ボイマンス美術館所蔵、ブリューゲルの「バベルの塔」
--16世紀ネーデルランドの至宝-ボスを超えて--展が、
上野公園の東京都美術館で18日から始まりました(7月2日まで開催)。
公式サイト
19日(水)は月に一度の「シルバーデー」でしたので観てきました。
10時に同美術館について30分ほど並びましたが、20人程度づつの仕切り入場で、
会場内は人垣がなく、ストレスなしに観賞できました。
見どころの一番は、
ブリューゲルの最高傑作「バベルの塔」が24年ぶりの再来日ということです。
壮大な風景と驚異的な細部が凝縮された描写がすごいです。
もう一つの見どころは「奇想の画家」ヒエロニムス・ボスの油彩作品2点です。
日本初公開の「聖クリストフォロス」「放浪者」(いずれも1500年ころ)。
分割して細部を拡大した参考図も展示され興味深いです。
さらにすごいのは、16世紀になって「ボス」を真似する作家が続出し、
「真似ボス絵」(今風に言えばイラスト・白黒)のリバイバルです。
ボスのように描いた凶々しい、奇怪な絵の数々にびっくりです。
1500年代・16世紀のネーデルランド(オランダ、ベルギー)の絵画・彫刻、
宗教・キリスト教を題材にした小品群がたくさん見られます。
500年以上も前に板に描かれた色彩の豊かさに驚かされました。
2時間ほどで出て、同行者が東京芸大を見たことがないというので、
美術学部のキャンパスなど歩いて、学食など覗ききました。
若い美学生たちの笑顔が眩しかったです。
同大学COI拠点(上島珈琲カフェと国際こども図書館の間)で、
昼と夜の「立体バベルの塔」を体感出来ました。
オランダ芸術科学保存協会との連携して、
「バベルの塔」の精緻なクローン文化財を制作したものです。
塔のリアル感はもちろん、作業者の動きまで体感できる(実際に動いている)、
最先端技術の立体的展示での凄さを知りました。
ブリューゲルの実絵画もさることながら、
こちらの、現代版「バベルの塔」を観に、ぜひ足を伸ばすべきです。
旧約聖書「バベルの塔」の物語についてはwebでどうぞ。
上野の森は緑と好奇心に満ちていました。