阪急神戸線の六甲駅で下り、鶴甲行きの市営バスに乗って六甲山の山裾にある神戸大学近くまで来ると、六甲川沿いの急な斜面にマンションが一杯建っています。
六甲川の右岸を少し上ると、神戸松陰女子学院大学のキャンパスで、女子大らしい綺麗な校舎が斜面に点在していました。
その南側にある広い通学道路が西に突き当たった地点に「ジークレフ六甲の丘」という分譲マンションがあります。
このマンションの全面道路の勾配を見ると、真夏に外を歩くのがどれほど困難か理解できるのではないでしょうか。
さて、この敷地にはもともと神戸製鋼所の古い社員寮がありましたが、1995年の阪神大震災でダメージを受けて取り壊され、震災復興住宅として1999年にこのマンションが建てられています。
ジークレフ
写真のコンクリート打ち放し仕上げを見てすぐ判ると思いますが、設計者は安藤忠雄建築研究所です。
ジークレフ
年月が経っても古さを感じない安藤デザインの特長でしょうか、完成から既に10年が経過していますが、全く古いマンションという印象はありませんでした。
ジークレフ
実は、このジークレフ六甲の丘の南側には、同じ安藤氏の設計の「パラマウント六甲」(1993年完成)、さらにその西に隣接した土地に「ザ六甲アパートメンツ」(1983年完成)という二つのマンションがあるのです。
ジークレフ
安藤忠雄建築研究所では、最初の「ザ六甲アパートメンツ」を六甲の集合住宅Ⅰ、「パラマウント六甲」を六甲の集合住宅Ⅱ、「ジークレフ六甲の丘」を六甲の集合住宅Ⅲと呼び、阪神間を代表する集合住宅作品としているようです。
ザ六甲アパートメンツとパラマウント六甲(右)
Yahooのスクロール地図を見ると、マンション名はちゃんと出ていますが、「六甲の集合住宅」とは出ていないので、近くまできてそれを探すのに苦労する人が多いようです。
ジークレフ六甲の丘前の道路
では、早速「ジークレフ六甲の丘」の前の道路を下り、「六甲の集合住宅Ⅰ、Ⅱ」が見える場所まで私がご案内しましょう。 つづく