読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

乱雲~隠蔽捜査3~ 今野敏 小説新潮連載-10月号最終回-

2008-09-30 23:22:57 | 読んだ
小説新潮に「短期集中連載」として6月号から5日にわたり連載されていた「隠蔽捜査」シリーズ(竜崎シリーズ)が10月号で完結した。

この竜崎シリーズはなんだか読んだ気がするなあ、と思っていたら小説新潮5月号で短篇「冤罪」を読んでいたのであった。その短篇は竜崎はわずかしか登場せず伊丹が主人公であったが・・・(読書日記参照<2008.05.13>)

さて「乱雲」であるが、主人公の竜崎は『原理原則』を非常に重要視する人物であり、そのことは恋愛にも該当し、ゆえに妻からは『唐変木』と呼ばれている。

その竜崎はキャリアの警察官であるが失敗があって今は「大森警察署」の署長である。
その署長が、アメリカ大統領の訪日にあたって、警備に関する方面警備本部の本部長に任命される。
原理原則から言えばそれは大森署が属する第2本面本部の本部長の任なのであるが、階級からいえば竜崎が上であるという理由によるものらしい。
それは期待なのか陰謀なのかはわからない。

竜崎はその仕事を始めは軽いことと考えていたが、訪日が近づくにつれ様相は厳しくなってくる。
そしてアメリカからやってきたシークレットサービスにより「大統領暗殺」の企てがあることを知らされ、その対策にあたらなければならない。

この企てと対策に対応することもこの物語のおもしろさなのであるが、もうひとつこの物語には柱がある。
それは竜崎の恋である。

原理原則を最重要視する竜崎が、50歳を目前として恋に陥る。
このときの竜崎の行動と心理はいかなるものなのか?

見ようによってはコメディーにもなりそうであるが、警察小説として骨太のところはきっちり押さえてあり、なかなかに面白い物語であった。

これを機に隠蔽捜査1と2についても読んでみようと思う。

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ひかりの剣 海堂尊 オール読物連載

2008-09-27 23:28:54 | 読んだ
オール読物に昨年の8月からほぼ隔月で連載されていた小説で、本年の8月号で終了した。全8話であった。

海堂尊といえば医療に関する小説、というのが印象であるが、この物語はちょっと違う。
登場する人物たちは医学部の学生であったり、医師(医学部の先生)であったりするのだが、医学的なところはほとんどなく、剣道に関する物語なのである。

ただひたすらに「剣道」の話なのである。
女性も登場するが「恋」という話題にはならない。

主人公は2人。
一人は桜宮・東城大学医学部の速水晃一、そしてもう一人は東京・帝華大学医学部清川吾郎である。

二人は全国の医学部の剣道全国大会である「医鷲旗」を巡って戦いを繰り返すのである。
速水は真面目な努力型の剣士。
一方清川は独善型の天才型の剣士。

大会は団体戦である。したがって、自分ひとりが強くても優勝はできない。
そこで、速水は練習に打ち込む。
清川は作戦を練る。
さて、その結果は・・・

くどいようであるが、この物語はただひたすら剣道に打ち込む医学生を描いている。
青春なのである。
さわやかなのである。
汗臭いのである。

そして大学生であるということと医学生ということから、剣道を通して自分の生き方というものを問う或いは生き方を探っているという、高校生の剣道や剣道専門の大学生とは違う展開となっている。

読み終わって、青春っていうのは本当にいい物語になるんだなあ、としみじみ思ったのである。

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乱反射 貫井徳郎 週刊朝日連載-10月3日号最終回-

2008-09-25 22:57:00 | 読んだ
今の週刊朝日は連載のものが「いい」ので読んでいる。
その「いい」と思っていた「乱反射」が最終回である。

最初は何の話なのかよくわからなかった。
街路樹をめぐってさまざまな人が登場し、彼・彼女たちの生き方について語られる。

道路拡張に伴う道路買収の仕事や苦情処理をする市役所職員
並木伐採の反対運動をする主婦
汚れに非常に敏感な樹木診断士
車の運転が苦手な娘
姑と嫁があわないで苦労している夫
犬の散歩をいている男

