読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

真田信之と幸村 歴史街道12月号 PHP研究所

2012-11-29 23:09:47 | 読んだ
歴史街道は時々読む。
その時の「特集」による。

12月号は
『総力特集 真田信之と幸村 六文銭の誇りを貫く』
である。

私は大の「真田信之」ファンである。
これは、池波正太郎の『真田太平記』の影響が大きい。

「真田」といえば、一に幸村、二に昌幸(信之と幸村の父)である。
でも、彼らは『けれん』がありすぎる。

真田信之は派手ではないがスゴイ。
まだ、真田が独立していたころの徳川との戦い、いわゆる「第1次上田合戦」では、別働隊を率いて大活躍をする。

そして徳川家康は、徳川と真田が結ばれたときに、徳川四天王の一人である本多忠勝の娘を自らの養女にして、信之に嫁がせる。
これは政略結婚ではあるが、真田を認めさせた結婚である。
真田家を引き留める結婚であり、信之を買っていなかったとしても、信之は生涯徳川に従う。

信之の生涯は93年。
信州松代の真田家の礎をしっかりと築いた。

まあ、いろいろな話に興味がある人はこの雑誌で、信之や幸村のことを知ってもらえればいい。
そして、もし、もっと真田を知りたいというのであれば、ぜひ池波正太郎の真田太平記をお薦めする。読むのが嫌ならNHKで放送されたドラマをレンタルしてみてもらってもいい。

渡瀬恒彦が信之、幸村は草刈正雄で、いずれもかっこいい。
全45話です。


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薄桜記 <今日は一日薄桜記三昧>

2012-11-25 23:28:30 | 観た、聴いた
NHKのドラマ「薄桜記」は、BSで7月から9月まで全11回放送された。それをDVDに録っていたのだが、なかなか観る機会がなかった。

そうこうしているうちに、今は地上波で放送されている。
地上波でやっているということは『面白い』のだろうと思い、本日午前中から観始めたのである。
まあ、何日かに分けて観ようと最初は思っていた。
しかし、なかなかに面白いし『次回』がやたらと気になるではないか、というわけで、もろもろ予定していたものをすべて取りやめて、今日は一日中「薄桜記」を見ていたのであった。

時代は、江戸時代。第5代将軍の時代。

主人公は丹下典膳(山本耕史)、ヒロインは長尾千春(柴本幸)である。
この二人、偶然桜の木の下で出会い、薦められて結婚。
結婚したその夜、典膳は桜の木の下で出会った人だと知る。

千春にとっては初めての出会いで好きになった人であったから、幸せいっぱいの結婚であったし、夫の丹下典膳は将来有望の旗本。姑との関係も良い。
明るい未来が待っている。

事件の発端は、典膳が旗本としてのキャリアを積む大阪勤番になっていなくなった留守宅で起こる。
千春は、幼馴染で実家(上杉米沢藩の江戸家老:長尾家)に仕える武士に犯されてしまう。

典膳と千春にはあまりにもむごい出来ごとであった。

そして物語は、さらに二人に過酷な人生を送らせていくのである。
一つの救いは、彼らを取り巻く人々が暖かく優しく厳しいことである。

典膳は、一刀流の遣い手で、堀内道場でのちの赤穂藩:堀部安兵衛と知り合い、深い友情で結ばれる。

となると、赤穂浪士の討ち入りに物語は進んでいく。
もちろん、堀部は赤穂藩。丹下典膳は、千春との縁談を勧めたのが吉良上野介、そして千春は吉良上野介の息子を藩主に迎えた上杉米沢藩の出身というようなことから、吉良家の側につくこととなる。

最後はどうなるかは、NHKのホームページやこれから放映されるのを見ていただければいいのだが、つまりは通常考えられているような「ハッピーエンド」にはならない。
もしかしたら、典膳と千春にとってはハッピーエンドだったのかもしれないが・・・

