読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

ABC殺人事件 アガサ・クリスティー 訳:堀内静子

2016-04-28 21:36:37 | 読んだ
ビックコミックオリジナルで、この物語を原作として「名探偵・英玖保嘉門の推理手帳」として日本に置き換えて連載をしている。画は星野泰視。

で、これを読んでいて「イライラ」してきたのである。
一つは、1カ月に2話しか進まないこと。
もう一つは、日本版にしたことで生じる違和感。どこがどうとは言えないのだが、なんだか、なんだよなあ。

というわけで、原作を読んだのである。

そもそも、アガサ・クリスティーの物語のトリックは、よく言えば奇想天外、悪く言えば「ずるい」のである。
まあ、トリックという言葉の意味が「ごまかし」「ぺてん」「詭計」なのであるから、まあ仕方ないとは思うけど、釈然としない部分がある。

ABC殺人事件のトリックは、読む前から何かで知っていたので、さてどのように物語を展開させるのだろうか、というところが興味。

漫画では、そのトリックを隠すためなのか、いかにも、というくらいに描き込まれている。
まあそれでも、原作と同じようにポアロ(英玖保)は、この殺人は続くといっているのだが・・・

この物語の特徴は「連続殺人」で、その被害者の名前の頭文字が、A‐B-Cと続いていくこと。

しかし、3人の被害者の接点もなく、共通点もない。
それなのに、これは連続殺人であると断定するのはいかがなものかと思うのであるが、物語の視点がポアロ側にあるので、仕方ないか。
というところが、この物語(というか探偵推理小説全体)のトリックなのである。

この大きなトリックの上に、アガサのずるいトリックがのっかるので、物語は複雑に進展する。
しかも、この物語の記述が、ヘイスティングスのものとそうでない部分に分かれていることも、私にとっては複雑さを増している。

で、ですね、種明かしが、複雑さはいったい何だったのだろうか、と思ってしまうような、ガッカリ系だったのであります。

そういうもんだよ、とおっしゃる方もいらっしゃるだろうし、いやいやそういうところがアガサなのだよ、とおっしゃる方もいらっしゃるだろう。
でも、私は、なんだかガッカリしたのである。

漫画のほうもすでに犯人は名指しされた。
でも、感動しないのである。

というわけで、別なものを読んでみようかと・・・

ちなみに、私はNHKBSの「名探偵ポアロ」とか「ミス・マープル」は大好きで見ているのであります。

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コメント (1)
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