彼らはそれぞれに人生においてモヤモヤした事情を抱えている。
その事情を何とか克服しようともがいている。

ある日、街路樹が倒れ子供が亡くなる。

その原因を探す新聞記者の父。
そしてそれは多くの人たちが何気なく行っていたことのいわば「集大成」のようなものであった。

我々が何気なく悪気もなく行っていることが実は大惨事の要因となる、ということはあるかもしれないことである。
そういう時、我々はその責任を負うことができるだろうか。

例えが悪くてなんなのだが、この物語は「風が吹くと桶屋が儲かる」というような連鎖で、桶屋が風に御礼をするのか、或いは風は桶屋に感謝されたいのか、というようなカンジである。

これを連鎖と呼ぶのか?

そういう意味で著者はこの物語の題名を「乱反射」としたのではないか。

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阿片王~満州の夜と霧~ 佐野眞一 新潮文庫

2008-09-23 16:17:44 | 読んだ
佐野眞一のノンフィクションは読み応えがある。
膨大な資料と綿密な取材に基づいたものであることが読むとよくわかるのである。

今回は「満州」が主題である。
本書と「甘粕正彦 乱心の曠野」が対になっているとのこと。
こちらはまだ文庫化されてはいない。

さて、本書は週刊新潮に短期連載したものを全面改稿し単行本それを大幅加筆したものである。
発表してから更に情報が寄せられ、謎のままであったところや新たなつながりがわかったことなどが追加されている、らしい。

本書の主人公は「里見甫」という人物である。
歴史の教科書では現れない名前であるが、歴史というのはこのような「陰」で動いている人間も絡んでいる、ということが本書を読むとわかる。

満州国というのは日本の傀儡という国であった、というのが私の認識であり、その主導権を握っていたのは、日本陸軍の「関東軍」である、ということもまあなんとなく承知していたことなのであった。

「国」というのは基本的には「租税」で成り立っているものであるが、満州国は租税を納めるだけの庶民が少なかった、そこで用いられたのが「阿片」である、というのが著者の調査検討の結果である。

阿片というのは日本では忌み嫌われるが中国ではそうでもないらしい。それは人生や生活というものにたいする姿勢や考え方の違いらしい。
そういうものを利用して阿片で財政を補おうとするアイディアが生まれたようである。

しかし、日本人の考え方はいわゆる表面的には「清く正しく」であり、政府や軍が直接そのような「悪」に関わることはできない、そこで民間にまかせる。

その任された人物が里見甫ということである。

本書に登場する人物たちは、得体の知れない、胡散臭い、ずるがしこい、そんな人たちである。
そういう人たちでなければ、当時の中国では成功できない或いは生きていけない状況のようであったことが、本書を読むとわかる。

本書を読むと、当時の日本の指導者たちは(今もそうなのかもしれないが)日本という国をどうしようか、或いはどのような国が日本なのか、ということを深く考えず、ただ目の前の損得(よくいえば正義)だけで日本を導いていたのではないかとおもわされる。

だから、謀略とか阿片とかを使って満州国を建国し維持しようとした。
しかし、そういうものは遂には中国或いは世界に通用しなかった。
そういう意味で、日本とはなんなのか、ということを著者は問うているのかもしれない。

姉妹書の「甘粕正彦」楽しみである。

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サンテミリオンバラ園~岩手県紫波町~

2008-09-21 22:13:23 | 日々雑感
昨日、前から気になっていた岩手県紫波町のサンテミリオンバラ園に行ってきた。

お仕事というか研修で岩手県矢巾町をたびたび訪れているのだが、その際に紫波ICからサンテミリオンバラ園の旗があり、どんなところだろうと思っていたのである。

では、

入園するとこういう光景が印象的に出迎えてくれます。
 

レストランと宿泊施設である。
このレストランで「きのこのパスタ・ペペロンチーノ」をいただいた。
ちなみに宿泊施設は洋室(ツイン)が2室、和室(4人)が1つであるそうだ。