NHKのホームページを見ると、脚本のジェームス三木さんが『この物語には悪人はいない』といったとのこと。

丹下典膳がいろいろな事件に巻き込まれ、通常の視点から見れば「不幸」になっていくのも、他の視点からみれば多くの幸せを得るための犠牲になっているという幸せ、だったりもする。

赤穂も吉良もどちらも幸せや正義を求めた結果、あのような討ち入りになった。
で、どちらも死んだのである。でもそれは正義を発揮し幸せを求めた結果である。

つまり、人間社会というのは理不尽で不条理なのである。
その中で、どう生きていくのか。
そんなことを考えさせれた。

いま、選挙を戦っている人たちに、自分の側から見た幸せや正義をもう一度別の視点で見直していただきたい、という番組関係者からのメッセージなのではないか、だから地上波でも放送しているのではないか、なんて勘ぐったりした。

千春を演じた柴本幸、これまであまり注目をしていなかったのであるが(NHKの風林火山がひどかった)、なかなかやるじゃないと思った。バラエティになどでないで頑張ってほしいものだ。

というわけで、今日は一日薄桜記三昧、であった。
原作は、あの五味康祐。本屋に行くと文庫本があったりする。今度読んでみようか。

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松島 円通院 紅葉ライトアップ

2012-11-23 23:54:44 | 観た、聴いた
昨年初めて訪れ大感激をした、松島の円通院に昨夜(22日)に行った。
昨日は、朝は寒かったものの、昼くらいから暖かくなって、さらに風もない、という夜の紅葉狩りには最高の天候であった。

今回は仕事を終えてから行ったので、7時30分ころからの散策となった。
この時間あたりになると観光客は少なくなると思う。(円通院の近所の駐車場が空いていた)

円通院の門を入るとまずは石庭がある。
もうここで、多くの人が感嘆の声を上げる。2年目の私は「マダマダ」と冷静を装う。





続いて、東屋から庭を抜け御霊屋・三慧殿へ向かう。


ここは少し暗くなっているので、足元に気を付けて。


そしてバラ園へ向かう途中で、本日はアカペラの歌、そして古代笛の演奏が行われていた。

で、ついに「池」に到着。
もうここでは多くの人が感嘆の声を思わずあげてしまう。


池が鏡なのか、いや池の中に紅葉があるように、吸い込まれそうになるように、庭の紅葉が映っている。


照明を加減して映し出しているのだと思うのだが、何度見てもこれは「スゴイ」


本年は、奈良から竹の灯篭がいたるところに立てられていた。


いやあ何度見ても感激する庭である。

今年は明後日25日まで行われるそうである。
昨年は最終日に行って大勢の人と見たが、今年も多分大勢の人でにぎわうに違いない。

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橋下氏連載についての「謝罪と見解」 週刊朝日 11月30日号

2012-11-20 23:20:58 | 読んだ
私が週刊朝日を定期的に購読するようになったのが、平成7年末か8年初めであった。
それから、約15年経った。

近頃は、週刊朝日もなんだかなあ、という気分があった。
読み始めたころはなんというか「格調」みたいなものがあった。
多分、それが週刊朝日の読者の定着になり、読者層の拡大を妨げる要因だったのではないかと思っている。
その最大の特徴である「格調」が失われつつある、と感じていたのである。

それでもまだ読み続けていたのは、これまでからの惰性と、連載されている角田光代の小説「坂の途中の家」の結末まで読みたいのと、内館牧子さんの連載エッセイに「胸がすく」からである。

さて、この週刊朝日が久々にやってくれた。
それが大阪市長の橋下徹に関する連載を「過激」に始めたことである。

その第1回を読んだ感想は「ふーん」というものであった。
まあ、始まったばかりで『まだまだ』の内容だったし・・・
そもそも著者の佐野眞一氏が書いてきた「評伝」はこういう出だしだったし・・・

だからあまり気にも留めていなかったのであるが、橋下氏からの苦情がでて『そういうものなの?』と思っていたら、あれよあれよという間に騒ぎは大きくなり、ついには朝日が謝罪という結果になり、さらには今週号で詳細な見解と謝罪が掲載された。

