読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

新・御宿かわせみ お伊勢参り2 平岩弓枝 オール読物2015.3月号

2015-02-25 22:50:40 | 読んだ
神林東吾も神林麻太郎もいない「御宿かわせみ」の第2回である。

この物語のもう一人の主人公「るい」が、かわせみが嵐で被害にあいその復旧までの間休業を余儀なくされたため、お伊勢参りに行くというのが、前回までの展開。

同行するのは、日本橋界隈の問屋の旦那衆と、東吾の相棒であった畝減三郎の妻で、麻太郎の相棒の源太郎の母である千絵とかわせみの女中がしらお吉、そして、元岡っ引きで蕎麦屋「長寿庵」の主人長助である。

前回は相模川の渡しで「若先生」に似た男に出会ったところで終わり、もしや麻太郎が帰ってきたのか?とかイヤイヤ若先生とは東吾のことではあるまいか。

などと思ったところであったが、どうも、ただ似た人だったらしく、お吉が似ているというのを長助は「若先生からみたら、ずんと落ちますよ」なんていう。

つまりは次回への期待だけだったのか、いや、私としては大きな布石だと思いたい。

ということで、例によって「無駄話」のような展開を重ねて道中は進む。

箱根越えをする前の小田原に泊まる際に、同行する小泉屋五郎兵衛の女房の義妹である久江が、るいたちの部屋に一緒にさせてほしいという願いあったが、久江の技師である幸江の邪魔が入り、泣く泣く久江が戻るという、ちょっとした事件がある。

久江は幸江を「内心如夜叉」と評し、これもまた今後どうにか展開するのか、という印象。

と、箱根越えの途中で、嶋屋の長右衛門が行方不明になる。
さらに、三島の宿に入ると、先行していたはずの嶋屋の女房のお仙の乗った駕籠がまだついていないことが分かる。
お仙は、箱根越えの前に足を痛めたので、みなより先に駕籠で箱根越えをしたはずなのだ。

そして、お仙が川の中でみつかり、すでに死んでいることが分かる。

旅を続けるか、戻るかでもめる一行。

それでもともかく進むこととし、三島の宿を立つ。

「そして、第三の事件は起こった。」
で今回は終了している。

まだ、今後の展開は分からないが、興味深いのは、事件の謎を誰が解くのか、ということである。
このままいくと、るいと千絵が探偵になるのか?
それとも・・・・

ともかく、早く次号を読みたいのであった。

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一人呑み

2015-02-19 23:08:50 | 日々雑感
昔というか、数年前までは、出張に行くと「一人呑み」をしていた。
というか、出張や一人旅の楽しみは、文庫を読みながら酒を飲むことだった。
呑みながら読む本を何にしようかと悩むのが楽しみだった。

そして、一人で呑みに行く場所はおおむね「焼き鳥」だった。
それは、片手で食べられるから、もう片方の手には本がある。

席はできるだけ明るいところ。
もしカウンターなら一番端っこにしていた。

一人呑みは、自分が酔っていくのかわかる。
だから、宿に帰るまでのことを考えて、適量(適量よりちょっと多め?)で穏やかに帰る。

しかし、今はどうだっ!!

誰かと飲むことが楽しい、ということで、いつも誰かと呑んでいる。
したがって、深酒、が多い。
そして帰ってきて眠っているとき、突然に、自分のコトバを思い出し、恥ずかしくなって、眠れないことがある。

ああ、こんなのではダメだ。
と思い、今年になって、一人呑み、に挑戦をしているのであるが、先ず一次会からうまく「ふける」ことができない。
で、グダグダのうちに2次会へ。
2次会にいけばまたヒートアップ。嗚呼!

その後、無理をして一人で呑みにいったりするのであるが、その時はほとんど酩酊状態(自分が酩酊を自覚しているのであれば、それは他人から見れば泥酔だと思うのだが・・・)なので、本を読むどころではない。

では、自分の住んでいるところで一人で呑めばいいんじゃないか?
いやいや、私の住んでいるところで、私が一人で呑んでいたら、変に勘ぐられ、噂になってしまう。ような気がする。
だから、どこかへ行ったときが一人呑みのチャンスなのである。

今年は、文庫をもって居酒屋へ行こう!