気に入ったバラの花、特に黄色のはよかったです。(ちなみに「フリージア」という名前であります)
 

やっぱりバラは「赤」というイメージ
 

バラというと華やかなカンジであるが、ちょっと落ちついたカンジのもの
 

ちなみに入園料800円(コーヒー飲み放題)+パスタ500円のBコースでした。気になる方はネットで「サンテミリオンバラ園」を検索してください。

さて、このあと道の駅「紫波」に寄って、フルーツ(ブドウ、梨、プルーン)を格安で購入。フルーツの香りに包まれた産直センターというのも珍しかった。

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青春のうた 第68巻 1980年代前期10

2008-09-20 23:06:17 | 読んだ
1.ライディーン/YMO(Yellow Magic Orchestra) 1980年6月

わたし、テクノポップ、といわれるものは苦手なのです。

何故なのかはよくわからないのである。つまりは感覚の問題だと思うのであるが・・・

で、今回このライディーンを聴いて、何故苦手なのかを考えてみたのである。

結論としては、機械的であるためスキがない、ということなのではないかと思ったのである。
キッチリしすぎていている、ということに快感を覚えない性質なんだと思う、いろいろな音が重なったときにでる響きというのが音に幅と

いうか深さというものを生むのではないだろうか。
その響きというのは、演奏者自身にも予期せぬというか計算のできぬものではないだろうか。

それがテクノポップでは計算に近いものになっているんだと思う。
そのあたりが「苦手」のよういんではないだろうか。

ただし、苦手であっても「いいなあ」と思うものはあり、このライディーンは『いいかも』とおもうのである。
その要因は、この曲がYMOのメンバーである高橋幸宏の鼻歌を坂本龍一が曲に仕上げた、というところ、つまり「鼻歌」から始まったと

いうことにあるのではないか、なんて思うのである。


2.涙をふいて/三好鉄生 1982年8月

栄養ドリンクのコマーシャルソングで聴いていたときは『いいんじゃないか』と思っていたのである。

その後ヒットして三好鉄生が歌うのを聴いたときはなんだか恥ずかしいカンジがしたのである。

わたし、テクノポップが苦手であるとともに、このように「元気出せよ!」タイプの歌もなんだか苦手というか恥ずかしいのである。
だから、この歌をカラオケで元気よく歌っている人をみると「勘弁してよ」と思うのである。


3.チャンス/大貫妙子 1981年7月

大貫妙子って「都会的」というイメージがあって、これまた苦手というか「敬して遠ざける」という態度であった。

それから一度コンサートに行ったことがある。
そのときは途中から眠ってしまい同行者に大いに顰蹙を買ってしまったのである。

このチャンスという歌は今回はじめて聞いた。


4.早春物語/原田知世 1985年7月

原田知世の歌は「頼りなさ」がとってもいい。

歌がうまい、というのはどういう定義なのだろうか、と思うのである。

僕らが若いころ、例えば天地真理や浅田美代子なんか「歌が下手」といわれていたが、でもなぜヒットしたのだろう。
それは「味」なんだと思う。
味というのは人間が形成されて得られるものだけではなく、彼女たちは若いころの「味」がよかったのである。

原田知世の歌も「うまい」とは思えないがなんだか心地よいのである。
で、この早春物語の出だし
♪逢いたくて 逢いたくて 逢いたくて♪
という同じ言葉の繰り返しを聴いていると、原田知世の歌はうまいのではないかと思うのである。