で、感想だが「なんだかなあ」である。
こういうことになることはわかっていたのではないのか。
つまり、あの連載は橋下氏への宣戦布告、全面戦争だったのではないのか。
そういう覚悟で始めたのではないのか。

それが、まあ極くあっさり「敗北宣言」である。

「なんだかなあ」というのは15年間読み続けてきた読者として「情けない」ということである。

今週号の見解と謝罪も「中途半端」である。
どうせなら、
「不本意であった、ゆえに廃刊する。」
くらいやって欲しかった。

ということで、角田光代の連載が終了したら定期購読をやめようと思っている。

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中尊寺 雨

2012-11-18 22:11:15 | 日々雑感
久々に、秋の中尊寺に紅葉を見に行ってきた。
昨日、ネットで調べたところまだ大丈夫というので、それでは行ってみようか、ということで・・・

心配だったのは天気。
予報では曇りから雨、ということ迷いがあったのだが、私のところは雨ではなかったのでまあ大丈夫だろうと行ってみた。

以前は私の家から車で1時間だったのだが、近頃は道路が整備されて45分程度で中尊寺の駐車場に着く。
近づくにつれ暗くなってきたのであったが、中尊寺と対面する束稲山に日がさしていたので・・・
しかし、到着すると雨であった。小雨であったので、そして中尊寺の参道は木々に囲まれているので『なんとかなるだろう』と、月見坂を登り始める。

それにしても、観光客の多さには驚かされる。
世界遺産になるまではこんなに多いのはお正月だけだったような気がする。

月見坂の途中の展望台を望む。


月見坂を登り(今日も若干きつかった)総門を通り抜けると道はなだらかになる。
本堂にお参りをして、第1の紅葉ポイントである「峯薬師堂」でゆっくりと紅葉を愛でる。
日がさしているともっときれいなのだが、雨もまたよい、(と思おう)
       

「金色堂」を出て「経堂」の前の『いろはもみじ』は、中尊寺名物なのであるが、やっぱり時期が過ぎてしまっていた。

で、能舞台に行くところにあった釈迦堂の前で


それから、能舞台から竹林と紅葉をぱちり



そして私的には中尊寺の紅葉の重要なポイントである「大長寿院」の門の外から


反対側(つまり大長寿院敷地内から)


釈迦堂の庭


だんだん雨脚が強くなってきたので、早々に山を下りることにしたのだが、下りてくるときの月見坂でパチリ


最盛期を過ぎてはいたが、満足の中尊寺であった。

次は松島の円通院か、そして中尊寺は来年の正月に。

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めしばな刑事(デカ)タチバナ 第7巻 原作:坂戸佐兵衛 作画:旅井とり 徳間書店

2012-11-12 23:16:04 | 読んだ
第7巻は「うどん百景」である。

そもそもこのマンガは、タチバナという刑事が主人公で、事件を解決する・・・イヤしない。
犯人もしくは容疑者がくると、その言葉の端を捕まえて「メシ」の話に強引に持っていくのである。

そして、今や彼は、どうでもいい時まで「メシバナ」を始める。
始めたが最後、延々と続くのである。

今回は「第76ばな」から「第87ばな」まで11話収めているが、そのうち7つが「うどん百景」である。
つまり「うどん」について語っている。

タチバナが語るメシバナは、例えば「美味んぼ」の山岡の語るような話ではない。
高価な食材を使い、天才的なシェフや板前が作るものではない「食べ物」が主題だからだ。

例えば、第76ばな「ねぎ味噌ラーメン」で取り上げられている店は「くるまやラーメン」である。第77ばな「自販機アイス」ではグリコの17アイスが主人公である。

そして、メインである「うどん百景」では、日清の「どん兵衛」とマルちゃんの「赤いきつね」の対決から始まって「カップ麺は東日本と西日本で味付けが違う」とかに広がり、さぬきうどんのチェーン店を語り、うどんの「コシ」について、コシのないうどんもある、いやコシのないうどんが多いということから大阪から九州までチェーン店を語る。