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三国志 第2巻 宮城谷昌光 文春文庫

2015-02-17 21:53:49 | 読んだ
第2巻である。

まだ時代は、後漢の第10代質帝の時代で、摂政は梁太后である。梁太后の兄は梁冀(りょうき)である。

梁太后は「夙夜勤労」つまり早朝から夜まで働き、王朝の維持に努めている。
しかも人事に公平であり良臣を用いた。
兄の梁冀はとんでもない奴だが、彼の思うとおりにはさせない実力があった。

その梁冀は質帝に「跋扈将軍」と呼ばれて、質帝を暗殺してしまう。

で、次の皇帝は「桓帝」であるが、幼少のため引き続き梁太后が摂政した。
たとえ、梁太后が優秀であっても、この体制は不安定であり、正常ではない。

後漢は、幼い皇帝と摂政の太后ということが多く長い。
このことが、太后の近親者いわゆる「外戚」と朝廷内(家庭)を取り仕切る「宦官」が力をつけてくる。

その太后と外戚と宦官が、真に国を思い優秀な者だったら、この王朝は長続きしただろう。
と著者は言っていると思う。
そしてこのような組織の弱点は初代の光武帝にある、と断言する。

この、宮城谷三国志の第1巻と第2巻は、何故漢が滅びたのか、を検証しているようだ。

三国志の大きな魅力は、登場する人物たちの、いわゆる今風にいうと「キャラがたっている」ことである。
しかし、三国志の時代がなぜ起きたのか?を検証しているときに登場する人物たちも大いに特徴的である。

例えば、梁冀は古来大悪党であるとされていたが、彼がそれなりにやれたのはまあそれなりの人だったのではないだろうか、なんてことも考えさせられる。結局、彼は桓帝と宦官に殺されるのだが、その最後、妻の孫妻と服毒自殺をするところなどは、ちょっと印象が違う。

つまり、このころまでは、悪党であってもいわゆる「仁義」があったのではないか。

そしてその後「桓帝」の親政になったらいよいよ漢王朝はおかしくなってきてしまった。
それは仁義がなくなったからではないだろうか。

人がおのれの欲望をかなえるためにだけ、そして人物評価を好悪だけで行うことになってしまって、仁義なき戦い、つまりいよいよ三国志の時代に入ってくる。

映画「仁義なき戦い」では、山村組の組長がシャキッとしなかったから無駄な戦いが起きた、と、最後に広能が言っていたが、後漢も同じで、皇帝がしっかりとしなかった、あるいはしっかりとさせる組織でなかったことが滅びる要因ではなかったか。

第2巻の最後のほうで、いよいよ「董卓」が登場し、くんずほぐれつ、の戦いが始まろうとしている。


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雛かざり

2015-02-14 18:05:05 | 日々雑感
毎年恒例になっている、雛まつり用の雛かざりをおこなった。

初めて飾ったのが、長女の生まれた翌年であるから、昭和60年(1985年)である。
したがって、今年飾ると、30回目である。

飾り続けて30年、しかし、長女も次女もまだ嫁いでいない。

どういうことか?
ということは、あえて問わない。まあそういう状況なのだから仕方ないんだろう、と思う。



今から30年前に作られた雛人形だと思う。

実は、最初の頃は、雛人形ってほぼ同じ顔なんだろうと思っていた。

しかし、近年いろいろな雛人形を観る機会があった。
つまり、この頃は雛人形を公開するところが多くなって、割と容易にみることができるので、機会に恵まれるとみている。
で、気が付いたのであるが、全部顔が違うのである。
まあ「やっぱり」というべきなのであろうが、こんなにも違うのか、という思いもある。

時代時代によって顔が違う。
同じメーカーで同じ時期に造られたものでも違う。

そして、我が家のお雛様は、割と淡麗美形である。
と、身びいきながら思っている。



だからどうした?
という声が聞こえる。
そう、だからどうだってこともないのだが、そう思った、ということなのである。

この雛人形は3月3日まで飾ることになる。

嫁に行くかどうかは別として、娘たちの幸福を祈っている、つもりで、飾り毎日見ていようと思う。

追伸
今、宮城谷昌光の「三国志」第3巻、酒見賢一「泣き虫弱虫諸葛孔明」第3部、塩見七海「ローマ亡き後の地中海世界」第1巻、そして増田寛也編著「地方消滅」を、その時の気分で読んでいる。我ながらムチャクチャだと思う。


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ビーンボール -スポーツ代理人・善場圭一の事件簿- 本城雅人 文春文庫