5.琥珀色の日々/菅原進 1981年6月

この歌はサントリーのウィスキーのCM曲で、仔犬が雨のなか駆けているのが印象的である。

映像と歌がいい具合にマッチしていて、いいなあ、と思ったのである。
しかし、この歌も映像がないと、なんだかなあ、というカンジになったのである。

最初の印象というのは非常に恐ろしいなあ、と思う。


6.メリーアン/THE ALFEE 1983年6月

アルフィーは「いい歌」を歌っていたんだけれど、ヒットにつながらなかった。
「いい歌」なんだけど、人の心にうったえる力、が足りなかったんだと思う。

それが、このメリーアンはそれまでの歌に比べればシンプルであるが力強さあり、人の心に響くものがあった。

アルフィーよかったなあ、と思ったものである。

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恋はさじ加減 平安寿子 新潮文庫

2008-09-16 22:57:13 | 読んだ
文庫の帯には
「食べ物の、好き嫌い。
 恋愛の、スキ、キライ。
 どっちも理屈じゃわりきれない!」
<おいしい恋愛短編集全6編>
とある。

こういう惹句がなくとも「平安寿子」という名前を見たらすぐ手にとってしまうほど、平安寿子の小説は現在(古い言葉で申し訳ないが)「マイブーム」のひとつとなっている。

いつでもどこでも読んでいたい、というほどではないが、そこにあれば必ず読む、というブームではあるが・・・

さて、帯にも書いていたとおりこの短編集は「食べ物」と密接な関係を持っている。

全ての物語の主人公は女性である。
この女性たちの食べ物の好き嫌いとであった男たちの食べ物の好き嫌いが、その恋愛の行方を左右するという、あってもよかったかなあ、と思う形の物語である。

ではどういう食べ物が登場するのか。
『野蛮人の食欲』では<焼き蛤>
『きみよ、幸せに』では<ポテトサラダ>
『泣くのは嫌い」では<たまねぎ>
『一番好きなもの』では<カレーうどん>
『とろける関係』では<バターご飯>
そして『愛のいどころ』では<梅干>である。

なんというかごくありふれた食べ物である。
ごくありふれた食べ物であるから、それぞれにいわゆる『こだわり』がある。

現代は『こだわり』の時代なんだろう。
それだけ豊かになったんだろう。

食べられればいい、という時代から、どうせ食べるならおいしいものを、そして自分だけのもの。
つまり『オンリーワン』なんだろうねえ。

「だからなんだって言うのさ!」
といいたくなるような、つまらない『こだわり』があふれている。

それは恋愛にも言えるわけで、多くのカップルは<割れ鍋に綴じ蓋>というのが他人から見たときの評価であるのに「なんだかなあ」と思われるような劇的なそしてオンリーワン的な恋愛を望んでいる。

本書に登場する女性たちも、それぞれに可愛く魅力的であるが、「そこまで考えるか!」という思考体系である。
そして脇役として登場する男たちの情けなさ、ため息ものである。

そんな、おっさん的な感慨を抱きつつ、面白おかしく読まさせていただいたのである。

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定禅寺ストリートジャズフェスティバル (第18回・2008)

2008-09-15 21:21:44 | 観た、聴いた
9月13日、14日と、「定禅寺ストリートジャズフェスティバル イン 仙台」が開催された。

今年は3連休でゆっくり聞くことができると思っていたら。
14日には、地区の敬老会。15日には結婚式。
と用事が重なり、13日のみ聴きに行ったのである。

写真は定禅寺通りの中央路側帯(緑地)
 

曇り空からときどき雨がぱらついたりはしたが、あまり暑くもなくまずまずのコンディション。

ジャズフェスティバル、といいながら、ジャズばかりではなく、いろいろなジャンルの音楽が街のいたるところで演奏されています。

ジャズはちょっとなあ、としり込みしている方々、どこかであなたの気に入る音楽があるはずです。(ただし演歌はやってません)
また、ジャズって難しい、と思っているかた、難しくないジャズに出会えるかもしれません。