更に、東に戻ってきて、うどん屋のパスタまでたどり着くのである。

表紙カバーの折ったところにこういうことが書いてある

この作品に現れる都会は架空のものである。
  登場人物も場所も全て虚構である。
ただし”めしばな”は実際の捜査方法に基づいている。


ということは、作者はこの物語に登場するチェーン店を食べ歩き食べ比べているということなのか?
と思うと、スゴイ!とか大したもんだ!とかエライ!となるのだけれど、大体1巻を読み終えるころには、あきれる、という気持ちになり、更に「なんだかバカバカしいなあ」と思うようになる。

多分それが作者の狙いなのではないだろうか。
つまり「グルメ」なんてバカバカしい・・・と。

このマンガはアサヒ芸能に連載されているという、それだけでアサヒ芸能を定期購読しようかなんて考えている。
書店、コンビニで立ち読みをしてもいいのだが、アサヒ芸能の立ち読みってなんだか引っかかるところがあるんだよなあ。

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新・野性の証明 森村誠一 角川文庫

2012-11-10 23:30:17 | 読んだ
久しぶりの「森村誠一」
そして、これまた久しぶりの「棟居刑事」である。
というか、いつまで棟居は現役なのか?

本書は『新』とあるので『新』のつかない「野性の証明」もあるわけで、これは相当昔読み、そして映画を見た。
映画の封切が1978年10月、ということは昭和53年。
その前年の昭和52年は「見てから読むか、読んでから見るか」というCMの角川映画第1作『人間の証明』であった。

森村誠一はこの人間の証明でブレイクしたのであるが、私は高校時代に図書館から借りて読んだ『高層の死角』以来ファンで、やっと森村誠一が認められた!と感激したものであった。

ただ『人間の証明』は素晴らしい作品であったが、『野性の証明』はどちらかといえば「なんだかなあ」という感想であった。
なんというか、ちょっと『突飛』すぎるのではないかということが、いわゆる「推理小説」としては異端であったように思う。
今思うと、『野性の証明』は推理小説ではないんだろう。

本書の解説(池上冬樹)でも『アマゾンの書評やインターネットの感想を拾うと(中略)苦い結末だけはもうひとつ共感を抱かれていない』と紹介されている。
なんだか、解決されていないのではないか?というのが私の印象であった。

さて、『新』である。
この設定も、いわば「荒唐無稽」といえる。
こんなのあるわけないじゃん。という突っ込みを入れたくなる。

まあいろいろあるのだが、つまりは、国際的な戦争請負・暗殺請負業者と、小説家を志す「小説教室」の塾長と塾生が対決する。
プロとアマの対決なのに、アマの塾生たちが徐々に『野性』を甦らせていき遂には勝つという。

ラストで戦うところなどは大スペクタルといってもいいのだが、そこに警察が絡んだりするので、なんだか無能な警察の印象が残る。せっかく、棟居刑事も登場しているのに。

サービス過剰というか、エンターテイメントということで読めばいいのだろうが、なんだか「違和感」が残る。

しかし、読んで物語の中に入り込んでしまえば、そういう構成とか設定に関する違和感は薄れて、どうなるんだろう?誰なんだろう?ということでグイグイといってしまうので、安心してください。

人間の中にある「野性」とは何か、それは何かあれば覚醒するものなのか、ということが主題であると思うのだが、このようにうまく覚醒するのは、やっぱり小説であるからなのだろう。

物語の端々で小説教室について描かれていて、小説とは何か、みたいなことも多く語られているが、解説の最後で『本書は、小説を書きたいと思っている人々にはとくにお薦めだろう』とあるのは、それはちょっと言い過ぎじゃない、と思った。

まあ何やかやと言ってはきたが、物語は面白い。
で、ここで「違和感」に思い当るところが出てきた。
つまり、この物語が「大藪春彦」によって書かれたのであれば、わりとすんなり行ったと思うのだが、森村誠一の小説、ということで、私のほうがちょっと構えたため、違和感が生じたのだと思う。
したがって、そのあたりあまり気にしないで読んでいただければと思う。

