あけましておめでとうございます。今年も宜しくおねがいします。さて、新年最初は中国官僚の慣習について、天王寺動物園のキジの仲間と一緒に紹介しましょうです。・・・中国南東部に分布するキジ科のコジュケイ(小綬鶏)
秦の始皇帝(在位は、紀元前247~同210年)以降、2千年以上王朝の支配を受け続けていた中国人官僚には、連綿として引き継がれている慣習があります。・・・ヒマラヤ中東部に分布するキジ科のヒオドシジュケイ(緋縅綬鶏)
日本の江戸時代から明治末期、清王朝(1616~1912年)が中国を支配していて、康熙帝・乾隆帝(在位1735~1796年)時代にはその絶頂を極めています。・・・中部ベトナム山岳地帯に分布するコサンケイ
乾隆帝の末期、皇帝が最もお気に入りだった人物が、満州旗人(徳川幕府の旗本に相当)の和珅(ヘシェン・わせん1750~1799年)です。・・・インド北部の高山に分布するニジキジ
和珅は、とんとん拍子に出世して首席軍機大臣となり、さらに官吏の任免、財政、裁判権を一人占めする吏部、戸部、刑部大臣を兼務、朝廷への献上品の最高のものは和珅へ、二番手が皇帝にという実力者となっています。・・・ニジキジの♀
乾隆帝時代の和珅は、銀一万両(5千万円)くらいの賄賂は受け取らなかったといいますが、乾隆帝の死後、嘉慶帝(在位1796~1820)によって自死を命じられ、没収された財産は8億両(4兆円)、和珅は当時世界一の富豪だったのです。・・・日本のキジ
当然、嘉慶帝とその次の道光帝(在位1820~1850年)時代にも官僚汚職は続き、その慣習は彼らの子孫でもある現代中国のトップにも連綿と伝わっているように見えます。・・・キジの顔も虹色
中国憲法では、中国共産党が国家を領導(上下関係を前提とした指導)するとされ、中国共産党の最高指導者が中国の最高指導者と定められています。従って皇帝に相当するポストが中国共産党主席、主席軍機大臣のポストに相当するのは国務院総理(首相)でしょう。・・・マレーシア・スマトラ・ボルネオに分布するウチワキジ
乾隆帝の目の黒いうちは嘉慶帝ですら和珅の汚職に手が出せなかった訳ですが、今の中国共産党主席も前前代、前代共産党主席の側近人物の汚職摘発は困難なようです。・・フィリピン・パラワン島に分布するパラワンコクジャク
2012年11月、米紙ニューヨーク・タイムズは北京電で、中国の温家宝首相の母親や妻、弟、長男ら親族が計約27億ドル(約2150億円)相当を蓄財したと伝えていますが、中国における古くからの慣習と考えればおかしくありません。
参考文献:世界の歴史9(最後の東洋的世界)責任編集 田村実造