気軽に音楽を聴くことができる、それがジャズフェスティバルだと思います。

さて、実は今年のジャズフェスは私にとって今までとはちょっと違うものでした。
というのは、娘が出演したからです。

女性3人のトリオで、ボサノバっぽい音楽を披露しました。

         
              

屋内であったので街の音もなくゆったりとした気分で演奏ができたと思います。

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戦国合戦 「敗者」たちの言い分 岳真也 PHP文庫

2008-09-12 23:36:06 | 読んだ
3章じたてです。

1.負けて生命を落とした武将たち
2.勝ち目のなかった「悲しい対戦」
3.あの成功者たちの大敗北

となっていて、18人の武将について検証している。

検証のスタイルは
「通説によれば」でその武将のこれまでの通説を紹介し、「事の真相と○○の言い分」という形になっている。

歴史から学ぶとき、多くの場合は「成功事例」を参照にする。
で、大概は参照にならない。

どちらかといえば「失敗事例」を学んだほうが大いに参考になる。
そういう意味では本書は、いいところついている。

とは思うけれど、まあ別に新しい解釈が出たわけではないので、まあそうね、と確認をしただけである。

で、私うかつだったのですが本書は「日本史・言い分シリーズ」の6冊目だったんですね。

前に出されたものにちょっと興味を覚えました。
「視点」をかえたところにビジネスあり、というカンジです。

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フライング・ラビッツ<新世紀スチュワーデス物語> 深田祐介 文春文庫

2008-09-10 22:22:57 | 読んだ
本屋に入って文庫のコーナーを何気なく見たらあったのである。

深田祐介は好みの作家である。
スチュワーデス物語はテレビドラマのような濃い一辺倒の物語ではなく、あっさりとした熱血物語で以来スチュワーデス関連のエッセイも含めてよく読んだものである。

その最新版がこの「フライング・ラビッツ」である。
新世紀スチュワーデス物語とあるが、いまやスチュワーデスとは言わず「キャビン・アテンダント」というのである。これなんだか違和感があってそして寂しい。

それから『ラビッツ』というのは、日本航空のバスケットボールチームの愛称である。

私はこのチームのファンである。
今はすこし熱が下がったけれど、2005年前後、このチームに「薮内夏美」がいたころは、JOMOやシャンソという2強を絶対つぶしてくれよ!と応援をしていたものである。

このフライング・ラビッツには「フライング・ラビッツ」という小説と、「翔べ!ラビッツ2004」というドキュメンタリーというようなものの2編が収められている。

フライング・ラビッツは小説である。
2005年JAL・ラビッツは全日本総合選手権(皇后杯)で優勝した。
その優勝メンバーが抜けてリーグも1部から2部に陥落した、という設定での物語である。

で「翔べ!ラビッツ2004」はJALが韓国代表コーチの林永甫を日本航空のコーチに招聘し強くなっていくという「実録」ものである。
また、林永甫の数奇な人生も描いている。

この二つは「リンク」している。
どのようにリンクしているかは読んでのお楽しみである。

それから「フライング・ラビッツ」はなんと映画になった。
9月13日公開だそうである。
主役は石原さとみである。

JALラビッツのあのときのメンバー、薮内夏美、八代直美、堀部涼子、畑岸邦枝、柳本聡子、薮内敏美が描かれている。
そして、私、なによりもマネージャー(現在は総務)の谷美和も重要な役割で描かれているのである。谷さんのファンとしてはサイコーなのである。

彼女たちはラビッツのメンバーとしてバスケットボールに励むのであるが、ちゃんと訓練を受けてキャビンアテンダントとして飛行機に乗っているのである。

バスケットで学んだことをキャビンアテンダントの仕事に活かし、キャビンアテンダントとして得たことをバスケットに応用しているのである。

両立と考えると難しく窮屈であるが、活かすとか応用ということを考えれば楽しいことになるのではないか。

とまあ、いろいろあるのだが、さわやかにおかしくおもしろく、それでいていろいろ考えさせてくれた。

ところで、薮内夏美をポイント・ガードにした全日本のチームをつくってほしかった。そういうチーム作りをすべきであった。
それならば、アテネに続いて北京のオリンピックに行けたような気がするのである。
そして新しい日本のバスケットボールが生まれたのではないか、と思うのである。