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愛・・・しりそめし頃に・・・<満賀道雄の青春>10 藤子不二雄A 小学館

2012-11-07 22:59:40 | 読んだ
藤子不二雄Aによる自伝的マンガである。

ビックコミックオリジナルの増刊号に連載されている。
この増刊号は年に6回ぐらいしかでないので、単行本になるのも時間がかかる。

今回の10巻は、2008年が3本、2009年5本、2010年1本の計10本が収められている。
そして、巻末特別付録として昭和39年1月1日号の別冊少年サンデーに掲載された「どれい狩り」を「ザ・ハンター」と改題して掲載している。

そうなのだ、「まんが道」以来、この自伝的マンガにはそのころ書いたマンガが掲載される。
それがまた面白い。

さて、この「愛・・・しりそめし頃に・・・」の舞台は、主に、というか「ほとんど」あの有名な椎名町のトキワ荘である。

このトキワ荘に、漫画家を志す若者が集まり、住み、切磋琢磨していく。
こんな嘘のような現実があったということは、もう物語の世界である。
だから、日常の些細なことさえも素晴らしいお話になってしまう。

この物語の進む時間は非常にゆっくりである。
こんなに時間が進まないのもない。
日記をじっくり読んでいるようなのである。

今回の9編で、最も印象深かったのは「テラさんの決断!」である。
トキワ荘の最初からの住人で、新漫画党の総裁である寺田ヒロオは、みんなから頼られ愛されていた。
マンガであっても生活であっても彼はみんなの柱であった。

その寺田ヒロオが、マンガ雑誌が増えることによってマンガが堕落している。
「子供たちに夢を与える漫画」でなければならない、と、寺田ヒロオは心の底から思っている。
で、自分の漫画が堕落した漫画と同じ雑誌に載るのは耐え難く、その作品の掲載をやめるよう編集長に要請する。
しかし、マンガ雑誌は堕落した漫画も必要である。
結局、寺田ヒロオは筆を折る。
師匠である手塚治虫の説得も振り切ってである。

人とは何か、信念とは何か、そして信念を貫く人とは・・・ということを考えさせられる。

また「赤塚不二夫 大ブレーク」も、チャンスとか辛抱とか才能とかについて考えさせられる。
石森章太郎のアシスタントのような漫画家生活をしながら辛抱し、そして1回のチャンスをものにし、大ブレークする。
ずっと、赤塚不二夫を見続けてきた我々は、うれしく思いほっとするのである。
(もうブレークすることは分かっているにもかかわらず)

「空手修行」では、大山倍達らしき(イヤ大山倍達本人である)人物が登場し、そういうこともあったのか、と改めて感心したりした。

近頃は、ビックコミックオリジナル増刊号も手に入るようになったので、最新版も読んではいるのだが、こうして単行本になっているものをじっくり読むのが、やっぱり楽しい。

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道の駅スタンプラリー02 早池峰は雪だった 恐怖の県道25号線

2012-11-03 23:20:02 | 日々雑感
本日も道の駅スタンプラリーに出かけてきた。

スタンプラリーに参加しながら「紅葉」を楽しもうという狙いである。

家を出て東北道に向かう途中、栗駒山が雪をかぶっているのをみた。
もう雪の季節なのか、と軽く思う。
まあ今日行くところは早池峰をぐるりと回るコースでまだまだ雪はないだろう。



というわけで、盛岡から宮古へ向かう国道106号線を走り、北上山地に入ると紅葉がきれいである。すこし天気が悪くはなってきたが、いい気分である。

盛岡市と宮古市の境界である「区界(くざかい)トンネル」を抜けると、道の駅「区界高原」<ビーフビレッジ区界>である。




ここで丁度正午だったので昼食をとることとした。

ビーフビレッジという名だけあって、牛ステーキがうりであるが、蕎麦を食べることとした。本日は寒いので天ぷらそばである。


十割そばで太い、食べごたえがある。更に天ぷらは揚げたてでおいしかった。
尚、ここでは『紫蘇原液』を購入、焼酎に入れるつもり。

そのまま106号線を東に向かい、道の駅「やまびこ館」<閉伊の郷かわい>に到着。




今日、明日とイベント「煮しめサミット」とのこと。我々が行ったときは「オークション」をしていた。サミットは明日が本番とのこと。

ここでは「辛味大根」と「蜂蜜」を購入。

さあここからは早池峰山を迂回して南側の道の駅「早池峰」に向かう。
紅葉も本番だろう!

