読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

青春のうた 第44巻 1970年代前期②

2007-10-15 20:03:46 | 読んだ
1.ナオミの夢/ヘドバとダビデ 1971年1月

外国の曲なのだが、日本風の曲調で日本人ごのみの歌だと思う。

「大人の歌」っぽい歌詞に、明快な曲調、そして繰り返される「ナオミ」というコトバ。

曲調は「のれる」のだけれど、俺たちのうたではないな、というのが当時の印象だったと思う。


2.イメージの詩/よしだたくろう 1970年5月

この歌を聴いたのは1970年ではなく71年後半以降ではないだろうか。
吉田拓郎が、結婚しようよ、でメジャーになっていくところで、こんな歌も歌っている、というような情報として聴いたような気がする。

ともかく長い歌である。
そして、いわゆるメッセージソングといわれたように、何かを訴える、そんな力があるような気がして、俺たちの歌、という思いがあった。
つまりは大人たちには分からないだろうが、俺たちはこんなことを思っているんだ!という、叫び、があったような気がするのである。

このシングル盤はオリジナルというかその後アルバムなどで聞いたものより短く、つまりは歌詞が省略されている部分がある。

3.悩み多き者よ/斉藤哲夫 1970年2月

斉藤哲夫は吉田拓郎ファンの私としては「されど私の人生」の作者として知っている、しかし、彼の歌は聴いたことがない、のである。

斉藤哲夫って哲学者的な歌を歌うんだろうな、と思っていたが、その後「今の君はピカピカに光って」という歌ででてきて『あれえ?!』ってなカンジだった。

で、この悩み多き者よは、哲学者的な歌である。
でも、今になって聴いても「そうですか」というような印象にしかならない。
若い時に出会っていればなあ、と思うのである。

4.淋しい気持ちで/シバ 1972年4月

シバという人も名前は知っていたのだが、若い頃にその歌を聞いたことはなかった。
また、若い頃は、高田渡や加川良や西岡たかしなどの歌もあまり聞かなかった。

あまり社会的な現象について興味がなかったのである。
どちらかといえば、一人の人間としての思い、のようなものに傾倒していたような気がする。

それと「貧乏な生活」についての歌というのも、なんだか身にしみてつらいので、聴きたくなかったのである。
貧乏で金がなくても「夢」だけは持ち続けたい、という、よく言えば前向きな、実際は現実逃避のようなそんな心持だったようなきがする。


5.夢は夜ひらく/三上寛 1972年4月

三上寛は怨念を歌う人、というのが定番である。

何をもって「怨念」というのかよく分からないのである。
もう我々世代ではあまり「怨念」というのはなかったと思われる。

それから三上寛の歌はあまり放送されなかったので、どんな歌を歌っているのかよくわからない状況であった。

シバのところでも述べたが、どちらかといえばあまり興味のある歌ではないので、熱心に聴くこともなくいたのである。

10年位前にこの人のコンサートを聴いた。
コンサートといったって30人も入れば満員というようなジャズ喫茶が会場である。
その1番前で聞いた。
腹の底からこみ上げてくるようなコトバであったし、なにか諭されているような感じがした。
あまりに近すぎて、ときどきつばが飛んでくるそんなコンサートであった。

6.少年/浅川マキ 1971年10月

今回の第44巻は「アングラ特集」ともいうべきような曲ぞろいである。

浅川マキは「アングラ」(アンダーグランド)の象徴ともいうべき人である。
なんだか「けだるく」、世の中のことなんかどうでもいいような素振りで、実は世の中のことを憂いている、そんなカンジなのである。

で、私はあまり「アングラ」というのが好きではなかった。
屈折したカンジ、というのが、なんだかいまいち、だったのである。

自分が相当屈折しているので、まっすぐ系が好きだった。のである。

といいながら、浅川マキの歌はなんだか沁みていたのである。

コメント
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