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兵庫県立美術館は、神戸ゆかりの金山平三と小磯良平の作品を遺族や関係者から寄贈を受けて数多く所蔵している。



金山 平三(1883~1964年)は、黒田清輝らに師事し、東京美術学校(現東京藝術大学)西洋画科を首席で卒業している。

28歳から31歳までの間はパリを拠点にしていたが帰国後、文展初出品の『夏の内海』特選を皮切りに官設展での受賞を重ね、弱冠36歳にして帝展審査員に選ばれている。

南側から見た美術館



1935年の帝展改組を機に中央画壇から去り、その後は日本の風景を描くために旅を続けたというが、展示された24作品の殆どが金山 平三の妻であった金山らくさんの寄贈品である。

金山らく(1888~1977年)は、女性として帝国大学(東北大学)に入学した最初の人で後に数学者となったらしい。

金山の作品



小磯良平(1903~1988年)は、東京美術学校(現東京芸術大学)西洋画科に進み、猪熊弦一郎・岡田謙三・荻須高徳らの同級生と画架を並べる。在学中に、『兄妹』が帝展入選、『T嬢の像』(1926年)が帝展特選を果たしている。

実はその『T嬢の像』が展示室に展示されていたが、80年前に描かれたとは思えない美しい作品であった。

武田繁子さん寄贈のT嬢の像



小磯良平の20作品が展示されていたが、そのうち12作品は武田繁子さんという人からの寄贈と書かれている。

武田繁子さんのことを調べてみると、武田薬品6代目当主武田長兵衛氏の妻で、現在の社長武田國男氏のご母堂、実家は食品商社「国分」のオーナー国分家であった。

武田繁子さん寄贈の合唱



小磯良平は、1956年から,武田薬品の機関紙「武田薬報」の表紙に薬用植物画の連載を始めているのでその縁で社長夫人であった武田繁子さんが小磯の作品を購入していたのであろう。

ミュージアムショップ



2階奥の常設展示室6には、近代の洋画を展示していたが、黒田清輝、藤田嗣治、安井曽太郎、岸田劉生など日本の大家の作品とマネ、カンディンスキー、ルオー、ミロなどの海外の有名画家の作品が展示されていた。

美術館から三宮方向を望む



ほかにも、神戸市生野町生まれの三巨匠、白滝幾之助、和田三造、青山熊治の作品、ヨーロッパ旅行から帰国後神戸に住んだ林重義、晩年芦屋に住んだ小出楢重の作品などがあった。

隣は国際健康開発センター(WHO神戸センター)



これだけの作品を入場料500円で見ることができるので、兵庫県立美術館は格安である。


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