読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

再会 -慶次郎縁側日記2- 北原亞以子 新潮文庫

2010-11-30 23:27:49 | 読んだ
慶次郎縁側日記、今更ながらはまっている。

この第2巻が文庫本になったのは平成13年である。
小説新潮に掲載されていたのはわかっていたが、なぜか読まずにいた。
で、最近、小説新潮に掲載されていたのを読んで
「これはなんだかおもしろい」
となり(2010年4月14日ブログ参照)、第1巻の「傷」を読んだ。(2010年9月2日のブログ参照)

で、第2巻を探していたのである。
絶対読みたいと思えばインターネットで注文したらいいのである、しかし、本屋で見つけるまで待ったのである。

なぜかといえば、第1巻の「傷」はとても悲惨なものであり、果たして慶次郎についていけるのだろうか?というかすかな逡巡があったこと。そして、出会わなければそれで縁がなかったんだという考え方を持っていること、である。

この物語の主人公:森口慶次郎は「仏」と呼ばれた同心である。
それが仏を鬼に変えるような事件に遭う。
結婚を間近にした娘が男に犯され自殺したのである。

今(つまり物語の舞台上)では、慶次郎はその職を義理の息子に譲り酒問屋の寮番をしている。
そして「鬼」にはなっていない。

何故鬼にならなかったのか、ということを、この物語では解き明かしていない。
解き明かしていないが、なんとなくわかる。
一つは「鬼」になりきれない強さが慶次郎にはあるということ。
もう一つは「鬼」にはさせない周囲の人間がいるということである。

というわけで第2巻は、心温まる物語の連続である。
文庫本1冊に12の物語が入っている。
で、どれもが「いい」のである。

この物語の特徴は、完全に解決していない形で終わることである。
そして、それぞれの物語の主人公がいるということである。

で、物語が終わったとき、読者はその後を想像し、ハッピーエンド、であることを確信するのである。

すがすがしい、ぬくもりのある、という読後感はあまりにも当たり前すぎるのだが・・・第3巻を読み終わる前にあらたな読後感の表現を考えておこう。
ちなみに、第3巻の「おひで」もなかなか本屋さんで見つけられないので第2巻と一緒に購入している。

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酒のほそ道 「酒と肴の歳時記」:秋の酒肴セレクション ラズウェル細木 Gコミックス

2010-11-27 22:03:15 | 読んだ
この漫画は面白い。

なんといっても、何でもおいしく飲み食いするのがいい。

ゴタクというかウンチクを述べたりするが、御託でもなければ薀蓄でもない、カタカナ系の軽さなのである。

酒類や食べ物の出自がどうであろうと「うまければいい」という姿勢が良い。

今回は「秋」の酒と肴であるが、これで四季全て読んだことになる。
毎晩、2~3話読むのだが、飲んだ気分食べた気分になり、なおかつ満足している。

この物語を読んで、飲んでみようとか食べてみようと思わないのは、どういうことだろう。

うまそうなのだが、私的には量的に多いような気がする。

主人公の宗達が若いということもあるのだが、それにしても食べすぎである。
宗達が病気ならないことを祈る。

それからこの主人公:宗達はなんといっても「呑み仲間」に恵まれている。

酒を呑み何かを食べるとなれば、なんといったって「相棒:呑み仲間」が必要である。
ラーメンとかの食べ歩きならば一人ということもあろうが、どんなにおいしい酒であろうと肴であろうと、一人では美味くない。

彼ら呑み仲間と切磋琢磨?しているところが、この物語のいいところである。

それともうひとつこの物語で気になることがある。
彼の呑み仲間でもある同僚の『かすみちゃん』との関係である。
昔の「赤線」めぐりをつき合わせたりするくらいの関係のクセにいまひとつなのだ。
ウィキペディアには同僚以上恋人未満の微妙な関係とある。
そのあたりもこの物語のおもしろさなのかもしれない。

というわけで、次が出るのを待とう。
(とかいって単行本全巻をまとめ買いしようかと思ったりして・・・)