2015-02-08 16:27:34 | 読んだ
本城雅人の野球関係の小説をオール読物で読んで興味を持ち、検索した結果、この本を選んだのであった。

最初は、短編の連作ものと思っていたのであるが、案に相違して長編であった。

主人公は、元プロ野球選手で弁護士資格を持つ善場圭一。
プロ野球選手の契約代理人を務めている。
その交渉は、選手にとって最も有利になるように行うことから、球団側からも嫌われ、世間からも「ゼニバ」と呼ばれ、評判が悪い。

しかし、善場は信念をもって選手のために交渉し、決してゼニのためではない。
のだが、善場は説明も言い訳もしない。誤解されたって構わない、と思っているのだ。

今、善場はソニックスの投手・結城憲吾のジェッツ移籍の契約について話し合いを行っている。
ジェッツから提示された条件と、こちらから提示した条件がかみ合わず、暗礁に乗り上げている、というか、善場はこちらの提示を飲み込むまで譲らないつもりである。

そういうとき、前に代理人契約をしていて引退したジェッツの瀬司が行方不明であることが判明する。
瀬司の妻であり、結城憲吾の野球以外の契約を担当する羽田貴子に瀬司の行方を捜す依頼を受ける善場。

そして物語は、瀬司の高校時代にまでさかのぼって繰り広げられる。

謎が謎を生み、からみに絡んだ謎の糸をほぐしていくうちに、事件は大きくなっていく。

というわけであるが、その謎の原因はなんというかちょっと意外であり、そのためにこんな大きな事件となるのかと思い、また解決の方法もあっけないというか・・・今の時代にそんなことがあるのか?なんて疑問が生じてしまう。

そのあたりの納得性については、西村京太郎の小説に近いくらい、つまり、胸のつかえがとれず、若干の残存感が残るのである。

しかし、この物語を謎を追い解決するところに重点を置かず、野球選手の契約について、野球選手の思考のあり方について、更に野球選手の寿命についてのほうに視点を強めると、この物語は実に面白いものになる。
というか、そっちのほうが著者の主題ではなかったのではないか。

野球小説、野球を巡っての人間物語というのは私の好むものである。著者の他の作品についても手を伸ばしてみたいと思いっている。

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魔法使いと偽りのドライブ -魔法使いシリーズ- 東川篤哉 オール読物2015.2月号

2015-02-05 23:09:07 | 読んだ
オール読物最新刊に、このシリーズが掲載されていた。
再三再四申し上げるが、年末に雑誌の整理をしていて、2年くらい前からの小説を読んでいて、このシリーズに出合い、まあファンになったのである。
いやあ、もっとまじめに毎月読んでいればよかったなあ、と思うのだが、当時はそれどころでない状態だったので、まあ許されたい。(と、誰に向かって言っているのだろう)

さて、このシリーズは、コロンボシリーズなどと同じ、読者は最初から犯人がわかっている。

したがって犯人捜しというよりは、主人公たちがどうやって犯人のアリバイや手口を暴くか、もっと言えば犯人のミスをどう突き止めるかということが、物語の柱になっている。

しかも、その暴き方が、主人公・小山田聡介やその上司の椿木綾乃警部が、地道に捜査をして推理をして行うのではなく、小山田の家の家政婦でなぜか魔女のマリィが魔法で手助けをして行うのである。

まあそのあたりがこの物語の面白いところなのであるが・・・

今回も、マリィの魔法で、廃車寸前の国産大衆車が黄色のポルシェと互角の高速バトルを展開したり、赤いミニクーパーが突然パンクし路上で華麗にスピンしたりする。
あげくには、犯人の目の前から箒に乗ってそれに飛び去っていったりする。

今回の謎解きは、若干、前段の伏線が、ああこれは伏線だな、と思えるようで、やっぱりそっちに行ったのか、という残念さがあった。

まあ、しかし、この物語はあまり謎解きに期待するものではないので、いいっか、と思おう。
なにしろ、いざとなれば、魔女が魔法で謎を解くのも許される設定なのだから。


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とうほく蘭展&バラとガーデンフェスタ2015

2015-02-04 22:39:12 | 観た、聴いた
1月29日から2月1日まで、とうほく蘭展&バラとガーデンフェスタ2015 が仙台港近くの夢メッセで行われた。

