読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

かく戦い、かく死す 柴田錬三郎 集英社文庫

2007-10-14 18:23:40 | 読んだ
新編 武将小説集 である。
著者 柴田錬三郎は「眠狂四郎」とかで有名であるが、私には「柴錬三国志」がいちばんのお気に入りである。

さて、この小説集は8編あり、戦国武将が描かれている。
「斉藤道三」「北畠具教」「武田信豊」「明智光秀」「豊臣秀次」「直江兼継」の6人に「戦国武士」「明智光秀について」という構成である。

その描かれているのが「死に様」というか「最期」の部分なのである。
つまりはその最期が彼の生き様を表している、ということなのだろう。

そして、多分、この年代の時代小説の特徴なのだと思うが「謀略」ということが強調されている。

表に出ている部分、つまりはそれまでいわれていた歴史というか通説から見方を変えて歴史を語るというのがこの頃の歴史小説の特徴ではないかと思うのである。

通説をもっと膨らまして人間を語るという司馬遼太郎のような小説もあるのだが、ちょっと「ひねった」形の歴史観というのも好まれたのだろうと思う。

今は、なんだか「愛」とか「優しさ」のようなものを前面に出して「なんだかなあ」という歴史観になっていて、時々腹が立つこともあるのだが・・・

ここに描かれている武将たちは「男」というものがすごく感じられるのである。
今はあまり「男」とかを強調できないんだろうなあ。NHK大河ドラマの武田信玄や上杉謙信からは迫力というか一流というのが感じられないものなあ。

下敷きになっている歴史がその後改められたりしているので、そのあたり気にはなるのだが「人物」を描いていてそれを読む(感じる)ということであれば些細なことではないか。(この些細なことにも目くじらがたてられる現代が悲しい)

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