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NSPのこと

2010-11-23 23:41:13 | 観た、聴いた
22日に盛岡出張であった。
非常に有意義なフォーラムに出席し勉強し、さらには懇親会に出席して多くの人たちと交流を深めてきたのであった。

で、盛岡まで自家用車で行ってきたのだが、そのドライブの最中に『何を聴くか』ということで、岩手県出身のNSP(ニュー サディスティック ピンク)を選んだ。

彼らは、岩手県一関市にある国立一関工業高等専門学校出身で、全員岩手県民であった。
学生時代、NHKFMの岩手にテープを送ったのが評判を呼び多くのリクエストがきて、その後ヤマハポピュラーソングコンテストを経てプロデビューする。

ちなみにNSPのもとであるニューサディスティクピンクというのは彼らがロックをしていた時代に命名したものらしい。

私は、当時土曜日の午後はNHKFMの岩手を聞いていたのだが、その時聴いた「あせ」にはショックを受けた。
アマチュアで、私と3歳しか年が違わず、そして岩手県とはいえずっと近くに感じることができる一関の人たちが、完成した歌をうたうということにショックだった。

歌はそんなに遠いところにあるものではないんだ、ということを凄く感じることができたのである。

というようなことを思い出しながら、NSPの歌を聞く。

「あせ」
♪つぶつぶの しょっぱい汗を つぶつぶの 汗をながし♪
という部分が、斬新で耳に残る。

青春の苦しさとそれを乗り切ろうとする根拠なき自信がいい塩梅にまじりあって明るい仕上がりがとってもいい。


「さよなら」「雨は似合わない」
この、二つの歌に登場する女性が好きだ。
絶対に、東北地方の一関近辺の女性だと思う。

『さよなら』では二人で炬燵に入っている時にみかんをむいてくれた。
『雨は似合わない』では、一つのマフラーを二人でして、彼女のポケットで僕の手を温める、そしておでことおでこをくっつけて話をする。

ああ、胸をかきむしりたくなるようなシュチュエーションである、
僕は言いたい、なぜそんな女の子と別れたのか!

ちなみに『雨は似合わない』は私のNSPナンバーワンの曲である。

「夕暮れ時は淋しそう」
これはNSPの中では最もヒットした歌である。
♪こんな河原の夕暮れ時に 呼び出したりして ごめん ごめん♪
という部分は一関の中心部を流れる磐井川の河原を目に浮かべることができる。
今では公園として整備されたが、当時はあやまらなければならないような場所だったんだろう。

なんて事などを思い浮かべ、一緒に歌っているうちに盛岡に到着したのであった。

いつか聞くことができると思っていて、コンサートに行かないでいたのが非常に残念である。

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美味しんぼ105 続・食と環境問題 作:雁屋哲 画:花咲アキラ 小学館

2010-11-10 23:03:07 | 読んだ
この物語を読み始めて105巻。
最初はとてつもなく面白かった、続いて感心した、そして飽きてきた、がやめられない。

今回は「食と環境問題」について連作9話である。
食の視点から環境について考えている。

この物語が始まった頃からのテーマでもあるように思える。
しかし、この物語が始まった頃(1983年)から「おいしいもの」は無農薬有機栽培の野菜とか、精魂を込めて育てた牛や豚、天然で旬の魚であった。