バスケットだけでなく、いわゆる全日本というチームをつくるときに「戦略」ではなく「人脈」が主になっているのが、世界に通用しないところではないかと思うのである。

まあそれはそれとして「映画」楽しみである。

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プロ野球 運命の引き際 近藤唯之 PHP文庫

2008-09-08 21:10:43 | 読んだ
久々の近藤節であった。

スポーツについて書いたものでは、山際淳司の乾いた(ドライでクール)文章が好きだった。
そして同時に近藤唯之の熱い=<涙と汗>が入り混じった=文章も好きだった。
今回本屋で久々に近藤唯之の名前を見つけたので、これは!と思い直ちに購入。そしてすぐに読みきった。

プロ野球選手16人に引き際について語っている。
それもやっぱり熱く熱く熱く語っている。
それがいい。

今回はその選手を語るに別のエピソードと比較しながら語っている。
「古いなあ」
と思うところもあるのだが、その古さは「投げたくなるような」ものではなく、ちょっと心にとどめておきたいような、懐かしさを含む「古さ」なのである。

野村克也の引き際では
「男の運命なんて、悲しいものだと思う。ゼロから始まったプロ野球生活、そせt20年間以上もの時間をかけて大輪の花を咲かせたというのに、30秒間で大輪の花がしおれてしまうのだ。」と語る。

近藤は「男」にこだわる。

「男は自分ひとりで飯を食べているのではない。仲間にささえられ、仲間の知恵を借りてこそ、飯を食べていける。プロ野球のように、一匹狼で金を稼ぐ場所でも、だれかに助けられているのである。」

「男と女の出会いより、男と男の出会いにこそ運命的なものがある。」

そういう男だから、例えば榎本喜八という選手から次のようなことを聞きだすのである。
「(前略)プロのバッターならば(中略)魂とか血液とかがバットに流れ込まないとヒットは打てません。」

こういう熱い話が続くのであるが、熱い話の向こう側にあるのは「悲哀」なのである。
もしかして、悲哀を語るために熱い話をしているのではないだろうか。

著者は昭和5年生まれ。長生きをして熱い話を書き留めてほしいものである。

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結婚しようよ 吉田拓郎 & 映画

2008-09-06 15:37:32 | 観た、聴いた
映画館で観ようと思っていた「結婚しようよ」をDVDを借りてきて観た。

題名の「結婚しようよ」は吉田拓郎が歌ったもので、拓郎がメジャーになった歌、そしてその後の「帰れ!帰れ!」コールの要因ともなった歌である。

この歌はファンの間でも「好き・嫌い」或いは「賛否」などがあったのだが、ノー天気な僕には、拓郎の歌、であることでいいのである。

「結婚しようよ」の歌が当時強烈な印象を与えたのは、この歌のとおり拓郎が結婚したということである。
歌をつくってヒットしてその歌のとおり結婚するなんて、前代未聞、驚天動地、有言実行、であった。(どういうことだ?)

というわけで、非常に印象に残る歌であった。
また、当時なぜこの歌を歌うことがファンの間で嫌われ多くのコンサートで「帰れ!」コールとなるのか、よくわからなかった。

フォークのファンの心の狭さ、みたいなものが田舎の少年であった僕の心に植え付けられ、あんな奴らのようになるものか、と思ったものであった。

さて映画である。
映画では吉田拓郎の歌が20曲、場面場面で流れる。

主人公の香取卓(三宅裕司)は52歳のサラリーマン、妻と大学生の娘二人と暮らしている。
香取家のルールは、家族そろって夕飯を食べること、である。
このルールが物語のひとつの柱となっている。

