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読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

吉里吉里人(上) 井上ひさし 新潮文庫

2007-10-09 23:47:53 | 読んだ
吉里吉里人(きりきりじん)が小説新潮に連載されていた当時から読んで、文庫になって再読した。
そして、今、吉里吉里人に書かれてあることが問題になっているような気がして、また読み始めたのである。

吉里吉里人は、ある日、日本から独立して吉里吉里を作るのである。
その国とはどうも私の住んでいるところの近く(今では隣の市になってしまったが)なのである。
従って、吉里吉里国の国語(つまりはズーズー弁というやつ)は、我々の国語でもある。(若干違うと思われるところがあるが)

この上巻は、第1章から第8章まである。(ちなみに全部で28章である)
で、この章のであるが、次のようになっているのである。
下の部分が「振り仮名」である。


第 1 章  あんだ旅券ば持って居だが
でーえっしょ    りょげん   え

 第2章  俺達の国語ば可愛がれ
でーにしょ おらだ   めんこ

この章名ばかりではなく、登場する吉里吉里人たちはみな吉里吉里語を話すので、この章名と同様に振り仮名がふってある。
従って、読みづらい、ところもあるのだが、実は、この振り仮名でずいぶんと作者は遊んでいる。そのあたりもじっくり読むとよくわかるのである、

さて、吉里吉里国が独立した理由であるが、農業と医療の国策が猫の目のように代わり、国益と称してその国策を遂行すると国が亡んでしまうと感じたからである。
吉里吉里人の言葉を借りれば
「国益というものは<勘定>はあっても<感情>はない。俺たちは人間らしい感情に従って米を作る」
ということなのである。

なんというおうか、今の日本は、この吉里吉里人が書かれたときから更に悪化している。
農業は自然の恵みではなく、季節に関係なくそして安定に供給できるような仕組みが当たり前になったし、地方の医療はすでに破綻している。
吉里吉里国は農業と医療を武器に日本から独立するのである。
更にこの後どのような展開が待っているか興味深いのであるが、井上ひさしの小説は「冗舌」なところが面白いのであるが、最後のほうになると「だらける」という特徴があり、この吉里吉里人も前に読んだときはそういう印象であった。
さて、今回はどうなるだろうか。

ずいぶんと引用したいところがあるのだが、なにしろ吉里吉里国語であるからして難しいのである。
吉里吉里国歌を全部紹介したいのであるが難しい。
で、この国家、近頃なんだか見たことがあるような気がしたら、宮城県栗原市(まさに吉里吉里国があるところ)の市民憲章に似ているのである。というか栗原市の市民憲章が吉里吉里国家に似ているのか。

そういえば、この本を機に「独立国」ブームが巻き起こったのであった。

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