐
風綴り⑭<初夏の風編>
06・05・21*みどり葉の風に乗って、何処に渡るのか花筏
風綴り⑮<万葉の風・その二>
06・05・24*エゴの花陰 オトシブミの揺籃揺する五月風
06・05・27*映画 ダ・ヴィンチ・コードに吹く暗号風
06・05・31*「知的な刺激」に魅せられた「魔女」の激風
06・06・03*水無月、湧水田…濡れ青蛙に吹く青田風
06・06・06*伽羅蕗(きゃらぶき)を摘むハシに吹く野地の風
06・06・12*梅雨の雫に耐えるアワフキムシに吹く櫛風
06・06・18*あっけなく閉会「小泉国会」に吹く虚脱の風
06・06・23*アメンボウが歩く、ブログ更新の谷間風
06・06・30*摘まんで含みたい、ヘビイチゴに吹く魅惑の風
06・07・01*今日から7月、ハンゲショウ生じて白い妖風
06・07・04*えんぴつで綴る「奥の細道」に吹く蕉風
06・07・08*映画「着信アリ final」死の着メロに吹く怨念の風
06・07・13*山の辺のヤマユリに吹く威風
風綴り⑯<しこ名に風の付く現役力士>
06・07・22*M:i:Ⅲ トム・クルーズに吹く不死身の風
06・07・26*梅雨明け 猛暑をしのぐ風力利用
06・07・29*蓮見の池に吹く極楽浄土の風
06・08・01*夏の夜に咲く花 カラスウリの花に吹く白糸の風
06・08・06*コットン、コットン 水車に吹くマイナスイオンの風
06・08・08*今日は立秋 秋に草冠の萩・ハギに吹く想い風
風綴り⑰<萩に想いを>
06・08・11*ムクゲ咲き誇る 歌人の庭に吹く清涼風
06・08・15*8月15日 終戦記念日に吹くそれぞれの風
06・08・18*風の通る道 夏草をわけて吹く台風の余波
風綴り⑱<いまさら人に聞けない台風の基礎知識>
06・08・23*今日は24節気の処暑 残暑に吹く涼風気配
06・08・27*スーパーマンの故郷・冥王星に吹く矮惑星の風
06・09・01*今日から9月 ヘクソカズラの清楚な小花に吹く秋風
風綴り⑲<台風の兄妹>
06・09・05*ツリフネソウに吹くハンの木林の下風
06・09・06*秋田・にかほ市に吹く黒獅子旗の雄叫び風
06・00・00*絶滅危惧種・アサザの花に吹く白露の風
06・09・12*きひろ鮮やかオミナエシ 秋の七草に吹く香風
風綴り⑳<風の付く文芸作品>
06・09・15*秋天もどり・吾亦紅に吹く黄金風
06・09・19*学校田のかかし・案山子に吹くコンテストの風
06・09・22*台風の雨止み、集く虫の声乱す余波の風
風綴り/21 <秋の虫といえば>

おことわり
身辺に少し変化があり、しばらくの間、ブログの更新が疎らになります。時々は見に来てください。