長女の結婚と次女のライブ活動、香取夫婦の馴れ初め、などが描かれて、クライマックスの結婚式へと向って話は進んでいく。

この映画は、夫婦、家族、というものについて考えさせてくれる。
それは香取夫婦だけではなく、香取の顧客で田舎暮らしをはじめる菊島夫婦、そして新しく夫婦になろうとしている長女たちを通じて考えさせるのである。

主人公が、拓郎の歌をバイブルのように支えとして、体制に呑み込まれないように反発し、自然に生きていくことを望み、いつまでも俺たちは・・・と思っていたのに、実はすでに形式的であったり権威的であったりする存在になっていたことに気づき、がっくりする、というのは、ものすごく共感できるものであった。

主人公の気持ちの動きは手にとるようにわかるのである、しかしそれを客観的に観ることができるので、なんといおうか気持ちが泣き笑いの状態になってしまったのである。

50歳をすぎたのに、我々の世代の上には「団塊」がいて、まだまだ若造扱いである。
しかし、若い人たちからは十把ひとからげで形式的・権威的と思われ、今まで生きてきたことに疑問符がつき、これからの人生はまったく見えない、ものになってしまっている。

夫婦とか家族というのは理屈を超えてつながっているものである。ハズなのである。
なのに世の中は夫婦も家族も崩壊していっているようである。

若いころに持っていた「夢」をすてたことは「挫折」なのか、或いは体制に順応してしまったことは「転向」なんだろうか。

いろいろなことを思いながら、涙を流し鼻水をすすり上げて観終えたら、なんだかすがすがしい気持ちになっていた。

まだまだ「明日」は明るいと思ったのである。


追伸
 嘉壽家堂本店のSpeakに『吉田拓郎のこと』というページを追加しました。ごらんいただければ幸いです。

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はじめての<しゃばけシリーズ> 畠中恵 小説新潮9月号

2008-09-03 22:47:33 | 読んだ
小説新潮9月号の特集のひとつが「日本のファンタジーはすごい!」ということで、<短篇ファンタジー傑作選>となっている。

その巻頭にあるのが、ご存知・お馴染みの『しゃばけ』である。
今回は「はじめての」という短篇である。

しゃばけは、江戸の廻船問屋兼薬種問屋「長崎屋」の若旦那・一太郎が主人公である。
この若旦那は祖母おぎんが「皮衣」という大妖(妖怪)であることから、妖(あやかし)が見え話すこともできるという才能を持っている。
しかし、この若旦那は「気合の入った病人であり、齢十二にして手練れの病もち」なのである。

ここでわかった方は相当の「通」なのであるが、今回の「はじめての」は若旦那が十二歳のころのお話なのである。

若旦那は妖と友達である、病弱である、という特徴とともに「推理力」があるという大きな特質を持っていて、身の回りの不思議なことや謎を解決していくのである。

今回は、医者が社を建てることで、どうも詐欺をしているらしいという話が持ち込まれ、そのだまされていると思われる15歳の健気な娘・お沙衣の話を聴くこととなった。

その事情聴取というか話を聞いている最中に、あろうことか若旦那はお沙衣にひっぱたかれたのである。

お話は、その詐欺を暴くことと、お沙衣の幸せということを柱にすすみ、まあいつものようにハッピーエンドで終了するのである。

であるが、このお話は若旦那の初恋譚(相手はもちろんお沙衣であるが)でもある。そしてこれももちろんのことであるが、初恋はかなわぬままに終わるのである。

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嘉壽家堂本店 更新

2008-09-01 20:59:03 | 日々雑感
昨日、嘉壽家堂本店を久しぶりに更新しました。

「青春のうた」はブログで更新するのを3回も飛ばしていましたので、先に更新していましたが、今回は7・8月の読書日記と、北上川の橋を昨年以来約1年ぶりに更新をしました。

ぜひ本店も訪れてみてください。

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