106号線から横沢鉱泉へ向かう道へ曲がる。ここから県道25号線へ行くつもり。
高度が上がるにつれ紅葉は少なくなる。





いやあすごい景色だった。そして更に標高は高くなり、県道25号線にでる。
県道25号線を早池峰方向に進むとさらに標高は高くなり、景色もよくなるだろう。
と、思っていたら、道端に白いもの。
「雪」である。
おお今年の初雪!と感激したもの束の間。さらに標高が上がると、道に雪が・・・



いやあ、ヒヤヒヤものの運転でした。まだ登っているときはよかったのだが、下りとなった小田越から河原坊あたりまでは、ヒヤヒヤどころか怖かった。

早池峰神社まで下りてくると、秋景色、いやあホッとしました。

道の駅「早池峰」<神楽とワインの里>は、道の駅とレストランが道路を隔ていて、しかも道の駅は無人なので「さびしい」


あまりさびしいので、レストランのほうには寄らなかった。

これで31駅完了。
来年1月15日までは80駅は無理なので、これからはゆっくりとドライブしようと思う。なにしろ、これからは「雪」の季節なのである。

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エムズワース卿の受難録 P・G・ウッドハウス 文春文庫

2012-11-02 22:41:59 | 読んだ
本屋で、目に入って買った本である。

文庫の帯には

綿菓子のような頭(おつむ)の伯爵を襲う、無法の大騒動

<全短編収録>

田園生活をこよなく愛す、”スローなご主人”が迷走するユーモア小説



とあり、更に気が惹かれたのだ。

著者の『P・G・ウッドハウス』は、ユーモア小説作家で有名らしいのだが(文春文庫でこの本を含め4冊発刊されている)、これまで全然知らなかった。

で、この短編集には10編と特別収録作品1編が収められている。

主人公の「ロード・エムズワース」は伯爵である。ロードは侯爵伯爵子爵男爵:つまり卿、エムズワースは地名である。本名はクラレンス・スリープウッド。

この呼び名だけで、大いに戸惑う。
「ロード・エムズワース」と書かれていたり、クラレンスと書かれていたりする。

このあたりが、翻訳ものの大層厄介なところである。

そしてもう一つ、厄介なのは、英国や西洋史をよく知らないために比喩などがよくわからないことである。

だから多分もっと面白いのだろうと思うのだが・・・

まあそういうことのハンデを除いても面白かった。

主な舞台は、ロード・エムズワースの住むブランディングズ城である。
主人公のエムズワースは「綿菓子のようなスローな頭脳」でもって、この城で或いは領地で起きる事件(大して大きな事件でもないのだが)に対処する。

そもそも「綿菓子のようなスローな頭脳」というのがよく理解できない表現なのであるが、兎も角、的を得た対応ではなく、というか、卿としては対応したくないのが本音で、自分の興味を持つことだけに集中していたいので、上っ面の対応になってしまう。

したがって、周辺の人たちとのギャップが笑いとなるわけである。
まあ、その周辺の人たちも相当に変な人たちなのだが・・・

古い英国の貴族社会を描いているので、その風俗や習慣などが目に浮かばないので、できれば、この辺りを描いているテレビとか映画があればなあ、とも思ったりした。

そういう意味では、昔の少年少女名作には必ず「挿絵」というのがあって、想像を手助けしてくれた。
そんなことまで思い出してしまったのである。

また、気が向いたら、この著者の作品を読んでみよう。

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