最初はおいしいものはそういう素材でつくられたものとしていたが、年代が進むにつれて、素材そのものにこだわり始めた。

日本全国味巡りなどは、そちら方面に行ってしまったものだと思う。

そしてついに「食文化を守る」ということから「日本人の健康を守るには環境問題」というように膨れてきた。

そういう流れというものを否定するわけではないが、この物語のもう一つのテーマである「愛する者への心を込めた料理」が徐々に少なくなっているのが残念である。

社会問題を扱うのは、主人公の山岡やゆう子の年齢と社会的地位が上がっていること、そして何より「美味しんぼ」の社会的影響力が大きくなったことによると思う。

最初は反社会的というか、一介の新聞記者が特異な能力を発揮して「おいしいもの」を求め権力と対決するという状態であったのが、今では物語も著者も権威になってしまった。

形こそ反権力的であるが、なんだか違う物語になってきたように思えるのである。

といいながら、これからも読み続けていくのは、単に「終わり」が知りたいからなのである。

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岩手紫波~早池峰~北上川

2010-11-08 21:39:53 | 観た、聴いた
土曜日に岩手県の紫波町に行った。
環境と水道に関するフォーラムがあり行ったのである。

で、日曜日は岩手県を車で走ってきた。

第1の目標というか目的は、紫波町の「道の駅紫波」に隣接する「産直センターあかさわ」でフルーツときのこを買うこと。



ここは毎年何かにつけて訪れている。
特に秋はぶどう、りんご、なし、ラフランス、柿などのフルーツと、キノコ類を求めていく。

なかでも「ぶどう」はワインを生産していることもあって一番の目的である。
しかし、今年は訪れのが遅くぶどうの季節は終わった。

とはいうものの、ぶどう、りんご、ラフランスを求め、そしてきのこを3種類購入したのであった。
と、もっとキノコがほしくなった。

車に戻って地図を広げると、19kmのところに道の駅早池峰がある。
ここには絶対キノコがあるとにらみ「折壁峠」を越える。



こえてみたのが早池峰山だと思う。
一度は早池峰に行ってみようと思っていたので今回はチャンスである。

で、道の駅早池峰


そうしたらなんと、売店が店じまいをしていた。

多分、道の駅と隣接する施設は、ダムと併せて整備されたのではないか?
そういう施設は市場のテストをしていないことが多く、廃止、の憂き目にあうのだが、ここもそうだろうか?
別に「事業仕分け」をしなくてもダメなものはダメになるのだ。

ということで、なんだか気持ちが萎え、早池峰へは行かず大迫に下りる。
で、大迫の産直場でまたきのこをゲットする。

大迫から東和そして北上市に降り、北上川沿いの「お滝さん」で休憩する。
誰もいないのでゆっくりできた。



さて、家に帰ってきての夕食は「きのこ鍋」



左側のザルにはいっているのが「なめこ」
右側のザル中央は「むらさきしめじ」その下には「くりたけ」右側には「銀だけ」など、いやあうまかった。
特に今回初めて食した「銀だけ」は食感がよくうまかった。

それから今度は早池峰山を目標に出かけてみよう。

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てっぱん NHK朝の連続ドラマ

2010-11-01 23:41:27 | 観た、聴いた
NHKの朝の連続ドラマ(正式には連続テレビ小説というらしい)は、BSハイビジョンで7:30から、BS2では7:45からと再放送が19:30、地上波総合では8:00と再放送が12:45と、一日5回も放送されている。

私は、出掛けの7:30からと7:45から、或いは昼休みの12:45のいずれかで見ている。

この習慣は、近年ずっとなので朝ドラは見ているほうである。
しかし、真剣に見るというのは少ない。
このごろでは、前作の「ゲゲゲの女房」は真剣に見ました。
それから平成19年の「ちりとてちん」とその前の前「芋たこなんきん」を見ました。

で、今回は期待をしていなかったのであります。
どうもチャラチャラしたドラマのように予告編をみて思っていた。

でも「習慣」でみていたら、富司純子の存在感がすごい。
怖い顔、優しい顔、寂しい顔、それぞれの場面で見せる顔がいい。

それからその役が「いい人でないおばあさん」というのが、ドラマに迫力というかメリハリを出している。

緊張感と、関西ドラマの「あそび」みたいなものがよく溶け合っていて面白い。
これからどうなるのかとか、主人公がんばれとか、そんなものはどうでもよくて、ただ面白い。

でも、底にあるのが複雑な関係で、それが今までは凍結していた関係で、多分これから融解していくと思われるので、ちょいと涙ぐんだりするんだろうと思う。

ところで、この物語の舞台は尾道と大阪のようだが、尾道の人たちの出番はどうなんだろうかと、余計なお世話ながら心配をしている。
というのは、オープニングの音楽(葉加瀬太郎がいい)にあわせて踊る「てっぱんダンス」って尾道の町おこしにいいよなあと思っていたからである。
でも、誰がどこで踊ってもいいらしい。

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というわけで、てっぱん、毎朝楽しみにしている。
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