2008年に初めて行って以来、訪れるのが恒例のようになって、2011年からは毎年訪れている。

今年は会場に着いたときに、ちょうど「フラガールズ」のショウが行われていた。



ものすごい人だかりで、近づくことができなかった。

今年の最優秀作品

そして会場に飾れている花たち。
 

  

私は、何かを育てる、つまり食物を育てて「花を咲かせる」とか「結実させる」、あるいは動物を育てる、ということは苦手というか、あまり興味がないのであるが、花を咲いた植物を観るとか実を食するとかはすきである。
したがって、どうやってこういう花を育てるのか、その苦労はどうなのか、なんてことには興味をしめさず、ただ花を見て歩くだけである。

それで、今年の蘭展であるが、なんだか「地味」というのが印象である。
毎年「華やか」であることが、会場に赴く理由なのであるが、今年はちょっとがっかりであった。
まあ、よく言えば、落ち着いた風景、というカンジであろうか。





ガーデニングのほうも見てきたのであるが、やっぱり落ち着いた雰囲気で、まあ来訪者の年齢層が高いのでそれに合わせているのだろうが、それでも『こんな華やかなものは実際に自分家の庭にできないな』というのもあっていいのではないだろうか。

蘭とかバラはやっぱり「華やかさ」が特徴と思えるのだが・・・華やかなものの間に「可憐」とか「渋い」花があるというのがいいなあ・・・と素人の感想であります。

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ななつ星が歴史を変える -十津川警部シリーズ- 西村京太郎 オール読物2014.5-11月号

2015-02-01 11:16:14 | 読んだ
十津川警部シリーズであるが、小説新潮に同時期に掲載された「金沢が歴史を創った日」(2014.6-12)と同様、第2次世界大戦の終戦時を題材としている物語である。

私は「金沢・・・」を先に読んでいたのだが、これ同時に読んでいたら混乱しただろうなあ。

今回は、十津川警部が、三上刑事部長からプライベートで夫婦同伴で、JR九州の「ななつ星」に乗車し、何か起きるであろう事件を防ぐよう指示される。
という、まあありえないことから始まる。

もっとも、まあありえない、事件がこの物語では起きているのであるが。
さらに、申し上げれば、十津川警部は事件を防ぐことがなかなかできないし、事件の拡大も多い、最終的には解決するのではあるが、十津川警部が登場してから起きる殺人も多く、そういう意味では「名探偵」ではないのである。

上記の評価は、なんだかで読んだやつで、名探偵といわれる人物が物語に登場してから殺人が起き、その人数が一番多かったのが「金田一耕助」だったような気がする。
もしかしたら、十津川警部は金田一を超えたのではないだろうか?

というわけで、今回も、十津川警部は事件を未然に防ぐことはできませんでした。
しかし、今回の事件は、物語の大きな流れにあまり影響しないので、まっいいか、なのである。

さて、ななつ星のなかで行われるのは、終戦間際、蒋介石のもとから和平の使者として日本にやってきた「繆斌(みょうひん)」が行った、和平工作がなぜ失敗したのか?そして終戦後すぐに蒋介石によって漢奸として処刑された繆斌の名誉はどうなるのか?
といったことを、中国側から4人(繆斌の子孫)と日本側から4人がでて話し合うのである。

私は今回この物語をよんで初めて繆斌という人物を知ったのであるが、彼の工作はなかなかに面白いものがある。
そして、なぜ蒋介石が米英やソ連を差し置いて単独で和平を行う必要があったのか、という説明にも説得力がある。

この繆斌の和平工作は実際にあったらしく、ウィキペディアにも載っている。

和平工作には、時の総理大臣・小磯國昭や国務大臣・情報局総裁緒方竹虎、天皇に近い東久邇宮稔彦が賛成したのだが、例えばもっとも戦争に反対していたといえる米内海軍大臣や重光外務大臣が猛反対。
しかも戦争遂行に積極的であった、阿南陸軍大臣が賛成という、なんだか、これまでのイメージが全然違う展開である。

このあたりが、何べんも繰り返され語られるので、このあとどういう展開になるのだろうか、と心配しながら読み進めていたたら、事件発生。

というわけで、この和平工作についての解説と論評がこの物語の柱である。
そちらのほうに興味がある方は、ぜひ読んでいただきたい、「金沢が歴史を創った日」も合わせて読むと、終戦間際のいろいろなことが知ることができる。

このシリーズはまだまだ続くのだろうか?
十津川警部シリーズとは別に、楽しみではある。

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